営業とクリエイティブの融合を、 ディップの強みにしたい。
バイトルを売る側から作る側へ。営業とクリエイティブの視点を兼ね備え、先期の全社通期表彰では「DIP賞」に輝いた菅沼さんに、仕事に対する向き合い方などを聞きました。
誰よりも原稿にこだわった営業時代。
下田:菅沼さんは、営業職でディップに入社されたんですよね?
菅沼:はい。「人に携わる仕事」という軸で就活をしていて、「営業なのに原稿を書ける」という裁量の大きさに魅力を感じてディップを選びました。なので入社から2年間は、営業職としてバイトルを売っていました。
下田:僕の周りにも「原稿にこだわりたい!」って思ってる営業さん多いです。菅沼さんもそういうタイプだったんですか?
菅沼:営業活動がメインの中でも、原稿に力を入れている自負はありましたね。朝会共有のネタも、みんなは新聞記事だったりする中で、僕だけ原稿の話をしてましたし。あとはオフィスでの原稿勉強会を主催したこともありました。まあただ、効果を出せない企業も多くて、それが悔しいというか、“限界”をうすうす感じていて。
下田:“限界”と言いますと…?
菅沼:営業とクリエイティブが融合しないとディップの強みは出せない、ということ。やっぱり営業は営業活動が最優先なので、原稿に多くの時間を割くのはなかなか難しい。効果不良でお客様の期待に応えることができず、とても辛い思いをしていました。加えて当時、制作部に依頼・相談している人が僕を含めて周囲に全くいなくて、距離をすごく感じていました。なので、営業とクリエイティブの橋渡し役になれればいいなと思ってました。
下田:それでクリエイティブ統括部に異動したんですね。
菅沼:入社3年目の6月に営業部からクリエイティブ統括部に異動しました。「広告制作部」という主に原稿を作る部署に約1年、その後、今いる「広告BPR推進部」に移りました。
10原稿と1000原稿、大変なのはどっち?
下田:実は僕、「広告BPR推進部」の仕事内容をしっかりと把握できていなくて…。ExcelやCSVを駆使して原稿を運用している、というのは分かるのですが…。
菅沼:携わるのは主に大手クライアントで、一人につき何社かずつを担当しています。メインの仕事は、大量案件の運用、原稿作成、工数削減。大手クライアントって、全国にとてつもない数の店舗数があって、細かい条件面が店舗ごとに違うことが多いので、それをいかに円滑に運用するか、というのを実行している部署です。もちろん、効果が出るように求人原稿を作ることもあります。
ところで下田くん、「1000原稿を掲載しているクライアント」と「10原稿を掲載しているクライアント」どっちが大変だと思いますか?
下田:1000原稿…?
菅沼:実は、そうとは限らないんですよ。クライアントから送られてくるリストの形式によっては10原稿の方が大変なこともありますし、人事担当者がExcelを使えないこともあったりするので。
下田:なるほど!クライアントごとに違う形式のリストを整えて、スムーズに“運用”していくんですね。
菅沼:あとは、原稿の運用だけじゃなく、「学生を採用したいので学生向けの原稿つくってもらえますか?」と原稿の中身を相談されることもありますし、逆に僕から「こういう原稿どうですか?」って提案することもありますね。
常にフルコミット。現場の苦労を知っている制作マンとして。
下田:営業さんとクライアントとタッグを組んで、スムーズな運用と効果出しを実現するために、菅沼さんはどんなことを意識していますか?
菅沼:2つあります。1つ目は、自分の仕事で誰かに喜んでもらうこと。2つ目は、営業部とのコミュニケーションです。
下田:営業部とのコミュニケーションの重要性、僕もすごく実感しています。
菅沼:誰かに喜んでもらうためには、まずその人について知らないといけない。クライアントのことをたくさん調べるのと同じで、営業のことを知ろうとする姿勢が大事だと思っています。BPRは直接的な売上を生まないからこそ、営業に対して貢献して、素早い対応や効果アップでクライアントの満足度に結び付けることで、間接的に関与する。僕はこういう視点で考えています。
下田:営業さんに貢献できたと感じた瞬間って、これまでにありましたか?
菅沼:以前、新たに受注した大手クライアントの担当をする機会があって。何としても効果を出したいから、原稿内容や枠数の細かい変更になるべく速く対応したり、クライアントのリストを鵜呑みにせず不備がないか確認して、自分で直したりしてたんですね。そうしたらお客さまから、「ディップさんってすごく速いし正確だよね」という部分で評価してもらえたと営業から教えてもらえて。営業からも「菅沼さんのおかげです」って言葉をいただけました。
下田:社内で言えば営業部に対してですが、菅沼さんがそこまで周囲にコミットしようとする原動力はどこにあるのですか?
菅沼:営業の気持ちも制作の気持ちも分かるのが大きいのかなと。僕らのもとには「取材依頼」としてメールが届くだけだけど、その受注を取るために営業がどれだけ苦労しているかも分かっているつもりです。僕も営業として、お客さまから直接お金をもらった経験があるからこそ、そのクライアントの採用成功に全力で取り組まないといけない、という気持ちが人一倍強いのかなと思います。お金を出してくれた人に対して、適当な仕事はしたくないじゃないですか?
下田:間違いないですね。心に留めます。
菅沼:営業に対しても「社内での関わりが少ない人だから、積極的に話すのをやめておこうかな」とか思ってしまうのはもったいない。一緒に仕事をするならお互いを知らないといけないと思うし、そっちの方が仕事もしやすくなります。本音で話せる仲になることで「ここ、何とかならない?」って課題を聞けたりしますから。僕は営業の机のど真ん中でも仕事できますよ(笑)
手を挙げたら、挑戦させてくれる上司がいた。
下田:話は変わりますが、菅沼さんが思うディップの良いところとは?
菅沼:誰にでもチャンスを与えてくれるところ。ディップの上司は「その人がいかに活躍できる環境を提供するか」ということを考えてくれる方ばかりです。半期ごとの目標設定も、必ず上司と相談したうえで進めますし。
下田:実際にご自身で決めた目標はありますか?
菅沼:ありますよ!うちの課は合わせて約150社を担当しているのですが、2019年の3月から約1年間かけてそれぞれの原稿状況を見ていきました。
下田:150社!しかもそれぞれに数パターンの原稿があるって考えると、気が遠くなりそうな作業ですね…それを上司の方に提案したんですか?
菅沼:「目標どうしよっか?」ってなるので「自分としてはクライアント、ユーザー、営業部に貢献するにはどうしたらいいか常に考えてます」って話をして。で、自然と出てきたのが原稿の見直しだったんです。
下田:結果、何が分かったのでしょうか?
菅沼:まず、求人原稿の各欄で使われている文字数やフラグの数を数値化しました。そうしたら、最大35個つけられるフラグがその半分しかついてなかったり、原稿内のメインである”アピールポイント”という箇所が2行しか書かれていなかったり、最大3つ付けられる駅設定が1つしか付いていなかったり、色々な問題が見えてきました。発見するごとにパソコンを持って営業のところに行って「これやばくないですか?」と。そんな感じで地道に一つずつ潰していきました。
下田:今度は、ユーザーに喜んでもらうための行動ですね。
菅沼:ユーザーがバイトルから応募して、その職場ですごくいいことに出会えるかもしれません。実際僕も、高校1年生から7年間続けたコンビニのバイトで、たくさんの学びがありましたからね。そういった機会を少しでも増やしたいから、なるべく詳細な情報を書いてあげたい気持ちがあります。
下田:という思いを、実行に移せるのがディップの良いところですね。
菅沼:そう感じますね。去年京都に新設の課ができたんですが、「京都まで行ってレクチャーしたいです」と言ったらそれも許してくれましたから。誰かのために仕事をすることに対して、どんどんチャレンジできる環境だと思います。
下田:京都!!
営業とクリエイティブの融合を、ディップの強みにしたい。
下田:ディップでの今後の目標を教えてください。
菅沼:いっぱいありますね。もう中堅の立場なので、まずはメンバーの育成を頑張りたいです。あとは営業部にいる若手メンバーの育成もできたらと思っています。制作やBPRがいなくても、営業から「こういう打ち出し方の原稿やってみませんか?」ってクライアントに話せるようなサポートをしていきたいです。
下田:何か具体的な案をお持ちだったりしますか?
菅沼:もう取り組み始めてるんですが、先期ずっと運用していた「パターン原稿集」もその一つです。僕らが携わることの多い、大手を担当している営業部は、ディップの中でもより一層営業活動に特化している集団で。そういう人たちにもっと、原稿の大切さを知ってもらいたくて作成しました。
下田:これはどういった場面で使用できるんですか?
菅沼:ヒアリングした情報を加えるだけで、原稿ができるようになっています。原稿作成が苦手な営業の参考になればと思って「フリーター向け」とか「学生向け」とか、汎用的に使えそうな”型”をいくつか作りました。これがあれば商談の途中で「こんな原稿になります」って提示できたり、訪問前にあらかじめ作っておくこともできます。
下田:これまでに、何か成果を感じた瞬間はありましたか?
菅沼:「この情報量だと学生向けに書くの厳しいですよね?」って営業が声をかけてくれて、「私ヒアリングするんで、制作の時に使ってたシートないですか?」「あるよ、これ使って!」ってヒアリングしてくれたり、原稿に対して前向きな人が増えてきたことが嬉しいです。でもそういう営業って、クライアントからもすごい評価されてるんですよ。だからこそ、こっち(クリエイティブ統括部)が誇らしげに「こうしたらいいんじゃん?」と言うのではなくて、営業に制作力がつくような働きかけをしていきたい。やっぱりお客さまやユーザーに近いのは営業だから、僕は営業にいかに貢献するかを大切にしていきたいです。
下田:ちょうど一歩目を踏み出したところなんですね。
菅沼:大きな目標は、営業とクリエイティブの融合。営業部からクリエイティブ統括部に来た理由の1つでもあるけど、今後そこがディップの強みとなっていけるように頑張っていきたいです。