井上さん、新卒から執行役員までどうやってキャリアアップしたんですか?【編集長のキニナル社員 Vol.3】
こんにちは。dip people編集長の高橋( @MasanTakahashi )です。
僕は2008年にディップに新卒入社したのですが、2つ上の世代(2006年新卒入社)からはすでに2人の執行役員が出ています。
今回はそのうちの1人、井上剛恒(たかつね)さんに「どのような努力を重ね、執行役員になったのか」などを伺いました。
キャリアについて考えたことはない。ただ“実力”をつけたかった。
高橋:井上さんは2006年に新卒で入社されて、その後最速で課長、部長、事業部長に昇格。2017年4月には執行役員になられましたよね。そのようなキャリアは、入社当初から描いていたものなんですか?
井上:いや、ぜんぜん。最初は「とりあえず営業頑張ろう」くらいの感じだった。
高橋:軽い(笑)逆に、どういうモチベーションでここまでこられたんですか?
井上:シンプルにチカラはつけたかった。社会に出て仕事をするからには、その実力を磨きたかった。お金や役職ではなく「実力を身につけたい」が自分の原動力かな。
高橋:そう思うようになったキッカケは何かあったんですか?
井上:いや、それもとくになくて。「部活に入ったらうまくなりたい」のと同じ感覚だと思う。ただ単純に、社会に出たからには仕事ができるようなりたかった。好きとか嫌いとか、やりたいとかやりたくないではなく、本当に自然な感情としてそう思っただけ。
高橋:それで執行役員までいくというのもすごい話ですが…。幼少時代もふくめて、井上さんが何か努力するようになったキッカケはあるんですか?
井上:うーん、そもそも努力しているという感覚がないというか…。アポが取れなかったら、アポが取れるようになりたいし、商談がうまくいかなかったら、商談ができるようになりたい。お客さまと対等に話せなかったら、通用するだけの知識を身につけたい。そういうひとつひとつを積み重ねてきただけで、「無理して頑張ろう」とか「しんどいけど乗り越えよう」みたいな感覚は一度もなかったかな。
高橋:なるほど…。
井上:ちなみにそれは今も同じ感覚かもしれない。イチ営業から課長に昇格したときは、KPIの立て方、プロセスマネジメント、PDCAの回し方などをイチから勉強したし、部長や事業部長に昇格したときは、リーダーシップ論やマネジメント論、営業戦略の立て方などを勉強していった。そうやって、都度必要なことを自ら学んで、仕事で実践して、成果を出して…ということを繰り返してきただけなんだよね。
高橋:たしかに、考え方としてはとてもシンプルですね。でもそれを続けてここまでこれたというのがすごいですが…。
お客さまに対して、絶対に手を抜かない。
高橋:お話を聞いてると、井上さんは「ふつうにやってきただけ」とおっしゃっていますが、僕からするとやはり超ストイックな人に見えるんですけど…。サボりたくなるときってないんですか?(笑)
井上:若いころはあったよ。電話するのめんどくさいなーとか(笑)
でも少なくとも、「対お客さま」に対して手を抜いたことは一度もないかな。お客さまに対峙する仕事とか、提案とかで手を抜いたことは一度もない。
高橋:社内向けSNSでもよく「自分がどうしたいか、どうなりたいかは後回しで、“相手のために自分は何ができるのか”を優先すべき」ということをおっしゃっていますが、それは井上さんの性格によるものなんでしょうか?たとえば「人のためになりたい」という思いが強いとか。
井上:いや、性格でいえばそんな聖人君子じゃないよ(笑)どちらかというと他人とかどうでもいいタイプ(笑)
どちらかというと、「そうするのがいちばん売れる」と分かってるからだと思う。目先の売上ばかり追ったり、口先で提案するのではなく、本当にお客さまのことを思い、提案することが売上・成果につながると分かってるから、そうしてるという感じかな。
高橋:なるほど。そこも最初の「実力をつけたい」につながるわけですね。
井上:そうそう。自分は営業として力をつけたくて、その方法がお客さまに対して手を抜かないことだから、やり切る。それだけといえばそれだけかな。
高橋:なんというか、聞けば聞くほどシンプルな理屈ですね。でも何度も言うように、それをちゃんと実行できるのがすごい…。
新しい事業を創造する。それが今後の自分の課題。
高橋:ちなみに、「都度必要なことを学んで実践していくだけ」とのことでしたが、役職が上がるにつれて必要な知識レベルも実行能力もどんどん上がっていきますよね。井上さんが今まででいちばんしんどかった時期っていつですか?
井上:大変なのは今がいちばん大変。社長や他の執行役員の方と話す機会が増えて、経営幹部としての視点が自分にはまだまだ足りないなと思う。でもそれも“危機感”であって“辛い”とはまた別かな。
高橋:なるほど。僕は今マネジャーなので、僕らからすると部長も事業部長も執行役員も“みんなすごい人”という感じなのですが…。井上さんから見て、他の経営層の方はどこがすごいんですか?
井上:事業の成長を考えて、常にマーケットの変化を見据えているし、いろんな情報にも精通してる。その上で事業や施策を考える発想力にも長けているから本当にすごいと思う。
だから自分が身につけたいのもまさにそこかな。今まで自分は「バイトル」「はたらこねっと」「バイトルNEXT」の市場を開拓してきたけど、今後はイチから事業をつくっていくことも必要。でも自分にはまだ「新しい事業を創造していく」ための知見もアイデアもない。だから今はいろんなマーケットの情報を仕入れながら、マーケティング、事業創造、経営戦略の考え方を勉強してる。
高橋:なるほど。経営層になっても「都度必要なことを勉強する」の連続なんですね。ちなみにインプットはどのようにされてるんですか?
井上:インプットはふつうの人と一緒だと思うよ。毎日日経新聞を読んで、必要に応じて本で勉強して。あとはビジネス雑誌も毎月数冊は購読してるかな。
でもホントに何か特別な方法でインプットしてるわけじゃない。いかに広くアンテナを張って貪欲にインプットして、アウトプットにつなげていくか。それが大事。
自分で考えるから、仕事はおもしろくなる。
高橋:話を聞けば聞くほど、井上さんが何か特別なことをやってきたのではなく、本当に凡事徹底というか、シンプルな考えのもと、ただ愚直にやられてきたんだなということが分かりました。
とはいえ、やっぱりやるべきと分かってはいても、なかなかやれないのが人間の性(さが)というか…。井上さんほどではないにしても、若くして成果を出すために、他に気をつけるべきことはありますか?
井上:さっきも言ったように、自分はとくに努力してきたという感覚はないし、むしろ仕事してないと疲れちゃうようなタイプ(笑)
じゃあなぜ自分がそこまで頑張れるのかというと、やっぱり単純に仕事がおもしろいからだし、なぜそんなに仕事がおもしろいのかというと、やっぱり自分の頭で考えてるからなんだと思う。
言われたことをただやったり、上司に教わったトークで売れたってぜんぜんおもしろくない。自分で「どうすればうまくいくか」を考えて、発想して、それがうまくいくからおもしろくなる。
自分は新卒のころから「誰かのマネをしよう」とか「上司の言うことを聞こう」とは考えてこなかった(笑)ずっと自分の頭で成果を出す方法を考えてきた。だからずっと仕事はおもしろかった。
高橋:なるほど。
井上:とはいえ、やっぱり成果を出すことは大前提。努力せず成果も出さず、「俺は俺のやり方でやる」みたいに言ってるのは単なる頑固だし、いちばんカッコ悪い。
だから自分で考える→行動する→成果を出す。このサイクルをまわしていけば、自ずと仕事はおもしろくなるんじゃないかな。
高橋:ありがとうございます。最後にメッセージなどあれば。
井上:コロナを機に時代の変化が大きくなる中、今後のディップには「新しい事業創造ができる」人が必要。対マーケットに対して「もっと役に立てるんじゃないか」という発想ができる人、「こういうサービスがあったらいいな」「こういうことができたら世の中もっと便利になるんじゃないか」などを常日頃から考えられる人に来てもらえるとうれしいです。