森田さん、これからのクリエイティブ統括部って、どうなっていくんですか?【編集長のキニナル社員 Vol.2】

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森田 亮
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 統括部長 ▼詳細

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高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

こんにちは。dip people編集長の高橋( @MasanTakahashi )です。
第2回目の「編集長のキニナル社員」は、僕が所属しているクリエイティブ統括部の統括部長、森田亮さん。
前職はエンジニアで、ディップに入ってからも制作職→バイトルの編集長→クリエイティブ組織の統括部長と多岐にわたる仕事を経験しています(前回のインタビュー記事はコチラ)。
そんな「クリエイティブ一辺倒」ではない森田さんだからこそ見える、あるべき組織論、今後の課題とは。

求人広告は“比較検討”が前提のクリエイティブ。

高橋:本日はクリエイティブ統括部のボス、森田さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

森田:よろしくお願いします。

高橋:早速ですが、「求人広告のクリエイティブ」ってちょっと特殊な世界だと思ってるんですけど。森田さんはどうお考えですか?

森田:まぁ求人広告のクリエイティブ論については過去にいろんなメンバー(【1】【2】)が答えてくれてるから、基本はそこに譲るとして。
過去にバイトルの編集長を経験して、サイト全体を見ていたこともある俺の立場で言うなら、「“比較検討”が前提のクリエイティブ」というのが求人広告の特色だと思うかな。

高橋:というと?

森田:うーん、分かりやすくいうと、「ポスター」をつくるんじゃなくて「カタログ(の1ページ)」をつくる感覚というか。求人“広告”なんていう名前だからみんな“広告”のほうに引っ張られがちなんだけど、俺的には求人サイトって通販サイトとか雑誌の「ラーメン店特集」とかのほうが近いと思ってて。その情報を欲してる人たちがいて、ページを開くとずらーっと似たような候補が並んでて、その中でピンときたものを選び出す、みたいな。

めちゃめちゃ当たり前のことなんだけど、でも意外とひとつのクライアントと向き合って仕事をしていると、「この会社オリジナルな広告をつくろう」とか「いいコピーを書こう」とか、そっちにばかり目が行っちゃって、肝心の「サイト上でどう見えるのか」「比較検討した上でちゃんと選んでもらえるのか」という視点を忘れがちなことも多い気がするんだよね。とくに「広告好き」な人こそ陥りがちなのかも。

高橋:ちょっと分かる気がします。さっきの話で言うなら「完璧なポスターをつくることに専念しちゃう」みたいな。

森田:そうそう。まぁそういう考え方とか、ひとつのクリエイティブ(制作物)をつくり込む力が悪いわけではないんだけど、その前に「求人サイトはどういう構造で、求人広告はどういう役割を果たすべきなのか」は冷静に見ておきたいよね。

 

“クリエイティブ”の一神教じゃダメ。もっと“八百万”な組織にしていきたい。

高橋:ちょっとそのあたりとも関連すると思うのですが、僕らがいるクリエイティブ統括部もここ数年でいろいろ変化してきましたよね。森田さんがバイトルの編集長を経てクリエイティブ統括部に来られたのが2017年だと思うのですが、そこからは何をやられてきたんですか?

森田:ひとことで言えば「クリエイティブだけじゃダメ」だと思った。

高橋:と言うと?

森田:クライアントの理解を深め、ターゲットを定め、魅力を伝える広告(コピー、デザイン、動画)をつくる。この力は当時からあったけど、「サイトのデータを活用して効果が出る方法を探る」とか「たくさんの広告を効率よくつくる」とかはそこまで得意じゃなかった。だからここ数年で、ExcelやVBA、RPAなどいろんな技術を使って効率よく効果の出る運用を考える「広告BPR推進部」という組織をつくったり(【3】【4】)、データ分析を専門とする課をつくったり、そういったいろんな知見・スキルを活かして大手クライアントの課題解決に取り組む専門のチームをつくったりしてきたかな。

高橋:たしかに、昔に比べると、「クリエイティブ」以外の手法も使えるようになってきましたよね。森田さんの理想とする組織にはだいぶ近づきましたか?

森田:「広告制作」という単一のスキルだけじゃなく、BPR、データ分析のプロフェッショナルが育ってきたのは良かったかな。
でも自分が理想とする組織はもうちょっと先にあって、たとえて言うなら“一神教”ではなく“八百万(やおよろず)の神”な組織にしたい。

高橋:(八百万…?)

森田:組織が大きくなって、専門化していくと、どうしても自分たちのミッション、目標にばかり目が行ってしまう。「自分たちの正義」だけを信じてしまうというか。
でもそういう組織は今後生き残れないと思っていて。各々の専門性とか、信じるものとか、価値観とか、そういうのはあっていいんだけど、その上でお互いを認めてリスペクトして、最後はみんなで同じほうを目指していく組織にしていきたい。
クリエイティブ統括部も、今もみんながてんでばらばらなほうを向いてるわけではないけど、もっとシナジーを生み出せる組織になれるはず。

高橋:ウチの会社に限らず、どんな組織でも起こりえそうな問題ですね。それってたとえばお互いの仕事の共有会とか、意見交換の場が大事なんでしょうか?

森田:もちろんそれも大事だね。相手がどんな思いで何をしてるのかを知らないと、リスペクトの気持ちも生まれないし。

あとはもっと根本の問題解決でいうと、「評価軸」をなるべくそろえていくとかかな。俺たちの仕事は本来顧客とユーザーのためであるわけだから、「顧客満足度」や「ユーザー満足度」をはかってそれを全員の指標にするとか。

高橋:なるほど。

森田:あくまでもひとつの例だけどね。でもクリエイティブ統括部でもっとシナジーを生み出していくために、何かしら施策を打とうとは思っている。そこは今後の俺の宿題かな。

 

自分たちの仕事を通して、日本の生産性を上げていく。

高橋:最後に、森田さんが個人的に実現したいことなどあれば教えてください。

森田:今、コロナの給付金申請とかでまさに問題になってるけど、日本ってまだ紙の文化であったり、無駄が多いと思っていて。そういう無駄を省きたいというか、デジタルで解決したいという思いはある。

高橋:それって僕らの仕事とも関係するんですかね?

森田:うん。ディップも、「求人情報」を紙からWeb化してきたし、今はRPAを使ってクライアントの手間な作業を効率化してたりするよね(【5】【6】)。
たくさんのクライアントと直接関わる機会があるからこそ、採用の現場で起きている課題が分かるし、そこから新たな商品を生み出せるし、その便利な商品を日本全体に浸透させていけるんじゃないかな。

高橋:なるほど。

森田:ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけど、俺たちが本気で仕事をすれば日本の生産性を上げられる。それくらいのことを目指してやっていきたいね。

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森田 亮

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 統括部長 2004年8月入社。バイトルの編集長を経て、ディップ自社媒体の原稿制作や画像、動画、フリーページ、メルマガなどクリエイティブ領域の統括を担当。絶叫マシンが苦手。

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高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。