
テラバイト級データ、潤沢な予算。求めるのは、それを活用できるデータサイエンティスト。
以前からデータドリブンな風土はありつつ、それをより強化しようという流れになっているディップ。すでに膨大なデータの集約はできており、データ活用を進めるための新組織も今年(2020年)3月に発足し、経営層からの関心も高いため予算もおりやすい状況。でも、大事な何かが足りていないそうで…。
救世主、求ム。
東島:データサイエンティストがいないという叫びを聞きつけて参りましたが。
山下:先日経営層からも発表されましたが、今ディップではデータ活用によって自社運営サイトをユーザーひとりひとりに最適化することに注力していて。そのための課である“AI・ML企画課”も今年の3月に発足したんです。課のミッションはAIやML(machine learning)の技術を使って、社内の業務改善やディップの運営する求人サイト『バイトル』 『バイトルNEXT』『はたらこねっと』を進化させること。そこで、まずはパーソナライズ化から進めていこうと。厳重な個人情報管理を行っているテラバイト級のユーザーデータ (属性・応募先・コード等)を集約したりといった整備はすでに完了していて、予算も必要なことであればかなりの額で出るんです。データの大きさも予算も相当なものですよ。なのに、肝心のデータサイエンティストがまだいなくて…。
東島:でも、すでにプロジェクトは進んでいるんですよね?
山下:そうですね。もともとデータドリブンな社風ではあって、Adobe Targetを活用してA/Bテストを高速で回すためのチームをつくったり、それらの取り組みによって『Adobe Experience Maker Award 2020』を受賞したりはしていたんですけど、機械学習に関してはまだまだで。プロジェクト自体は外部パートナーと組んでやっているのですが、実は…話についていくだけで精一杯なんです。今はメンバーが各々勉強して知識を持ち寄ってなんとかやっている状況で、まさに暗中模索。「闇だねー!」ってみんなと言い合いながら、もがき進んでいます(笑)
山﨑:みんなどんどん自分の領域を超えて補完し合ってますよね。菅野さんもディレクター兼アナリストまで入ってきちゃって、SQLも書き始めてますもんね。
菅野:いやいや…(笑)それを言ったら山﨑くんもSEOディレクター兼アナリストでしょ(山﨑さんの前回の記事はこちら)。まあ、楽しいから何とかやれていますよね。もし予測モデル開発を経験してきた方がディップに入社してくだされば、パートナーとの懸け橋になっていただきたいのですが。パートナーの知見はその方に集約して、私たちはその方から学ぶ、みたいに。
山﨑:専門知識が足りていないことはもう共通認識なので、今はみんな独学で自分の領域を超えて取り組んでいます。ディップは規模の大きい事業会社ですが、我々の状況はほぼスタートアップですね。
山下:本当、ちっちゃいベンチャーだよね(笑)
仕事探しで苦しんでいる人達を助けるために。
東島:いま進めているプロジェクトというのはどのようなものなんですか?
山下:まず、目指している世界からお話させてください。事業部単位では「日本で一番多くの“働きたい人”を助けること。そして、仕事の周辺にあるその人の人生をより豊かにすること」を目指しています。そのためのひとつの手段として、パーソナライズ化を進めています。
東島:そのプロジェクトは、どういった人たちに影響を与えるのでしょうか?
山下:たとえば『はたらこねっと』でいえば、派遣が中心の求人サイトですが、派遣という雇用形態を自分のライフスタイルに合っているから選んでいる人がいる一方で、本当は正社員になりたいけど生活面や経験などがネックでなれないと思っていたり、選ぶことができないという人もいる。そういった人たちの背中を押してあげたり、仕事を選べる状態にしてあげたい。『バイトルNEXT』は正社員中心の求人サイトですが、「学歴不問」「未経験歓迎」などの求人が大半。社員になるのがはじめて、就職に自信がないというユーザーの背中を押してあげたいという想いでやっています。できる仕事を探す、ではなく、やりたい仕事を選べる状態にする。そういった社会を実現しようと取り組んでいます。
東島:いま困っている人達を助けることにつながるんですね。
スタートアップ気質を、大企業の安定基盤で。
東島:組織の環境で特徴的な部分はありますか?
山下:なにせ、できたばかりの課ですからね。なんでもできると思いますよ。進行中のプロジェクトもありますが、後続のものは何をするかが未定なので、ブレストしながら決めていくつもりです。現状、中核となれるデータサイエンティストがいない状態ではありますが、目的はハッキリしていてみんな同じ方向を向いているので、意見交換は活発です。インパクトや難易度の観点からアイデアをやむなく落とすことはありますが、基本的には“とりあえずやってみよう”精神で取り組んでいます。
山﨑:なんなら、課で職能が不足していたら別の課から人手を借りてくることもできますし。自由度はかなり高いと思います。
菅野:学習意欲の高いメンバーで構成されているので、きっとデータサイエンティストが入社されたらみんな集まってきますよね。「教えてください!」って(笑)
東島:はやく来てほしいですね。
山下・山﨑・菅野:来てほしい~…。