離れたことで気づけた仕事の面白み 【ワーママ・パパの働き方Vol.5】
2017年9月の出産を経て、翌年4月に復職。現在、育児に励みながら営業課長として活躍されている吉村さん。育休期間を通して、自分の仕事に対して客観的な視点を持つことができたと言います。出産後7ヵ月で復職することへの心の葛藤など、率直なお気持ちを伺いました。
出産後7ヵ月で復職するという決断。
―― 出産後、復職するまでには、戸惑いもあったそうですね。
産休・育休は仕事から離れる期間が数ヵ月以上になりますよね。そこまで長く仕事から離れるのは初めてだったので、正直戻ってからついていけるのか不安でした。育休を取って復職するということにすごく身構えてしまっていたので、復職するなら早め、かつ、勝手が分かっている産休前と同じ部署で頑張りたいと思っていました。
それと、保育園の事情も大きかったですね。保育園は原則4月の入園なので、9月に出産した私の場合、7ヵ月後の4月か、1年7ヵ月後の4月に入園させるかという二択になる。1年7ヵ月を選んだとしても、確実に入園できる保証はありませんから、最悪保育園に入れられなくなるリスクも考えなければなりません。私は7ヵ月後の復職も見据えて、入園申込書を出すことにしました。そうしたら2番目に通わせたいと思っていた保育園から内定の連絡が来たんです。でも嬉しい反面、やっぱり悩んでしまって。
実際にその保育園を見てから考えようと、見学に行きました。見てみると保育園の環境もよく、先生の考え方にも温かみを感じられたので、長い期間通わせるならここがいいなと思えて。子どもと過ごす時間、復職への思いなどをひっくるめて毎日悩みましたが、7ヵ月で復職することを決めました。
確実に成果を出すために。
―― 産休前と復職後で、仕事への価値観に変化はありましたか?
もっと力をつけて、より確実に成果を出したいと思うようになりました。市況やお客様の求人広告に対する考え方もすごく変化しているから、今までのやり方では通用しないのも当然だと言えます。でも環境の変化に関係なく、年次が上がるのと比例して、お客様の私に対する期待値も上がっているのは確かなんですよね。だったら自分も変化していくしかない。恐れずに立ち向かって、しっかりと成果を出すことがお客様の幸せにもなるし、ディップのサービスに掲載いただく価値も上がると思ったんです。
確実に成果を出すために、まずは自分の強みを振り返りました。2007年に入社し、今までディップで走り続けられたのには何か理由があるはず。だったらそれを自分の強みとして、さらに伸ばしていくべきだと考えました。そこで見つけたのが、人に対して敏感なセンサーを持っていること。
私は相手の気持ちや求めていることをすぐ察知する方なので、こちらの提案に対してお客様が求めている根拠や調査結果などを想像しながら予め用意して、原稿と一緒にお伝えするように工夫しました。そうするとスッと提案が通るんですよね。その積み重ねがあって、今では求人のプランニングから原稿作成までお客様からのNGが入ることなく、任せていただいています。
以前より求人以外の会話ができているのも、信頼して任せていただけるだけの関係性を築けている証だと実感しているので、この気づきは大きかったですね。
―― 現在、新しく取り組んでいることはありますか?
いまデータ分析と広告制作、営業の各担当が一つのチームを組んで進行している施策があるんですけど、「こんなことができたらいいな~」というちょっとした発言から、きちんとした企画に発展していって。
あらゆる分野のスペシャリストが集まることで、1つのアイデアから新しい角度のアイデアが生まれ、それが企画として形になる。今まで出会うことがないと思っていたクライアント企業の人事部門以外の方々とも、この企画を通してお会いすることができました。これは今までになかったことで、面白い取り組みができていると思います。
これからも新しい企画で実績を作って、全社に展開していけたらいいですね。
左から、データ分析担当の佐々野さん、広告制作担当の冨岡さん、吉村さん。
新しい視点に気づくことができたのは、目の前の仕事から離れる時間を持ったから。
――最後に、働くママ・パパへメッセージをお願いします。
育休中、仕事から離れて、病院やふらっと立ち寄ったお店など、あらゆる場面でサービスを受ける側になり、世の中には素晴らしい仕事をする人がたくさんいると実感しました。改めて自分の仕事ぶりはどうなんだろうと客観的に考える機会にもなり、新しい視点に気づくことができたのは、目の前の仕事から離れる時間を持ったからこそ。育休に限らず、そういった時間を意識的につくれると視野が広がるように思います。
また、子育てしながら働くロールモデルも、世の中にはたくさんいます。例えば、同じ悩みを経験してきたお客様。働き方はそれぞれ違っても、本当に楽しそうに自分の仕事に自信を持って働いていて。そういうお客様と触れ合えたことで、社内にとどまらず、社会にはたくさんのロールモデルがいるんだと安心できましたし、復職する上ですごく勇気をいただきました。
離れたところで気づける仕事の面白みもあるので、改めて周りに目を向けてみると、思いがけない発見があるかもしれません。