BIツール、Python、R。自分の武器を増やしながら、ディップをデータドリブンな会社へ。

interviewee

山﨑 隆弘
商品開発本部 ディップ総合研究所 データソリューション課 ▼詳細

author

高橋 正憲
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

ディップは2016年、商品開発本部内にデータ分析を専門とする組織を新設。その中でも目覚ましい活躍を見せているのが2017年新卒入社の山﨑。日々どのようなことに取り組み、今後どのようなことを考えているのか、聞いてみました。

貢献したい。その想いひとつで仕事を拾い続けた新人時代。

高橋:山﨑さんは現在「データソリューション課」の所属ですが、入社当時は別の組織にいたとか。

山﨑:そうなんです。僕は2017年に新卒としてディップに入社したのですが、最初はバイトルやはたらこねっとなどのSEOを担当する部署に配属されました。

高橋:もともとSEOやデータ分析に興味があったんですか?

山﨑:いや、ぜんぜん(笑)僕の入社経緯はちょっと特殊で、初めは営業職として面接を受けていたのですが、「君は営業には向いてなさそうだけど、もっと向いてる仕事があるよ」と面接官の方がアドバイスしてくださり、それがメディアプロデュース部門の募集でした。もともと数学が得意だったのもあり、「もしかしたらこういう分野のほうが自分に向いてるのかな」と思い、面接を受け直し、ディップに入ることを決めました。

高橋:僕も似たような経緯で新卒で制作に配属されたので、共感を覚えます(笑)数学が得意だったとはいえ、SEOや分析の仕事は未経験だったと思うのですが、やってみていかがでしたか?

山﨑:最初はできることも少なかったですね。僕が入社したタイミングがちょうどバイトルのリニューアルと重なって、新卒に渡せるようなタスクが少なかったんです。やはりSEOの仕事は専門的な知識が必要なので、ある程度勉強して知識や経験がないと大きなサイトを任せてもらうのは難しくて。でもできる限り「僕、これやりますよ!」と自分から手を挙げて、前のめりに仕事をもらいながら、まずは小さな仕事で実績・経験を積んでいきました。あとは毎朝1~2時間早く来て、まとまったインプットの時間にあてたり。1年目の前半はずっとそんな感じでしたね。

高橋:もともとインプットや学習は得意なんですか?

山﨑:いや、勉強は苦手です(笑)ただ、やるからには貢献したいという気持ちが強くて。大学時代は福祉のボランティアをしていたのですが、その頃から人が好きで、「人の役に立ちたい」という気持ちは強いほうかもしれません。あとは負けず嫌いです(笑)

高橋:知識がついてくると、業務の内容や質も変わってきましたか?

山﨑:そう思います。それに、提案に対して「違う」と言われる回数が多ければ多いほど、勉強にもなります。とにかく毎日「この分析どうですか?」と上司に提案し続け、「そんなうわべだけじゃダメだよ」と突っ込まれたりしながら、SEOの知見や分析力を磨いていきました。

相手は人。分析スキルだけでは成果を出せない

高橋:2019年の5月に、データ分析専門の部署へ異動されたとか。山﨑さんが希望されたんですか?

山﨑:僕自身データ分析の専門性を高めたいという想いがありつつ、いろんなタイミングが重なって異動になりました。今の上司である課長にも「山﨑が欲しい」と言っていただけたようです。

高橋:現在はどのような業務を?

山﨑:データソリューション課としては「データを用いて意思決定を支援する」ことを目的にしています。具体的には経営層に報告するKPIの更新や、グロースハックチームなど関連部署からの依頼について分析面でフォローしたり。基本的にはサイト内のデータを扱うことが多いですね。僕の場合は依頼内容に合わせていろんな部署の方のところへ赴き、一緒に課題に取り組むというスタイルを取ることが多いです。あとはデータの基盤について「技術的にこういう風に変えていったほうがいいんじゃないか?」と試験を行ったり。割といろんなことに取り組んでいます。

高橋:最近動いている大きなプロジェクトはありますか?

山﨑山下さんの記事でも触れられていましたが、今は「より高度なパーソナライズ化」に向けて動いています。ユーザー一人ひとりが自分に合った仕事を選びやすくするためには、どうすればいいのか。そのためにはどんなデータが必要なのか。どんな技術が使えるのか。そういった基礎的なところから考えています。そのために最近はPythonやRについても勉強を始めました。

高橋:分析をする上で、大切にしていることはありますか?

山﨑:データ分析って実はすごく難しくて、いろんな役割があった上でデータ分析が成立しているんですね。たとえばデータを出してくれるところ、分析課題を見つけるための情報をくれる人、あとは分析結果を使って意思決定する人たちや、その判断をもとに現場で動く人たち。分析の精度やスピードはもちろん大事ですが、分析の知識・結果のみでビジネスで大きなインパクトを出すことは絶対にできなくて、それらの全体最適を考える必要があると思っています。だから常にいろんな部署のいろんな人の話を聞くことを心がけていますね。

高橋:それはいつ頃気づいたんですか?

山﨑:2年目の頃です。あるセミナーをきっかけに「分析って成果を出す意思決定のためにあるんだ」「そのためには相手が何を求めているかを知る必要があるんだ」「結局、相手は人なんだな」と気づいて。たとえばいくら分析の結果が正しくても、相手の仮説を否定するようなものだと相手もイヤな気持ちになりますよね。でも、たとえ相手にとってはイヤな結果だったとしても、ハッキリ言わなきゃいけない場面もあります。だからこそ、それを受け入れてもらうために常に親身になって相手の話を聞いたり、相手の業務を理解したり。常日頃から関係性をつくっておくことが大切だと思います。

高橋:データ分析というと数値だけが正義でドライな世界だと思ってましたが…。実務で成果を出そうと思うとやっぱりコミュニケーションが大事なんですね。

山﨑:今はコロナで行けなくなりましたが、一時期は毎日のようにいろんな部署の人とランチに行っていました。

データ分析は目的ではなく、ある意味ビジネスを成長させるための手段でしかありません。その手段を100%活かすために常に目的を考え、目的の実現に向けてやるべきことをあぶり出し、ときにはその目的を達成するためにデータ分析という領域を飛び越え、成果のコミットに向け行動するようにしています。

BIツール、Python、R、自分の武器を増やしていく。

高橋:「分析スキルだけではダメ」と言いつつも、ご自身のスキルアップのために常に勉強されていると伺いました。

山﨑:そうですね。SEOチームの頃はまずは思考法やプロセス、Excelの勉強から始めて、クロールの分析をするにあたりSQLも勉強していきました。当時SEOチームはBIツールは導入していなかったのですが、自分で1年ほど勉強を続けながら上司に導入の説得を続けたり(笑)データ分析のチームに移ってからはAdobe AnalyticsとSQLを掛け合わせて分析を行ったり、ここ1年くらいは統計・機械学習を扱うためにPythonやRを勉強しています。とはいえまだまだ使いこなせているわけではありませんが…。

高橋:すごい。インプットはどのように?

山﨑:移動時間に本を読んだり、ニュースをチェックしたり、Twitterで情報収集したり、あとはセミナーに参加して、そこでつながった人と情報交換をしたりしていますね。土日にまとめて時間を取って勉強することも多いです。本で学ぶだけじゃなく、実際にコードを書いて分析の練習もしています。

高橋:うーん…、僕も見習わなければ…。

山﨑:でもビジネスの意志決定において必ずしも高度な分析が必要というわけではないんですね。ビジネスだとカンタンな分析や比較でも成果が出せることも多くて、逆にPythonやRなどを用いた高度な統計・機械学習は目の前のビジネスに落とし込むのが難しいなとも感じています。

高橋:そうと分かりながら、なぜそこまでスキルアップに余念がないのですか?

山﨑:ひとことで言うなら「武器を揃えている」という感覚に近いです。たとえばExcelだけ詳しくてもできないことはたくさんあるし、GA(Google Analytics)やAA(Adobe Analytics)、SQLだけ使えてもできることは限られます。もっと速く、もっと精度高く、もっとビジネスにインパクトを与えられるデータ分析ができるように、自分の武器は常に磨いておきたいです。そしていつか「あの会社の分析チームはすごいな」と言われるようになりたいですね。

データドリブンなディップを目指して。

高橋:最後に、今後実現していきたいことはありますか?

山﨑:個人的にはもっとデータドリブンな会社になれたらいいなと思っています。そのためにはサイトデータ以外も扱えるよう基盤を整備したり、扱える人を増やすことも必要です。今はサイトデータの分析がメインですが、最終的にはもっと経営に近いところでデータ分析を行って、インパクトが出せるようにしていきたい。そのためにも基盤の整備や、自身のスキルアップ、会社としてのデータ分析力の底上げが必要だと考えています。

高橋:夢は広がりますね。

山﨑:とはいえ、僕もまだまだ未熟者で、データ分析のスキルやビジネスの知見・経験もまだまだです。将来の大きな理想を掲げながらも、まずは目の前のこと、部内のこと、具体的にはパーソナライズ化に向けた研究、日々の効果改善、それらを進化させるための勉強会の開催、ダッシュボード・データの見える化などに取り組んでいきたいです。

また、まだまだ仲間も足りません。この記事を読んで興味を持っていただけたデータアナリスト・サイエンティストの方には、ぜひディップにジョインしていただきたいです。

高橋:今日は僕もたくさん刺激を受けました。ありがとうございました!

関連記事一覧

interviewee

山﨑 隆弘

商品開発本部 ディップ総合研究所 データソリューション課 2017年新卒入社。SEOチームでの分析業務を経て、2019年よりデータ分析チームへ異動し、データアナリストとしてバイトル・はたらこの分析を担当。現在は3部署を兼務。

author

高橋 正憲

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。