DXと採用で顧客の業務支援を最大化。 部長になって再認識した、この仕事のやりがい。

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重光 翔太
中西日本エリア事業本部 西日本エリア事業部 大阪営業2部 部長 ▼詳細

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今井 千尋
商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 関西制作課 ▼詳細

高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

おもに地場の企業へ営業活動を行っている“エリア事業部”の営業職は、チェーン展開している大手企業を担当する部署とは違った課題ややりがいがあるようだ。2009年の新卒入社以来エリア事業部を担当している、大阪営業2部部長 重光が思うエリア事業部のミッション・役割を聞いてみた。

担当エリアに詳しくなることで、お客様からの信頼を掴んだメンバー時代。

今井:メンバー時代は兵庫県のご担当でしたよね。

重光:はい。入社してから9年間はずっと兵庫県の担当でした。

今井:メンバー時代を振り返って、いかがですか?

重光:エリア事業部のやりがいや役割について、考え続けた時期でしたね。と言うのも、エリア事業部のお客様は、全国にチェーン展開している企業とは異なり、その地場で事業を営んでいる飲食や小売りなどの中小企業が中心。なので、1社あたりの契約の金額はどうしても下がるんですね。その分行動量が必要になってくるので、若手が経験を積むための部署といった雰囲気を感じていて…。自分自身「この先あるのかな」というような漠然とした不安があったんです。

今井:そうなんですね…。

重光:でもエリア営業の仕事にやりがいは感じていましたし、大手企業を担当するのとは別のやりがい、意味があると思っていました。そこから、少しずつ自分なりに「エリア営業の役割とは」「やりがいとは」ということを考えるようになりましたね。

今井:エリア営業の役割って、具体的にどういったことですか?

重光:兵庫県の郊外エリアを担当していた時期の話なんですけど、当時そのエリアのお客様は求人=紙媒体のイメージが根付いていて。「兵庫県で〇人採用できました!」といった提案資料に対しても「このあたりの郊外では、そんなに採用できないと思う」ということをよく言われて。会社が用意した全国平均や都道府県のデータをそのまま使うのではなく、自分自身で地場の情報を集めたり、そのエリアの採用事例を作っていかなきゃいけないなと感じました。それからは自分の足で地場の情報や採用事例を集めて、お客様に伝えていったんです。

高橋:なるほど。そういった経験を通して、重光さんなりに定義した「エリアのプロ」って何ですか?

重光:担当しているエリアの通りに行けば、このお客様もあのお客様も知っている。ここは自分が担当していて、ここはうちの大手企業担当事業部のお客様で、ここは派遣企業担当事業部のお客様で…ていうのがソラで言えるっていうのが一番理想のカタチです。

高橋:なるほど。

重光:ほかにも、エリア事業部のお客様が知りたいことって、マクロなデータよりもそのエリアで起きている「ミクロ」なことだったりするんです。例えば「ここの学校が何月何日からテスト期間です」とか、「ここでこんなイベントがあるので人が集まります」とか、「あそこに新しいお店ができるみたいです」とか。そういった細かな情報がお客様の営業や採用、シフトにも影響するので。それらの情報を集めて共有することも、エリア事業部を担当する上では大事なことだと思っています。

高橋:重光さんなりにエリア営業の役割を定義できたことで、何か変化はありましたか?

重光:目の前のお客様により向き合えるようになりました。色々なお客様の案件を集め、サイトにバラエティーを持たせるというがエリア事業部のミッションのひとつでもあるわけですが、その意義が本当の意味で腹落ちして、単価の高い低いに自分自身のモチベーションが左右されなくなりましたね。なのでメンバーにもそれを伝えていこうとしています。

部下である課長へ“実現したい未来”を伝える、部長としての役割。

高橋:メンバー時代を経て2015年には課長に、2019年から部長になられたということですが、部長に昇格されたときのビジョンはありましたか?

重光:自分が前向きになれたように、エリア事業部の仕事に対してみんなが前向きに捉えてくれるような組織にしたいと思いましたね。ディップではESサーベイ(従業員の満足度や、その満足度に影響を与えている要因を調査するアンケート)を取っているのですが、メンバーの仕事満足度をもっと高めたいと思いスタートしました。

高橋:それを実現するために進めている戦略はありますか?

重光:エリア事業部はエリアごとに組織・担当を置いているので、営業ひとりにつき細かい担当エリアを設定した上で、とにかく足を運んで、たくさん現地をまわろう。という戦略でやっています。

高橋:なるほど。全員がそのエリアのプロになろうということですね。マネジメント上のこだわりはありますか?

重光:「こういう状態にしたい」ということをよく言っている気はします。How(どうやればいいか)というのは多分どの管理職も言っていると思うんですけど、そのHowの先にどういう未来を実現したいのかとか、どういう状態にしたいのかということを、みんなが腹落ちしているかは気にしてやっているつもりです。

高橋:そういう考えが形成されたのには、なにか背景があるんですか?

重光:課長1年目のときに、あまりメンバーの気持ちに寄り添えずうまくいかなかったという経験をして。それからメンバーの腹落ち感がすごく大事だなと思いこだわっていました。部長になるタイミングで考えた理由は、ディップでは管理職になったら一人前という扱いになって、フォローされづらいイメージがあって。そこで若手の課長は困っているケースが多くて。課長の上司になるんだったら、課長に対しても自分の考えや学んだことを伝えたり教えたりしなきゃな、みたいなことは思いましたね。

高橋:たしかに、管理職になったら一人前だから、誰のサポートも受けないみたいな雰囲気はあるかもしれないです。

重光:そうです、そうです。

高橋:今、大阪営業2部は3つの課があると思うのですが、部長として、課長陣に対してやってみたいことはありますか?

重光:先日、中西日本の取り組みで”ナカニシマナブ”という課長研修があってですね。そこのプレゼンターをさせていただく機会があって。内容としては課長向けにプロセスマネジメントを教えるといった場だったんですけど。経験を伝えていって、よりみんなの力を引き出せたらなって思います。

今井:そういった取り組みを行うなかで、部下である課長やメンバーのいい仕事があれば聞きたいです。

重光:管理職になってからの喜びは、やっぱり…新卒から入ってきて何もできなかったメンバーができるようになっていくのが見られるところですかね。自分がメンバー時代にお客様に選ばれてうれしかったっていう気持ちがあったので。それと同じようにメンバーが、いい提案をして、お客様に選ばれたって報告を聞くとうれしいです。

今井:いいですね。

重光:「ほかの会社とは違う提案をしてくれるね」と言ってもらえたとか、今までFAXや電話でのアナログ対応だったお客様が、web応募を取り入れて、コボットも入れてくれて、求人に載せる動画も撮らせてくれたっていう話を聞いたりしたときは、本当にうれしいです。固い岩が徐々に崩れていく営業ができているメンバーを見ると、いいなって思います。

高橋:最近は課長さんたちとどんな会話をされているんですか?

重光:コロナで状況が厳しくなったので、どういう風にお客様と関係を途切れさせないようにするかっていうのは大きなテーマです。当然、求人の需要がなくなれば関係がストップしてしまうので、いかに継続して接点をもってもらうか。そのために求人以外…コボットをはじめとしたRPAの商材をどう使っていくかとか。あとはメンバーに伝えるときにどういう話し方をしたら納得してもらえそうかとか。そういう相談を課長とかとはよくしています。

RPAは3割の導入率。営業時の会話にも確かな手ごたえが。

高橋:RPAのお話がでましたが、エリア事業部で実際RPAを販売するにあたって、お客様の反応はどうですか?

重光:あまり「DXしましょう!」と提案することはありません。でも、飲食店や中小企業といったエリア事業部のお客様は応募の対応に課題を感じていることが多いこともあり、人の代わりに面接の日程調整などができる「面接コボット」の販売は進んでいて。実際、3割くらいのお客様はもう導入しているんです。

高橋:それはすごい。お客様も面接対応に課題を感じているんですね。

重光:扱う応募数が限られているからこそ、応募者との連絡がとれないことへのストレスは大きいはず。さらに業務の片手間で対応している方も多いので、手が回らなかったりというのは多いと思います。

今井:困っている実態は多いのですね。

重光:困っている、というよりも困っていることに気づいていないし、それが解決されるということも想像していない。といった感じです。地場に張り付いている営業が、「こんなことやったらちょっと便利になりますよ」っていうのを積み重ねていったら、いつの間にかDX化されていた。そんな感じがリアルな状況です。

今井:営業の仕方も変わったりしているんですか?

重光:変えていっているところです。採用に特化していたのが、業務支援とか経営支援へ広がっていっている、というのはあると思います。

今井:メンバーのやりがいももしかしたら別のところになっていくかもしれないですね。

重光:お手伝いの幅が広がっていくのかな、と思います。今までなら「それ、僕らの仕事じゃないですね」で終わっていたところが「それ、僕らでも対応できますよ」とできる提案が増えていっているイメージです。

高橋:重光さん自身がなにか感じる変化ってあったりしますか?

重光:今までは応募・採用など一部の課題感にしか対応できてなかったんだなと感じました。最近、メンバーの営業に同行する際はRPAの話ばかりしているんです。そうすると長らく取引していたお客様でも「応募・採用よりも、こっちの業務の優先度のほうが高かったんだ」「この部分にこれだけお金を使っていたんだな」といったことが分かってきて。RPAをきっかけに、より顧客理解が深まるようになりました。

高橋:提案を経験したメンバーから同じように「手ごたえがあった」という声はありますか?

重光:はい。僕と同じように会話の質が変わってきたとか、信頼度が上がったという手ごたえは、商談を経験したメンバーはみんな言っていることだと思います。

RPAの提案をとっかかりに、顧客の全貌が見えるように。

高橋:質問が変わりますが、2009年入社なので今12年目(2020年現在)の重光さんから見たディップのいいところは率直にどこだと思いますか?

重光:時代に合わせてスピーディーに動いているところと、やっぱりユーザーファーストがブレていないところですね。

高橋:では重光さん自身のモチベーションは何でしょうか?

重光:僕はディップで12年間も成長させてもらったので、その恩返しとして、会社の器を大きく強く長くしたいという思いがあります。これから先、時代の変化はより激しくなると思うのですが、長く続いている会社ということは、時代の変化に対応してきた、社会を改善する幅が広がった証拠になるのかなと思うので。

今井:先ほどお話を聞いたRPAの販売…DX化もそうですね。

重光:はい。RPA販売の話にフォーカスすると、RPAが進んでいけば、人がやらない仕事はどんどん機械化されていきますよね。例えばうちの商品じゃないですけど、飲食店でタッチパネルを導入するケース。オーダーを取らなくなる分、ホールスタッフに求められるサービスは変わってきますよね。僕らはRPAを提案することで、お客様と「これはRPAでできる仕事ですね」「これは人がやるべき仕事ですね」といった仕分けや提案をすることが必要になってくると思います。

今井:なるほど…。そうすると、求人原稿に書く内容も当然変わってきますね。

重光:そうです。お客様の仕事を再定義して、スポットを当て直すことをしたいなというのはメンバー時代からずっと思っていることですが、仕事を深く知って「この仕事にはこういう面白さやこういう魅力がありますよね」というのをこちらから提示するのが理想の姿です。

今井:より一層、お客様や仕事のことを深く理解していないといけないですね。

重光:はい。少なくとも「ニーズを聞いて掲載する」だけではなくなると思います。人にはこういう仕事をやってもらいましょう、こういうことをやったら会社が伸びますね、競合とどうやったら差別化できますかね、とかそういう会話が増えていくんだろうなと。

今井:たしかに。RPAの販売も合わさってますますそうなりますね。

重光:RPAがあるからこそ、人がやらない仕事の話が増えてくると思うんですよね。多分これは今ディップしかできないのかなと思うので。RPAをとっかかりにしながら、業務の全貌を見えるようにして、「だったらこういうポジションの人を雇いましょう」ができたら一番いいなと思います。

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重光 翔太

中西日本エリア事業本部 西日本エリア事業部 大阪営業2部 部長 2009年にディップへ新卒入社。兵庫県のエリア担当を経て2015年に課長、2019年より現職。

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今井 千尋

商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 関西制作課 ディレクター兼デザイナー ほか原稿以外の商品における進行管理業務も担当。最近の課題はロジカルシンキング。

高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。