独学でコードを習得!ディップで見つけた自分の強みで業務ハックに取り組むディレクターに迫る
もともとはアナウンサーや、メディア志望だったという土屋。ディップに入社後、広告審査室での取り組みを経て業務ハックに目覚め、dip Robotics UX・PdM課に異動してきました。明るく快活な彼女はVBAやGASなど、コードを独学で習得し、現在もプログラミング言語を勉強しているという努力家。異動後、日々どんな想いで業務に取り組んでいるのか、今回はディレクターの土屋を深堀りしてみました!
入社して気づいた業務改善の面白さ
―― ディップに入社したきっかけを教えてください。
そもそもディップに入社できたのは完全に運だと思っています。(笑)
学生時代は、アナウンサーかTVやCMの制作プロデューサーになりたくて、大手メディア系企業を片っ端から受けていました。倍率の高さもあってなかなか最終面接まで進めず、4年生の晩夏あたりに「ここに落ちたら路頭に迷うかもしれない」と思って受けたのがディップでした。面接では、必死に自分が学生時代に頑張ってきたことを、その時の想いと一緒にストレートに話したことを今でも覚えています。そうしたら、就活を始めて初めて内定をいただいたので、ここに決めるしかないと感じて入社を決めました。アナウンサー就活を3年生の夏ごろから始めていたので、就活開始から内定まで1年ちょっとかかったことになりますね。
―― 運命的にディップに入社されたんですね!入社後はどんな業務を経験して現在の所属部署であるUX・PdM課に異動したんですか?
入社して1年目は、ディップ総合研究所メディア戦略室で新規事業企画に携わり、2年目~4年目の8月まではメディアプロデュース統括部広告審査室で自社求人サイトに掲載している原稿や動画の不備(原稿表記の法律・規定違反/最賃割れ/権利侵害 etc…)が無いかをチェックしていました。
私の人生最大のテーマが、『自分の知識や力を最大限に活用して他者に貢献していくこと』なので、どの仕事もそれなりにやりがいを感じていました。
特に広告審査室では、部署の中でもDXなどITシステム系に強い方であったこともあって、システムを活用した改善や仕組み作りを任せていただきました。そして、入社3年目の冬にExcelでマクロを使ったツールを完全独学で作って部署の業務効率を大幅に改善したことをきっかけに、「業務改善って面白い」「より良い仕組みを考えて実現方法を模索することは楽しい」と強く感じるようになって。
(今振り返ると元々、考えながら試行錯誤をすることが好きだったのも大きいのかもしれないです。)それをきっかけに、業務ハックを仕事にできないかと思って、色々な人に相談をしたり調べたりしていたところ、dip Robotics UX・PdM課が向いているんじゃないかとご提案をいただき異動することになりました。
ユーザーとチームの同時通訳者
―― 現在の仕事内容について教えてください。
UX・PdM課は簡単に言うと、社内向けの各種ツールを企画開発する部署です。
ユニット制を敷いていて、私はバックオフィス支援ユニットに所属しており、現在2つのお仕事を任せていただいています。1つは、RPA運用チームマネジメントです。
チームマネジメントと言っても、インターン生数名の仕事を取りまとめてタスクの進捗の管理をしたり、RPAツールを使って業務工数の削減をしたいと考えている他部署と折衝をしたりと業務内容は多岐に渡っています。実は、UX・PdM課に異動するまでずっと後輩が居なくて、自分が一番下という環境だったんです。なので、打診をしていただいた時は不安の方が大きかったのですが、いざやってみると人の面倒を見るのが好きなので意外と向いているような気がしています。
2つ目の新ツールの開発ディレクターは、UX・PdM課へ異動するまで所属していた広告審査室向けの新ツール開発に取り組んでいます。
内部の事情や課題、業務フローなど、元々在籍していたことで知っている事柄とシステム構築の考え方の両方を活用することで、開発チームとユーザーの溝をできる限り小さくしようと頑張っているところです。とても簡単に言えば、通訳のような役割ですね。
―― 通訳さん!わかりやすい例えですね!
通訳さんって、言葉だけでなく文化などバックグラウンドの違いがあることを理解した上でお仕事されていると思うんです。そして、できる限り双方の意思や想いが損なわれないように繋いで、より良い落としどころを見つけるお手伝いをしていると思っています。
でも、私はディレクターなので『落としどころを見つけるお手伝い』ではなく『落としどころを見つける』のが、私の一番大切な役割だと考えています。
その上でタスクを切って優先度をつけたり、ユーザーに構想中の新機能について感想や意見を求めに行ったりと、より良いプロダクトになるように頭をフル回転させています。
共通認識をもって、大風呂敷を広げてみる
―― 現在の業務で価値ある仕事をするためにどのようなことを意識していますか?
確固たる共通認識を作ることと、特大の理想を描いてそれを常に頭に置いておくことです。
モノを作るには、様々な人の協力が必要です。協力するためにはコミュニケーションが必要不可欠ですが、全員が全く同じ経験や知識を持っているわけでは無いので、それがうまく行かなくて衝突してしまうことがあります。
全員と同じ経験を得ることは到底無理ですが、知識ならまだ何とかなるので相手の持っている知識のうち、基礎の部分は最低限身に着けることを意識しています。今だと、開発ディレクターのお仕事で強く意識して動いています。開発に使っているプログラム言語の勉強をするといった感じです。
―― 土屋さんにとってプログラム言語の勉強が、『確固たる共通認識』につながるということですね!
広告審査室時代に作ったツールはVBAだけでなく、GASを使って広告審査室宛に社内から届いた質問を集積し、簡単なデータベースを作るツールも企画・開発しました。
(注:Google Apps Scriptの略)この開発をはじめる時に「苦労はしたけれどVBAを使ってツールが作れたから、その知識を使えばGASでも簡単に作れるだろう」と思っていたんです。でも、全く進まなくてコードを書き始めて2日後くらいに自分の愚かさに気づいて反省しました。(苦笑)
進まない理由について考えてみたところ、「自分にはGASの大元になった言語(=JavaScript)の知識が全く無いからなのでは?」という仮説にたどり着きました。実際にJavaScriptを勉強してからGASへ戻ると、笑えてしまうくらいコードが書けるしリファレンスも理解できたんです。
この経験が共通認識の大切さを私に再認識させてくれたので、エンジニアとの確固たる共通認識を作るために開発言語の勉強をしています。また、プログラミングの基礎知識はユーザーの要望を詳細にヒアリングする時にも役立っているので、一石二鳥といった感じです。
―― もう一つ意識されていること、『特大の理想』とは、どういったことでしょうか。
企画の立て方や練り方はディレクターによって違うと思うのですが、私は企画時に”特大の”理想を描くところからはじめることが多いです。これは実現可能性を完全に無視した、いわば野望や夢とも言えるようなものです。
なぜこれをするかというと、理想を実現するために思いついた事柄から現実的なものを選別して、その中からさらに解決したい課題にフィットしそうなアイデアを組み合わせていくような考え方で企画を作っているので、私には絶対必要なことなんです。
また、一番最初に大風呂敷を広げてみることで、当事者が意識していなかったペインポイントが見つけやすくなるような気がしています。それだけではなく、広げた風呂敷の中には絶対に外してはいけない要件があるはずですし、開発を進めていく中で見つかる課題や問題を解決するヒントも紛れているとも思っているので、企画初期に描いた理想を大切にしています。
ユーザーの不安に向き合うことも大切
―― ディップでの業務で実際に直面した課題、それをどう乗り越えたか、どんなところにやりがいを感じるかなどを教えてください。
ユーザーから「便利になった!」「楽になった!」と喜びの声が聞けた時にやりがいを感じます。特に、DXに抵抗感を持っていた人から聞くことができた時には思わずガッツポーズをしたくなるくらいですね。
DXに抵抗感を持つ理由は人それぞれだと思うのですが、今の業務がどのように変わるのか・どこまで変わるのかについて分からず不安になってしまうことが要因である場合が多いと思います。人間、見通しが立てられないものに対して不安感を抱くことは当然の反応なので、その不安に正面から向き合って少しずつ取り除いていくことが大切です。
なので、変更の中身について丁寧に説明をしたり、サンプルを作って触ってもらったりして変化の度合いを感じ取ってもらうようにしています。
すべてを経験したことで身についた感覚
―― 現在の業務で印象に残っていることはありますか?
新ツールの企画〜開発、保守とその引継ぎまで一貫して全て1人でやり遂げたことが印象に残っています。私は目新しいものが好きなので、どうしても企画や開発の方に目が行って心血を注ぎがちなんですが、作ったそのあとの方が難しくって。
特にコードを書いたことの無い人に、GASを使ったプロダクトの引継ぎをした時はとても苦労しました。エンジニアとして働く人や少しでもコードを書いたことがある人なら分かる独特の空気感というか感覚を、どのように言葉にして分かりやすく伝えようだとか、このプロダクトを保守していく上で最低限必要な知識はなんだろうか、など色々と頭を悩ませながら引継ぎ計画やドキュメントを作りました。
作っていくうちに、開発の時に見逃していたエラーの可能性が見えるようになったり、もっと分かりやすく簡単なエラー対応の方法は無いかを考えるようになったりと、企画以外の場面で必要な感覚が身についたように思います。
―― 全部お一人で経験されたからこそ、見えた部分があったのですね。でもきっと、大変でしたよね…
今振り返ると、絶対にあれらを1人でやるものではないと思うのですが、それができる人が他に居なかったこともあり、社内で交流のあるエンジニアさんに聞いたり、書籍を買って勉強したりと思いつく限りの試行錯誤を繰り返して全て進めました。
作ったものは全て、社内全体にインパクトを与えるような大きなプロダクトではありませんでしたが、問題を解決しただけで満足してはいけない・作ったら終わりではないと学び、それを実感しましたね。
それに、今から約1年半くらい前までコードが全く書けなかったことも踏まえると、様々なエッセンスが凝縮されすぎな感じはしますよね(笑)でも、この経験があるおかげでディレクター業務が未経験だった私でもすんなりとUX・PdM課の仕事に慣れることができたのだと思います。打ち合わせ中に、エンジニアさんの言っていることが全く分からないわけではないですし、困ることも少ないので。
多様性が活きる、変化の組織に
―― 今後どんな組織にしていきたいですか?ご自身の目標や今後どんな人と働きたいか聞かせてください。
自他の強みをかけ合わせて最大化することができる人や、視野が広くてフラットな考え方ができる人になりたいと思っています。人には適材適所があると思うので、それを見極めて得た成果の喜びを関わった人全員で分かち合いたいです。
多様性があることが一番強いと思っているので、どんな人と働きたいかと聞かれると具体的に限定できないのですが…
強いて言うのであれば、変化していくことが好きな人でしょうか。ディップは大企業と言われる規模ですが、社風はベンチャーのような部分が強く残っている会社なのではないかと思っています。その中でdip Roboticsは社内の変化の先頭に立つことが多い部署なので、変化が好きなことは強みになるのではないかなと思います。
ディップで見つけた自分の強み
―― 読者の方々に、メッセージをお願いします!
ツワモノになりたい、そう思って私はディップに新卒入社しました。
そして、これまで様々なお仕事を任せていただき、気づいたらプログラミングができるようになっていました。右も左も分からないけれど、所属組織のために挑戦したいという気持ちを受け止めて「やってみればいいじゃないか」と言ってくれる人が多い環境だからこそ、知識を身に付けることができたし、経験できたのではないかと思っています。
また、この環境に居るからこそ本当に自分に向いていることや好きなことが、就活生だった頃よりくっきりと見えるようになりました。自分の進路に迷っているのであれば、1度はディップの採用選考を受けてみていただきたいです。
きっと一風変わった経験を持つ人や面白い人に沢山出会えるはずです。沢山の人と出会って、話して、考えて、そうしてディップを選んでいただき、一緒にお仕事ができると良いですね。
―― 次は内藤 樹佐さんにインタビューします。内藤さんはどんな人ですか?
まだ一緒にお仕事をしたことが無いのですが、クールな印象とは裏腹にdip Roboticsの一員らしい側面もお持ちだと聞いています。ご兄妹も実はディップ社員なんだとか。
転職経験者ならではの目線で、ディップやRoboticsについてお話してくださると思うので、記事がリリースされるのを楽しみにしています。
―― ありがとうございました!