月間数億円のWEB広告費用。裁量権の大きさにワクワクしてほしい。
2021年よりアドマネジメント課マネジャーとしてWEB広告領域のリーダーとなった橋場さん。2015年に新卒でディップに入社し、7年間WEBマーケティングを担当。入社5年目で、バイトルのアプリダウンロード数を業界内でNO.1(※)にした実力者です。そんな橋場さんにディップのWEBマーケの仕事や、課としての今後の目標について聞いてみました。
いかに応募数に貢献できたかを突き詰める
上野:アドマネジメント課の仕事を教えてください。
橋場:ミッションは、WEB上のすべての広告を手段として、仕事探しをしているユーザーの方をバイトル・はたらこ・バイトルNEXTに誘導し、サイトに掲載されている仕事案件に応募してもらうことです。サイトごとにWEBとアプリで広告運用の担当者が分かれているケースが多く、サイトによっては月間数億円規模の予算が任されます。さまざまな広告媒体(Google、Facebook、Twitter、Instagram、TikTokなど)にどの配分でどう予算を投下するか、月々の効果を見ながら改善していきます。
上野:月間数億円…。すごい広告費ですね。
橋場:WEB上で今仕事を探したいというユーザーをいかに取り込んでいくかは、バイトルなどのサイトへの応募数・媒体力に直結しますから相応の予算を投下して力を入れています。
上野:具体的な仕事内容を教えていただけますか。
橋場:毎月の広告予算配分管理・応募数管理、毎月の応募数の推測、WEB広告代理店との打ち合わせ、広告文などの考案・ディレクション・クオリティーチェック、CPA(1応募当たりの広告費)の測定、改善案の策定と実行などです。上司や先輩はもちろんサポートしてくれますが、最終決定は自分で行います。どうしてその策が最善であるかという施策実行の理由は、かならず問われるので自分で突き詰めて考える必要があります。
上野:具体的にどのような指標を追っているのですか?
橋場:本当にその広告がユーザーの応募、またサイト・アプリの成長につながっているかを見ています。アプリであればダウンロード数を増やして終わりではなく、実際にアプリを通じて応募してくれたか、応募までしてくれなかったとしてもアプリ内を回遊してくれたかまで検証しています。
上野:なかでも最重要視しているものは?
橋場:現在は、1応募あたりの単価を指標に運用しています。バイトルなどのサービスを成長させるために大切な指標だと思っています。私たちのサービスは求人媒体という無形商材のため、出稿して頂いた求人広告への応募数がそのままクライアントに提供できる商品価値になりますから。クライアントが応募数を実感いただくことが、バイトルへのロイヤリティを高めていただくことにつながるので、やはり応募数を増やすことがWEB広告の大切な役割だと思います。
上野:どんなときにこの仕事の難しさを感じますか?
橋場:クリック率が上がって流入にはなるけど応募につながらないなど、想定した効果が出ないときですかね。例えば1応募の単価が悪化している時、まず「クリック率が低い」もしくは「クリック率は高いけど、着地先で離脱している」のどちらかを調べ、さらに具体的にどこが悪いのか今までのデータと比較したりWEB広告代理店に要因を聞きながら判断します。その後、掲出しているバナーのデザイン、文言、文字数、画像、着地先のページのデザイン、訴求しているターゲット…など、考えられるあらゆる原因の仮説を洗い出して、ひとつひとつ潰していくことをずっと行っています。でもこの難しさがやりがいにもつながっていますね。
上野:地道な作業ですね。かなり根気が要求されそうです。
橋場:その代わり、応募数を高められる再現性のある方法を見つけた時は嬉しいです。今までバイトルでは効果が出る可能性が低いと思われていた方法も、別業界でうまくいっている広告をヒントに試したら継続的にうまくいったことがあって。自社のデータだけではなく、つねに他社や世の中で使われている幅広い手法もチェックしておくことが大事だなと思います。
上野:情報収集も怠らないことが大事ですね。
橋場:目標や目的を達成できそうであれば、新しいアドテクや事例がまだない手法も積極的に採用しています。例えば以前、Twitter上の動画広告は見ただけなのに「クリックされた」と測定されてしまう設定があったため、ディップでは導入が難しいとされていたのですが、若年層が見てくれやすい動画を使えないのは損だと思い、なんとかできないかと模索しました。測定方法を見直せばある程度正確にクリック数や応募数まで推測できることが判明したので、それを上司に提案し、導入可能にしました。また求人メディアアプリとしてはおそらく初の取り組みも現在実施中です。バイトルアプリユーザーがWEB上でお仕事を検索した際、いままではWEBバイトルに遷移していたものを、バイトルアプリに飛ばせるようにしたんです。現在テスト中でもありますが、まずはトライしてみるという感覚で新しい方法で応募数を集める事もしています。
アプリダウンロードNO.1に導いた実績
上野:2019年にバイトルアプリのダウンロード数が業界内NO.1になりました。
橋場:「アプリダウンロード数業界NO.1を絶対に実現する!」と、いうことがバイトル全体の目標になり、当時アプリを担当していたのでそのまま私の目標になりました。調べてみるとダウンロード数は競合大手と差が大きくある状況からのスタートだったので、まず役員会議で必要な予算承認を得るところからでした。ディップの大事な広告費なので、毎月定額というわけではなく、毎月変化するデータから算出した必要予算を申請し、承認を得ることが必要でした。
上野:ディップのためになるとはいえ、限られた予算の中でプロジェクトに必要な費用を毎月交渉されたんですね。
橋場:また難しかったのが、もちろんダウンロード数を増加させる目標はありますが、できるだけ予算をムダにしないということが求められるなかで、予算分のダウンロード数を毎月試算通りに獲得できるようにコントロールすることでした。当たり前ですが、競合に当たる他社様が毎月どの程度の広告費用を投資するか、確実な情報はありません。なので、過去3年分のデータを参照しながら、次月はこれぐらいの数になるかなと予測し続けなければいけませんでした。最初は誤差も多々あったためダウンロード数を追い抜くことができずに終わってしまうということもありました。毎日差をチェックしたり、予測した数値を出した計算式のどこが間違っていたのか振り返る日々でしたね。
上野:ただダウンロード数だけを追っていればいいわけではないんですね。
橋場:その通りです。いかに費用対効果を高くして、ユーザーにアプリをダウンロードしてもらうかの勝負でした。
上野:アプリダウンロード数NO.1を勝ち取ったことによって、変わったことはありましたか?
橋場:応募数が安定しました。アプリを一回ダウンロードしてもらうことによって、その後再び仕事を探すシーンで再度使用してもらえることが多くなったと考えています。ダウンロード数が応募数にも波及することは想定していたのですが、期待を上回る効果でしたね。
まだまだ伸ばせる領域はたくさんある
上野:今後アドマネジメント課はどのようなことに挑戦していくのでしょうか。
橋場:今まで施策を実施できていなかった領域の強化を、課全体で取り組んでいきたいというのがあります。今すぐ仕事をしたいという顕在層ユーザーに対する施策は長年やってきたのですが、まだ就業意欲がそこまでなかったり、転職予定もまだない、バイトルにも興味がないような潜在層に向けた施策はまだまだ展開できていなくて。今後バイトルの価値をさらに高めていくためにも、ユーザーの裾野を広げていくことが大事だと思っています。WEBではやりきれていない、ブランディング領域というところにもなりますね。
上野:最後になりますが、どのような人がディップのWEBマーケに向いていると思いますか?
橋場:求職者や市場の変化など、時代の変化に適応するため事前に計画していなかったプロモーション施策などを実行するときもあるので、その中でもスピード感を持ちながら最善を考えられるスキルがある方は向いてると思います。最近ではコロナ禍ということもあり、ユーザーの生活状況や心理状態も大きく変化がありました。昨年はワクチンの接種を促進するワクチンインセンティブ企画などを行ってきたため、WEB上でも連携させる施策を実施しました。年間計画にはなかった動きだったので、広告文なども自分で考えて掲出しましたね。実施決定から実行まで時間がないことも多いので、スピーディーに判断する必要があると思っています。
上野:ディップはそのスピードを武器にしている面もありますからね。
橋場:はい。また1人あたりの予算規模と予算を動かす裁量権も非常に大きいので、その責任感にワクワクしながら働きたいと思う人にはぜひ一緒に働いていただきたいと思っています。
※2019年の日本におけるアルバイト検索アプリ(ビジネスカテゴリー)iOS/Google Playの合算。ダウンロード数No1、data.ai(旧App Annie)調べ