正直リーダーってタイプじゃない。 私は”寄り添う”管理職でありたい。
2006年に新卒でディップに入社し、2017年に管理職へ昇格。先期の全社通期表彰では見事「優秀課長マネジャー賞」を受賞した藤田文子(あやこ)。そんな彼女に、求人制作ディレクターとしての心構えや、マネジャーとして大切にしていることなどを聞いてみました。
最初は“なんでも屋”からスタート。とにかく毎日必死だった。
高橋:まずは「優秀課長マネジャー賞」受賞、おめでとうございます!
藤田:ありがとうございます!
高橋:藤田さんは僕の2年先輩にあたるわけですが、考えてみると今まで同じ課で働いたことってないですよね。まずは入社時の話からおうかがいしてもいいですか?
藤田:はい。私は2006年に新卒としてディップに入社しました。当時は200名の社員しかいないのに200名の新卒を採用するみたいな大変な時期で(笑) 営業として入ったんですが、1年後には営業さんの代わりに原稿をつくる「営業サポート」みたいな部署に異動しました。
高橋:「制作部」ではなかったんですか?
藤田:そうですね。私が異動したころはホントに「なんでも屋」って感じで。細かな時給修正、管理画面の設定、事務作業など、とにかく営業さんから降ってくる依頼はなんでもやる感じでした。社内に「制作のプロ」みたいな先輩がいるわけでもないので、ホントに手探りで、毎日とにかくいろんなことをやっていました。
高橋:それは大変でしたね…。
藤田:そこから2008年あたりに中途の人たちもたくさん入ってきて。ようやく「制作部」という形になっていきました。
クリエイティブでは周りに勝てない。私にできることはなんだろう。
高橋:そこからは順調でしたか?
藤田:いや、ぜんぜん(笑) 「制作部」という組織には属していたものの、文章とかデザインとかなにかを特別に学んできたわけではないので。でも周りを見渡すとライターやディレクターの中途の人がたくさん入ってきて、「あの人みたいなキャッチコピーは書けないなぁ」とか、「あんなディレクションはできないなぁ」とか、周りの人と比べて「自分はぜんぜんダメだな」「自分の強みなんてないんじゃないか」と自信を失っていきました。
高橋:それは、僕もなんとなくわかる気がします…。
藤田:でもやっぱり、お客さんの話を聞いたり、お客さんのためになにかを提案するのは好きで。
そのときに、「私は『短いコピーライティング』ではなく、『取材でファクトをたくさん拾って、ていねいな原稿』を書ける人になろう」って決めたんです。
高橋:おぉ。それはいい変化ですね。
藤田:とあるパチンコ店の正社員の取材に行ったとき、「地域密着のお店だから常連さんとのおしゃべりを大切にしている」「お客さんとはお孫さんの話、ワンちゃんの話、昨日笑ったテレビのことなど他愛のない話ばかりで、まるで家族と話している感じ」というエピソードが聞けたんですね。それに加え、「冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンなどすべて付いている1Kの寮に無料で住める」というファクトも聞き出せました。
そこで、地方から都会に出てくる人をターゲットに、「ほとんどが世間話だから、むずかしい仕事ではないよ」というコンセプトで原稿をつくったんです。
高橋:おぉ、結果はどうでしたか?
藤田:見事採用できました!
でもうれしかったのはそれだけじゃなくて。
後日採用できた方にインタビューしに行ったら、私が書いた原稿を応募前に何度も読み返してくれてたみたいで。しかも地方にお住まいの方で、「接客から離れていたけどやっぱり接客がやりたくなって新しい仕事を探していた」「ふだんから近所のおじいちゃんやおばあちゃんと話すのが好きだし、『ここならできそう』と思った」と言ってもらえて。まさに私がこの原稿を届けたかった、ドンピシャな人だったんですよね。
コピーとか、デザインとか、いわゆるクリエイティブももちろん大事なんだけど、私は「お客さん、ユーザーと真摯に向き合い、ていねいな広告をつくろう」と確信できた、思い出深い一件です。
正直“リーダー”ってタイプじゃない。私は“寄り添う”管理職でありたい。
高橋:その後、管理職に昇格されましたよね。
藤田:はい。2017年9月にプレマネとして。2018年3月からは課長になり、今は11人のメンバーを見ています。
高橋:管理職として、心がけていることはありますか?
藤田:一般的な会社でいえば「30代の課長」ってぜんぜん若いほうだと思うんですけど、とはいえ新卒からすると10歳以上もトシの離れた人って怖いと思うんですよね(笑) 「いつでも声かけてね」なんて言っても、きっと声をかけてくれるようにはならない。だからできるだけ自分から声をかけて、距離を縮めるようにしています。
高橋:ほかに工夫していることはありますか?
藤田:たとえばウチの課のSlackには、「2課メンバーへのイイね」というチャンネルがあります。
そこでは「この原稿いいね!」とか「さっきの●●ありがとう!」とか、私からはもちろん、メンバー同士でも気軽に褒め合って、感謝し合える環境をつくっています。
高橋:いい取り組みですね。藤田さんがそのようなマネジメントを志すきっかけはあったんですか?
藤田:私自身、なにごとも「なんでやるのか?」が腹落ちしないと行動できないタイプなんですよね。でもそんなめんどくさい部下にも、過去の上司は私が腹落ちするまで何度も寄り添って話を聞いてくれました。だから自分が管理職になっても、そういう人になりたいなと思ってました。あとは、単純にピリピリした雰囲気が好きじゃない(笑) どうせなら、「上司・部下」という関係ではなく「いい関係」で働きたいじゃないですか。
私、あまりリーダーシップがあるほうではないんです。だから「みんなを引っ張っていく!」みたいなマネジメントはできなくて。でも、管理職にあげてもらったからには、ちゃんと成果は出せるようになりたい。
だから、メンバーと同じ目線に立って、寄り添って、話を聞いて…私にできるやり方で、マネジメントにチャレンジしています。
一人ひとりの良いところを見てくれる。それがディップの良いところ。
高橋:最後に、藤田さんが考えるディップの良さ、制作部の良さってなんでしょう?
藤田:さっきも言ったとおり、私はまるで“リーダー”って感じじゃない。でもディップはそんな私の強みを見つけ、管理職という新たなポジションを与えてくれました。
「管理職といえば●●」「制作といえば●●」と型にハメるんじゃなく、人間いろんな一長一短がある中で、できるだけその人の強みを見つけ、適切な役割、仕事を与えようとしてくれる。それが制作部、ひいてはディップの良いところかなと思います。
高橋:たしかに、それはあるかもしれません。
藤田:私自身、まだまだできてないところはたくさんあります。でもやっぱりメンバーが育ってくれるとうれしいし、もっともっといい仕事ができるようになってほしいなと思います。改善点はたくさんあるけれど、最近、ようやく管理職という仕事が好きになってきました(笑)