自分が知らない「誰か」を想い、考える。『バイトル』求人原稿作成のおもしろさとは。

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秋山 美優
商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作2課 マネジャー ▼詳細

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梅田 玲未
商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 ▼詳細

「求人広告って、つまり何?」「制作の人ってどんな仕事をしているの?」なんとなくイメージはできるけど、実は仕事内容があまり知られていない、ディップの広告制作部。今回はライター・ディレクターとして活躍する秋山さんに、『バイトル』求人原稿制作の一連の流れ、やりがいについて聞いてみました。

元営業。「お客さまの魅力を伝えたい」気持ちを胸に、制作へ

梅田:秋山さんは2014年に新卒入社、2022年からマネジャーに昇格された制作部の大先輩ですが、そもそもなぜディップに?

秋山:元々、話すことより書くことの方が好きなタイプでして。バイトやインターンでのクリエイティブ職の経験は無かったのですが、何かしらの「書く仕事」をしてみたいと思っていました。とはいえ未経験でできる仕事は少なくて…。そんな時、たまたま広告業界を見ていたらディップと出会いました。

梅田:でも1年目は制作職ではなく、営業職として入社されたのですよね?

秋山:そうです。当時の新卒採用は営業職のみだったので。でもディップは「営業職でも自分のお客さまに対して取材をして求人原稿を書ける」と説明会などで聞いていたので、まずは経験を積み、ゆくゆくは制作に行くつもりでした。その時はまだ求人原稿を書くことのおもしろさはよくわかっていなかったのですが、「なんか…書けそう!」とは思っていました(笑)

梅田:「書きたい」という思いが根底にあったのですね。とはいえ営業となるとゆっくり原稿を書く時間は少なそうですが…入社してみてどうでした?

秋山:細かい点まで追求する時間は無かったですね。やはり営業活動に多くの時間を割いていたので、お客さまの魅力を見つけて「こんな求職者が入社したらいいだろうな」と考えても、全てを表現する余裕とスキルはありませんでした。そこでお客さまと求職者の幸せなマッチングのためにも、「もっと原稿を作りこむ時間がほしい」と思い、制作への異動を決意しました。

求職者に「おもしろそう」と思ってもらうため、まずは「自分だったら応募するか?」を考える

梅田:営業から制作への異動にそんな経緯があったのですね。では改めて、制作部がどういった流れで原稿を作成しているのか教えてください。

秋山:まず営業から「『バイトル』で掲載している原稿の効果が悪いので、中身を変えたい」「求人を新規掲載することになったので原稿を作ってほしい」といった依頼を受けます。応募数を上げたいという場合であれば、より多くの求職者に興味を持ってもらえるようキャッチコピーを変えたり、応募はあるけど辞めてしまう方が多いという場合であれば、採用のミスマッチが起きないよう仕事内容をより具体的に書いたり。新規作成の依頼であれば、必要な情報をお客さまにヒアリングし、イチから原稿を作ります。自分で取材に行き、現場のスタッフさんへ仕事のやりがいを聞くこともあるのですが、その場合は働いてる様子を写真や動画で撮影し、編集まで行いますよ。

梅田:求人原稿を1つ作るといっても、ライティング、取材、写真撮影、動画編集…と仕事の幅が広いですよね。秋山さんは原稿作成にあたり、最初にどんなことから取り組むのですか

秋山:たとえば効果改善の場合であれば、まずは営業が書いた元原稿を見て、自分が仕事を探す立場だったら感じるであろう違和感や疑問点を洗い出します。「これ、私だったら応募するかな?」って。

次は疑問をもとに、営業やお客さまへ募集の背景や仕事内容の詳細、待遇などをヒアリングし、必要な情報の整理を行います。その後、「こんな価値観を持った求職者が入ったら長く活躍してくれそう」というターゲット像を考え、「そのターゲットに対しどんな魅力をどんな風に伝えるのか」という原稿全体のコンセプトを決めます。この一連の流れを「設計」と呼ぶのですが、この設計のもと、ターゲットが応募したくなるような表現を意識しながら文章やデザインを考えていきます。

梅田:「自分が求職者の立場だったら」を考えることからスタートするのですね。

秋山:営業はお客さまと近い距離でコミュニケーションを取っていますし、お客さまのことをたくさん考えた上で原稿を作っています。ですが求人広告制作では「企業が欲しい人材に届くクリエイティブを作る」ことが大切です。

なので「お客さま」目線が強くなりやすい営業に対し、「求職者」のことを考えるプロとしての目線を加えながら原稿を作り、お客さまと求職者双方にとって価値のある原稿を作ることが、制作部の1つの役割なのではと思っています。

梅田:お客さまの魅力が伝わりつつ、求職者にとってのメリットもわかりやすい原稿ということですね。求職者目線で元原稿を見直したあとは、どんなことに取り組むのですか?

秋山:まず、企業HPや採用HPはマストで見に行きます。それから、最近の企業のニュースや中期経営計画をチェックし、「企業がこの先どんな未来を目指しているのか?」「そのために、どんな人材が必要なのか?」を分析します。加えて、飲食などの企業であれば、口コミサイトものぞいてみると「こんな接客がよかった」「こういう対応をしてくれた」など、お店のリアルな情報が拾えますね。

梅田:企業が発信する情報だけでなく、消費者から見た情報まで幅広く収集する。大事ですよね。

秋山:他にも、「この企業は競合他社と比較して何が魅力なのか?」「どんな性格の人が働いたら幸せになれるのか?」など、様々な視点から分析していきます。営業時代と比較すると、お客さまや求職者のことを考える時間は各段に増えました。

梅田:SNSを使って情報収集している制作メンバーもいますし、みんなあらゆるところから求職者や企業の研究をしていますよね。集めた情報の伝え方で意識していることはありますか?

秋山:たくさんある魅力の中でも、他の求人媒体や競合企業でアピールされていないメリットが書いてある…『バイトル』にしか書いていない、何かしらの新しい発見がある原稿を書くようにしています。

梅田:というと?

秋山:求職者に「他の求人媒体ではなく『バイトル』で仕事を探したからこそ、自分にぴったりな仕事を見つけられた」と思える体験をしてほしいんです。

例えば大手企業と中小企業の魅力は違うと思うのですが、それをただの「条件」として記載するのではなく、「こんな働き方ができる」「こんなことが叶えられる」という求職者のメリットとして言い換える。そうすることで、求職者はより自分に合った仕事を見つけられる。

そのためにも、やはり「この設計なら採用がうまくいきそう」と思えるまで企業の魅力やターゲット像を探し続けることが大切です。

反応が見える、新しい価値観を知れる。求人広告だからこその喜び

梅田:これまでは求人広告の作り方についてお話いただきましたが、他の広告とは違う、求人広告ならではの醍醐味についてもお伺いしたいです。

秋山:ひとつは、仕事の成果が見えやすいこと。今作っている求人広告は毎日書いて毎日掲載するようなサイクルなのですが、特に『バイトル』はWEB媒体なので、プレビュー数や応募数といった形で求職者からの反応も見えやすいです。自分が書いたものにどれだけの人が共感したのか、数字ですぐにわかる。SNSの「いいね」と似ている感覚かもしれません。

梅田:修正後、「前の原稿より遷移率(※1)が上がった!」「応募数が上がった!」などがよく見えますよね。

秋山:自分の書いた原稿が誰かに共感してもらえると嬉しいですよね。しかもそれが応募数や採用数に繋がれば、お客さまも喜んでくれる。私たちも、求職者も、お客さまも嬉しい「三方よし」の状態を作れることも、求人広告ならではのおもしろさかなと思います。

梅田:自分の書いたもので、誰かが幸せになるっていいですね。

秋山:でも私が「この魅力は共感してもらえるはず」と思って書いた原稿でも、先輩に見せたら「これ、何がおもしろいの?」と言われたこともありました(笑)

梅田:あぁ…。お客さまからのオーダーと自分の価値観が合わないこともありますし、自分と世間の価値観のズレを感じることはたまにありますね。

秋山:あります。でも先輩やメンバーと一緒に「この仕事の特徴は何か」「それを魅力に思うのはどんな人か」をディスカッションしたり、調べたり、実際に採用できた人にインタビューしに行くと、世の中には自分が知らない価値観とニーズがあると思い知りますね。

梅田:たとえば?

秋山:前に料理人募集の原稿作成を担当したのですが、お客さまから提示された採用条件は「料理スキルがあって、指示をこなしてくれて、フルタイム勤務だけど、雇用形態はアルバイト」というもので。正直、最初はこの条件に合う求職者のイメージがつきませんでした。

でもネットで調べると、「一度は料理人の道に挑戦したけどドロップアウトしてしまった人」というのが出てきて。さらにその人たちの感情や今どういう風に働きたいかを調べてみたら、まさにこの仕事の条件と合っていたんです。

「いるんだ、こういう人…!」と新しい価値観を見つけられた瞬間は楽しいですね。

梅田:「いろいろな人がいて、多様な価値観がある」というのは、制作部で学べることの1つですよね。

秋山:私がその魅力をいいなと思わなくても、それをいいなと思う人はどこかにいる。求人広告における求職者の価値観って、正解・不正解じゃないなと思います。

梅田:「正解は1つじゃない。たくさんある」って、制作部内でもよく言われる言葉ですね。

※1 求人一覧ページから各企業の募集詳細ページへ遷移した割合

文章、デザイン、分析まで。学べることはたくさんある

梅田:最後に、どのような人なら広告制作部に向いていそうですか?

秋山:やはり、新しい発見を「おもしろい」と思える人ですかね。求人原稿を1つ書くといっても文章やデザイン、広告の作り方はもちろん、分析や各職種に対する知識、求職者のトレンド、時事ネタまで…本当に、学ぶべきことはたくさんあります。仕事で身につけられることの幅広さに興味を持って、学び続けてくれる人なら制作部の仕事を楽しめると思います。

梅田:勉強しなくてはいけないことが次から次へと出てきて、果てしないな~と思います。

秋山:「一人前」の明確な定義も無いですしね。「あれもこれも全部やりたい!」と思うミーハーな人ほど向いているかもしれません。

梅田:確かに。

秋山:実は前に一度「辞めようかな」と思ったこともあるんです。でも、いざ転職活動をして自分のスキルを整理してみると、「○○さんと比べたら文章はまだまだだし、デザインは▲▲さんの方が…」と、先輩たちの顔が頭に浮かびまして。「まだまだディップで学べることがあるはず」と転職を思い直しました。

梅田:制作部には、あらゆる方面のスペシャリストがたくさんいますからね。

秋山:そうなんです。だから、憧れの先輩と並ぶまでは転職できないなと思いました(笑)この人達がいる限り、まだまだ学べることはたくさんある。だからこそ、これからも制作部で成長し続けていきたいですね。

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秋山 美優

商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作2課 マネジャー ライター・ディレクターを担う人。感化されやすく占いは9割信じるが、1割の猜疑心が根深い。最近の生活に欠かせないものはYoutubeとアマプラ。

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梅田 玲未

商品開発本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作1課 広告制作部でライティング・画像作成・取材をメインに担当。 趣味はパン屋めぐり。新しいお店の塩パンを食べる瞬間がいちばん幸せ。