営業活動の未来とAI活用【CBOが語るAI活用のポイント】

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岩田和久
ディップ株式会社 取締役 CBO(最高事業責任者) ▼詳細

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dip people編集部
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今回のインタビューでは、ディップ株式会社のCBO岩田和久に「営業活動の未来とAI活用」について聞きました。営業効率化や顧客満足度向上の秘訣が果たしてAIにあるのか、そして今後の営業におけるAIの役割について深く探求していただきました。

編集部:岩田さんの考える、営業のAI活用の意義について教えてください!

岩田:営業活動におけるAIの活用は非常に重要です。これによって、工数の削減が実現し、営業の効率化や顧客満足度の向上が可能になっています。特に、データを駆使した未来予測や提案は今後の営業において価値あるものとなります。営業リストの作り方、顧客が採用にお金をかけるべきタイミングを把握するためのレポート作成などにも重要で、可能性を感じています。編集部:AIによって効率化が進むと思いますが、

編集部:営業戦略との兼ね合いについてはどうお考えですか。

岩田:効率化によって営業時間が増え、より良い営業活動や顧客提案が可能になります。しかし、削減された時間をどう活用するかが大きな課題です。この余剰時間は現在、おそらくはネット閲覧や企画書作成に使われていますが、成果の可視化がなされていません。AIの活用によって空いた時間を有効に活用する戦略が必要ですね。また、営業部門では時間の使い方の曖昧さに課題があります。例えば、「原稿作成」一つとっても、顧客にヒアリングし、内容について悩み、参考になりそうな資料を探し、原稿を書いている時間というのが混在していますよね。そこを明確にする、具体的な目標設定や基準の導入が必要です。現状ではAIの具体的な利用方法や戦略がまだ明確ではなく、売上を上げるための戦略や活動の効果が定量化されていないため、業務改善企画部門と営業戦略部門の連携を強めていきたいですね。

編集部:AI活用を前提として業務を行うことになる営業への報酬について教えてください。

岩田:何かを効率化するときには、報酬や成功体験が伴わないとついていけない人が多くなると思っています。報酬の上昇と成功体験の積み重ねが営業担当者にとって重要です。現在は、成果を上げた営業担当者の事例や成功体験を共有し、主体的な活動を促す取り組みが始まっています。ただ、主体的な取り組みはまだまだ発展途上で、思うようには進んでいないと感じていますね。事例共有や成功体験の発信を通じて、報酬に繋がる行動や、活動の意義と重要性をあらためて周知する必要があります。

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編集部:営業の役割にAIが与える影響についてはどう思いますか?

岩田:営業の役割は現行を維持するだけでなく、本質的な価値を提供することです。顧客に信頼されることが重要で、AIの出現によっても営業の仕事は変わりません。人間が引き続き担うべき仕事は、深いところを任せられる信頼性の高いものです。営業活動では具体的な課題解決策や提案が重要で、原稿の修正よりも本質的な問題点に目を向けるべきですね。たとえば、私達のお客様、クライアントは人を採用したいと考えている企業です。でも、いくら募集を出しても応募が来ない場合、何が悪いのか?と考えると、原稿自体ではなく、そもそもの働く環境や、時給の改善にも取り組む必要があります。

編集部:AIを活用しようとしている営業へのメッセージをお願い致します。

岩田:AIを活用には、実際に行動して結果を出すことが重要です。失敗してもトライアンドエラーを繰り返し、時間をかけて成果が出なければ方針の見直しが必要です。特に、若い世代には感性を活かしてサービスを磨いてほしいと考えているので、どんどんAIの活用にトライしてほしいと思います

編集部:ありがとうございました!

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岩田和久

ディップ株式会社 取締役 CBO(最高事業責任者) 広告代理店勤務を経て、2000年に当時社員10名程であったディップのビジネスモデルに可能性を感じ、入社。メディア事業の第一人者としてディップの草創からの急成長を牽引。

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『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。