
技術の枠を超え、プロダクト愛で挑む。未来を創る「dip AI」チームとは
ディップは、「バイトル」や「コボット」といった人材サービス、DXサービスを通じて、労働市場が抱える課題の解決に取り組んでいます。今回は、生成AIを活用し、求職者へ新しい仕事探しの体験を提供するプロダクト「dip AI」の開発チームを率いる若泉亮汰さんと御木貴文さんにインタビュー。「dip AI」開発チーム発足の経緯や、チームで働くやりがいについてお話を伺いました。
「チーム一丸となって挑んだ、2週間」dip AI 再出発の裏側
清水: まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
御木:2020年に新卒で入社しました、御木です。現在はソリューション開発本部バイトル開発統括部 バイトル開発部のdip AI開発チームに所属しており、スクラムマスターを担当しています。日々、チームの開発プロセスが円滑に進むように調整を行いながら、プロジェクトの推進を支えています。
若泉:2022年に新卒で入社しました、若泉です。dip AIには立ち上げ当初から関わっていて、最初はバックエンドのリーダーとしてスタートしました。現在はプロダクトオーナーとして、開発チーム全体を統括し、プロダクトの方向性や優先順位の決定、仕様策定などを担当しています。
清水: dip AIチームはどんな体制で、どのようなプロダクトを開発しているのでしょうか?
若泉:現在、dip AIチームは約25名体制です。求職者向けのCA(キャリアアドバイザー)と企業向けのRA(リクルーティングアドバイザー)の2つのサービスを開発していて、エンジニア、デザイナー、ディレクターなど職種ごとの専門性を活かしつつ、スクラム体制でアジャイルに進めています。
御木:僕たちが作ってるプロダクトは、生成AI(LLM)を使った“対話型”の仕事探しサービスなんです。ユーザーが自然な言葉で話しかけると、それをAIが読み取って、条件をうまく抽出して、合いそうな求人を提案してくれます。これまでのキーワード検索では拾いきれなかったようなニーズにも対応できるようになっていて、「仕事を探すのが苦手…」とか「条件がまだはっきりしてない…」という方にも寄り添える設計になってるんですよね。
清水:チーム発足の背景には、かなりドラマチックな出来事があったとか。
若泉:2023年7月頃からdip AIの開発を開始し、12月のリリースを目指していましたが、リリース前日に冨田社長の承認が下りず、プロジェクトは一時中止となりました。そのタイミングで責任者が志立さん(COO)に変わり、大きな体制変更が行われました。そこから「1ヶ月だけ時間を与えるので、形にしてほしい」と言われ、私を含むメンバーが集められました。「これが最後のチャンスだ」という想いで、2週間の合宿開発でプロトタイプを一気に完成させ、社員総会で発表。その反響が大きく、本格的に再始動することが決まったんです。
御木:当時のチームは10名ほど。本社の会議室を2週間貸し切り、缶詰状態で一気に開発を進めました。人数が少なかったからこそ密なコミュニケーションが取れて、すごくやりやすい環境でしたね。この「合宿」で生まれた一体感は、今のチーム文化の基礎にもなっています。
サービスを自分ゴトとして捉える。主体性を活かす組織づくり
清水:「dip AI」チームの開発スタイルの特徴について教えてください。
若泉: dip AIは生成AIを使った対話型サービスなので、常に最新の技術動向を追いかけながらの開発になります。アジャイルでPDCAを回して、どんどんアップデートしていく文化が根付いていますね。
御木:あとは、開発だけでなく、チーム全員が「どうやったらより良いサービスになるか」を常に考えていて、提案があれば積極的に取り入れます。スピード感が必要なときは合宿形式で集中開発もしますし、オンライン上でも常に“Gather”などのバーチャルオフィスツールで雑談もできるようにして、気軽なコミュニケーションを促しています。
清水:メンバーの雰囲気や文化についてはどうですか?
御木: dip AIチームの強みは、メンバー全員がプロダクトに対して強い愛着を持っていることだと思います。エンジニアも技術的な側面だけでなく、プロダクト全体のことを考えています。メンバーから「こんな機能があったらもっと便利になるのでは?」といったアイデアが次々と出てきて、プロジェクトの方向性に合致すれば、積極的に採用されます。dip AIの枠にとらわれず、他のサービスにも展開していこうという意識の高いチームです。
若泉:僕が一番大きいなと思っているのは、「やりたいと言った人に任せる」カルチャーですね。僕自身も、新卒2年目で開発リーダーを任せてもらって、そこからPOもやるようになったんですけど、年次や経験というより、「本気でやりたい」「やり遂げたい」という意志を大事にしてもらえる環境なんですよね。
御木:チーム内にも「UXに興味がある」と手を挙げたメンバーがいて、実際にUXリサーチやデザインをメインで担当しています。インフラがやりたいと言えば担当をシフトすることもありますし、それぞれが自分の“得意”を活かして、ちゃんとプロジェクトの成果につなげられるような場がたくさんあるのが、このチームのいいところですね。
清水:働くやりがいや成長についてはどう感じていますか?
御木:「dip AI」は、世の中で“AIエージェント元年”と言われるようになる前、つまり2025年より前から動き出していて、かなり早い段階からチャレンジしているんですよ。生成AIを使った会話体験の設計とか、自然文から検索条件を抽出する仕組みの開発とか、業界の中でもかなりユニークなことに取り組めていて、それがやりがいにつながっていますね。
あとは、自分の意見がすぐに形になってリリースまでいく、このスピード感も大きな魅力です。2週間ごとのスプリントで改善を回しているので、ユーザーの声にすばやく応えていける環境が整っているんです。
若泉:職種の枠を超えて、仕様を考えたり戦略に関わったりできるのも成長につながるポイントだと思います。ただ「作るだけ」のエンジニアやデザイナーじゃなくて、サービス全体を見ながら動ける力が自然とついてくるんですよね。実行力とか責任感もどんどん鍛えられていって、結果的にチームを引っ張っていけるような人になれる環境だと思います。
事業成功への転換期。未来を描くdip AIの挑戦
清水: 今後の目標や感じている課題感はありますか?
若泉:これまでは「ユーザーに使ってもらうこと」が一つのゴールだったんですが、これからはマネタイズのフェーズに入っていきます。今期はまず“売上を1円でも上げる”という目標を掲げていて、来期には“利益をしっかりとプラスにする”という段階を目指しています。事業としてきちんと成立させていく、という意識がより強くなっていますね。
御木:「検索精度の向上」も、今のチームにとって大きな課題の一つです。その解決のためには、日々進化する新しい技術をキャッチアップできるメンバーがもっと必要だと感じています。ただ、あまりにアカデミックに寄りすぎてしまうと、実際のビジネスとのバランスを取るのが難しくなる場面もあります。なので、技術とビジネスの両面を意識して取り組める方に、ぜひ加わっていただきたいですね。
清水:最後に、dip AIチームに興味を持っている方へメッセージをお願いいたします!
御木:まだ「正解」のない先端領域なので、アーキテクチャをどう進化させるか、検索精度をどう高めるか、といった課題に終わりがありません。でも、それを逆手にとって、自分のアイディアをガンガン形にできるところがdip AIチームの面白さ。僕らもまだ学び続けている最中なので、「自分がサービスを変える」という情熱・新しい視点を持った方と一緒に挑戦をしていきたいです。
若泉: dip AIは今、いわゆる「事業化」フェーズに入っています。ユーザーに使ってもらうだけでなく、売上・利益もしっかり立てて事業を軌道に乗せる。そのためには、技術力だけでなくビジネス感覚や意思決定力も必要になってくるので、その分感じられるやりがいも大きいと思います。「自分の技術やアイデアを通じて、事業を大きく成長させてみたい」という想いがある方には、最高のフィールドだと思います。ぜひ私たちと一緒に、新しい未来を作っていきましょう!