【インタビュー】データとテクノロジーを活用してビジネスを加速させる【dip data design.Lab】
この記事では、dip data design.Lab(以下、DDD)の山田耕平のインタビューをお届けします。彼がリードするDDDは、データとテクノロジーを用いてビジネスを加速させるための新たな取り組みを行っています。そのビジョンと具体的な施策について深く掘り下げ、現在の進捗とこれからの挑戦について聞きました。
自己紹介をお願いします。
山田です。2014年に中途入社しました。 メディアプロデュース、ディップ総合研究所を経て現在はDDDのDataBrain課の課長をしています。
当初はWebディレクターとしてはたらこねっとというメディアのプロデュースチームに所属していました。2016年からサイトデータの分析集計とそれらを行うWebアナリスト組織の運営に従事しています。2022年のこの組織とDataBrain課との統合を経て現職に至ります。
DDDについて教えてください。
参考:DDD立ち上げの記事(Dが大文字ですが、その後すべて小文字になりました)
データをデザインすることでビジネスが加速する「Dip Data Design Lab」の目指すDX | DX magazine powered by dip
27期DataBrain課方針・戦略
”THINKBIG” SYNC with data 、technology & more複数的に存在する「THINKBIG」を、データとテクノロジーとそれを補う何かを用いて、工学的かつ共時的な同期(および具現化)を試みる
現在はどのような施策が実施されていますか。
DDDのDataBrainという課で活動、「データ分析チーム」「データ基盤チーム」「データソリューションチーム」という3チームで活動しています。
「データ分析チーム」では自社事業に沿ったデータサイエンスによるいくつかの業務改善および事業改善の企画・研究・効果検証を行っています。分析対象は自社メディアから社内外のビジネスプロセスまで様々あります。さらに一部のメンバーは「ディップ技術研究所」にも所属し「AIエージェント事業」の実用化のための企画開発に勤しんでいます。また「dip AI Force」にも所属し、ChatGPTなどのAIツールをビジネス利用するための社内啓蒙活動にも勤しんでいます。
「データ基盤チーム」は上記データ分析チームのデータ利活用活動のインフラと、社内の部門横断データ分析基盤の開発実装と運用を行っています。当該基盤はコアとなるインフラやデータおよび各部門のユーザーが繋がりを見せ始めており、運用改善フェーズにいると言えます。これらを「分析・経営ダッシュボード」「データガバナンス」「スケーラブルかつ安定的な運用」といった様々な視点・アプローチから効率改善を画策している段階と言えます
「データソリューションチーム」は上記部門横断データ分析基盤とその周辺で利用されるサイトデータやビジネスデータおよび分析ツールのビジネス利用を指導支援する役割を持っています。各部署のデータ利用のお困りごとを捉え、然るべき方法で解決できるような指導支援を行っています。直近ではLookerを軸とした「意思決定ダッシュボードの改善」やLooker・BigQuery・AdobeAnalyticsといった各ツールのナレッジを集約した「データカタログプロジェクト」を行っています。
2021年にPJが発足してからの会社の変化について教えてください。
上記のとおり、データ組織の集約がありました。
また発足当初でもイシューではありましたが、データの分析・集計の社内横断的活動のみならず、AIを中心とするデータ利用に対する関心が社内外で高まっていると思います。これは会社よりも社会の変化と言っていいかもしれません。この社会の変化に対し、ダイナミックに会社も変わろうとしていると感じます。
特に困難だったことはなんですか。
ダイナミックに会社が変わろうとする事やデータおよびデータと技術の利用に対する様々なレイヤーからの期待に、いかに有機的流動的かつ合理的効率的現実的に応えていくかを画策実践する事です。
これらを現在の自組織資本に照らし、実現性を高めるための追加資本の目論見と、現在の組織資本の複利的増加の目論見を同時に画策し、課のメンバー含めた各ステークホルダーとの合意形成を行い続ける事が困難だった事であり、現在も困難であり続けている事だと思います。
成果が大きかったことはなんですか。
これまでに上記部門横断データ分析基盤に加え、求人メディアのサイトデータ『D-ta』、求人の応募効果を予測する『マチルダ』、原稿の検査AI『KENSER』といった社内ツールとしてのデータプロダクトの実装支援や検証・リリースを行ってきました。これらのツールによる社内およびこの社内ユーザーを介しての社外への影響・効果は一定数存在すると考えます。
また自部門の主管するLooker、BigQuery、AdobeAnalyticsの総ユーザー数は300人を超えています。ユーザー全員が十分にこれらを利用できている状態の実現はまだこれからですが、この利用者数の実現はデータの力でビジネスを行う土台作りという意味では一定の成果であると思います。
また上記のとおり、会社のAI利用のプロジェクトへのメンバーアサインや日々発生する自組織へのリクエストとその対応は「部門横断のデータサービス組織の実現」とも言え、この有機性を伴った組織存在の体現自体が成果と言えるのではないでしょうか。
これからやりたいことを教えてください。
データ組織に限った話ではありませんが、過度にセントライズされた組織やシステムはあまり健全ではないと思います。一方無策に放逐されたサービスや「データの民主化」は、次第に「万人の万人に対する闘争」に至るとも感じています。
また組織の立ち上げ当初「データ分析」と「データ利活用」を深く見分けることなくデータ基盤を構築して来ていたとも言え、基盤およびデータ利活用のあり方を見直す時期に来ていると言えます。ただしここでより統制度合いの高い基盤を目論むと、データ利活用の柔軟さが遮ぎられることになるかもしれません。
これらを単純なトレードオフ構造ととらえることなく、有機的流動的かつ合理的効率的現実的な方法論の模索と実践により、解決を試みていきたいと思います。これにより真にデータとテクノロジーにより、持続可能性の高い「社会を改善する存在」となる事を実現実践していきたいと思います。
ありがとうございました!
終わりに
山田のビジョンと取り組みを通じて、DDDがどのようにデータとテクノロジーを用いたビジネスの加速に取り組んでいるかをお伝えできたのではないかと思います。
その率直な意見と経験から、データとテクノロジーが企業の成長と革新にどれほど重要であるかを改めて認識することができます。
これからもDDDの挑戦と成果を見守り、その進化を追い続けていきたいと思います。
本インタビューを読んで、読者の皆様にもDDDの取り組みとその可能性について深く考えていただければ幸いです。