~バイトルOOH戦略~ マーケティング統括部長 堀が日本鉄道広告協会セミナーに登壇!

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堀 一臣
商品開発本部 マーケティング統括部 統括部長 ▼詳細

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小林 宥太
商品開発本部 dip.S.W.A.T S.W.A.T課 採用担当 ▼詳細

今回はバイトルのOOH戦略についてマーケティング統括部長の堀が、日本鉄道施設協会のセミナーにて講演した内容を公開します!

セミナー概要

「バイトルOOH戦略」

日時:2023年3月9日(木)13:30~14:30

対象:日本鉄道施設協会(JAFRA)所属の広告代理店、媒体主約50名

売上・応募ともに大きな成果を出した「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」とは

ディップでは「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」と題し、2021年11月より新プロモーションを展開してきました。具体的にはDAIGOさん扮するディップの営業が乃木坂46さんが働くお店に対し「店長、時給上げてください」とお願いするCMが印象的な、一連のプロモーションです(CM映像)。働く人の待遇改善を目的に、ディップが企業に対して時給アップを働きかけることで、ユーザーはディップのサイトで高時給のお仕事を見つけることができる。企業に対してはよりたくさんの応募を提供したり、企業のサービスの質向上や人員の定着率の向上にもつなげることができる。それにより社会全体が抱える人手不足の課題解決も後押しする、まさに「三方よし」を目指した施策です。

まず成果からです。プロモーション全体での成果はとても好調です。2021年からこの時給アップのプロモーションを展開していまして、プロモーションを開始した11月から売上、利益ともに急激に成長しています。前年比で売り上げはプラス37%、利益はプラス120%になっています。

続いて、求人の応募数です。ユーザがバイトルを使って、応募をしてくれたかどうかの数というのも、大事な経営指標として追っています。こちらも新しいプロモーションを開始してから、過去最大水準の応募集客ができています

プロモーションの中でOOH(交通広告)が果たす役割と工夫とは

このプロモーションの中で、交通広告がどのような役割、効果を果たしているかをここからお話します。これも先に結論を数字からお伝えしますと、OOH(交通広告、以下OOH)のリーチが9.4%ですね。テレビCM、バナー広告、動画広告に次いで高い数値です。あとは、純粋想起がプラス2.0%、第一想起がプラス0.8%、認知向上に貢献しています。ここから分かるOOHの効果は、1つが「特定のターゲットにリーチができる」こと。もう1つが「認知を高める効果がある」ということです。

続いて利用意向も同様です。OOHは利用意向TOP2、利用意向TOP1もそれぞれ利用意向を上げることができていますので、交通広告に接触した人は、利用意向が高まっていることがわかります。CMよりも高い数字です

もう1つ大事なのがクロスメディア効果です。当然IMC(インテグレイテッドマーケティングコミュニケーション)全体でプロモーションを設計していると、テレビだけ見た、交通広告だけ見たという人の方が少ないです。大体テレビCMが全部リ-チしているので、OOHを見た人は両方に接触していることになります。左側がリーチで、右側が利用意向トップ2です。左側を見ると、テレビCMとOOHに両方接触している人がここの2.1%、5.6%の部分です。つまりOOHを見た人の過半数以上がテレビCMも見ていることがわかります。右側の利用意向を見ると、単独の接触よりも、クロスメディアで当たったほうが当然利用意向が高くなるということです。ですので、ここから分かることは、OOHはテレビCMとの重複率が高く、かつ重複することで利用意向をさらに上げることができるということです。

まとめです。私たちのOOH(交通広告)の役割には2つあります。1つは特定のターゲット(toC、ユーザー)に対してのリーチと認知のアップ、あとは利用意向の向上です。もう1つがtoBのクライアントさん顧客に対してのフック営業支援の意味があります。今回の交通広告のようなプロモーションは営業の皆さんの商談のフックになります。「駅の広告見ましたか、大規模に始めたんですよ」と営業が切り出せばお客さんも「あれ見たよ、すごいプロモーションやってるね、うちも出そうかな」という流れが期待できます。toBに対しての大きな貢献を果たしてくれているというのも、われわれのビジネスにとって大事なことです。

その上で工夫ポイントがいくつかあります。1つ目がCMプラスアルファの情報を補完するということです。CMを見ていることを前提として、どういう情報をさらにクロスメディアで伝えていくと、利用意向が上がるのか、という視点で訴求を考えています。2つ目に交通広告ならではの特徴を活用する、3つ目に自分ごと化されるフックを作る、です。どうしてこういう工夫をしているかといえば、OOHって2秒くらいしか見られないと思っているからです。普通に駅を歩いていて、あっ!と広告に気がついて見て1、2秒ぐらい。その2秒のときに、いかに目に留めていただくか、印象を残すかということが勝負だと思っていますので、これらの工夫をしています。では、これら3つの工夫について1つずつもう少し詳しい部分をご説明していきます。

工夫①「CM +αの情報を補完する」

1つ目は「CM +αの情報を保管する」です。バイトルのCMでアピールしている1番のベネフィットは「時給が上がるよ」ということ。これが1番伝えたいことです。では、補完したい情報は何か。ユーザインタビューで「バイトルでバイトを探すと時給が上がるよ」というコンセプトを提示すると、ユーザの方は「本当なの?信じられない。そんな簡単に時給って上がるの?本当怪しい」みたいな不信感を持つことが多いんです。そのときに根拠を補完して、「時給が上がる」というベネフィットをいかに信じてもらえるかというのがゴールになります。「時給が上がる求人が20万件以上ありますよ」「バイトルを使った人のうち3人に1人が平均時給178円上がっています」「バイトルは時給アップ率がナンバーワンです」、こんな情報をいろいろ見ていく中で、自分ももしかしたら上がるかもしれないと思ってもらえるようになっていきます。こういったベネフィットの根拠や周辺情報をOOHで補完し、伝えていくということを意図的にやっています。

工夫②「OOHならではの特徴を活用する」

2つ目です。「OOHならではの特徴を活用する」です。数秒しかないので文字をじっくりは読んでもらえません。そんな中でどうすれば伝えたいことを直感的に伝えられるかを考えて、ビジュアルを活用することを大事にしています。「時給が上がる」というメッセージを伝えるために、これはエスカレーターに広告を貼った例で、エスカレーターで上がっていくのと時給UPをかけています。

これは渋谷のスクランブルスクエアのサイネージです。このスクランブルスクエアってサイネージが三角形になっていて、面白い形をしているんですけど、その形を利用して、白石麻衣さんやチューイチがはまっているというものになります。

工夫③「自分ごと化されるフックを作る」

3つ目に「自分ごと化されるフック」を作るというのも考えています。特にOOHは、エリアターゲティングができるので、各エリアのプロモーションに活用できるということで、大事にしています。市場の余白であったり、大きさであったり、競合との差だったり、われわれの強みが発揮できるかだったりを総合的に判断してどのエリアを戦略的に攻めるかをまず決めていきます。特定のエリアに営業のリソースもマーケティングの投資も集中しようという戦略ができていざそのエリアを攻めようとなったとき、ただ広告を出すよりも「大井町のみなさんの時給が上がりますように」「大宮のみなさんの時給が上がりますように」といった、ここのエリアの皆さんに語りかけていますよ、あなたに語りかけてますよ、ということを伝えるキャッチで出すことで、私に言ってくれているのかなと思ってもらえるように工夫しています。

事例紹介「#時給178円UPでちょっとイイこと」

上記3つのことを総合的にいろいろ駆使してやったのが、「#時給178円UPでちょっとイイこと」というプロモーションです。これは大学生に向けて行った施策で、メディアにも取り上げていただいて話題となりました。どんなプロモーションだったかといいますと、特にわれわれのコアターゲットである大学生に向けてターゲティングできるOOHとデジタルを活用してバイトルの魅力を訴求していこう、というものです。「時給178円UP」というファクトを伝えることで、自分事化しやすくして「私のバイトの時給も上がるんだ」と信じてもらうことを目的にしています。そのために最寄り駅の交通広告だけでなく、大学構内のポスター、学食のトレイにも出すいうことをチャレンジしました。並行して、デジタルの施策も掛け合わせて、全体のリーチを高める設計です。

 

広告を出した大学は抜粋していますがこのようなラインナップです。そのエリアにおいて、学生のボリュームが多かったり、認知度が高い大学を選びました。

学食トレイに出す広告のコピーは各大学ごとに訴求を分けました。その大学あるあるというか、その大学の方が見たら、わかってるねとなるようなものです。その大学にちなんだコピーを作っています。

学内のポスターも同じです。それぞれの大学にちなんだコピーを訴求することで、その大学の方により振り向いてもらいたいと考えました。その大学の方に語りかける伝え方で、時給が178円UPしたらこんなことができるよ、ということを実感していただく施策です。これは大学の最寄り駅にも出しました。

実際に出したイメージがこちらです。飯田橋駅には法政大学の皆さんに向けてこんな感じで出したり、上智大学の方には四谷駅でこんなポスターを出したり、中央大学や横浜国立大学の学生さん向けにもそれぞれ最寄りの駅にピンポイントで出しました。出すところによって、それぞれ訴求を変えています。そのほかにも、大学の食堂の柱やトレイには食事中の学生向けのコピーを出しました。

OOHは工夫次第でtoCにもtoBにもワークする

まとめです。改めてOOH(交通広告)はtoCに対しても、toBに対してもワークするものだというふうに考えています。そして、その中で工夫するポイントは、CMを見ていることは前提としてそれ以外にどういう情報を補完して伝えたらより利用意向が向上するかを意識すること。そして、2つ目に交通広告ならではの特徴を活用することで、文字だけではなく、その全体を使って伝えること。3つ目は自分ごと化されるフックを作ることです。

お話は以上になります。ご清聴ありがとうございました。

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堀 一臣

商品開発本部 マーケティング統括部 統括部長 大手化粧品会社のブランドマネージャーとして、戦略立案・商品開発・プロモーション・営業販促・P/L管理などを包括的にマネジメント。その後大手ゲームメディア企業にてマーケティング戦略部の創設、全社のマーケティング立案・プロモーション・広報PR・新規事業などを管掌。2021年10月、マーケティング統括部長としてディップに入社。

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小林 宥太

商品開発本部 dip.S.W.A.T S.W.A.T課 採用担当 新規事業企画を担当するS.W.A.T課の採用担当。最近のマイブームはサウナ。