イチ社員の提案から生まれ広がった、 「プレ就活」という新たな試み。

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泉谷 光昭
ビジネスソリューション事業本部 総合企画中日本営業部 3課 課長 ▼詳細

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高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

2020年7月、バイトルはアルバイト体験を通して新たな採用機会を創出する「プレ就活ならバイトル!」をスタートさせました。実はこの企画、現場の営業社員の提案から生まれたものなんです。今回はその企画の発起人である泉谷(いずたに)に話を聞きました。

バイトルを使った「新しい就職の形」を生み出したかった。

高橋:先日リリースされたプレ就活の企画について、もともとは泉谷さんが企画されたと伺いました。あらためて、どのような経緯で生まれた企画なんですか?

泉谷:僕が所属している営業部署はチェーン展開などをされている大手クライアントさまが中心なのですが、業種としては飲食業や小売業が多いんですね。そしてそういった業界は残念ながら学生にとっての人気業界とは言えず、新卒採用、社員採用でかなりお困りのご様子でした。たとえば就職のフェアやフェスに参加してもなかなかブースに人が来なかったり、人材紹介エージェントに高い手数料を払って採用していたり。でもディップには「新卒採用」に特化した媒体がなかったので、なかなかご提案できずにいました。

そんなとき、事業本部長から管理職宛に送られたメールの中に「高校生の青田買い」に関する記事があって、それがヒントになってバイトルで何かできないかなと思ったんです。

高橋:というと?

泉谷:先ほどお話した飲食業や小売業って、学生から「アルバイト先」としては選ばれやすい企業ですよね。また、実際に大手チェーンの役員クラスの方でも、「アルバイトから社員になった」という方はけっこう多いんです。そしてバイトルはとくに学生ユーザーに強く、体験・見学機能もあるという特徴があります。そこで、それらを掛け合わせ、バイトルを通して、「学生のアルバイトから正社員へ」という道を、ディップ主導でもっとたくさんのクライアントに広められないかなと思ったんです。

高橋:なるほど。

泉谷:今回の企画の参画条件としても、単に「正社員登用している」だけではなく、「プレ就活に参加を希望する学生にアドバンテージ(特典)があるか」を条件のひとつに置いています。「応募者が社員登用を希望する場合、面接の免除がある」「リクルーター制度が使える(先輩社員との面談ができる)」など内容は問わないのですが、学生がプレ就活を利用したくなるよう、アルバイトで入った後に正社員になりたいと思えるよう、クライアントにも受け入れ体制を整えていただくよう働きかけています。

僕自身も学生時代に就活をやっていたわけですが、やっぱりたった数ヶ月の就職活動、数時間の説明会では限界があると思っていて。であれば学生時代のバイトを通し数年かけて仕事、企業を理解し、就職する「プレ就活」という形は、学生、クライアント双方にメリットがあるのではないかと考えました。

高橋:クライアントからの反応はいかがでしたか?

泉谷:まずは提案が斬新すぎたので、「プレ就活って何?」みたいな感じでした(笑)でもそれくらい未知のことを提案するほうが、やりがいがあっておもしろかったですね。あとは先ほどもお話したように企業によってはアルバイトから役員になられた方もいらっしゃるので、とくに経営層の方には響くことが多い印象です。

高橋:すでに大きな成果、効果などは出ているんですか?

泉谷:7月にリリースされたばかりの企画なので成果はこれから見ていくことになりますが、とある介護の企業さまで社員前提の学生が採用できたという事例は出ています。未経験・無資格の大学生の方だそうですが、学生のうちはアルバイトとして働き、来年の4月からは正社員として働く予定だそうです。

また、大手飲食チェーンさまでは、「応募数も増えたが、長期志向の方が増えてきた」という声もお伺いしました。今までは短期希望の方が多かった企業において、「プレ就活」をきっかけに、長期の就業を希望される方が増えてきたようです。

高橋:それはうれしいですね。

常にお客さまが必要としていることを考え、提案する。

高橋:すこし話を戻して。そもそもこういった企画って、現場の営業ではなく専門の部署が考えることが多いですよね。ウチでいうと「営業推進」とか。今回、泉谷さんの提案から生まれたということですが、どういった経緯で実現したんですか?

泉谷:先ほどお伝えした通り、もともとは事業本部長からのメールが企画のきっかけでした。そのメールに対し、「こういうことを実現したい」と返信したんです。そしたら「じゃあ企画書をつくってみてよ」となり。今までも自分のクライアントに対してはさまざまな企画・提案を行ってきましたが、今回のようにサイトや全社を巻き込む企画は初めてだったので、分からないなりに、自分で調べ、企画書をつくっていきました。そのあと、営業推進の方に相談し、GOが出たので、本格的に進めていくことになりました。

高橋:でも、同じメールはほかの管理職の方も受け取っていたわけですよね。泉谷さんだけが企画できた、行動に移せたのはなぜなんでしょう?

泉谷:まず、シンプルに僕はお客さまと仕事をするのが好きなんですね。「担当するお客さまを勝たせたい」というのはここ何年かずっと自分のテーマとしてあって。なので『バイトル』『はたらこねっと』というメディアに縛られず、「お客さまが本当に必要としていることを考え、提案しよう」といつも思っています。

高橋:なるほど。

泉谷:過去にもご掲載いただいた原稿を社内で投票し、上位に選ばれたお客様に表彰盾をお渡しさせていただく「表彰企画」や、ポスターの提案、ファストフード店さまにてお客さま向けに待ち時間に読んでいただくための手紙をつくり、ブランドのファンの方を採用しませんか?など、メディアに縛られない提案はずっと行ってきました。中には実現せずに終わったものもありますが(笑)でもそうやって日ごろから「お客さまにとってホントにお役に立てることは何なのか」を考えていたので、営業という職種に縛られず、今回のような企画が提案できたんだと思います。

高橋:泉谷さんがそういった提案を行う中で、ふだんから心がけていることはありますか?

泉谷:やはり「お客さまを知る」ことです。HP、採用情報などはもちろんのこと、IRやチラシなどもくまなく見ます。求人に関係なくても、たとえば新商品が出ていたら「なぜあの商品を出したんですか?」と聞くと「実はね…」といろいろ教えていただけるんですよ。そうすると、よりお客さまを深く知ることができます。

あとは大手クライアントさまの場合本部への提案が多いのですが、僕は本部だけではなく現場にもよく行きます。アルバイトを採用し、育成するのは本部ではなく現場ですよね。なのでその現場がどうなっているのか、企業によってどんな特徴、違いがあるのかは担当営業として知ってしかるべきだと思っています。けっこうおもしろいですよ。「ここはちょっと体育会系だなぁ」とか、「ここはどこに行っても接客が丁寧だなぁ」とか、本部に行くだけでは分からない企業の特徴が色濃く出るので、お客さまを知るいいきっかけになります。

ディップは「やりたい」という想いを認めてくれる会社。

高橋:今回、こういった大きな商品企画は初めてだったとのことですが、やってみていかがでしたか?

泉谷:企画を実現するにあたり、事業本部長はもちろん、営業推進、広告制作、人事、広告審査室、そして後輩、いろんな方の力を借りて、実現することができました。なので「みなさんあっての企画だった」ということは改めて感じています。

あとはやはり、各部署の方もそうですし、会社として「やりたい」という想いを認めてくれる、後押ししてくれるなと思います。

今回だって、イチ営業から出てきた企画なんて、断ろうと思えば断れると思うんです。でも「一緒にやろう」「実現させるにはどうすればいいか」を本気で考えてくれる。「プレ就活」という新しい試みに対し、法的に問題がないか広告審査室の方が調べてくれたり、制作部の方がページを作成してくれたり、営業推進の方が一緒に企画を詰めてくれたり。そうやってなんとかこの企画を実現、成功させるために、いろんな部署の方が協力してくれました。企画がリリースしたあとも、広報の方がプレスリリースを書いていろんな媒体にアプローチしてくれたり、こうやってオウンドメディアに載せるために取材してくれたり(笑)。イチ営業である僕の提案が、ここまでいろんな部署の方を巻き込み広がっていくとは正直思っていませんでした。でもそれがディップの良さなのかなと思います。

高橋:泉谷さん自身も、自分が企画したものだとより提案にも力が入ってくるのでは?

泉谷:そうですね。自分自身、絶対の自信はありました。あとは、企画を広めてもらうために、僕が所属しているBS事業本部のメンバーに対しては自分の口で企画の趣旨を説明した上で、ロープレ動画を作成し、流しました。ほかの事業部のメンバーには、営業推進の方が企画説明にまわってくれましたね。おかげさまでBS事業本部以外のお客さまからも、たくさんのお申し込みをいただいています。

バイトルを通し、たくさんの人にいろんなチャンスをつくりたい。

高橋:今後、目指していきたいことはありますか?

泉谷:まずは、プレ就活をもっとブラッシュアップしていきたいです。具体的には、参画条件として「プレ就活に参加を希望する学生にアドバンテージ(特典)があるか」というお話をしましたが、ここをもっと改善できるんじゃないかと思っています。

高橋:というと?

泉谷:たとえば今だと「マネジャーと月1でMTGできる」なども特典としてOKにしていますが、これが「商品開発会議に出られる」だともっとうれしくないですか?そうやって、学生にとってもメリットのある特典、クライアントにもメリットのある特典を考え、提案し、よりプレ就活が価値あるものになるようにしていきたいです。そこは僕ら採用コンサルタントの腕の見せ所でもあると思っています。

高橋:他には何かありますか?

泉谷:もうすこし大きな話でいうと、世の中を変えていきたいと思っています。超大手・人気企業の一強ではなく、さまざまな選択肢がある中で、自分にあったものが選べるのがネット時代のいいところだと思っています。プレ就活に限らず、バイトルを通し、いろんな人にチャンス、機会を与えられるようにしていきたい。「バイトルを使えば人生が変わるよ」と思ってもらえるようなサイトにしていきたいですね。

高橋:今後の活躍も楽しみにしています。本日はありがとうございました!

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泉谷 光昭

ビジネスソリューション事業本部 総合企画中日本営業部 3課 課長 2015年新卒入社。2019年4月より課長職。「働けなくて困っている人に、人生を変えるきっかけを提供したい」がディップへの入社理由。

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高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。