現場の経験ほぼナシ。 畑違いの分野で、 管理職としてできること。

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小久保 江里
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告BPR推進部 2課 課長 ▼詳細

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東島 梨衣
商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 ▼詳細

制作部門では現場叩き上げの管理職が多い中、制作の現場をほとんど経験せずにマネジャーとなった小久保さん。全く異なる分野で積み重ねた、今も活きている経験について伺いました。

営業→MP→制作。ディップを渡り歩いた、13年間。

東島:いろんな部署を渡り歩いてるとのことなので、まずは経歴から教えてください。

小久保:はじめは営業職として新卒で入社しました。でも全然うまくいかなくて…それで社内の組織異動のタイミングで、入社3年目からメディアプロデュース部門(サイト開発・サービス改善の企画を主とする部署、以下MP)に異動しました。Webのこと、サイトのこと、なんにも知らないまま入ったので最初はとにかく大変でしたね。異動して3年後くらいからプロジェクトマネジャーとして徐々に企画から携わるようになり、バイトのシフト管理用の新しいアプリを開発したり、サイト機能を増やしたり変えたり…制作部に異動するまでの8年半、色々やりました。

東島:すごく長いですね。なぜ制作に異動しようと思ったんですか?

小久保:MP歴は長くなっていたものの、同じ部署にずっといたので「このままでいいのだろうか」という漠然とした不安がありました。そんなとき社内の他の組織に目を向けたきっかけは、制作部内にある動画推進室が動画撮影用のアプリをリリースしたこと。アプリ開発はMPの領域って勝手に思ってたので、私にとっては青天の霹靂で(笑)「今の部署じゃなくてもこれまでの経験を生かしたサービス開発ができるんだ」と分かって、新しい環境への異動を決めました。

東島:ウチの部署、割となんでもやりますよね。

小久保:そうそう。それで制作部の部長代理(当時)を務める佐々木さんとお話ししたところ、「動画推進室も良いけど、総合制作課(※大手クライアントに専任し、幅広い手段で顧客満足度向上を目指す課)の仕事もしてほしい」と言われたんです。制作の仕事というと「取材に行って、原稿を書いて」という漠然としたイメージだったんですが、その時はじめて、サイトデータをもとにした最適なプランニングを考えたり、採用イベントの企画提案までしているという話を聞いて…。「そんなことまでしているんだ」と驚きました。同時に、そんな課で一体私に何ができるの?って不安も(笑)

東島:当時は総合制作課ができたばかりだったので、全員手探りって感じでしたよね。

小久保:それでまた勉強、勉強(笑)

どの分野もはじめて。ひたすら勉強の日々。

小久保:異動後は自分にできることを探して領域問わずに取り組んでいましたが、経験上、サービス開発や他部門との交渉窓口になることが多かったですね。あとはそれまでの業務経験を生かして制作部のメンバー向けにサイト構造や商品の情報共有をしたり。自分の経験や知識を形にしてアウトプットすることを意識してやっていました。1年経った頃、「RPA」が業界内で注目を集めはじめ、制作部も試験的に取り組むことになり、その推進を担当しました。翌年、社長からディップでもAI・RPAの新事業をはじめるという話があり、じゃあ制作部でもRPAを推進する組織をつくろうという話になったんです。で、「お前課長やれ」となって(笑)

東島:そんないきなり!?

小久保:RPAの領域も課長も未経験だから、またイチから勉強です(笑)受け持ったRPA課では2つのミッションを持っていて、ひとつは部署内でのRPA推進、もうひとつは部署全体のKPIレポートの管理・運用。

東島:制作部ってRPA化進んでたんですね。

小久保:実はそうなの(笑)東島さんがいたクリエイティブ業務の多い課ではまだあまり進んでないけど、運用を専門にしてる課の方ではツールのRPA化を進めていました。業務改善をミッションにする部署ではすでにツール化された業務も多くあり、メンバーがそもそもRPAに切り替える必要性を感じてなかったので、まずは勉強会を開いて特性やメリットを理解してもらうとこからはじめました。それからロボットを作れる人材を育成して…ということを1年間でやってました。

東島:知識ゼロからそこまでやるスピード感がすごいですね。KPIレポートのナントカというのは何ですか?

小久保:いわゆる「制作部の価値の見える化」ですね。制作部って、それぞれの分野のプロフェッショナルの集まりだと思うんですね。でも、その“すごさ”はなかなか定量的に測れない。そこをもっと精緻で見えるようにしたいな、と。

例として具体的な話をすると、これまで制作部の会社への貢献度というのは関わった案件数とその応募数で出していたんですね。「全案件中、何%に関わっています」「全応募数の内、何%が制作部の生み出した応募数です」と。でもそれでは量でしか評価されないし、そもそも応募数は案件の中身で大きく変わるでしょ、タピオカやさんのバイト求人なら誰が作っても応募が集まるように。制作部では採用難案件も多く扱ってるから、それが評価されないのは勿体ないと思ったんです。そこで、価値の指標を変えました。職種ごとの応募単価を出して、応募数×応募単価で貢献度を示せるようにしました。

東島:制作サイドとしては難易度がきちんと反映されるのはありがたいです。

手を動かすことはできない。でも、PJの運営ならできる。

東島:今期からは運用を専門とする課の課長になられたようですが、また畑違いの場所でいきなりって感じじゃないですか?

小久保:また勉強から始めます(笑)正直、不安もあるし自信もないけど、去年1年課長をやって気づいたことがあって…課長という仕事は、「プロジェクトチームの運営に似てるな」って。制作部の人はそれぞれがプロフェッショナルで、みんなが役割をもってひとつの目標に向かって頑張ることができる。だから個々のマネジメントはそこまで必要なくて、大事なのはゴールを目指せる旗振り役になること、困ったときのフォローやサポートをいかに手厚くするかだと感じています。

東島:制作部は叩き上げの管理職が多いので、小久保さんみたいなタイプは珍しいですよね。組織全体を俯瞰して見れるタイプというか。

小久保:職人肌の人が多いよね。私はデザインもできないし、プログラムも書けない。でも、組織マネジメントに特化した人っていうのも絶対に必要だと思っていて。職人肌のひと、マネジメント肌のひと、それぞれ良し悪しはあるけど、私は後者でがんばるしかないと思ってるんです。またその中で「自分は実務はできないけど寄り添える人である」ことを意識しようと思っています。「指示しか出しません」って態度だと、「何も知らないくせに」ってなっちゃうでしょ。

東島:確かに。

本当は自主的に勉強なんかするタイプじゃなかった。

東島:最後に、これまでの13年間を振り返ってみて良かったと思うことがあれば教えてください。

小久保:そうですねー…。私たちの世代って、ディップですごい時代を生き抜いてきたなと思うんですよね。入社時はまだバイトルの知名度も全然なくて、「ナースではたらこ」が新しくできて、時代はガラケーからスマホに変わり始めて、リーマンショック、震災…とにかく社内も社外も変化が激しかった。だから、成長を余儀なくされたんです。自主的に勉強はあまりしないタイプなんですけど、せざるを得ない環境だったのが良かったかな。私って割と怠慢なので(笑)

東島:これまでの話を聞くと全くそんな風には思えないです(笑)

小久保:変化を余儀なくされたからこそ、考え方やものの見方・働き方も大きく変わったし、成長できたなと思います。こんな怠慢な私でさえ、です。それはスピード感のあるディップならではかな。そしてそれを支える人たちに成長を後押ししてもらったと感じているので、今後同じ環境の中でチャレンジを続けるメンバーに対して私も背中を押せる人でありたいですね。

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小久保 江里

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告BPR推進部 2課 課長 たべることと寝ることが趣味で特技。根本的にオンもオフもなにをするにも、ラクにやりたいことをやりたいだけしたい精神が根付いている。仕事ではそこに成果を付け加えて日々業務改善に向き合っている。

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東島 梨衣

商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 コピーライターときどきイラストレーター。目指すのはみんなが仕事にわくわくできる世の中。コロナで引きこもりになりランニングから遠ざかり中。フルマラソンベスト3:38:29(H30大阪)