白黒つけたい性格だから。 混沌から最適解を見つけるのが楽しい。

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熊谷 亜希子
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告BPR推進部 2課 ▼詳細

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鈴木彩子
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 ▼詳細

1度に何百件、何千件と掲載する大手クライアントの求人広告をExcelデータを使って作成・メンテナンスしたり、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術を使って業務の効率化を図ったり。クリエイティブ統括部の中では「ザ・技術職!」といったポジションの熊谷さん。でもディップに入るまではExcelもほとんど触ったことがなかったそうです。

正解のあるものづくりをしたかった。

鈴木:前職はアパレル関係でしたっけ?

熊谷:パタンナーアシスタントという、洋服の型紙を描く人のアシスタントをしてました。でも給料は安いし、残業代はつかないし、有休はないし。今考えると3年も働いてたんだから有休がないわけないのに(笑)。それで転職を考えたときに出会ったのがディップでした。服を作るのも、広告を作るのも、ものづくりの一環として共通するところがありそうだし、面白いかもしれないと思って。

鈴木:入社直後は求人広告のライティングとかもやられてましたよね?

熊谷:そうですね。原稿を書いたり、あと前職でPhotoshopを使ってたこともあって、デザイン系の業務もやらせてもらってました。でもねー、作るのは好きなんですけどクリエイティブがダメだって気づいちゃったんですよね。

鈴木:と言いますと?

熊谷:白黒はっきりしないのが嫌で。文章もデザインも正解がないじゃないですか?アパレルのときも、服のデザインじゃなくて型紙を作るほう、つまりデザイン画を渡されて「それをどうにかして形にしてください」って言われて、知恵を絞って製図をするということをやってたので。

鈴木:ああ、「正解のあるものづくり」ですね。

熊谷:原稿業務もデザイン業務も向いてないなあって思っていた中で、楽しいと思えたのがExcelデータを使って原稿を運用・メンテナンスする業務だったんです。

鈴木:でもExcelは入社してから覚えたんですよね? それまではほとんど触ったことなかったって。

熊谷:当時担当していたExcel業務のマニュアルが、ほとんど手順書って言っていいぐらい細かく書かれていたんです。「ここに1列挿入して、この関数を入れる。で、これをコピペして、これをこうする」みたいな。それを毎日やるわけですから自然と慣れていきました。で、毎日やってるとだんだん「これもうちょっと簡単にできないかな?」とか「ショートカットないかな?」とか、ぶっちゃけ「これ毎日やるのめんどくさっ!」というのが原動力になって(笑)、けっこう調べたりして少しずつ知識を増やしていきました。

鈴木:そして今では、もっと上流工程というか、仕組みそのものを作る部分から携わってますよね?

熊谷:そうですね。ただ決まりきったことをやるんじゃなくて、もっと自分の意見が反映されるような業務をやりたいと思うようになったんです。それを当時の上司に話したら、だんだんとそういう機会をいただけるようになって…という感じですね。

鈴木:今所属している広告BPR推進部では具体的にどんな仕事をされてるんですか?

熊谷:うーん…いろいろやってるから説明が難しいんですけど、いくつかの大手クライアントの個社担当として、Excelデータを使って大量の求人広告を作成・掲載したり、作った求人広告の運用・メンテナンス作業をやりつつ、各クライアントの担当営業さんからの相談に乗ったりしてます。

鈴木:どんな相談が来るんですか?

熊谷:例えば、「特に応募が少ない店舗用に、別の切り口の求人広告を作りたいです」って相談されたら、じゃあベースとなる原稿を広告制作部に作ってもらって掲載してみましょうかって話をしたり、「大学が多いエリアには学生さんターゲットの原稿を…みたいな感じでエリアの特徴に合わせた求人広告を打っていきたいです」って相談されたら、じゃあデータプランニング課に依頼して詳細なデータを出してもらって、それを見ながら出稿エリアと広告の切り口をいっしょに考えましょうかって話をしたり。なんかそういう、采配みたいなことを結構やってるかもしれません。

鈴木:仕組みを作って采配を振って。もはや軍師っすね(笑)。

 

三方よしならぬ“四方よし”を目指して。

鈴木:仕事をする上で心がけていることはありますか?

熊谷:ユーザー、クライアント、担当営業、そして私たち制作スタッフ。その四者みんながいちばん幸せになるところを見つけてバランスを取ることですね。例えば、営業さんはクライアントが少しでも早く求人募集をスタートできるようにちょっと無茶な納期の依頼を持ってくることがあります。「明日までに新規で300店舗分の求人広告を作ってもらえませんか?住所などの店舗情報は企業HPから目視で1店舗分ずつ転記で!」みたいな。…あくまで極端な例え話ですよ?(笑)で、作業する私たちからすればクライアントからExcelで店舗情報を送っていただくほうが圧倒的に時間短縮になるし転記ミスも防げますよね。でも、もしクライアント側にこちらが望むようなデータがなかった場合、イチから作っていただくことになっちゃうので、それもなんか違うよな、と。だからと言って情報が少なくて分かりづらい求人広告がユーザーの仕事探しの役に立てるとは思えない。だから、常に四者みんなのいいとこ取りじゃないですけど、バランスが取れる状態でうまく運用していける方法や仕組みはないかな?って考えるようにしてます。

鈴木:そんな風に三方よしならぬ“四方よし”を意識できるようになったきっかけみたいなものはあったんですか?

熊谷:はっきりとしたきっかけがあるわけじゃないですけど…クライアントと直接会って運用方法をいっしょに考えた経験は大きかったかもしれないですね。私ずっとクライアントの気持ちを理解するっていちばん難しいと思ってたんです。他は想像できるじゃないですか?ユーザーの気持ちは自分がディップに入る前とかに仕事を探してたときの経験から想像できるし、担当営業さんの気持ちも普段の業務でよくコミュニケーションを取ってるから何となくわかるようになってきますけど、クライアントの気持ちを知る機会にはなかなか恵まれなくて。でもあるとき、大手チェーンの担当営業さんが「クライアントが『もうそろそろこっちでチェックしなくても大丈夫な体制を整えてもらえるとうれしい…せめてチェックにかかる時間を減らしたい…頼むから…』って言ってるんですけど、何かできることはないですかね?」って。

鈴木:そのチェック担当者さん、だいぶ追い詰められてるじゃないですか(笑)。

熊谷:確かに大量の求人広告を1つ1つ、ものすごく細かいところまで丁寧にチェックしてくださるクライアントだったんです。職種がものすごく多い上に、時間帯や職種ごとに給与が違ったり、店舗ごと・月ごとに募集職種が異なったりして、ただでさえミスが発生しやすかったので。納品する前には社内で必ずトリプルチェックしていたんですけど、それでも心配だからってクライアントのほうでもさらにチェックしてくださっていて。

鈴木:でもクライアントのチェック担当者さんに限界がきたと。

熊谷:だから「信用を取り戻す」じゃないですけど、直接お話を聞きに行ったんです。実際に話してみたほうがクライアントが抱えている課題とかお悩みをヒアリングしやすいので。

鈴木:行ってみて、いかがでしたか?

熊谷:良かったです。「こちらとしても見やすいデータを用意したいんだけど、なかなか時間が取れなくて…」のようなクライアントのリアルな声を聞けたので、「じゃあなるべくシンプルな操作でデータを整えられるExcelツールを作ってみますね」ということで少しお時間をいただいて。ツールが完成したときに再度お伺いして、「この処理のときにこんな風にデータが入るので、もうここのチェックはいらないですよ」という感じで仕組みから説明することで、安心して使っていただけるようになりました。クライアントを巻き込んで運用の仕方を考える機会に恵まれたのは本当に大きかったですね。

鈴木:そのツールによる業務効率化のおかげで、チェック担当者さんも救われたでしょうね。


広告BPR推進部のメンバーと。

 

良かれと思ってやった業務効率化に思わぬ壁が。

鈴木:業務効率化と言えば、RPAを使った業務改善プロジェクトのメンバーにも選ばれてましたよね?単純作業や反復作業を自動化できて日々の業務を楽にしてあげられる半面、AIと同様「ロボットに仕事を取られる」という不安の声との闘いでもあったんじゃないですか?

熊谷:そうですね。さっき出てきたExcelツールだと、手間を減らして作業時間を短縮するところまでなので「楽になった!」って喜んでもらえることのほうが多いんですけど、RPAは仕事そのものを自動化してしまうので「やることがなくなっちゃう!」という不安と抵抗は強かった気がします。こっちとしては、業務の担当者さんと最初にミーティングを開いて「こういう業務を自動化しようと思ってるんです」ってきちんと説明していたつもりだったんですけど、今思えば配慮が足りなかったというか…いざロボットを作るぞとなったときは窓口である私とプログラマーさんだけのやりとりになってしまうので、業務担当者さんを「自分だけ蚊帳の外…」という気持ちにさせちゃったのかもしれないなって。だからそれ以降は、常に業務担当者さんに「今はこういう状況で、こんな風に進んでますよ」と声をかけながら進めるようにしました。

鈴木:仕事って存在意義と直結しちゃってる部分もありますもんね。RPAを導入する場合は、技術的な部分はもちろんですが、働き方が急激に変化しちゃう人への寄り添い方がとても大事になってくると。いやあ、大変なご経験をされましたね。

熊谷:いえいえ。ディップって新しいところに目を向けて対応するのが早くて面白いなと思うんです。RPAの導入を考えている企業同士の情報共有会に行く機会があったんですけど、「上層部の頭が固くて」とか「古いやり方に固執する人ばかりで話が全然進まないんです」みたいな話ばかりだったので、そう考えるとウチはだいぶフットワークが軽いな、と。「とりあえずやってみる!」「ダメだったらすぐやめる!」みたいな。

鈴木:確かにディップにいるとちょっとやそっとの変化には動じなくなるかも。なにしろ「強い者でも賢い者でもなく変化できるものが生き残る」って、社長自らがおっしゃってる会社ですからね。

 

やることは変わらない。そのために進化する。

鈴木:これからの目標はありますか?

熊谷: 難しいな~。新しくこれをやりたい!ということはないんです。今まで通り、「作業にしない」ってことを心がけてやっていこうという感じで。

鈴木:「作業にしない」ですか。

熊谷:Excelデータって文字や数字の入ったセルがずらっと並んでるだけなので、データ作業を続けていくうちにどうしても求人広告を作っているという感覚が薄れてきちゃうんです。だから、これはあくまでもユーザーが読むものであり、分かりやすさを意識して作らなきゃいけないんだ、作業効率だけを求めちゃうと本末転倒になっちゃうんだ、ということは常に自分に言い聞かせてますし、新人さんにも伝えるようにしてます。

鈴木:ああ、それ大事ですよね。「こういう新しい技術を覚えたい」とかは?

熊谷:う~ん…それも課題ありきなんですよね。業務に必要になってから勉強しないと頭に入ってこなくて(笑)。あ、それで言うと、前々から勉強したいと思っていたVBA(※Excelで使えるプログラミング言語のひとつ)を最近やっと覚えたんですよ。Excel関数を組み合わせるだけじゃ実現できなかったことがVBAでは実現できて。課題解決の選択肢がまた広がりましたね。あと、JavaScript(※Web系システムの開発に使うプログラミング言語のひとつ)も勉強してるところなんです。RPA推進プロジェクトの一環で作ったロボットを運用・保守していくために必要だよねって話になって。

鈴木:なんだかんだで技術畑まっしぐらですね。

熊谷:でも根本は変わらないです。「無駄じゃないかな?もっといい方法はないかな?」って常に疑問を持ちながら、営業さんやクライアントの課題に全力で向き合うだけで。これからも「みんながいちばん幸せになるバランス」を見つけて課題を解決していきたいなって思います。

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熊谷 亜希子

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告BPR推進部 2課 原稿作成や運用~CSV業務などを担当。RPAの推進・ロボット作成もやっている。大きな業務以外にもコツコツとRPA化をすすめて、課内、部内の隅々までRPAを浸透させたい。宝塚が好き。花組・雪組を中心に全組観劇している。

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鈴木彩子

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 ライター。取材原稿も多く担当。「取材に応じてくれた方に楽しかったと思ってもらえる場づくり」を心がけて現場に臨んでいる。おいしいものが好きで、やたらとあちこちにお気に入りのお店がある。

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