フィロソフィーを醸成する3つのステップ「見える化・対話・アクション」について語る〜人材・組織開発室の上野が登壇!

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上野 麻佑子
人事総務本部 人材・組織開発室 ▼詳細

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小林 宥太
商品開発本部 dip.S.W.A.T S.W.A.T課 採用担当 ▼詳細

良い人材を採用するために、営業職を経て新卒採用チームから異動し、組織開発チームの設立に貢献した上野さん。今まで、理念の浸透をミッションとして掲げながらも、女性活躍推進のプロジェクトや社内の機関紙を制作するなど事業価値を考える事に主力をおいてきた彼女が、フィロソフィーをどのように捉えるのか。またそれをいかに醸成していくのか。この二点を中心にディップの取り組みを特別にご紹介いたします。

サービスに対する共感が急成長を遂げる鍵

ディップは「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念を掲げています。その企業理念に基づき人材サービスとDXサービスの提供を通して、労働市場のさまざまな課題を解決することで、誰もが働く喜びを感じられる社会の実現を目指しています。そのためにディップでは、ユーザーファーストで営業活動を行なってきました。具体的な例としては、アルバイトの応募前に仕事を体験したり見学したりできる機能を生み出し、仕事や職場のリアルを伝える取り組みを続けてきました。

ここで重要なのは、こういったサービスを何のために行なっているのか社員が理解し、共感することです。独自のサービスを世に広めていく上で、社員の共感なくしてユーザークライアントの共感は実現できません。何のためにやっているのか、という理念の部分を理解することは、事業が急成長できる重要な鍵になります。

ディップの考えるフィロソフィーの実践とは?

ディップでは、企業理念、ビジョン、ブランドステートメント、行動規範であるdip WAY、行動精神であるファウンダーズピリット、これら5つをまとめてフィロソフィーと呼んでいます。ここでのポイントとしては、全社員に共有できるフィロソフィーであるという点です。

フィロソフィーというのは、決して初めからあるものではなく社員の成長や取り組みとともに成長していくためにあるものです。だからこそ、社員の志が引き出され、より実現に向かっていきます。フィロソフィーは壁に貼ってあるようなものではなく、社員自身が自分の志を思い起こし、より近づいていくためにあるものです。そのようなフィロソフィーをどう根付かせアクションに繋げていくのか、そのステップについてこれからご紹介していきます。

STEP1「見える化する」

「見える化する」というのは、フィロソフィーを浸透させることを目的としているのではなく、見せることによって自分の意見を見出す引き出しとして捉えています。社員たちの内にある思いを刺激し続けることが最初のステップでは重要になるのです。

このステップを着実に行う上で、私は6つの事柄を挙げています。

  • フィロソフィーを定義する
  • いま大切にしたいことを「テーマ」で伝える
  • 「映像の力」で伝える
  • dipらしい「社内報」で伝える
  • オリジナルメニューを設定/経営層が日常的に思いを伝える
  • フィロソフィーを様々な視点で伝える

フィロソフィーを定義する

今年の社員総会でディップ代表の冨田が25周年のテーマとして改めてフィロソフィーを掲げました。その一部が上図になります。

このフィロソフィーの特徴は、フィロソフィー自体の定義付けをしているのではなく社長自身の考えを伝えることによって社員の共感を引き出しているという点です。

いま大切にしたいことを「テーマ」で伝える

先ほどもお話しましたが、フィロソフィーの捉え方や解釈は日々変化していくものです。ディップでは、特にこの1年で大事にしたいことをテーマとして社員総会で発表しています。

例えば今期(26期)は「ナンバーワン」というテーマを掲げています。ですがディップらしさというのは、テーマではなく伝え方にあります。社長は社員の心に届くように、オープニング演出で「We will rock you」をプロダンスチームと踊りました。そのテーマに合わせた伝え方をすることで社員の心に刺さりやすくなり、強い共感を生み出します。

また、1年に1つのテーマではあるものの、クォーターごとに締め会を行いテーマについての進捗や今後の改善点などを話す場を設け、社員に刺激を与えています。フィロソフィーに込める思いを画面で伝え続けることが非常に重要になると考えています。

「映像の力」で伝える

ディップでは「映像の力」を使って歴史からフィロソフィーを学び、過去と現在を繋ぐことで今後のヒントを探るきっかけになることを期待しています。

具体的には、アイデアをどの様に生んでいくのか、また過去の秘話などを映像の力でメンタリストDaiGoさんをはじめとした色々な方の視点からストーリーを伝えています。その他にも、社員たちの仕事ぶりからフィロソフィーを紐解く取り組みもしています。

社員の語りだけではなく、お客様の視点や実際に採用されたユーザーさんの話も入れながら、社員がどのような価値を社会に生み出したのかを伝えることで、素晴らしい価値が見える化され、社員の意識を高めることに繋がります。見える化を推進する上でも、多角的に物事を考えることが非常に重要です。

dipらしい「社内報」で伝える

社内報は、日常的に社員がフィロソフィーに触れるための施策の一環として取り組んでいます。社員数が2000人を超えてくると、他部門の考えがわからず曖昧になり、連携が取りづらい状況が生まれてしまうこともあります。その打開策として、社内報は「垣根を超える」をコンセプトにこだわりを持ってインタビュー形式で掲載を続けています。

オリジナルメニューの設定

オリジナルメニューの設定では、経営者が今後行う新しい取り組み、マーケットのトレンドなどを共有することで思いを率直に伝えるなど、全てにフィロソフィーが埋め込まれています。日常的に会社のトップ陣が伝え続けることで、フィロソフィーを根底に根付かせるという狙いから取り組んでいます。

フィロソフィーを様々な視点で伝える

トップからだけではなく、現場にあるフィロソフィーを様々な視点で伝える取り組みも行なっています。例えば、「輝くフィロソフィー」では、フィロソフィーを体現している社員を定期的に取り上げています。現場の社員が取り上げられることで反応もいい企画です。また、定期的に座談会を開くことで何のために今の業務に取り組んでいるのかを再確認する場も作っています。多角的な面からのアプローチにより、多様性や職場で話し合えるようなテーマ作りを行うことも見える化を図る上で重要な手段だといえます。

STEP2「対話する」

これまで紹介した「見える化」によって社員に多方面からの刺激を与えてきましたが、その刺激が社員同士の対話や行動を引き起こすトリガーになっていきます。続いては、STEP2である「対話する」についてご紹介していきます。

対話というものは正解が難しいので、一人一人の思いを職場の皆で分かち合うことが重要です。それにより協働が生まれるため、ディップでは対話の機会を日常の中に意識的に作っています。

このステップを着実に行う上で、私は5つの事柄を挙げています。

  • 「経営✖️現場」で対話する
  • 「自らがdipを創る」を支援する
  • フィロソフィーを我事化する
  • コアとなる考え方・姿勢を磨く
  • 組織横断でそれぞれの思いを語り合う

「経営✖️現場」で対話する

経営と現場での対話を行う上で、現場の社員を主役としながら関心のある部分でテーマを決めるよう心がけています。というのも、各オフィスによって職場の状況も違い、人事が一方的にテーマを決めてしまうと率直に話すことが難しいからです。少し青臭い話をCOOの志立がすることで打ち解けやすくなりコミュニケーションがとりやすくなることもあります。このように、一人一人がディップをつくるために、自分がやりたい事を主体的に考え、レポートとしてシェアする取り組みがフィロソフィーの体現に先立って重要です。

「自らがdipを創る」を支援する

以前まではフィロソフィーは自然と伝播していきましたが、コロナ禍になりディップでもリモートワークの働き方が当たり前になりました。その過程で、直接会って仕事をしていないと感じ辛いフィロソフィーが多いことが問題視されました。そこで取り組み始めたのがフィロソフィーコーチングです。これからそのディップオリジナルな取り組みについてご紹介していきます。

フィロソフィーを我事化する

フィロソフィーを我事化するというのは、自分の経験に基づいたフィロソフィーとの関連性を明確にしていくということです。事前に動画を見て、そのコンテンツの背景やフィロソフィーとリンクさせたテーマを設定しながら、3人の社員に対して1人の人事が入ってコーチングや質問を行いながらディスカッションを広げていきます。それによって、新たに気づきを得てもらう場を設けられると考えています。

コアとなる考え方・姿勢を磨く

もちろんフィロソフィーは自分の中に埋め込むためにあるのではなく、自身の価値観や共感する点などを加味する事も大切です。フィロソフィーを呼び水にしながら、自分自身のコアになる価値観を言葉にしていく取り組みも行なっています。

組織横断でそれぞれの想いを語り合う

フィロソフィー自体、ディップの社員であれば全員大事にしたいものです。そこで、全国の社員を職種もエリアもバラバラにしてグループを作り、自分なりの考えを言葉にして共有し、他人の価値観を理解する場作りを日常的に行なっています。自分の思いを職場のみんなに分かち合うことは、協同を産むことへの第一歩です。こういった対話を意識的に作ることで「自らがdipを創る」という意識を支援することに繋がっていきます。

STEP3「アクションする」

今までの過程を踏んで最後にアクションに移っていきます。

このステップを着実に進めるために、私は4つの事柄を挙げています。

  • 「フィロソフィー営業」を体系化
  • 「ユーザーファースト」を体現する
  • 社外にも積極的にPR
  • 社会に開くフィロソフィー

「フィロソフィー営業」を体系化

ディップが今まで行なってきた取り組みを体系化したものを「フィロソフィー営業」と名付けました。このように体系化し、社内で共有することによって、自分が何の仕事を行っているのか、理念がベース化されることにより社会課題を解決する意識を高めることに繋がります。

「ユーザーファースト」を体現する

今までのディップは「ユーザーファースト」を第一に掲げ、求人サービスにとどまらない挑戦を行なってきました。2020年3月、コロナ禍で雇用が不安定な中「バイトを守れ」という広告を出し、有期雇用者の雇用を守る取り組みを行いました。そのほかにも、ワクチンインセンティブプロジェクトを行い、インセンティブ導入を働きかけながらユーザーの皆さんが安心して働ける職場づくりに専念し「ユーザーファースト」の理念を体現化しています。

最近では、「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」の一環で、「店長時給上げてください!」というCMを打っています。物価上昇の中では、有期雇用で働いている方達の待遇を改善しないと生活が苦しくなってしまうため、ディップとしてももっと待遇を良くしようと企業様に働きかけています。この取り組みは、ユーザー、弊社、企業様とのwin-win-winの状況を作ることができると考えています。

社外にも積極的にPR

これまで紹介した内容を、プレスリリースやCMプロモーションを通して積極的にPRすることで、様々なメディアにも取り上げていただける機会をつくっています。最近では、雑誌『経済界』でも社長がフィロソフィーについて語る機会があり、独自の取り組みを広報とプロモーションを駆使しながら社外にPRしています。

社会に開くフィロソフィー

フィロソフィーはお分かりの通り、ディップの軸になっているものです。そこで大事なことは社内だけにせず、社外の方から見ても良い志であったり、協力、応援したいと感じて頂き、ユーザーやクライアントとの関係を深めることが今後の採用にも繋がってくると考えています。また、アカデミックとの協働にも繋がるなど、フィロソフィーに対する共感こそが社会課題の解決と収益の確保を両立していく上で重要な鍵になってきます。

フィロソフィーのこれからとは?

これまでお話したように、見える化、対話する、アクションする、というこのステップを着実に踏むことによってフィロソフィーの醸成が根付き発展に繋がります。

自分の志は決して一人では実現できません。よりダイナミックに実現していくためには、共感する仲間と手を取り合える場を作ることが重要です。

組織開発においても、目に見えないものに目を向けることで組織のムードや社員の感情などが可視化され、そこに訴えられるような物作りができるようになります。我々自身も自分のフィロソフィーを磨きながら、社内外の人たちの心を動かせるよう日々取り組み磨いています。

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上野 麻佑子

人事総務本部 人材・組織開発室 2007年新卒入社。『はたらこねっと』の営業、営業課長を経て、2011年より人事に異動。2014年に組織開発チームを新設。プライベートでは2児の母。

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小林 宥太

商品開発本部 dip.S.W.A.T S.W.A.T課 採用担当 新規事業企画を担当するS.W.A.T課の採用担当。最近のマイブームはサウナ。