2年目で勝ち獲った通期表彰。 でもまだまだこれからです。

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馬場 翔大
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 中日本制作課 ▼詳細

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高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

年に1度、輝かしい成果を出した社員に贈られる通期表彰。今期、クリエイティブ統括部から唯一の受賞となったのが中日本制作課所属、入社2年目の馬場翔大さん。「まだまだ課題しかないです」と謙虚に語る馬場さんに、この2年間のこと、これからのことなどについて聞きました。

大手企業の専属担当や、新人の育成。2年目から取り組んだ新たなチャレンジ。

高橋:まずは、通期表彰『DIP賞』受賞おめでとうございます!

馬場:ありがとうございます!

高橋:率直に、感想はいかがですか?

馬場:正直なところ、「大きな手応えがあった」というよりは、「いろいろ任せてもらえたことにただ愚直に取り組んだ」という感じなので、そこまで実感はないです。でもこの2年間でできることが増えたのは確かです。

高橋:本格的なインタビューに入る前に、僕と馬場くんの関係性を説明しておくと、馬場くんが新卒で入社したときの上司が名古屋で管理職をやっていた頃の僕で。上司だった期間は半年間しかないけど、僕としてもとてもうれしいです。あと、これ以降は「馬場さん」ではなく「馬場くん」と呼ばせてください(笑)

馬場:こっちも敬語だとやりづらいので、そっちのほうが助かります(笑)

高橋:ではあらためて。1年目が終わった頃にもインタビューしているけど、2年目になってからはどんなことをやっていたの?

馬場:1年目の頃は本当にガムシャラに、取材して、原稿を書いて…をただひたすらに一生懸命こなしていました。2年目も引き続きそのような業務は行いつつ、メンバーの育成や、企業の専属担当として訪問、提案、幅広い課題解決などを行うようになりました。

高橋:名古屋に新人っているんだっけ?

馬場:今は福岡の制作メンバーの方を遠隔で担当しています。原稿を週1~2本ぐらいチェックして、それとは別に毎週ミーティングも行って。「最近こういう本を読んだ」という雑談のような話から、「何か困っていることはありませんか?」という業務の相談まで、なんでも話すようにしていますね。たとえば取材があまりうまくいっていなかったとしたら、取材に関してのアドバイスを行ったり、「ちょっと一緒にこの職種について調べてみましょう」と簡単なワークをやってみたり。あとは、福岡は制作のメンバーが少ないので、少しでも交流が持てたり、刺激になるよう、中日本制作のSlackに入ってもらったり、僕らがつくった原稿を営業さんに納品する際のメールのCCに福岡の制作課のエイリアスを追加して、僕らがつくった原稿や日々の営業さんとのやり取りなども見てもらうようにしました。

高橋:あの馬場くんが、すっかり先輩だ…(涙)

馬場:(笑)あとは、ただ原稿をチェックするだけじゃなく、「求人広告の制作の面白さ」から伝えるようにしています。やっぱり、この仕事をするからにはまずは楽しんでほしいので。ただ「面白いよ」と言ってもなかなか伝わらないので、考える深みというか、「しんどいけど、その分良いこともある」というようなことを、実体験もふまえながら伝えていますね。

高橋:とはいえ、まだ自分自身も原稿をつくるので大変だろうに、新しいことを任されて不安ではなかった?

馬場:いつも、新しいことに取り組む際は、それをやることによるメリットや意義を上長が説明してくれるんです。新人の育成だったら「人にフィードバックすることで、より広告設計・表現の良し悪しを言語化する能力が身につくよ」とか、企業の専属担当だったら「原稿をつくるだけじゃなく、データ分析の仕方、根拠を示した提案力も身につくよ」とか。やることによるメリットや意義を説明してもらえるから、納得感を持ってやれるし、実際に上長の言うとおりに自分の成長にもなっているなと感じます。まぁ、本当は名古屋が人手が足りなくて、僕がやらざるを得ないだけかもしれませんが(笑)

高橋:でも、人によっては新しいことに取り組む際に躊躇する人もいるから、馬場くんのその素直さは成長の要因のひとつかもね。

馬場:もともと、いろいろなスキルを身につけたいタイプなんです。ディップの制作を志望した際も、「文章を書きたい」「動画もつくりたい」「デザインもやれたらいいな」みたいな感じだったので、今はそれをすべてやらせてもらえているし、先輩や上司もちゃんと教えてくれるので、入社前後のギャップはなかったですね。むしろ「ここまで任せてくれるのか」と良い意味でのギャップでした。

1社を深く長く担当するからこそ見えてきたこと。

高橋:ディップの制作だと、新人の頃はとにかくたくさんの原稿を単発でつくって、力がついてきたら少しずつ大手企業の専属ディレクターとして長く深く関わり、大きな提案をしていくというのが一般的なキャリアだけど、馬場くんも2年目からは単発の原稿作成をしながら大手3社の専属担当をしていると聞きました。単発で原稿をつくるのと、企業の専属担当になるのと、何か違いはある?

馬場:あらためて「調べること、知ることの大切さ」は実感しています。

高橋:というと?

馬場:僕が担当している企業のひとつに、施工管理の会社があります。今まであまり関わりがない業界だったので、業界についてよく知らないし、差別化も難しそうだなと思って、最初は何をすればいいか分からなかったんです。お客さまも「未経験の若い人を採用したいがなかなかうまくいかない」という課題感はあったものの、明確な方向性は持っていないようでした。それに、調べてみると同業種のどの企業も「未経験の若い人が欲しいが採れない」といった課題を抱えていて、ますます解決の糸口が見いだせませんでした。

そこで、「未経験でも若い人が欲しいのはなぜですか」「そんなに仕事が増えているんですか」と深掘りをしてみたら、「地方の老朽化した建物の修復工事が増えていて、そういったところに人材が欲しいんだよね」という話が出てきたんです。そこがひとつの切り口になりました。

高橋:具体的には?

馬場:地方の施工案件には小規模な現場も多いので、「総合的なスキルを学べる」というのがひとつのポイントらしいんです。でもその分難しいし、地方なのでそもそも人が集まりづらい。でも、その企業は社員の帰属意識を高めるために社員同士でコミュニケーションを取れる制度があったり、企業の理念としても「目標を見つけて、それに向かって努力できる人材を育てていく」というものを掲げていました。そこで、そういったすべての情報を総合して、「今まで努力が続かなかった人」や「ちょっと諦めがちだった人」をターゲットに、「ここなら再度立ち上がって頑張る人間になれますよ」といった切り口で原稿を書き、お客さまに提案しました。

高橋:たしかに、そういった提案は、企業のことを深く知ったり、業界についても知る機会がないとできないかもね。

馬場:もちろんこの1回の提案で終わりというわけではなく、今はそのコンセプトに沿った原稿を複数パターン掲載しながら、データを取ってPDCAを回しています。

高橋:大変なこともあるとは思うけど、やりがいは感じている?

馬場:もちろん「クライアントのためになれた」「成果が出せた」ときも面白いのですが、個人的には今はまだ知らないことを知れるだけで面白いです。知らないことを知って、「興味が出てきた!」となると、ちょっとテンションが上がるというか(笑)何事も、興味が出てくるまで調べるのが大事だと思います。

「面白い」を見つけたい、伝えたい。僕の制作の原点。

高橋:「興味が出てくるまで調べる」という話が出てきたけど、求人広告をつくる上で他に気をつけていることはある?

馬場:個人的には「あるある」を見つけるというか、「これは共感してもらえそう」みたいなポイントが見つかるとテンションが上がりますね。「なんとなく分かってるけど、誰も気づいていない部分を引っ張り出す」みたいな感覚というか。あとは「ドラマチックにしない」も大切にしています。僕らの生活はそんなにドラマチックなことが起こるわけではないので、日常の一コマの中で面白いと思ってもらえるような気持ちやシーンが切り取れたらいいなと思います。

高橋:なぜそんな風に思うようになったの?

馬場:もともと考察みたいなことが好きなんです。ライターをやりたいと思ったきっかけも、僕が学生時代に好きなバンドの記事を読んでいたときに、「まさに僕が感じているバンドの良さが言語化してある!」「僕もこういう仕事がしたい!」と思ったのが発端なので。自分がいいと思ったものを言葉にしたいという想いは、昔からありますね。

高橋:「その企業や仕事の良いところを伝える」って、まさに求人広告の基本だもんね。

馬場:そうなんです。でも、もともとは自分の興味のあることにしか興味がないタイプで。でもこの仕事を始めて、いろいろな業界、仕事、人に触れるようになって、たくさんのものに興味を持ったり、たくさんのものから面白みを見つけられるようになりました。

クリエイティブも結局は「知っていること」の積み重ね。まだまだこれから。

高橋:2年目で通期表彰を獲って、部内の広告コンテストでは準グランプリを受賞して。燃え尽き症候群にはなってない?(笑)

馬場:燃え尽きてはないです(笑)むしろ「先は遠いな」というか、まだまだ果てしないなという感覚はあります…。

高橋:というと?

馬場:最初に「そこまで手応えがなかった」という話をしましたが、とにかく2年間目の前のことをガムシャラにやり、ようやく自分の実力が客観的に見えてきたからこそ、「より上が見えてきた」というか。

たとえば僕は映画、マンガ、本をいっぱい見るのですが、その中でたまにすごいのに出会って、「うわー、超面白い」みたいなやつを見ちゃうと、「表現ってここまでできるのか」「自分はまだまだだな」と打ちのめされるんです。自分の仕事においても、「言いたいことは言えてるけど、もうちょっと刺さる言い方がありそうだな」「でも思いつかない」みたいな。葛藤をより感じるようになりました。

高橋:でもそれって、すごくまっとうな葛藤というか、正当な進化だよね。

馬場:え?

高橋:やっぱり求人広告って、「効果を出してナンボ」の世界じゃん。「効果が出ない」ことがいちばん怖いというか。だから初めはいろいろ調べて、過去の事例も参考にして、「まっとうな広告をつくる」のが制作職としての第一歩で。でも馬場くんはそれができるようになって、効果も出せるようになってきたからこそ、本来の「クリエイティブ」の部分をもっと伸ばそう、伸ばしたいという欲が出てきたんじゃないかな。だから制作職としてすごくまっとうな、正当な成長だと思う。

馬場:あぁ…そうかもしれないです。ちょっと安心しました(笑)

高橋:ちなみに、クリエイティブを伸ばす上で、取り組もうとしていることはある?

馬場:クリエイティブと言いつつも、結局は「知っていることの積み重ね」だと思っていて。どんないいコピーも、日本語で書いてある以上、思いつこうと思えば思いつけるはずなんです。でも僕には思いつけていない。その差を埋めるには「知っていること」を増やすしかなくて。それこそ日々の取材や担当する企業を通していろいろな業界、企業、仕事、人を知ったり、ふだん目にするさまざまなものから表現、アイデア、視点を学んだり。そういったひとつひとつの積み重ねがいいクリエイティブを生み出すと思っているので、まだまだ長いスパンで取り組んでいかないといけないなと思っています。

高橋:なんだか今日は馬場くんの成長が見られてうれしかったです。ありがとうございました!

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馬場 翔大

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 中日本制作課 原稿作成や取材を通して、クリエイターとは何たるかを模索中。スキあらばラムネを食べてる。

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高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。