技術の探求とチームの成長の両立。新規メディア開発で見えた、理想の開発環境づくりへの挑戦

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金子凌大
商品開発本部 システム統括部 グロースエンジニアリング部 フロントエンド課 ▼詳細

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上原大
▼詳細

フロントエンド開発からインフラ構築まで、幅広いスキルを持つフロントエンドエンジニアとして活躍する金子凌大さん。はたらこねっとのウェブサイト開発に携わりながら、新規メディア「はたらこマガジン」の立ち上げにも貢献しています。チーム全体の開発効率を高めることを目指し、日々新しい技術の導入や知識の共有に取り組んでいる金子さんに迫ります。

技術力と学習意欲を武器に、フロントエンド開発の最前線へ

上原:自己紹介をお願いします。

金子:システム統括部グロースエンジニアリング部フロントエンド課に所属しています。はたらこねっとの開発を中心に行っており、今年の5月からは新規メディア「はたらこマガジン」の開発も兼務し、約半年間プロジェクトに参加しました。フロントエンド開発を専門としながら、インフラ構築やチーム開発の効率化にも力を入れています。

上原:専門学校で情報系のことを学ばれたと伺いました。具体的にはどのようなことを学ばれたのでしょうか?

金子:システムの設計やデータベース、ネットワークの基礎などの幅広い分野を学び、WebアプリケーションやAndroidアプリの開発などに取り組みました。専門学校では主にシステムの設計やバックエンド寄りの内容が中心で、フロントエンドについては、実は専門学校ではあまり深く学ばなかったんです。ただ、ユーザーが実際に触れる部分の開発に興味があり、独学で勉強を進めてきました。

上原:具体的にどのようなシステムを開発したのでしょうか?

金子:専門学校の卒業制作として、MicrosoftのAzureというクラウドサービスを使用した学習コンテンツを開発しました。小中学生にクラウドの仕組みを理解してもらうためのWebアプリケーションをチームで制作しました。

上原:情報系の勉強を始めたきっかけを教えていただけますか?

金子:父親がシステムエンジニアだったこともあり、幼い頃からパソコンに触れる機会が多かったんです。その影響で、自然とIT技術への興味が芽生えていきました。そこから、自分も開発スキルを身につけて、世の中の人に役立つサービスを作る人になりたいと考えるようになりました。

ユーザー志向とチーム力を重視しディップへ

上原:就職活動では、どのような業界を見られていたのでしょうか?

金子:Webサービスを展開している企業を中心に見ていました。特に自社でサービスを開発・運営している会社に興味がありましたが、受託開発の企業も選択肢として検討していました。

上原:その理由を教えていただけますか?

金子:フロントエンドのスキルを活かせる業界として、Webサービスを多く展開している企業が最適だと考えたからです。また、ユーザーと直接つながるフロントエンド開発に携わることで、より多くの人々に価値を提供できると考えました。

上原:その他に就職活動の際に重視されていた点を教えてください。

金子:3つの軸がありました。まず、エンジニアの開発環境が整っていることです。次に、社内のコミュニケーションが活発な企業であること。そして、新しい技術を積極的に取り入れる風土があることです。特にWeb業界は技術の変化が早いので、最新技術への対応力は重要だと考えていました。

上原:3つの軸にあてはまる会社は複数あると思います。ディップを選んだ理由を教えていただけますか?

金子:開発環境が整っていることが大きな理由の一つです。例えば、エンジニア向けに年間10万円まで使える「サポ10」という制度があります。この制度を使って、必要な機材の購入や資格取得のサポートを受けることができます。また、リモートワーク環境下でも活発なコミュニケーションが行われていることも魅力でした。

チーム一丸となって開発に取り組む環境づくり

上原:職場やチームの雰囲気はいかがですか?

金子:自分の所属する部署では毎日朝会があり、その後に雑談の時間が設けられています。また、週1回「フロントエンドお茶会」を実施し、最新のフロントエンド関連ニュースについて語り合う機会もあります。気になったニュースや技術情報を共有し、気軽に意見交換できる場となっています。業務外でも積極的な交流があり、チームメンバー同士で助け合う雰囲気が強いですね。特に、仲間の成長を積極的に支援する文化があり、誰かが成果を上げると全員で喜び合えるような良好な関係性が築けています。

上原:社内の雰囲気の良さが伝わってきました!研修制度などのサポート体制も充実しているのでしょうか?

金子:新卒入社時には3ヶ月間の研修があります。最初の1ヶ月はGitなどのバージョン管理ツールやシステム設計、スクラム開発の基礎を学びます。その後の2ヶ月間は、より実践的な内容に入ります。新入社員が3チームに分かれて、企画から実装まで一貫して行うプロジェクト型の研修を経験します。各チームで作りたいものを企画し、システム設計から実際のアプリケーション開発まで行います。この経験は、実務に入ってからも大いに役立っています。

はたらこマガジン立ち上げ、新たな挑戦への一歩

上原:はたらこマガジンについて詳しく教えていただけますか?

金子:はたらこねっとの利用者や仕事を探している方々の日々の仕事や生活がより充実するような情報を発信するためのオウンドメディアです。

上原:中でも金子さんはインフラ構築に尽力されたと伺いました。どのような開発プラットフォームが選ばれたのでしょうか?

金子:AWS Amplifyという開発プラットフォームを採用しました。選定の理由は主に3つあります。1つ目は、10月のリリース期限に向けて迅速にインフラを構築する必要があったこと。2つ目は、AWSが既に社内で使用されており、新規サービス導入時に必要な稟議プロセスを省略できたこと。3つ目は、インフラの専門知識がなくても利用できる手軽さです。他の選択肢として、Vercelなども検討しましたが、上記の要件を総合的に判断した結果、AWS Amplifyが最適だと考えました。

上原:インフラ構築のためにどのような勉強をされましたか?

金子:AWSの知識は1年目の研修や学生時代の経験がありましたが、AWS Amplifyについては新たに学習する必要がありました。1週間という短期間で集中的に学習し、実際に手を動かしながら使い方を習得しました。この時はインフラをどうするかという決定を迅速に行う必要があったため、かなり集中して学習に取り組みました。練習用のプロジェクトを立ち上げて、実際の環境に近い形で検証を重ねました。

上原:すごいスピード感ですね…(笑)得られた情報を共有する際に苦労された点はありますか?

金子:サービスのメリット・デメリットを整理し、他の選択肢との比較表を作成しました。また、アクセス制限の設定方法や自動デプロイの手順など、具体的な使用方法についても丁寧に説明を行いました。プロジェクトリーダーと密に連携を取りながら、チーム全体でスムーズに新しい技術を導入できるよう心がけました。

上原:リリースまでの道のりで特に大変だったことはありますか?

金子:Adobe Analyticsという計測ツールと、開発で使用したNext.jsとの相性の悪さが大きな課題でした。社内カスタマイズされた計測ツールをNext.js環境で正しく機能させるための調整に苦労しました。また、AWS Amplifyは導入が簡単な反面、カスタマイズ性が低く、パフォーマンス改善に制限があることも課題でした。

上原:すごく大変そうですね…開発期間はかなり長かったのでしょうか?

金子:本格的な開発は6月から開始し、10月のリリースまで約5ヶ月間かかりました。AWS Amplifyを採用したことで、当初の予定通りの期間で開発を完了することができました。もし自前でインフラを構築していた場合は、開発期間が更に伸びていたかもしれません。

上原:5ヶ月の開発の後、無事リリースされた時の気持ちを教えてください。

金子:人生で初めて立ち上げ当初から関わったサービスを世の中にリリースできた喜びが強かったです。新規開発は初めての経験だったので、特別な思い入れがありました。同時に、チームメンバーと共に作り上げた達成感も大きかったです。

技術と人、両方を大切にする開発スタイル

上原:常に向上心を持ち続けられる理由を教えてください。

金子:「自ら学び解決策を見出す」が自分のモットーで新しい技術やツールを触ることが好きなんです。Webの技術は日々進化していて便利なツールや新しい手法が次々と登場します。そういった新しいものに触れるといつも「これをチームに活かせないか」と考えてしまいます。

上原:チームへの貢献意欲も高いんですね。その理由を教えていただけますか?

金子:発見したものをチームに提案し、開発環境の改善につなげていくことにやりがいを感じています。例えば、チームメンバーが「ここって面倒くさい作業だよね」と感じている部分を、新しいツールの導入で改善できることがあります。そういった形でチームの業務効率化や生産性向上に貢献できることがモチベーションになっています。

上原:素敵ですね!実際、チーム内での協力体制を築く上で気をつけていることはありますか?

金子:ミーティングでは他の人の意見を否定せず、積極的に取り入れるように心がけています。また、コードレビューの際は困っている人には積極的に声をかけ、コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりを意識しています。気持ちの良いコミュニケーションを心がけることで、チーム全体の協力体制が強化されていくと考えています。

上原:チーム内の雰囲気の良さが伺えますね。逆にチーム内で学習意欲に差がある場合、どのように対応されていますか?

金子:新しい技術を取り入れる時は必ずNotionでドキュメントを作成するようにしています。このドキュメントは、その技術に詳しくない人でも1枚読んだだけで「なるほど」と理解できるような、分かりやすい内容を心がけています。そうすることで新しい技術を導入する際の学習コストを減らしています。

上原:たしかに、それだったら学習しやすそうですね。他にも何か取り組まれているんですか?

金子:実際に手を動かして練習できる環境を用意したり、具体的な使用例を示したりすることで学習のハードルを下げるよう工夫しています。チーム全体の技術力向上のためには、個々のメンバーの学習スピードに合わせた支援が重要だと考えています。

未来を見据えた新たな挑戦へ

上原:今後チャレンジしていきたいことを教えてください。

金子:はたらこねっととはたらこマガジンの開発環境を改善しながら、ユーザー目線での機能改善や新規提案を積極的に行っていきたいと考えています。現在、はたらこねっとでは古い技術スタックの刷新やスクラム開発への移行を進めており、これらの取り組みにも力を入れていきたいと思っています。また、UI/UXの知識を深めてデザインの最適化にも取り組んでいきたいです。

上原:最後に、エンジニアを目指す学生へメッセージをお願いします。

金子:まずは個人開発で実際に何か作ってみる経験が大切だと思います。小さなアプリケーションでも構いません。自分でアイデアを考え、実際に開発して完成させる。たとえ小規模なものでも、企画から完成まで一貫して携わる経験はエンジニアとしての成長に大きく貢献すると信じています。その経験を活かして、世の中の人々に価値を提供できるサービスを作り出してほしいと思います。

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金子凌大

商品開発本部 システム統括部 グロースエンジニアリング部 フロントエンド課 専門学校を卒業後、2023年4月に新卒入社。学生時代に取り組んだ開発をきっかけに、Webフロントエンドの世界に興味を持つ。はたらこねっとのフロントエンド開発を中心に行っており、2024年5月からは新規メディア「はたらこマガジン」の開発も兼務。

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