ディップの新CIO鈴木に聞く、「なんでかうまくいく」仕事と人生における独自の哲学【CIOが語るAI活用のポイント】

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鈴木孝知
ディップ株式会社CIO  ▼詳細

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dip people編集部
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本記事では、ディップ株式会社CIO、鈴木孝知が登場します。鈴木は、『立て直し』に一貫して携わる独特なキャリアを持ち、AIとDXの推進を手掛ける一方、自身の人生観を語り、働くことの面白さを伝えることを目指しています。今回は、彼の経験、思考、そしてディップでの仕事について深く掘り下げます。

自己紹介

編集部:本日はどうぞよろしくお願いします。鈴木さんは2023年5月にCIOに着任されました。まず、ディップに入社された経緯や理由を教えてください。

鈴木:以前はリクルートで社内広報を担当していました。多くのミドルマネジメントの方々にインタビューし、成果の出し方やピンチの乗り越え方について学んできました。そうした経験から、「学んだことを実践したい」と思い、転職を決意。伸び悩む事業の立て直しや赤字企業の黒字化に取り組んできました。ディップは「この会社で働きたい」と強く思えた初めての会社です。特に「ユーザーファースト」の姿勢に強く共感しました。「レイズ・ザ・サラリーキャンペーン」、「ディップ・インセンティブプロジェクト」を知って、「ユーザーファースト」の本気度に衝撃を受け、強い共感を覚えました。

編集部:なるほど、たしかに、他社にはない取り組みですね。

鈴木:はい、dipのフィロソフィーは私の姿勢と非常にマッチしています。特に「レイズ・ザ・サラリーキャンペーン」のような、ユーザーファーストの姿勢が素晴らしいですね。ユニークな会社で、社員の幸福度を高めることにも注力しています。

情報システム部門の立て直しとAIの推進” CIOとしての鈴木の取り組み

編集部:現在はCIOとして、どのような取り組みをされていますか?

鈴木:主に、情報システム部門を管掌しつつ、社内のIT整備を進めています。また、AIを活用し、生産性向上を追求する全社横断のプロジェクトチーム「dip AI Force」を統括しています。

200以上のChat GPTプロンプト整備、現場に250名のアンバサダーを配置
全社横断のプロジェクトチーム「dip AI Force」始動

編集部:ディップ入社時の印象は?

鈴木:利用部門からの要望を実現して喜びを感じている人が多いです。ホスピタリティが非常に高いことに驚きましたね。仲間としてたいへん魅力的です。半面、上司やCIOとしては、感謝されたいというホスピタリティに加えて、優先すべき課題を解決して会社に貢献することに喜びを感じてもらえたらいいなと思うこともあります。目の前の依頼者だけではなく、ユーザーやクライアントの満足度を上げる仕事を一緒にしていきたいです。

編集部:ディップに入ってから取り組んでいる仕事について教えてください。

鈴木:入社時に、まずディップにおける情報システムの戦略を作りました。また、目標に向かって計画を立て、遂行するスキームを確立しました。自分が役に立つことができる領域で働けていることに感謝しています。

編集部:鈴木さんの仕事の進め方は?

鈴木:「悩まない」ことですね。実現が難しいとか、失敗したらどうしようとか、上司に怒られないかとか、そういったプロセス上の迷いや悩みを無視して、dipとして、人としてやったほうがよいかだけで決めます。やると決めたら、徹底的に遂行します。「困ったことが起きて悩む」のは時間と脳みその無駄使い、と信じているので、困ったことが起きたら、どうやったら解決できるかを考えて、解消することだけに集中します。本気でやっていれば、手伝ってくれる人がいて、困っていれば助けてくれる人がいて、成果が出はじめるとさらに色々な人が集まってくれます。AI担当に任命されたときにはAIの経験・知識は多くなかったのですが、冨田社長のAIに対する考えに感銘を受け、AIという時流に乗るのは必定である、と思えたので、「dip AI Force」に参画させてもらいました。AIと人が協働する世界を実現することで、働く人をより幸せにできる!と思っています。さらにdipの場合は、全社員一人ひとりが当事者意識を持って、いろんなところでAIを活用しようと頑張ってもらえるので、方向性を明確にして、目的やチームを整理するだけでものすごいスピードで進んでいきました。頑張って進めてくれていたので、皆さんが、絶対に成果につながるぞ!と信じて、悩まずに爆速で進められるよう、成果がでれば共有して褒めて、ちょっと先の未来を見える化してワクワクしてもらうことを意識しています。

相談の増加と問題解決の喜び” CIOとしての成長と変化

編集部:入社後半年経ちましたが、印象は変わりましたか?

鈴木:CIOは守りの役割もあるので、「困ったなあ」と思う案件も少なくありません。しかし、dipのいいところは、困ったことは起きるのですが、自分自身の利益のためにやっているのではなく、良かれと思っての結果がうまくいかなかったというケースばかりなことです。アドバイスをすると、素直に受け入れてくれます。なので、私も「そういう事情であれば、なんとかしてあげなきゃ」という前向きな気持ちで対処できます。あとは、自分で問題を解決しようとする当事者意識を持つ人が思った以上に多いです。こういった人たちと一緒に働く上で楽しいですね。主体性の塊なので、たまに「そっちに走っちゃダメ~」ということも起きますが、方向性を示すと積極的に動いてくれる人が多いのでいい会社だなあ、と思っています。

編集部:状況の変化はありましたか?

鈴木:社員から相談されることが増えましたね。特に、誰に相談すれば良いのか分からないので相談させてください、という内容が少しずつ増えてきました。入社してすぐは、社員から見ると私が何者なのか分からないので、業務上必要なことしか相談しないのが普通だと思うんです。この半年で色々な問題を解決してきたことで、鈴木さんに相談したら何とかしてくれるかな、と期待されるようになったことが、とても嬉しいですね。

“後悔しない”をモットーに、恐れずに挑戦するCIOの仕事術

編集部:鈴木さんは、「何でかうまくいく」とのことですが、その理由は何ですか?

鈴木:「もし自分が今晩、死んだとして、今日の決断・行動を後悔しないか」という気持ちで仕事に取り組んでいます。そうすると、覚悟が決まります。人として恥ずかしいことができなくなります。「上司に言われたから仕方なく」という言い訳もできなくなります。自分自身がやるべきだと思ったことしか選べなくなります。覚悟が決まると、「うまくいかないかも?」という心配に脳みそのCPUを使わなくて済みます。うまくいかなかった時には死んでますから(笑)。たとえ9割失敗するとしても、それが人としてやるべきことであれば、やり遂げるという「ダンコたる決意」を持てます。スラムダンク。だから、恐れずに挑戦できますし、どんな修羅場も、「自分の選択の結果だから仕方ないか」と思って最後までやりきれます。

編集部:覚悟がものすごい…その原体験は何ですか?

鈴木:中学生の頃から漫画が大好きで、何千冊もの漫画を読んで、漫画の主人公のようなワクワクする人生を送りたいと思ってきました。ただ、楽しいことばかり起きて、日々うまくいくだけの漫画ってつまらなそうじゃないですか。私自身、ピンチと、ピンチからの脱出、するとさらに困ったピンチが起きるというジャンプシステムのような面白い人生を送っていますし、そんなピンチばかりの人生に満足しています。クルマに7回ひかれてるとか、4回骨折したとか、なのに、クルマにひかれて骨折したことはないとか。

編集部:イメージで申し訳ないですが、鈴木さんってCIOにはあまりいないタイプな気がします。

鈴木:CIOは守りのイメージが強いですよね。システムが壊れたら大問題ですから、昔のシステム部門は安全、確実、正確を求められがちだったのですが、時代は変わって、攻めも守りもやらないといけなくなっています。現代のサッカーもフォワードは攻めだけ、ディフェンダーは守りだけというわけにはいかなくなっていますよね。営業でも守りが必要で、CIOでも攻めが必要で、私は守備的ミッドフィルダー、攻めの起点にもなれるボランチくらいのポジションの意識しています。

編集部:鈴木さんの夢は何ですか?

鈴木:自分の面白い人生をもとに、世の中の子どもたちに、大人になっても楽しいよ、働くってすごく楽しいよと伝えたいです。そして、子供たちが大人になること、働くことに対して夢を持ってほしいです。私は昔、編集者だったことがあり、本を書く能力があるので、そういったことを感じられる本に出版したいですね。ただ、私にはクリエイティブな才能がないので、面白い経験を本にするしかない。子どもたちに面白いと思ってもらえる本を書くために、自分自身が面白い人生を送る必要があるのです。失敗やピンチはドキドキするし、それを乗り越えるところはワクワクします。株でウン千万円損したとかも、普通だったらショックを引きづるんでしょうが、「本のネタができてよかった」と思ってます(笑)。まとめると、「うまくいくか」ではなく、「面白いか」で人生を選択していると、とても辛いですが、何でかうまくいきます。

“成果を出す”ことで新たな仕事が生まれる、ディップのDX・AI推進の秘訣

編集部:ディップは経営層がDXやAIに理解があり、他社から羨ましがられることがありますが、鈴木さんはどう感じられますか?

鈴木:ディップでは、経営陣から「やってよ。ただし成果を出してね」と言われます。「やってもいいよ」ではないです。「やって成果を出してね」です。ディップであれ、他社であれ、成果を出すことを嫌がる経営陣はいないと思うので、まず最初に自分でできる範囲で成果を出せばいいのだと思います。成果を出せば、より大きいな仕事が任されるようになります。つまり、「もっと大きい成果を出してね」と言われます。これが「もっともっと大きい成果を出してね」「もっともっともっと大きい成果を出してね」「もっともっともっともっと(略)」のサイクルになります。ディップでもどの会社でも同じですよ、という話をすると、だいたい「大変ですね」ってドン引きされます。「上司が理解していないから、経営層が理解していないから」と言って止まるのではなく、説得できる力、任せたいと思えるくらいの成果を出す能力を身につけることに時間と労力を使いましょう。それができれば、会社内の評価だけでなく、ビジネスパーソンとしての力も強くなると思います。

編集部:ありがとうございました!

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鈴木孝知

ディップ株式会社CIO  NTT、日経BP、リクルートなど9社を渡り歩き、炎上プロジェクトや不振事業、赤字会社など、一貫して『立て直し』に携わる。CMO、CIO、CPO、CISOなど、Webビジネスにかかわる仕事であればなんでもやる。最近、AIもはじめた。歳とともに「働くことの面白さをみんなに伝えたい!」という気持ちが強くなり、「誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指し」ているディップに根を下ろす。

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dip people編集部

『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。