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AIエージェント開発にさらなる加速!ディップ技術研究所にコンサルファーム出身のデータサイエンティスト橘信幸さんがジョイン!(Part1)

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橘 信幸
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dip people編集部
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2月よりディップ技術研究所にジョインした橘 信幸(タチバナ ノブユキ)さんは、米・大手戦略系コンサルティングファームでデータサイエンティストとして数多くのプロジェクトで実績を積んでこられた方です。「AIエージェント事業」の開発を加速させるキーパーソンとなる橘さん。これまでのご経歴についてディップ技術研究所所長の岡本 周之(オカモト チカシ)さんにインタビューしていただきました!※Part2はこちら

数字と数字の間に成り立つ「不思議な関係性」に魅かれて…

岡本:まずは人物像を紹介していただきたいと思うのですが、十代のころはどんなことに興味があったんですか?

橘:高校時代はひたすらパソコンで遊んでましたね。物理部に所属して、RPG型の迷路ゲームをC言語で作ってみたり、何台かのパソコンでローカルネットワークを組んで色々なゲームを遊んだりしてました。

岡本:ちょっとオタク気質な部活で(笑)?

橘:それは確かにそうです(笑)。

岡本:橘さんは数学が好きで、高校卒業後は地元・金沢大学の数物科学類に進学されたんですよね。

橘:数学は小学生の頃から好きだったんです。当時通っていた塾で、中学生の先輩が使っていた数学の教科書の中に「y=a+b」のような文字式を見つけて「文字って足せるんだ!!」という驚きを感じて以来、数学が好きになって。学校のカリキュラムを無視してどんどん勉強し、微分積分も中学生のうちに学んでしまいました。数字と数字の間に成り立つ「不思議な関係性」を探究するのが好きで、思い至らなかった法則が成立しているのを見つけるのが楽しいんです。

岡本:中学生で微分積分を独学で学ぶとはすごいな(笑)。では大学では、数学を思いっきり研究したんですか?

橘:いいえ(笑)。数学は中学時代に勉強しつくしてしまった気がして、むしろ大学で夢中になったのは自動車部の活動(笑)。サーキットを走ったりラリーやジムカーナが楽しくて、14万円で買った中古車を自分で整備して競技会に出場してました。自動車は今もゲームと並んで大好きな趣味となっていて、週末は洗車やドライブしたり、サーキットへ走りに行ったりしています。

データ分析の可能性は無限大

岡本:多方面に趣味が広がっていて楽しそうですね(笑)。就活はどういう方向性で選んだのですか?

橘:「数学を生かせる面白い仕事」という軸で探して金融やSIerも検討したんですが、就活をするうちに「データ分析」が自分の特性にピッタリだと考えてブレインパッドに入社したんです。

岡本:今でこそビジネスでのデータ活用や統計解析が重視されていますが、当時はそれほど浸透していなかった印象もあります。橘さんはどういう展望だったんですか?

橘:私にとってデータは元々身近で、例えば学生時代は車のチューニングする時は必ずデータに基づいてセッティングをしていたんです。データを分析して次のアクションを決めるという意思決定プロセスそのものが好きだったんですね。そうしたプロセスが「ビジネスの世界でまだ活用されていない」と知って、むしろ将来性や伸びしろを感じていたかもしれません。

岡本:入社後はどんなプロジェクトにアサインされたんですか?

橘:私は就職するまでデータマイニングについて学んだ経験がなかったんですが、入社後に配属されたのが、社内で行われる分析業務に使うインフラの設計をすること。そもそも新卒で社内の中心業務さえ理解できてない状態の中で、いきなりビッグプロジェクトを任されて(笑)。

岡本:データ基盤を作ったんですか?

橘:そうです。社内のデータベースがあって、今で言うAmazon EC2みたいな演算環境を作って、あわよくば社外に販売できるものをめざせというミッションで(笑)。

岡本:うーん、それは新卒にはかなりハードなミッションでしたね(笑)。その後はどんなプロジェクトを?

橘:イメージしやすい例を挙げると、顧客分析や需要予測です。例えばコンビニのヘビーユーザーはどういう人で、どうやってヘビーユーザーになっていくのか分析したり、おにぎりの需要予測して仕入れを調整したりです。その他ですと銀行の不正検知ですとか、テレビCMやウェブ広告等の施策が売上に及ぼす影響を予測するモデルを構築して、そのモデルを用いて予算配分を最適化したりしていました。

岡本:なるほど。幅広いですね。

橘:色々な分析ができて充実していた一方で、クライアントから発注を受けたサービスの中には「これを作ったところでクライアントは幸せにならないよな」とか、「これAIでやることじゃないよね」というような依頼が結構あってモヤモヤしていたんです。やる前からうまく行かない未来が見えているプロジェクトがどうして企画されてしまうのか、それをなんとか改善できないかという思いが当時ありました。

ビジネスにおける「AI活用」の幅が大きく広がったBCG時代

岡本:それが前職の戦略系コンサルティングファーム「ボストンコンサルティンググループ(以下BCG)」に転職を決めた理由ですか?

橘:はい。ビジネスの意思決定の最上流からコミットできると面白いなと思って面接を受けたら思いがけず採用されたんです(笑)。

岡本:当時のBCGはAIに対して、どういうスタンスだったんですか?

橘:BCGの基本的なスタンスは顧客のポテンシャルを最大化することで、現代の時流を鑑みてAIは欠かせない要素だと位置づけられていて、社内にAIのチームが発足したばかりでした。

岡本:コンサルでの仕事は、それまでと何が一番違いましたか?

橘:例えば、それまでは「コストカットして売上を上げたいので需要予測してほしい」というような、データ分析以外の部分が既に決まった状態での依頼が多かったんです。一方、BCGでは「利益を上げるためにAIを使いたいがどこにどう適用したら最適か」というような、もっと根本的な部分から働きかけられるようになって、ビジネスや課題解決に向かう際の「前提条件」が大きく広がりましたね。BCGらしい仕事として一番印象に残っているものの一つに企業買収の分析があります。

岡本:AIによるデューデリジェンス(適正評価手続き)ですね。

橘:AIのデューデリジェンスは非常に具体的で、特定の都道府県に何系のお店を出せばどれだけ効果が増えるみたいな細かいことまでクライアントに示せるんです。そういったAIの使い方は戦略ファームのBCGならではです。

岡本:DXを推進する上で実際どんなことが大変でしたか?

橘:意外に大変なのがDX導入を前提として、「現場が今やっている業務」を変えないといけないっていうところですね。上層部の方の強い意思や推進力がないと、組織全体の同意や共感が得られなくてプロジェクトが進まないんです。

岡本:大きくガラッと刷新するからこそ導入効果も大きくなるはずで、現場との調整は確かに難しそうですね。

橘:BCGではDXを前に進めるために現場のケアを非常に重視していて、現場の人へ事前に説明し、推進チームに巻き込んで進めていました。その人たちにアンバサダー的な役割を担っていただいて普及をめざしましたね。

岡本:どの職場も、自分のやり方に信念を持って仕事をしてきたはずで、「やり方を変える」と言われた時に抵抗感があるのは当然なので、そのあたりの対応は非常に大事だと思います。橘さんはデータサイエンスの知識がものすごく豊富なだけでなく、ビジネスの現場で長年やってきて、実際に現場に導入する時の大変さを身に染みて理解していらっしゃる。なおかつコンサルとして幅広い視野をお持ちで、その両方の知見を持ってる方はそうそういないのでdipにジョインしていただいて非常に心強いです!

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Part1は以上となります。Part2ではdipに転職した理由、生成AIやChatGPTを活用したビジネスへの期待など幅広く語っていただいています!お楽しみに!

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橘 信幸

大学卒業後、(株)ブレインパッドでデータサイエンティストとしてAIプロジェクトに7年間携わる。2019年にボストン・コンサルティング・グループに転職して、AIエキスパートとしてAI/DX戦略の高度化に従事。金融や官公庁、人材、メディカルなど多様なプロジェクトで戦略の策定から、AIの初期版の開発を担当して事業の実現までをサポート。

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dip people編集部

『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。