複数のKintoneアプリから自動抽出を可能にしたRPAシステム導入の裏側に迫る

interviewee

渡邉優里
企画・統括本部 戦略推進統括部 事業管理室  ▼詳細

author

dip people編集部
▼詳細

事業管理部では毎月に1,0000件以上の申込書変更処理を手動で行なっており、現場での負担が増大していました。そこで作業時間の削減、自動化を目指すため業務のRPA化を目指すプロジェクトに立候補し、立ち上げ〜運用まで行い月45時間の工数削減に成功。その取り組みが評価され2021年度の第四四半期、所属部門の敢闘賞を受賞した事業管理室の渡邉にインタビューをしました。

手動で大量の申込書処理を行う作業をなくしたかった

――導入前の状況、運用方法を教えてください。

事業管理では毎月10,000件以上の申込書・1,000件以上の申込書変更処理を行っています。
正しく作成できているか1件1件見て、必要があれば営業担当へ問い合わせもします。
処理に必要な情報をkintoneから拾うのも、処理進捗分析用のデータをダウンロードするのも、すべて手動で行っている状況でした。

――どのような課題をお持ちでしたか。

一番の課題は処理にかかる工数でしたが、申込書のパターンは複雑なため、簡単に解決できるものではないと考えていました。
所属していた事業管理RPAチームも発足したばかりでしたので、まずは一部分からでも改善していければと話し合いを重ねていました。

大量かつ煩雑な業務フローを解決するため、RPA活用による自動化へ

――RPAシステム導入検討の経緯について教えてください。

2021年10月に申込書処理の一部外部委託が決まったのですが、ここで、外部の方にはkintoneの権限が付与できない=処理に必要な情報を拾えないという問題が発生し、最初のきっかけとなりました。

委託するためには私たちがkintoneからデータをダウンロードして渡さなければならないのですが、複数のアプリから毎日データを落とすとなると1日30分、1ヶ月で10時間ほど工数が増える見込みでした。

この課題をdip RoboticsのRPA推進チームへご相談し、RoboticCrowdを導入することとなりました。
初めてレクチャー頂いたときは、こんな便利なツールがあるのかと大きな衝撃を受けました。

――どのようなシステム構成になりましたか。

RoboticCrowdでkintoneへログイン⇒毎日決まった時間に必要な情報をダウンロード⇒スプレッドシートへ転記 というシステムを最初に作成しました。

RPA活用により、ミスや作業時間を削減。業務の幅が大幅に広がるように

――その仕組みのポイントはどこですか。

最初から最後まで全自動であることです。
シート内にはあらかじめ関数を組んでおき、RPAによってデータが転記されれば最新の情報が勝手に集計される仕組みになっています。

――どのような体制で取り組みましたか。

基本操作はdip RoboticsのRPA推進チームからレクチャーいただきました。
チーム内でも共有しあいながら、結果的に複数のkintoneアプリからのデータ自動抽出を実現しました。

――本取り組みで困難だったことについて教えて下さい。

まったく知識がないところからのスタートでしたので、実行エラーが起きた際に原因を探すのが困難でした。
kintoneアプリによって少しずつ設定が違ったり、ファイルの形式によって作業が変わったりするので、原因も様々でした。

――どのように問題解決しましたか。

調べても解決しないことはdip RoboticsのRPA推進チームに助けて頂きました。初歩的な質問でも快く時間を割いて教えてくださり本当にありがたかったです。

――現在の運用を教えてください。どのような利用方法をしていますか。

最初に作った自動抽出のRPAを応用し、QUOカードの在庫管理や申込書のミス削減にもRPAを活用できるようになりました。
また、定例で行っていた配信物で、データ抽出~配信まで完全自動化できたものもあり、大きな工数削減に繋がっています。チームで作成したRPAの数は合計20件程になりました。

現場に寄り添ったRPA活用をしていきたい

――どのように課題が解決されましたか。

まず処理や集計時間が月45時間以上削減されました。
また、早期にRPAを使ったミスチェックを行うことによって申込書の変更発生率の減少にも効果がありました。

――導入してよかったと思う点や便利な機能があれば教えてください。

作業時間が減ったことはもちろん、課題が生まれた際の選択肢が大幅に広がったことがとてもよかったと思います。

今までは人力で努力するか諦めるしかなかったようなことも、RPAを使えば・・と考え、提案することができるようになりましたし、部署内からもこういう事をやりたいと相談頂くことも増えました。

便利な機能は、データから対象者を抜き出し、該当者のみにSlackで自動配信ができることです。必要としている部署は多いと思うのでぜひ広まってほしいなと思います!

――運用上で生じている課題などはありますか。

複雑なものを作ろうと思うとエラーが起きてしまったり、SQLなどの専門知識が必要になってきたり、学ぶことは尽きないので今後もレベルアップしていきたいと思っています。

――今後取り組みたい改善はありますか。

事業管理内の業務としては申込書チェックの自動化と手動作業の削減をさらに進め、「作業」以外の部分に時間を使えるようにしていきたいです。
また、今期から営業アシスタントさんのフォローにも関わらせて頂いていますので、部署を超えてRPA化・効率化の提案をしていければと考えています。

関連記事一覧

interviewee

渡邉優里

企画・統括本部 戦略推進統括部 事業管理室  営業部の売上管理に関わる処理・データ作成/営業アシスタントのフォロー業務などに従事。25期、事業管理内業務のRPA化を目指すプロジェクトが発足。そこに立候補したことがRPAについて学ぶきっかけとなった。

author

dip people編集部

『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。