「営業」と「リクルーター」。双方を経験したからこそ見えた、仕事の本質。

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小林 優真
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阿部 汐里
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中村 美月
人事総務本部 採用戦略推進室 ▼詳細

ディップの新卒採用は人事だけでなく、各職種の管理職も面接官を担い、若手メンバーも学生との面談を担当するなど、「全社採用」を行っていることが一つの特徴です。24卒採用では新たに「選抜リクルーター」という施策が発足し、より社員と連携を深めて採用活動を行っていました。今回はその施策に抜擢され、実際に営業活動と並行してリクルーティング活動を担った、HR事業部の小林 優真(コバヤシ ユウマ)さんと、施策の主導者の一人であり、小林さんのアドバイザーを務めた、人事総務本部の阿部 汐里(アベ シオリ)さんに、本施策によって得られた学びや、学生と接する中で大切にしていたことなどを伺いました。

学生/リクルーター双方にとって、有意義な施策にしたい

中村:本日はよろしくお願いいたします。まずは阿部さん、24卒採用から始まった「選抜リクルーター施策」について、概要や目的など、簡単にお話しいただけますか?

阿部:本施策は、普段営業職として働いている若手メンバーに、最終選考フェーズまで進んだ学生さんのリクルーターとなっていただく施策です。面談やLINEなどのコミュニケーションを通じて、担当学生さんを最終選考までサポートしていただきます。

この施策を始めた理由ですが、もともとディップの採用では「One to One Satisfaction」を採用ポリシーとして掲げ、学生さん一人ひとりに向き合うことを大事にしてきました。また、選考フローの中には「仕事セミナー」という、仕事に特化して厳しさも魅力もお伝えする場を設けるなど、「リアルを届ける」ことも重要視しています。これまで以上に一人ひとりと向き合い、リアルをお伝えできる方法を考えた結果、本施策の実現が決まりました。

ただ、本施策は学生さんだけではなく、リクルーターを担っていただく若手社員にとっても大きなメリットがあると思っていました。採用はその後の育成とも密接に関わるものなので、この活動を通して得られた気づきや学びは今後の後輩への育成にも活用できますし、なにより自身の口で自分の仕事や会社について話すことで、改めて普段の自分の仕事やディップという会社の意義を再発見するいい機会になるはずだと。

中村:普段の営業の場面でもお客様に自社のサービスについて話す機会はありますが、自身の仕事や会社そのものについて話す機会はそう多くないですからね。しかも相手は就職活動中の学生さん。何をどう話すのが相手にとって良いのか、普段とは違った切り口で考え、話す必要がありますね。

阿部:営業も採用も本質的にはそう大きく変わらないと思うんです。相手のニーズを汲み取って、それに対して私たちの価値を提供することで満足していただくということは一緒です。ただ、相手が「法人/社会人/顧客」なのか「就職活動中の学生」なのかの違いは大きいですよね。ここが違うから伝えるべきことも違ってくる。なので、普段の営業の仕事だけでは得られない考え方やアプローチの仕方など、仕事の「幅」を広げるきっかけにしてもらえたらと思っていました。

中村:では続いて小林さん、選ばれた側としてのお話をお聞かせいただきたいのですが、任命を受けたときのお気持ちはいかがでしたか?

小林:率直に嬉しかったですね。自分も就活中にリクルーターの方がついてくれていて、その時は人事の方だったのですが、選考中に参考になる本を紹介いただいたり、面談で僕の軸やディップに対する思いなどを一緒に整理していただいたりと、手厚くフォローしていただきました。そのおかげで無事に内定をいただけて、その報告をしたときに、とても喜んでくださったんですよね。それもあってディップに入社を決めたので、今度は自分が学生さんに同じ想いを提供できるんだと。ただ、営業の仕事もしつつなので、どれだけ工数を割くのかは気になっていました。

社会人として、ディップの社員として、誰に対しても丁寧な対応を

中村:ここからは具体的な活動内容についてお聞かせください。小林さん、リクルーターとして学生さんの担当に就くまでの流れを教えてください。

小林:3月~7月までの間で、大体月に1人から2人ほど担当しました。人事の方から担当する学生さんの個人情報や選考履歴などをいただき、まずは私から学生さんにご挨拶のメールを送るところからスタートでした。いただいた情報をもとに、どんなことを頑張ってきたのか、当日どんな話をしようかなど、僕が担当する以上いい時間にしてもらえるように、初回面談を迎えるまでの事前準備は念入りにしていましたね。事前に提出していただいているアンケートで、選考中の企業を書いていただく欄もあるのですが、そこに僕の知らない企業さんの名前があったときは調べたりもしていました。知識がないと有意義な時間を提供できないと思っていたので。

中村:学生さんにいい時間を提供したいという一心での事前準備、素敵ですね。面談当日はどんな話をされていたのですか?

小林:選考ではないのでリラックスして、なんでも気兼ねなく話してね、ということは必ず冒頭に伝えていました。とはいっても緊張するでしょうから、自己開示を15分から20分くらいかけてしっかりしていましたね。そうすると学生さんも自然と自己紹介をたっぷりしてくれるので、その中でこれまでの経験や就活の状況などを聞かせてもらい、最終選考に向けてまだまだ考える余地があるところにアドバイスをしたり、学生さん自身が聞きたいことや気になっていることを聞いてもらったりしていました。

中村:面談終了後も担当学生さんとはやり取りしていたのですか?

小林:僕が担当した方とは全員仕事用のLINEを交換していたので、面談後はLINEでやり取りすることが多かったです。正直、僕は営業の仕事があるので、自分から連絡することはあまりなかったのですが、初回の面談のときに「就活に限らず、主体性や積極性がある子は伸びるよ」と話していたこともあり(笑)、基本的には皆さんLINEで連絡をくれていました。ただ、送ってくれたLINEには必ず誠意を持って応えるようにはしていました。とある学生さんとは希望してくれたこともあり、4,5回は面談しましたね。結果的に無事に内定となり、入社承諾してくれました。「小林さんのおかげです」と嬉しい言葉をくれて、かつての僕を思い出しましたね。

小林と担当学生のやり取りの一部

小林と担当学生のやり取りの一部

阿部:小林くんは学生さんに対してとにかくマメで、丁寧にフォローしてくれていました。しかも、どの学生さんにも、面談やLINEのあとには必ず「次はこういうことを考えてみようね」とか、「面接までにこんなことを調べてみようね」など、宿題を出していたのが印象的でした。この宿題があるからこそ学生さんも安心して準備ができるだろうし、自分で調べたり考えたりすることで、よりディップに対する理解や意向が深まることにもなるんですよね。小林くん自身も自分で考え、こういったアクションを起こしてくれていたので、本施策を主体的に取り組んでくれていることがよく分かりました。それもあってか、小林くんの担当学生の承諾率は、なんと100%!圧巻の結果を残してくれました。

小林:「相手は学生だから」という考えは一切なくし、普段お客様と接するのと同じように対応することを心がけていました。もらった連絡にはなるべく早く反応するとか、面談の前日には必ず連絡を入れるとか。これがディップ社員の「社会人としての振る舞い」だよ、ということが分かってもらえたら嬉しいなと。

いち営業社員として感じられた、リクルーター活動を通しての「成長」

中村:施策が始まるときにご自身も気にされていたと思いますが、実際営業との両立は大変でしたか?

小林:実はそうでもなかったんですよね。もちろん工夫は必要でしたが、1日1時間くらいなら学生さんに向き合う時間として使えていましたね。担当する学生数など、人事の方にコントロールいただいていたことも大きいと思います。

中村:それなら良かったです。今回リクルーターとして活動したことによって、得られた学びや気づきなどはありましたか?

小林:冒頭で阿部さんもおっしゃっていましたが、今まではお客様に対し、商材についてプレゼンすることがほとんどでした。ただ、今回リクルーターとして活動する中で、当社が大事にしているフィロソフィーなどについてお話しする機会がたくさんあって。で、振り返ってみれば、普段の営業でも、経営者の方だったりトップクラスの方との商談になればなるほど、サービスの細かい話云々よりも、会社の方向性やビジョンなど、もっと大元の価値観みたいなところで共感し合ったり、興味を持っていただけたりしていたなと気づいたんです。サービスの営業だけではなく、会社のフィロソフィーにまつわる部分での営業ができるようになったことは大きな収穫だったと感じています。

あとは、学生さんたちが自分の想像以上に「会社のフィロソフィーやビジョンに共感できるか」を大事にしていることは、新たな発見でした。僕が就活していた頃とはまた全然違うなと。就活生の皆さんがここを気にしているということは、10代~20代がメインであるバイトルユーザーも、同じく気になるポイントなんだと思うんです。これに気づけたことによって、お客様と商談する中で、「もっと御社の想いを前面に出していきましょう!」とか、「どんな会社・お店にしていきたいか、一緒に考えていきましょう!」といった、お客様のフィロソフィーを引き出す採用コンサルタントに成長できたように感じます。

阿部:なるほど。それは意図していなかったな。確かにそうだよね。すごく素敵な気づきだね。ありがとう。

小林:来期もこの施策ってやりますよね?普段の営業の仕事の中で、数字に追われてしまっていたり、視野が狭まってしまっている方には、ぜひ参加することをオススメしたいですね!私自身、学生さんと話したことで、私たちの仕事の意義をたくさん思い出させてもらいました。きっと今一度前を向いていける、いい機会になると思います。

すべての仕事に共通するのは、「誰かのために」という想い

中村:改めて、本施策を通じて得られたことをそれぞれの視点から教えてください。

小林:自分が今いる枠を超えた、採用というめったに経験できない仕事に携われたこと自体がポジティブでした。僕が普段担っている仕事は、自分が思う以上に意義深い仕事であること、そして、営業だろうが人事だろうが、最も大事なことは「誰かのために」という視点で、どの仕事にも共通する本質はここにあるんだということに気づかせていただきました。

阿部:実際に活動してくれた小林くんが今言ってくれたことが、スタート当初から私たちがまさに目指していた言葉そのものでした。学生さんにとっても今まで以上に営業のリアルを知れる機会になったと思うので、改めてこの施策をやった意味があったと強く実感できました。

中村:最後に就職活動に励む学生さんたちに、一言メッセージをお願いします。

阿部:今日のインタビューの中で「フィロソフィー」という言葉が何度か出てきましたが、会社や社員の人たちが何を大事にしており、どんな方向を向いているのかを表すのがフィロソフィーです。就職活動ではぜひたくさんの人と接し、それぞれの企業のフィロソフィーを捉え、自分も同じ方向を向いていけると思えるような、「自分にとってのいい企業」を見つけてもらえたら嬉しいです。

小林:就職活動は優秀だから受かるということではなく、自分がその会社の人たちと同じ方向を向いていけるかどうかが大事なんだと思います。ここがマッチしていれば仕事にも熱中できるし、活躍にも繋がります。ディップは自社の採用だけでなく、社会全体からミスマッチをなくそうと本気で取り組んでいる会社です。ぜひ選考を受けていただく際は、何度でもリクルーターを頼っていただいて大丈夫なので、悔いのない就職活動にしてもらえることを願っています。

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小林 優真

2019年新卒入社。東京都23区外・神奈川県内に本社を持つ派遣会社様・請負会社様を担当。組織のユニットリーダーとして若手メンバーの育成にも尽力中。好きなものは居酒屋の茶色系食べ物。

阿部 汐里

2009年新卒入社。約6年半、採用コンサルタントとして派遣会社向けの営業を行った後、人事へ異動。現在は新卒採用・中途採用・アルバイト採用等ディップの幅広い採用に携わる。趣味はエンゼルス(野球)の試合をみること(6月にLAにて現地観戦しました!)。

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中村 美月

人事総務本部 採用戦略推進室 2012年入社。2年間営業を経験した後、人事新卒採用チームへ異動。現在は新卒採用マネジャー兼dip people編集長として勤務中。2歳娘を育てるワーママ。