業務委託のSEから、自社開発のPMに。企画と開発が一体の組織で感じた、成長のしやすさ。
中期経営計画で「エンジニア200名体制を目指す」と、開発戦略を掲げたシステム開発部。実際のものづくりの体制はどのようになっているのか。PM(プロジェクトマネジャー)業務未経験で中途入社、現在はシステム開発部プロジェクトマネジメント課で「はたらこねっと」のPMを務める、大里さんに話を聞いてみました。
「言われた通りやればいいから」。提案しても通らなかった受託会社時代
上野:大里さんは2018年11月にディップへ中途入社、今ではシステム開発部プロジェクトマネジメント課で「はたらこねっと」のネイティブアプリ開発のPMをされていますが、まずディップへの転職のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
大里:前職は車載用のナビゲーションシステムや地図アプリを受託開発する会社で、クライアントからの業務委託としてプロパーさんと協力しながらPG(プログラマー)やSE(システムエンジニア)として3年ほど働いていました。でも、どうしてもプロパーさんから見れば”外部の人”という感がぬぐえない部分があったみたいで。開発途中で問題や改善点に気づいて「ここはこうしたほうがいいですよね?」という意見を言っても、「あなたはこの前提条件のなかで、指示書通りにやれば大丈夫だから」と言われることが何度もあって。指定の工数で指定の作業をやってくれる人としか認識されていないのが悔しいなと感じ、「受託ではなく自社サービスの開発に携わりたい」と思うようになりました。
上野:なるほど、そんな理由で自社開発でという軸が生まれたんですね。PMへの転身の背景はありますか?
大里:当時、SE/PGとしては6年ほど経っていたのですが、コーディングだけでは自分の能力面などで限界を感じていたというのが大きな理由です。一緒に働いていたエンジニアたちのレベルが高かっため、正直自分はこの人たちには及ばないし戦えないと感じていました。それもあってあるときドキュメント(要件定義書やシステム仕様書)作成に力を入れてみたら、意外にできるな、という発見もあって。それで将来はPMになるという方向性が自分の中でうまれていきました。
上野:「自社開発×将来はPM」という観点で、最終的にディップを選ばれた決め手はありましたか?
大里:次は愛着を持ってアプリ開発していきたいという思いがあったので、自分が知っているサービスがいいなと思い、見つけたのがディップでした。ディップからはもともとエンジニア募集のスカウトが届いていたのですが、面接の中で「将来はPL/PMもやっていきたい」という話をしたら親身に話を聞いてくれて。その場でロードマップ的なものも示してくれたのが安心感もあり、そのまま入社を決めました。
企画と毎日のやりとり、週1MTG。思った以上に密な連携ができる環境
上野:現在PMとして働かれる中で、どのようなことをされているのですか?
大里:「はたらこねっと」のネイティブアプリのPMとして、企画(「はたらこねっと」のサイト企画・編集チーム)のやりたいことに対しての仕様策定・設計・人員配置・スケジュール設定・進捗管理が主な業務ですね。アプリ内のこまかな修正をふくめた月1程度のエンハンスや、半年~年単位での大きなプロジェクトのPMがメインです。関わる人は企画、バックエンド、アプリ開発、WEB開発、さらに業務委託で30名程度のエンジニアの方々。まあ業務の8割が企画とのやりとりですね。
上野:前職とはやはり大きく変わりましたね。自社開発でいいな思うことはありますか?
大里:企画のトップと直接話せるところですかね。私はPMではあるけど管理職ではないのですが、こちらから仕様を提案する際には直接「はたらこねっと」の副編集長が対応してくれるので、そこで議論ができますし、逆に相談されることもあります。だから小さな修正でも大きなプロジェクトでも、企画が依頼してきたものをただ実行するのではなく、最初の段階から一緒に検討ができますし、単にプロジェクトを管理しているだけじゃないなと思いますね。開発の人間ですが、アプリを利用するユーザーの目線に立ったペルソナづくりから入ることもあって、前職のときの自分だったら考えられないですね。
上野:PMにとってはかなり仕事がしやすそうな環境ですね。そういう体制が根付いているということでしょうか?
大里:ここ1年で企画と開発が一緒にサービスを改善していけるようにユニット制が導入されました。「はたらこねっと」に関わるメンバーはSlack上でいつでも会話ができるようになっているのでその影響もあるかなと思います。
上野:かなり連携が取りやすそうですね。
大里:それは本当にそうです。週1での定例会議もありますが、それを待たずして日ごろからコミュニケーションが取れているので、とても助かっています。会議では開発側はエンハンスの進捗共有をしたり、企画側はアプリの各目標に対する進捗状況を共有するのですが、Slackでは日常的に相談や提案が行われています。「こういうことをしたいんだけど実装に悩んでて…」という声を企画側からもらって、「こんな感じでできますよ」とすぐに助言できますし、そのあとに企画書を提出してあらためて議論ということもできます。
上野:それだけコミュニケーションが取りやすいと、仕事も進めやすそうですね。
大里:はい、余談ですが「仕事関係なく雑談会やりましょう!」となって、ユニットの中でわざわざ話すだけの会を開いたこともありましたね。結局仕事の話をしちゃってましたけど(笑)
雑談から始まったプロジェクトも。縦割りじゃないからすぐに実現できる
上野:ディップに入社されて2年半ほどですが、ディップの開発部のいいなというところを教えてください。
大里:やはりコミュニケーションのしやすさですかね。さきほどの企画との話しやすさもそうですが、開発部内でもそれは顕著です。例えば私はPM経験がなかったうえに言語はJavaしか使えないので、使用する技術については実際に開発する方に聞かないといけない場面も多々あるのですが、その際に皆さんとても親身になって時間を割いて教えてくれます。課内か、課外かという縦割りがないのでほかの開発チームの方とも話がしやすくて、仕事に活かせる知識や知見が増えるのもいいなと思います。
上野:たしかに、開発は「人月」という考え方が強いので、時間やコストに対してもっとシビアなイメージです。
大里:そうなんですよね。私がいた会社でもそういった風景を見ていたので、気軽に話すことができる環境には驚きました。データベースを扱う部署の方が、基盤周りについても基本から教えてくれたりとか。もちろん自分でも勉強はしますが、知識が身につきやすいので仕事も進めやすいし、成長も速くできるかなと思います。あと、やりたいことはすぐやらせてもらえる感じはありますね。
上野:具体的にどのようなことでしょうか?
大里:現在、品質向上のための第三者検証チームプロジェクトを私の主導で行っています。開発をする上で、バグを0にするのはなかなか難しいのですが、それでももう少し事前にバグの量を減らすための施策が行えないかと思ったのが発端です。週1回実施している課長との1on1MTGの際、雑談レベルの温度感で「バグの多さが気になってるんですよね。ユーザーはそんなに気づかないかもしれませんが、メーカーだったらふつう第三者検証チーム立ち上げます。うちはやらないんですか?」と投げかけたら、「たしかに」と賛同してもらえて。
上野:ほぼ普通の会話の中から、プロジェクトが発生してるんですね。
大里:そうですね。正直、2000人以上の会社なのでそんなに柔軟に対応してくれるとは思っていなかったので、意外に動いてくれるんだというのもありました。それに何よりも、会社としては一見コストでしかない、直接の売上にはつながりづらい領域にわざわざ工数をかけてしっかり対応する判断をしてくれたことが嬉しかったですね。私のいままでのディップ外での経験や知見を認めてくれて、ディップに取り入れようとしてくれるのも、いいなと思います。
これからPM経験を積みたいなら、ぜひディップをお勧めしたい
上野:最後にですが、ディップのPMに合っている人はどんな人でしょうか?
大里:これからPM経験を増やしていきたい、という人には合っていると思いますね。私自身PL(プロジェクトリーダー)経験は多少あったものの、PM経験が全くなかったので入社してすぐの時はうまく立ち回れないことがほとんどでしたが、プロジェクトマネジメント課の先輩みんなで「あの進捗大丈夫?」など気にかけてもらえることも多くて、「とても大切に育ててくれるな」という感じはありましたね。
上野:PMビギナーでも見守ってもらえる環境なんですね。
大里:そうですね。QCD(品質・コスト・納期)の考え方や説明の仕方もここで初めて教えてもらいました。また、プロジェクトマネジメント課だけでなく、企画の人たちも支えてくれたなと思います。SEからPMへ転身する上で一番苦労するのが、やはり企画側へ技術面を伝えるコミュニケーションの部分なのですが、私がわかりやすく説明できるように丁寧に質問を重ねてくれたので、大変は大変でしたがPMとしての説明スキルはそこであげてもらったなと思います。
上野:まさに課の垣根がない環境なんですね。成長スピードも速そうです。
大里:はい。プロジェクトの内容にもよりますが、私だと1年半程度である程度のPMとしてのベースはできたかなと思います。今後も大規模なアプリの改修は発生すると思うので、成長機会はたくさんあります。PM未経験の方や、経験がまだ浅いという方にもぜひチャレンジしてほしいですね。