新規事業『スポットバイトル』をリードする、プロダクトオーナーの挑戦とキャリア
新規事業『スポットバイトル』のプロダクトオーナー(PO)を務める浮田和真さん。入社4年目にして重要な役割を任された彼は、どんな思いでこのポジションを引き受けたのか。新規アプリ開発という一大プロジェクトを率いる中で、浮田さんが感じた圧倒的な責任感と、それに挑む熱い想いに迫ります。
新規アプリのプロダクトオーナーは「やりたいことができて、ラッキーだった」
編集部:浮田さんのPO(プロダクトオーナー)としての仕事の概要を教えていただけますか?
浮田:『スポットバイトル』というスキマの時間で「働きたい」と「働いてほしい」をつなぐ求人マッチングサービスのネイティブアプリのPO(プロダクトオーナー)を担当しています。主な仕事は、アプリ内の機能や画面など、中身の構成を全て決めていく責任者としての役割です。リリース日に合わせて、プロダクトの優先度を考えながら必要な機能を取捨選択し、開発スクラムを回していくという感じでした。
編集部:PO(プロダクトオーナー)になった経緯を教えていただけますか?
浮田:2023年の12月頃に、『スポットバイトル』のチームに入りました。実は、私がディップに入社した理由の一つが、大学時代に似たようなアプリを作った経験があり、ディップなら『バイトル』や『はたらこねっと』の基盤を活かしてもっといいものが作れると思ったからでした。しかし、入社1年目は当時の統括部長に「10→100をできないやつが、0→1ができるわけないだろ」と言われ、新規事業ではなく既存メディアの『バイトル』に配属されました。そこで3年間、10→100にする経験を積めたのは、今考えるととてもありがたいことでした。そんな紆余曲折を経て、やっと12月に『スポットバイトル』のチームに入れたときは、「やってやる」という感じでした。上の人たちから学べることも多そうだし、念願のやりたかったこともできる。環境として最高だと思いました。
編集部:今まで10→100にするところで経験を積んできたり、UXデザインの知識はあったものの、新しいプロダクト、しかもアプリを最初から全部立ち上げて作っていくのは初めてだったんですよね。初めてのことに対する抵抗感みたいなものはなかったんですか?
浮田:抵抗感は全然なかったですし、「やりたいことができて、ラッキーだな」と思っていました。そう思えたのは、チャレンジが奨励されている環境だからだと思います。新しいチャレンジをする際に、失敗したら1回で終わりじゃないので、気兼ねなくチャレンジできるんですよね。周りの方がフォローしてくれるのもありますし、「何で失敗したのかを明確にすれば、次は修正出来るよね」という考え方が根付いているんです。また、得意不得意を理解してもらえる環境だと感じています。新しいことに取り組む(チャレンジする)ということは、やったことないことなので不得意なことであり、エラーが多いということを最初からある程度許容してもらえるんです。また、チームの中でもお互いの不得意な部分を補いあって、得意の部分を活かそうという風土があります。
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MVP開発での優先順位のつけ方
※ MVP = Minimum Viable Product
編集部:PO(プロダクトオーナー)として、最も難しかったことは何ですか?
浮田:最初はPO(プロダクトオーナー)補佐でしたが、6月からPO(プロダクトオーナー)になり、自分の責任で全てが決まる立場になりました。最も難しかったのは、やはり「自分に最終決定権がある」ことです。開発の話を含め、様々な議論が生まれますが、最後に決めるのはPO(プロダクトオーナー)です。私の一言で決まることの責任の重さを強く感じました。特に、10月1日のリリースが決まっており、記者会見の準備もあったので、絶対に失敗できないというプレッシャーがありました。
編集部:開発の段階からリリース日が決まっているのは、確かにプレッシャーですよね…。そんな中で、機能の優先順位はどのように決めていったのでしょうか?
浮田:アプリを作るチームとして「どういうサービス」を作り、「何を目指すのか(コンセプト)」の認識を合わせるところから始めました。そしてリリースの期限に合わせて、まずはコンセプトなどを踏まえてやらないことを決めました。また、やらないことの中でも、これまでの既存メディアの経験から「あったらいいかも」「あって当たり前」というバイアスをさらに深ぼって、「本当にリリース時に必要なのか?なぜ必要なのか?」を考えて優先順位を決めました。
新規プロダクトだからこそのやりがいと難しさとは
編集部:新規事業ならではの面白さややりがいはどういったところにありましたか?
浮田:今回はスクラム開発だったので、私が一方的に決めるのではなく、みんなで決めながら作っていく感覚が強かったです。何もないところから、エンジニアと一緒に一つひとつの機能を作っていく過程が「ザ・ものづくり」のように感じられ、既存メディアではできない経験でした。楽しかったのは、エンジニアが作った画面を確認する瞬間です。最初は何もなかった画面に、徐々にタブができて機能が増えていく。「ああ、こうしてアプリができていくんだな」と思うと同時に、自分たちが考えたものが形になる喜びがありました。
編集部:なるほど!では、難しかったところはどういったところだったのでしょうか?
浮田:難しかったのは、作っているものが本当にミニマムな機能なのかを判断することです。「これも必要じゃない?」と話が膨らんでいく中で、「本当に届けたい価値は何か」という根本に立ち返りながら作業を進めるのは難しかったです。また、開発だけでなく、法務や経理など他部署との連携も必要で、そこも難しさを感じました。アプリだけでなく、管理画面など裏側の整備も重要で、他のプロダクトや部署との連携の大切さを学びました。
リリース後の手応えと今後の展望
編集部:無事リリースできたそうですが、反響はいかがですか?
浮田:早い段階でアプリの審査を通過し、10月1日までのリリース日までの期間でさらにアプリの磨きこみが出来たので、個人的には120点の出来でリリースできたと思っています。リリースから約3か月が経ち、実際にユーザーが申し込んで働き、給与が振り込まれるまでの一連の流れができています。細かい問題はまだありますが、最低限の機能は果たせており、プロダクトとして回っているのは嬉しいですね。
編集部:今後はどんなところに力を入れて挑戦していきたいですか?
浮田:『スポットバイトル』は事業としてまだスタートラインに立ったばかりです。3月からの開発は大変でしたが、10月1日のリリースからが本当のスタートだと感じています。これからは他社のサービスに追いつき追い越せるかという中で、プロダクトをどう進化させていくかを考えていく必要があります。新規事業のPO(プロダクトオーナー)として、サービスを出して終わりではなく、どこまでユーザーに価値を提供し続けられるかが重要です。個人としては、PdM(プロダクトマネジャー)を目指して、営業や広告の知識を身につけるなど、自分の領域を広げていきたいです。新規事業に関わっているからこそ、様々なポジションにチャレンジできる環境があるので、それを活かしていきたいと思います。
後輩へのメッセージ
編集部:最後に、これから「Webディレクター」や「UI/UXデザイナー」として入社する1年目の人へメッセージをお願いします。
浮田:やりたいことを決めること、そしてやり切ることが大切だと思います。やりたいポジションに就くには運も必要ですが、それは努力次第で掴めるチャンスだと思います。やり切るのは才能ではなく努力です。私の場合、既存メディアで3年間しっかり働いた経験があったからこそ、新規事業のPO(プロダクトオーナー)という役割を任せてもらえたと思います。やり切ることで実績という名の信頼が得られ、自分のやりたい仕事ができるようになります。また、一つのことをやり切らないと、次の目標も見えてこないと思います。私も1年目の頃は上司に企画や提案をし、フィードバックをもらいながら実行していました。その経験から、課題解決の考え方や決断の仕方を学び、それが今回のアプリ開発でも活きました。最後に、この会社は本当にチャレンジできる環境だと思います。Web開発者がアプリ開発に挑戦したり、デザイナーがPO(プロダクトオーナー)を務めたりと、様々なポジションに挑戦できます。自分のキャリアを広げるチャンスがたくさんあるので、積極的にチャレンジしてほしいですね。楽しいことばかりではないですが、自分で選んだ道なら、大変でも頑張る価値があると思います。