テックリードとして攻め続ける。よりユーザー体験を意識したアプリ開発を目指して

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馬場 聡史
商品開発本部 システム統括部 システム開発部 スマートフォンアプリ開発課 テックリード ▼詳細

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馬場 翔大
商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 関西制作課 ▼詳細

アプリチームでテックリードを務める馬場に、『バイトルPRO』リリース時にディップ初となるFlutterを導入した際の裏側や、挑戦とコミュニケーションがキーワードとなるチームの雰囲気について聞きました。

ただ作るだけじゃない。“ユーザーに届けるために”を考えるチーム

ーーーテックリードについて伺う前に、まずはディップのアプリ開発チームがどういった組織なのか教えていただけますか?

馬場:主な業務は『バイトル』『バイトルNEXT』など自社アプリの開発です。機能の実装や、日々の改修業務を行っています。その中で、最終的な目標は全ての操作を直感的に行えるアプリにすること。平たく言うと、自分の手足を動かすくらい自然な操作感を目指しています。

システム統括部長の宮内さんも話していましたが、前提として、ユーザーは仕事を探すためにいくつもアプリを使いたいと思っている訳ではありません。また、一度、使いづらいと感じたら、すぐに離脱して、戻ってくることはない。ですがこれは、逆に捉えると、少しの違和感もなければ、ずっとアプリを使ってもらえるということです。そのために、ユーザー体験を意識した開発は最重要だと考えています。

ーーーそのために取り組んでいることはありますか?

馬場:ここ1,2年の動きなのですが、開発作業だけでなく企画から一緒にプロジェクトを進行していく機会を増やしています。ただ指示通りに開発を行うのではなく、企画部門と話し合うことで機能の意図を汲み取り、最善策を一緒に考えています。

また、企画部門と合同でデザインスプリントを開催しています。エンジニア以外の方と意見交換する機会が増えたことで、ユーザー視点で課題を捉える力が徐々についてきていると感じています。

ーーーアプリの開発体制についてはいかがでしょう?

馬場:アプリのマルチモジュール化、アーキテクチャの刷新に向けて、導入する技術のロードマップの作成をプロジェクトとして進めています。

バイトルアプリは2010年にiOS版、2011年にAndroid版をリリースし、動画機能、体験・見学機能など、他社にはない独自の機能を取り入れてきました。それから約10年、多くの人が開発に携わってきたため、ソースコードや、開発フローに標準化できていない部分が多く残っているんです。

ーーーより作りやすい体制を整えている最中なんですね。

馬場常に最良のアプリを使ってもらうには、良いものを早く届ける仕組みが必要です。宮内さんが「すべての仕事はディップで探せる状態にする」と言うように、世の中の仕事を探している人全員が僕らの作ったアプリを開いている姿を想像すると、ちょっとワクワクしてきますね。

リスクより挑戦。実務経験ゼロの技術を導入した理由

ーーーテックリードとしては、どのような業務を行っていますか?

馬場:主にテクニカル面でアプリチームを牽引する役割を担っています。具体的にはサービス開発フローの改善や、技術の導入・検討の判断ですね。例えば、2021年5月にリリースしたディップ初となる専門職の総合求人サイト『バイトルPRO』のアプリ構築は、僕が主導して進めました。

ーーーリリース時は、会社全体が“バイトルPRO一色”だった覚えがあります。

馬場:一大プロジェクトでしたからね。開発期間は約1年。50名ほどで、iOSとAndroidの両方を作らなければいけなかったので、要件の選定と工数の確保に頭を悩ませました。

ーーースタート時点でギリギリのスケジュールだったと。

馬場:大まかな仕様はバイトルアプリに準拠していたので、あらかじめ必要な機能の洗い出しを行い、データの更新、取得に必要なタイミングを算出。納期のリミットから逆算して、スケジュールを引きました。しかし、それでも厳しいことが分かり、新たにFlutter(Google社のソフトウェア開発キット)の導入を決めました。

ーーーなぜFlutterに?

馬場:理由はいくつかあります。まずは、開発期間の短縮。Flutterはクロスプラットフォームという、異なるプラットフォーム上で同じ仕様のアプリを動かせるプログラムです。そのため、iOS、Androidの並行開発が可能になる上、改修業務も同時に行えるため大きな効率化が期待できました。ただ、Flutterの実務経験を持っているメンバーが誰も居なくて…。

ーーーそれは導入もすこし躊躇しますね…。

馬場:そのため、実際の開発に入る前に、3週間ほど勉強期間を設けました。通常、個人の勉強期間を開発工程に組み込むことはまずないのですが、それを差し引いてもメリットが大きいと考え、Flutter導入に踏み切りました。他のクロスプラットフォームも検討したのですが、僕自身が触ったことのある言語でサポートに回れること、使用言語のDartとJavaのコードの書き味が似ているため、Androidメンバーをアサインしやすいことが後押しになりました。

ーーー実現できる根拠があったんですね。

馬場:加えて、ディップの開発チームにとって大きな実績になるのという点も導入の決め手になりました。当時Flutterは、Google社が開発したソフトウェア開発キットとして注目されていましたが、国内での導入事例は少なかった。ディップの新サービスを、新たな開発技術を用いてリリースできれば、開発チームとして次のステージに進めると考えたんです。上司も同じ意見で、「よし、やってみよう」と言ってくれました。無事リリースされた今、僕らの中で自信になっていますね。

ディップにテックリードの型はない。チームのために自由な提案を

ーーー馬場さんは、テクニカル面以外でのサポートも積極的に行っていると伺いました。

馬場:最近、アプリチームのメンバー30名と1on1ミーティングを始めました。日常的なコミュニケーションはできていますが、もう一歩踏み込んだ会話を改めてしたいと思っていて。僕が思っている課題感が、みんなにどう伝わっているのかと、みんながどういった思いを持って仕事に臨んでいるかを再確認するために、実施を決めました。

ーーーじっくり1対1で話せる時間を設けたわけですね。

馬場:なのでメンバーには「不満でもいいから何でも言ってほしい」と伝えています。先ほどお話しした『バイトルPRO』のように、チーム全体に関わる技術の導入を決めるのが僕の役割です。全員が高いモチベーションで仕事に向き合えるよう、メンバーの目指す将来像に近づけるようなアドバイスをしていきたい。そのため建前は無しにして本音を聞きたいんです。

数日前に決めたばかりなので、まだ10名ほどと話した段階ですが、仕事の相談から、プライベートの話まで、知らなかった一面が伺えて、やってよかったと思っています。

ーーーメンバーの育成に関することもされているんですね。

馬場:技術的なトレンドを追いかけ、アプリチームを引っ張ることはもちろんですが、型に捉われる必要はないと考えています。ディップにおいて、テックリードというポジションは浸透し始めた段階ということもあり、自由度はとても高いと思います。明確な目的があれば快くゴーサインを出してくれる会社なので、この1on1に関わらず、チームのためになることを、これからも進んで提案していきたいです。

テレワークでも関係性を築きやすい。壁を感じないコミュニケーション環境

ーーーシステム開発部ではメンバー間のコミュニケーションを積極的に行っている印象がありますが、チーム内の交流についてはいかがでしょう。

馬場:年次やキャリアに関わらず、活発に交流できていると感じています。現在はテレワークがメインですが、ツールをうまく活用しているため意思疎通が図りやすく、テックリードとして助けられている場面も多いです。

ーーー具体的には?

馬場:最近では、バーチャルオフィスのSpatialChatを導入しました。Slackなどの文字コミュニケーションと比べて「どう?作業は進んでる?」など、こちらから気軽に声をかけることができるので、メンバーの状況を把握しやすいです。

また、Slackではtimesという雑談チャンネルを個人で作って、自由につぶやいています。雑談はもちろん、真面目な技術談義や開発に関する相談まで。ある意味、いちばん人柄がわかる場かもしれません。

ーーー僕も何名かのtimesに参加していますが、すごい早さでタイムラインが流れることもあって驚きました。

馬場:CTOの豊濱さんを始め、業界歴何十年のベテランと新卒1年目の若手とが、自然に話せる場所があるのは良いですよね。関係性を築きやすいのは、大きなメリットです。これは社内だけでなく外部パートナーの方達とも同じで、壁は一切感じていません。

先ほどお話したFlutterの導入も、メンバーから不満の声が出る心配もありました。ですが、日々のコミュニケーションを積み重ねてきたからこそ、僕の挑戦したいという意図がみんなに伝わり、スムーズに進められたと思っています。

肩書に捉われず、テックリードとして挑戦を続ける

ーーー最後の質問です。ディップのテックリードには、どんな人が合うと思いますか?

馬場:ディップは良いアイデアであれば、何でも挑戦できる会社です。意見の言いやすさもありますし、サービスをより良くするために自分から動ける人なら、きっと多くの経験を詰めると思います。

ーーー良いサービスの指標になるのは“ユーザー体験を意識できているかどうか”でしょうか?

馬場:そうですね。「ユーザーが求める機能の開発につながっているか」この視点がサービス向上につながるのだと考えて、日々の開発を行っています。加えて、ディップは創業から25年、アプリリリースから10年以上が経っており、過去にさまざまな経緯で開発が行われてきました。その中には、今の時代には沿わない部分もありますが、現状をただ批判するのではなく、“なぜこのような仕様になってしまったのか”“その上でどうすればいいのか”を考えることが大切だと思います

この視点さえあれば、どんな提案も認めてくれる会社です。テックリードの肩書に捉われず、興味のあること、必要だと感じたことは、これからも取り入れていきたいですね。

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馬場 聡史

商品開発本部 システム統括部 システム開発部 スマートフォンアプリ開発課 テックリード 2019年5月入社。アルバイト情報サイト「バイトル」のモバイルアプリを担当。趣味は邦ロックでフェスへよく行く。

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馬場 翔大

商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 関西制作課 原稿作成や取材を通して、クリエイターとは何たるかを模索中。スキあらばラムネを食べてる。