元トップセールスのシニアスタッフが語る、60代の働き方と求職活動のリアル。
ディップは年齢・性別・国籍を問わない多様な人材が活躍する社会を実現させるために「DEIプロジェクト」を推進しています。今回は新規事業部門でテレフォンアポインターとして活躍する60代スタッフの秋谷 茂(アキヤ シゲル)さんに、これまでの営業職で培ってきたキャリアとディップでの新たな挑戦、直近の求職活動の実状についてお話しいただきました。(インタビュアー:人事総務本部 コーポレートサービス戦略推進室 小松)
「いつ何時も、相手の目線に立った言動を」トップセールス時代に大切にしてきた想い
小松:簡単に自己紹介をお願いします。
秋谷:事業推進統括部 組織開発部の秋谷茂と申します。2023年5月にディップに入社して、現在は営業社員の商談機会を獲得するテレアポ業務を担当しています。
小松:秋谷さんは新規事業の部署で、初めて採用・入社された方ですよね。まずはこれまでの経歴を教えてください。
秋谷:私はこれまで35年間、法人営業を中心に経験してきました。新卒から30年間勤めたのがOA機器の専門商社で、営業はもちろん、製品の仕入れまで幅広い業務を担当してきました。その後は太陽光発電製品を扱う企業やインターネット回線・電気会社など、複数の企業で営業を経験し、現在ディップに勤めています。
小松:前職までで印象に残っているエピソードがあれば、ぜひ教えてください!
秋谷:1社目のOA機器の商社では当時部長職を担っており、自分で言うのも気恥ずかしいですがトップセールスでした。組織の中で1番高い予算を任されていたこともあり、お客様とのコミュニケーションの取り方や製品のご案内の仕方など、若手社員の教育のためにも「見られて恥じない仕事」をすることに努めていました。
小松:トップセールスまで昇り詰めるとはすごいです!仕事をする上で大切にしてきた信念などもあったのではと思うのですが、いかがですか?
秋谷:「相手の目線に立った言動・振る舞いをすること」ですかね。相手が今何に困っているのか、何を要求しているのかを敏感に察知することが、長いお付き合いをするうえで欠かせないので。営業時代、時にはお客様に商品を提案することなく、雑談だけで終わることもありましたよ。相手にとって信頼できる人間であれるよう行動することを心掛けています。
状況を変えるためにはまず応募。求職活動における前向きなアクション
小松:ここからはディップに入社するまでの求職期間についてお話を伺いたいと思います。営業職で豊富なキャリアを築いてきた秋谷さんですが、転職活動を始められた理由について教えてください。
秋谷:ディップに入社する以前は他社でテレアポの仕事をしていましたが、働きながら、今より働きやすく、時給も上がる仕事はないか、と常に探してはいました。
小松:求職活動で重視していたポイントは何ですか?
秋谷:まずは自身の経験を活かせる業界か、興味を持てる事業内容かを見ていました。あとはある程度の規模を持つ企業で勤務することを希望していました。
小松:規模が大きい企業での勤務を希望されていたのはなぜですか?
秋谷:成長を続けている企業には、その理由があるはずです。会社の方針がしっかりしていたり、社員が一生懸命頑張っていたりなど。会社としてまとまりがあるからこその成長だと思うんです。
小松:つまり、秋谷さんはみんなで力を合わせて成長させている企業を望まれており、それを表す1つの指標が会社の規模や成長度合いだと考えられていたわけですね。
秋谷:はい、そうなります。
小松:ありがとうございます。求職活動中、不安や悩みはありましたか?
秋谷:この仕事なら自分の力を発揮できると感じた企業に応募していたので、不安はありませんでした。ただ、年齢が理由で断られた経験は何度もありました。選考中の企業に生年月日を伝えると、「すみません。うちの定年は60歳です」と断られてしまうこともしばしば。面接に進んだ場合も、年齢を理由に不採用にされたと感じる経験は何度もありました。そもそも、応募しても企業から返信がないケースも多く、1日20件〜30件の応募をしても、お返事をいただけるのは1件〜2件程度でしたね。
小松:返信がないことの方が圧倒的に多かったのですね…。直近の求職活動にはどれくらいの期間を要しましたか?
秋谷:約1か月間ですね。合計すると百件以上は応募しました。補足すると、同時期に派遣会社も10社ほど登録していました。
小松:派遣会社からは仕事の紹介があまりなかったということでしょうか?
秋谷:紹介はありましたが、時給がニーズと見合わなかったり、私の経験と関係ない仕事であったり、合わないと判断して断ることが多かったです。
小松:なかなかマッチする企業を案内してもらえなかったということですね。秋谷さんは何歳頃から、求職活動にハードルがあると感じましたか?
秋谷:スマホでの求職活動を始めたのは57・58歳からでしたが、60歳を超えてから特に厳しくなったと感じています。
小松:年齢の壁はどのように克服してきましたか?
秋谷:正直、特別な克服方法はありません。返事がきたらラッキーくらいに考えて、気になる仕事はどんどん応募していたくらいです。まずは応募をしてみないと状況は何も変わらないですからね。
小松:一歩踏み出して行動に移すことが大事ということですね。
秋谷:そうですね。応募するという行為自体が、より良い仕事に巡り合いたいという前向きな考えだと私は思います。
年齢の垣根を越えて、互いの強みを交換するディップでの日々
小松:ディップとはどのようにして出会ったのでしょうか?
秋谷:これまでもバイトルを使って仕事探しをしていましたが、バイトルの運営元とは知らずにディップに応募していました。選考を進めていくうちにバイトルの会社ということを知り、選考官の印象も良かったためディップに入社したいと考えるようになりました。
小松:選考が進む中でディップへの理解が深まったということですね。元々はバイトルユーザーの秋谷さんが入社してくれたことはとても嬉しいです。では続いてディップに入社してからの話を聞かせていただきたいのですが、これまでの秋谷さんの経験が役立ったと感じた場面はありますか?
秋谷:ディップの営業先がこれまで私が経験してきた業界も多いため、スムーズに営業することはできたと思います。
小松:当社はこれまで秋谷さんが経験されていない「人材サービス事業」を手掛ける会社ですが、営業していくうえで苦労はありませんでしたか?
秋谷:直近に勤めていた電力会社は「買ってください」という直接的な営業トークが多かったのですが、ディップで案内している求人広告はまず「人手不足に困っていないか?」というヒアリングからスタートするため、押し売りの感覚は全くなく、営業することに苦しいと感じたことはないですね。困っている人に手を差し伸べられる余地があるということなので、むしろポジティブに感じています。
小松:ディップの業務で、嬉しさややりがいを感じるシーンを教えてください!
秋谷:やっぱりアポイントを獲得できた時は嬉しいです。営業で発注をいただいた瞬間と似ていますね。
小松:生粋の営業畑の出身ですね(笑)。チームでの関わりやナレッジの共有などはどのようにされているのでしょうか?
秋谷:毎日3人〜4人くらいでグループミーティングを実施しています。今こういったことで困っている、こんな時はどんなアクションをすれば良かったかなど、その時のホットなテーマに沿って日々話し合っています。
小松:秋谷さんの部署は20代〜70代のスタッフが在籍していますが、幅広い年齢層のスタッフが在籍していることの魅力を教えてください。
秋谷:私の場合、パソコンだけで仕事を完結することが初めてなので、入社直後はかなり戸惑いました。若い人は新しいツールに慣れるのも早いので、わからないことが出てきた際は「こうした方が良いですよ」といろいろフォローしてくれます。反対に、営業の仕方について若手のメンバーに分からない事があれば、私はこれまでずっと営業をしてきたので、教えたりアドバイスしてあげられるケースは多いですね。
小松:すごいですね。お互いの強みを交換し合う、年齢の差は関係ないチームだと感じました。
自身の強みと経験を活かせる場所は必ずある
小松:現在ディップは、年齢・性別・国籍のバイアスによる選考足切りを撤廃し、多様な人材が活躍できる社会を創ることを掲げています。こういった取組みに対して感じることはありますか?
秋谷:20代の人と50代・60代の人を比べると、経験してきたものが違いますよね。私たちはこの年齢まで培ってきた経験やスキルがあり、いろいろな場数を踏んでいますから、若い人たちにも何かしら伝えることができると思っています。私は、年齢なんて関係なく、お互いに強みを共有できる企業こそが、本当の意味で育っていくんだと考えています。
小松:秋谷さんの今後の目標や抱負を教えてください。
秋谷:現在のミッションはアポイントの獲得なので、一緒に働くメンバーたちとこれまで以上に良質なアポイントを獲得することが私の目標です。これからも、私が教えられることは惜しみなく教えていけるように頑張ります。
小松:最後に、求職活動中の同世代の方々にメッセージをお願いします。
秋谷:皆さん、自分のやりたい業種や仕事はもちろん、お金の面も気になりますよね。年齢を重ねると、なかなか希望通りに決まらないケースが増えてくるかと思います。でも、そこで足を止めずに、まずは行動に起こしてください。行動することで、これまで培ってきた自身の経験・強みを活かせる企業ときっと巡り合えると思います。皆さん一人ひとりが自分にマッチする企業で活躍できることを祈っております。