入社4年目に決めたこと。 福岡オフィス初の育休復職者として。 【ワーママ・パパの働き方Vol.4】
2009年に新卒で入社し、福岡で営業課長としてご活躍されている田中さん。ご家庭では2児の母として、仕事と育児の両立に日々奮闘しています。福岡オフィスで初めて「子育てしながら働く女性」となった当時の思いや現在の心境などを伺いました。
入社4年目に決めたこと。
――入社した当時はどんな将来像を描いていましたか?
当時は大きな目標を掲げて頑張るというより、まずは目の前の業務一つひとつを確実に習得していくことを考え、とにかく毎日がむしゃらでした。お客様にお会いすることがすごく楽しくて。でも、お客様の質問にうまく答えられなかったり、なかなか契約につながらなかったりすることも度々あって、それは本当に悔しかったですね。
結婚した2014年当時は、福岡にまだマネジャーが一人しかいなかったこともあり、「同期の中で一番早くマネジャーになる」という目標がありました。でもそのタイミングで第一子の妊娠が分かって。目標を掲げたタイミングでもあったので、産休に入る嬉しさと同時に「置いて行かれる」っていう焦りもありました。
――出産後も仕事を続けようと思っていましたか?
入社して3年目ぐらいまでは周りに復職している人もいなかったので、ディップに残らずパートで働くという選択肢もあるなと考えていました。4年目くらいからは、営業としても人としても、もっと成長していきたいと思うようになって。もっとバイトルのシェアを伸ばせると思っていたし、何よりも自分のお客様の課題をそのままにしてディップを去るのは違うなと感じるようになったんです。
その後、実際に妊娠が分かった時には、家族が増えるので経済的な面でも仕事は続けようと決めました。そんな中、当時の上司から「ディップで結婚して働いている人は全国にたくさんいるから、福岡でも事例をつくってほしい」と言われたんです。ロールモデルになるというプレッシャーも正直ありましたけど、「復帰してキツかったらまた考えればいいか」という気持ちで、まずはやってみようと思いました。夫も協力的だったので、すぐに家事の担当表をつくって割り振りを決め、今も2人で分担しています。
それから産休に入って、あらためて働くことの素晴らしさに気づいたんです。「働く」ってごく当たり前のことというイメージがあると思いますが、産休中は一日中パジャマで過ごすこともあり、人と会話することがない日もあったんです。
これまで普通に誰かと話したり、誰かのために頑張ったり、結果自分のやったことで喜んでもらえたことって、すごくありがたいことだったんだなと強く実感したんですよね。それもあって、早く復帰したいと思うようになりました。
自分の感覚やこれまでの経験がすべてではない。
――復職された時、環境の変化などは感じましたか?
第一子を出産して復帰したころは、特に変化は感じませんでした。あるとすれば、仕事の中身ですかね。既存顧客を持たずに、すべて新規顧客だったので、毎日1年目のメンバーと一緒にテレアポや飛び込みをひたすらやっていました。新規の担当になったのは、上司の配慮があったからなんですよね。そう思ったら、ここで自分のお客様をつくってまた頑張ろうと純粋に思えました。
一方で、第二子出産後の復帰では、前回とは違って、すべてがリセットされたかのような大きな変化を感じましたね。マーケットも変わっていて、ディップのサービスなどもガラッと変わっていて、今までの感覚が全然通用しなくなっていて、とても戸惑いました。
また、マネジャーという立場になって、初めてのこともたくさんあります。時短勤務なのでメンバーとコミュニケーションを取る時間も限られる上、マネジメントの部分で「あぁ、もっとこうしなきゃいけないのに…」という焦りが強くなってしまって。そういう自分をどう認めてメンバーと向き合っていくかを、今も試行錯誤しています。
――復帰後に感じた悩みは、どうやって乗り越えたんですか?
第一子の時は環境を整えてもらったものの、お客様からどう思われるのかが気になってしまい、自分の状況を伝えるまでに実は3ヵ月ほどかかりました。でも実際に事情を説明して、この時間までしか対応できないんですと伝えたら、「全然明日でいいですよ!」と、すんなり受け入れてくださって。とてもビックリしたのを覚えています。これまで、「仕事はこうしなきゃいけない」という思い込みがあって、自分で自分の首をしめていただけだったんだなと気づいたんですよね。
第二子の復帰後は、正直いまもまだ乗り越えたとは言えなくて、毎日葛藤してもがいています。ただ、自分の感覚やこれまでの経験がすべてではないということが分かった今だからこそ、分からないことはすぐメンバーに教えてもらうとか、どのメンバーが何に強いのかを知って、頼るようにしています。
質問することでメンバー同士がお互いの強みを知る機会にもなるので、チーム内でも会話が自然に増えていますね。
あと、産休中に仲の良いお客様とご飯に行かせていただいて、同じ母親として相談し合えていたことも、仕事と家庭を両立する上でとても励みになりました。仕事の垣根を越えてお話ができるその方の存在は、私にとってとても心強かったです。
なりたい自分を諦めないでほしい。
――最後に、働くママ・パパへメッセージをお願いします。
過去の自分を思い返してみると、可能性を決めるのは自分自身なんだと思います。私はもの凄くパワフルなイメージを持たれることもありますが、実際はそんなことないんです。あれこれ悩みながら、一歩一歩、自分らしい働き方って何だろうと考えながら日々模索しています。誰かの働き方が自分に合うとは限らないから、自分で働き方をつくっていくことが大事なんじゃないかなって思うんです。なりたい自分を諦めないでほしいですね。
また、女性が子育てしながら働く上で、男性の協力は必須です。女性の働き方に注目が集まりがちですが、もっと男性の育児参加や育休取得、柔軟な働き方が増えて、男女がともに働き方を考える、そういう考えが浸透している会社でありたいと思います。自分の働き方は自分でつくる、そんな気持ちを持つことが大事な一歩なのかもしれません。