営業DXのヒケツは営業になりきること?【Sansan Innovation Summit 2020 受賞レポート】

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亀田 重幸
商品開発本部 次世代事業統括部 dip Robotics ▼詳細

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高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

独自CRMアプリ『レコリン』をはじめ、営業DXに取り組むディップ。その実績が認められ、Sansan株式会社がオンライン開催した1,000人以上が参加する大規模なユーザーカンファレンスイベント『Sansan Innovation Summit 2020』にて第二回「Sansan Innovation Award 2020」を受賞しました!dip Robotics室長 亀田の講演および授賞式の様子をレポートします。

そもそもDXとは?UXとは?

はじめまして。こんにちは。ディップ株式会社でDXなどを推進しているdip Roboticsの室長を務める亀田と申します。よろしくお願いします。

本日は「営業DXを実現するための『営業になりきるDX手法』」というテーマにてお話させていただきます。

まずはDXとは何なのか?そして似たような言葉でUXとは何なのか?というところからご説明いたします。

著書『いちばんやさしいDXの教本』でも説明しているのですが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に至るには3つのプロセスがあります。1つ目がアナログデータをデジタル化する「デジタイゼーション」、次がビジネスプロセスをデジタル化する「デジタライゼーション」、最後がデータを使って新しい価値、ビジネスを創出する「DX」です。

そういう意味では、「DX」を体現している企業は日本ではまだ多くありません。しかし世の中の情報を見ているとすべてまとめて「DX」と呼ばれることがあるので、「今、自分たちはどのプロセスにいるのか」を把握することが大切です。

次にUXについて。

「デザイン」というと「美しい見た目をつくること」と誤解されがちですが、実はそうではなくて根本は「課題解決」なんですね。なのでUXをひとことで表すなら「使い手の心地よい体験をつくり、課題解決すること」なのではないかと思います。

なぜUXについてお話したかというと、営業活動は人がメインだからです。人が行うからこそ、「使い手の心地よい体験」をつくるUXの観点が必要になってきます。

では、DX、UXの定義を整理したところで、本題の「営業DX」についてお話していきます。

営業に3ヵ月密着し、作成したCRMアプリ『レコリン』。

ディップには1,700名ほどの営業がおり、以前は既存のCRMを導入していましたが、「検索が遅い」「項目が多い」「PC版しかない」などの理由で、なかなか利用されない、活用されないという実態がありました。そんなときにUXの観点を取り入れ独自に開発したのが『レコリン』というアプリです。

すぐに顧客が探せて、連絡も取りやすい、そんなコンセプトでつくりました。

結果、1人当たり1日1時間ほどの時間を削減でき、利用率も99.9%を誇る「使われるアプリ」となりました。

ではどうやってそれを実現したのか?

僕はエンジニア出身なので、営業経験がありません。なのでまずは営業を知ることから始めました。具体的には佐口くんという1人の営業に密着しました。隣に張り付いて、一緒にコールをしたり、どのように営業活動を行っているのかを教えてもらいました。そして「佐口くん専用のツール」をつくったんですね。それが先ほどのレコリンです。

まずはユーザーである営業にとことん密着する。そしてその目の前の営業が望むもの、使いたいと思えるものをつくる。その結果として、たくさんの営業が使ってくれる。このプロセスが大事なのではないかと思います。

使いやすいプロダクトをつくると、みんなが使ってくれます。みんなが使ってくれると、データが取れます。データが取れると、ビジネスの課題解決につながります。だからこそ営業DXにはまず「UXデザイン」が必要なんです。

データの活用で「新しいビジネス」を生み出すのがDX。

では使いやすいプロダクトをつくればDXは実現するのか?答えはNOです。

冒頭でお伝えした通り、ビジネスプロセスをデジタル化するのは「デジタライゼーション」であり、そこからデータを使って新しい価値、ビジネスを創出するのが「DX」です。

ではそのDXをどのように考えるか?ですが、「QCD(Quality、Cost、Delivery)」の観点で整理すると分かりやすいです。

ビジネスの基本は利益を上げることです。カンタンに説明するなら、価格からコストを引いたものが利益になります。

「価格を上げる」のはカンタンなことではありません。でも「コストを下げる」は実現しやすいです。なのでデータや技術を使ってコストを下げる、まずはこんなことから始めてみるといいのかなと思います。

このあたりの詳細は『いちばんやさしいDXの教本』に書いてあるので、ぜひ読んでみてください(笑)

営業メンバーが開発にジョイン。ディップは「みんなでつくる」DX組織へ。

では、ディップはDXの推進に向けて今後どんなことに取り組んでいくのか?

なんと、営業メンバーが開発組織に入ります。DXを推進するための営業と開発部の横断組織をつくり、営業と一緒にCRMを整備したり、販売しやすいプロダクトを考えたりして、営業がDXを促進する「みんなでつくるやさしい営業DX」に取り組もうかなと考えています。

何度もお話していますが、営業DX、またはSales Techは人が中心です。インタビューでユーザー(営業)の困りごとを確認しながら、ユーザーを巻き込んで課題発見、プロダクト開発に取り組むことが大事なのかなと思っています。

本日はありがとうございました。

▼登壇資料はコチラ▼

 

授賞式

当日は、登壇のほか授賞式が開催され、Sansan様からトロフィーとブルゾンを贈呈いただきました。

■ディップの受賞理由
社内業務の自動化を推進する組織dip Roboticsが旗振り役になりSansanを導入、自社独自の営業活動を効率化するCRMアプリ「レコリン」と連携しています。
Sansanで名寄せされた名刺情報を「レコリン」のデータの核として蓄積させたことによりデータの精度向上を実現。
また、「使われなければ意味がない」と、営業現場の課題解決を実現することにこだわり続け、営業DX基盤を構築しております。Sansanとのデータ連携により、営業現場に根付いたDXを加速させた点が評価され、「Sansan DIGITALIST Innovator」として選出されました。

【プレスリリース】第二回「Sansan Innovation Award 2020」を受賞 Sansanとのデータ連携で営業現場に根付いたDXを加速

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亀田 重幸

商品開発本部 次世代事業統括部 dip Robotics 2007年新卒入社 。インフラエンジニア、「バイトルアプリ」のプロダクトオーナーを経て、新規事業開発を担当。現在はdip Roboticsの室長としてチームを牽引し、営業のデジタルトランスフォーメーションに従事。趣味は日本酒とゲームをすること。

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高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。