【社員対談】HR Techが進む中、私たち採用コンサルタントに求められる力とは?
今後ますます顧客の中でテクノロジーの活用が進み、私たちの仕事や求められることが変わっていくことが予想されます。顧客に起きている変化や、今後採用コンサルタントに求められる進化について3名の社員で話し合いました。
顧客の中で進むテクノロジーの活用。
――大手企業や派遣会社では、人手不足解消のためのテクノロジーの導入が一気に進んでいる印象です。担当企業の中で新しい動きはありますか?
渋谷:私が担当している某ハンバーガーチェーンでは、店舗でのテクノロジー導入による効率化と、人が介在することでの価値の提供を、両軸で行っていくような動きがあります。具体的には、スマホアプリ上で事前注文を行い、来店時にレジに並ばず商品を受け取れるシステムと、お客様の店舗体験全体をサポートする、おもてなしに特化したスタッフの導入をスタートしました。テクノロジーを活用しながら自社の強みを生かしてサービスを進化させていくことが、企業価値を高め、他社との差別化にもつながると改めて感じています。
國府:ある大手の派遣会社では、過去の自社の求人情報と応募者の属性を収集し、AIに学習をさせて、トレンドも踏まえながら“どの時期にどの求人をどの媒体で優先的に出すと応募につながりやすいのか”を判定しています。案件の選定はAIが素早く行い、その後、我々が内容やクリエイティブな部分に手を加えて掲載しています。
飯島:すごく進んでいますね。中小企業では、まだ具体的な取り組みはできていないところが多いのですが、加速していく人手不足に対しては、強い危機感を持っています。現段階としては、これまで突発的、属人的に行っていた採用業務に対して、ATS(採用管理システム)を導入し費用対効果などのデータをとり、採用活動の棚卸しを行っているところです。
國府:お客様の経営層に、今後人材事業としてどうしていきたいかという話を聞くと、必ず選択肢の一つとしてテクノロジーの話が出てくるんですよね。その時に、「ディップだったらこんなことができますよ」とご提案すると、トップダウンですぐに話が進むことも多くて。既にRPAサービスの試験運用を開始した企業も数社あります。
採用コンサルタントの仕事はこれからどうなるのか。
渋谷:最近考えるのは、今後AIやRPAが発達していくと、私たち採用コンサルタントの仕事はどうなっていくのかなと。仕事の中でどんな部分が自動化され、どんな仕事が残っていくと思いますか?
飯島:お客様の仕事内容を聞いて把握するのは、AIでできそうですよね。でも、ターゲットから見た時にどんなところにその企業の魅力があるかを考えたり、あえてターゲットを変えた提案は人でないとできないのでは、と思います。
國府:お客様が話した内容を元に、若者に受けるようなポップな原稿を作ったり、高齢者向けに落ち着いたトーンで書いたりなど、ある程度パターン化した原稿の作成もAIでできそうですよね。ただ、他社も同じようなテクノロジーを取り入れてくると思うので、内容が似てきて、差がなくなってしまうのではとも思います。他と差別化するには、アイデアを加える、背景を理解した上での視点を加えるなど、人の力が必要だと思いますね。
渋谷:自動化で私たちの仕事の全てがなくなるのではなくて、より人だからできることに注力していくべきなんですね。私は今、応募者のシミュレーションを出すのに時間がかかっているのですが、その作業時間をお客様のところに行き、話す時間にもっとあてられたらいいなと思います。
國府:お客様と深く関わっていくと、採用まわり以外の事業課題も見えてきます。派遣会社のお客様からは、応募を集めて終わりではなく、稼働させて黒字化できるまでをしっかり見てほしい、とオーダーをいただくことが増えています。表面的ではない仕事が求められていると感じますし、どこよりもお客様の事業に深く関わり、一緒に追求できる存在になりたいですね。
今後、どんな力を磨いていきたいか。
飯島:私は、今後採用コンサルタントとして、まずは個社のビジネスモデルを理解することを徹底的に行いたいと思います。そして、時代やニーズに合わせて、既存の型にこだわらず、新たな職種やポジションの提案なども行い、雇用の活性化を促していきたいです。
渋谷:仕事の中で一部の業務をAIやRPAが担っていったときに“人が行う仕事”の競争が激化するのでは、と思います。例えば営業でいうと、より意図を汲み取れるとか、より面白みのある提案ができるとか、 “その人”だからこそできることに価値がつくと思うんです。私自身でいうと、先導して道をつくるような発想や固定観念にとらわれない柔軟性を身につけたいと思っています。
國府:この先テクノロジーが発達すると、“問題を解決するために、情報を組み合わせて着想する力”がより求められていくと思います。今の“当たり前”がこの先も当たり前であるとは限らない時代で、僕らの仕事も新しいビジネスモデルを取り入れるなどしながら、進化していかなければならないと強く感じます。そのために、日々多様な知識や情報を得ることを強く意識しています。