社内SEのデバイス選定センスが、 ディップ社員数千人の能率に直結。
情報システム部で社内SEを務める菊田さん。彼が中学生のとき、自宅に最新のパソコンがきた。当時はパソコン自体がめずらしく、興味のまま触っていたら、いつのまにかウイルスに感染してしまった。そんな実体験がきっかけで、情報関係の道に進み、大手各社のサポートデスクを担当。そして2018年、ディップへ転職後もさらに躍進。私生活でも、自分で電子機器を試し買いするという打ち込みよう。そんな彼の仕事に対する想いとは。
全社員の業務効率のギアを上げるキーパーソン。
冨岡:菊田さんのいるデバイスサポート課って、どんな仕事をしているんですか?その名の通り、みんなが使う電子機器まわりの管理、とかでしょうか?
菊田:ざっくり言うとそうですね。僕はその中でも、デバイスサポートユニットというチームに所属しているのですが、新卒や中途入社の方のPCを手配したり、何か困ったことがあったときの問い合わせ先であるヘルプデスクの応対、社内FAQサイトの運用。あとは、社内で使うPCなどの電子端末、システムの選定なんかもやっています。冨岡さんが今使っているPCも、僕が選んだものですね。
冨岡:なるほど。菊田さんはヘルプデスクの中の人だったんですね!いつもお世話になっています。でも、みんなが使うデバイスの選定までやっているとは知りませんでした。最近は新卒が入ってきたから、忙しかったんじゃないですか?
菊田:2020年卒が400名近く入社してきて、結構多忙でした。ディップは新卒を何百人って単位で毎年採用しているから、情シスにとってこの時期はハード。でも、何百人ってユーザーに向き合う規模の大きい仕事ができるのは満足感があります。
例えば、今年の新卒のPCは既存社員が使っているものとはちょっと違ったタイプを選んだんです。多くの会社は、予算・管理の観点から既存社員と同じ型を支給するケースも多いんですが、うちは毎年業者さんとも相談して、新しい型を導入しています。管理がスムーズだから今までと同じ型を選ぶ道も、選択肢としてはありだけど、一番優先すべきはユーザーに満足して使ってもらえるかどうか。だから正直、緊張もあります。ユーザーの使い心地、いわば生産性の一端を僕らが担うということですからね。
冨岡:それは責任重大ですね。自分の判断が社員一人ひとりの業務効率に直結するってすごいし、ちょっと怖い部分もあるかも。
菊田:そう、結構プレッシャーもあります。でも、何が必要とされているのか?ユーザーや社内の状況を見て、いい判断ができたときはやりがいを感じますね。最近はテレワークで、オンラインミーティングが増えていませんか?
冨岡:そうですね。コロナの影響でリモートが基本スタイルになってから、社内外問わず増えました。今もこうしてGoogle ハングアウトでインタビューしていますし、営業さんは商談でベルフェイス(オンライン商談システム)を使っていたりしますよね。
菊田:僕ら情シスから見たユーザー、社内のみなさんの仕事環境がここ数カ月で急激に変化してきていますよね。そういう変化を察知して動くのも、情シスの役目。なので、ちょうどつい先日、Zoomの有料アカウントを必要数取得して、全部署に配布したのは知っていましたか?
冨岡:それ、結構な数ですよね……
菊田:はい、結構な数を一週間で手配しました(笑)。先月あたりZoomを自分なりに研究していて。トライアルもした結果、音声品質、通信量の圧縮の良さなどバランスもいいし、これは社内に導入したいな、ってアイデアが固まっていたんです。Zoomが導入されれば、営業さんも今より快適に商談できるんじゃないかと思ったし、有料プランならさらに便利な機能が使える。これを役員会議でプレゼンしました。
冨岡:情シスって、役員会議にも出席するんですね。
菊田:そうなんです。プレゼン時は、10アカウント取得の予定だったんです。でも、別件で社長がZoomを利用された際、その有用性にお気づきになり、いっきに300アカウントに増大!この結果に、僕自身も驚いています。量が量だから、Zoomの担当者にも急遽調整をかけあって、購入後にはユーザーに渡す前の整備もして。実は裏で色々と立ち回っていた最近でした。
冨岡:なんだか、これまで持っていたイメージよりも遥かに熱いです、情シスの仕事。自分のアイデアが発端で社内システムが快適になっていくのって、クリエイティブでかっこいい。
社内システムは、自分で考えてこそ楽しい。
冨岡:そういえば、菊田さんはずっとこの業界に?
菊田:はい、前職もヘルプデスク業務でした。でも、今と違うのは他社に常駐する外部スタッフだったという点。そうすると、プロパー社員が決めたことを粛々とこなしていく感じで、95%は指示通りに動く。自分で考える余地は本当に少ない。そういう働き方がいいっていう人もいると思う。でも僕はどちらかというと、どんなシステムを入れたらユーザー満足度が上がるか?とか、社内システムを預かる立場として、ソリューションのコアを考える仕事がしたかったんです。
冨岡:ディップに転職して、その希望は叶いましたか?
菊田:叶ってますね。さっきお話ししたZoom導入の流れもそうですし、きちんとした根拠のある提案なら、エライ人じゃなくて僕みたいなメンバー、さらには業務委託のメンバーの意見であっても採用してもらえる。いいアイデアならやろう!っていう空気。これって、地味にすごいことなんですよ。
冨岡:アイデアと情熱がある現場で、まさにディップの企業理念そのものですね。
菊田:そうかもしれませんね。新しいものを取り入れるアンテナの受信スピードも早い。逆に言うと変化が激しいので、保守的な人からするとちょっとしんどい環境かもしれませんが……。自分からどんどん手を挙げていくのが歓迎されるので、大きいプロジェクトにも進んで参加できるのはいい風土ですね。
冨岡:例えば、今菊田さんが動いているプロジェクトはありますか?
菊田:ディップの一大イベント、社員総会の初オンライン開催に向けてプロジェクト始動中です。人事を始めとする他部署と連携して、僕は技術面の提案や管理をしています。全社員がオンライン上でスムーズに繋がれるように、PCの設定や、当日起こりうる突発的なトラブル対応をどうするか?など、考えることは盛りだくさん。新しい大規模な試み、絶対に成功させたいですね。
夢は「ユーザーの個性が活きるデバイスサポート」の実現。
冨岡:旬な業務がたくさん聞けましたが、未来のことも教えてください。菊田さんが今後やりたい仕事ってなんですか?
菊田:近い未来でいうと、年々大きくなる会社規模に負けない組織づくりはしなきゃですね。ディップはベンチャーから成長してきた会社で、今もその精神は流れてる。だけど、規模はすでにベンチャーではない。社員数も増え続けているし、管理するPCやシステムの数も比例して膨大になってきています。今はPCを手動で管理している部分があるので、ここはなんとかシステムを構築していきたいですね。あと、何年先になるかはわからないけれど……。
冨岡:10年後のイメージでもいいので、ぜひ聞きたいです。
菊田:うーん、10年後かいつの未来になるかはわからないけれど、社員一人ひとりが持つPCに個性を持たせたいですね。そして社内トータルの生産性が上がって、ユーザ個人の満足度も上がったらよくないですか?
冨岡:PCに個性って、自分が好きなスペックのPCを選べるみたいな?
菊田:そんなイメージです。むしろ、PCじゃなくてもいいと思ってます。「私は外回りで移動が多いので、軽量特化のタブレットがいいです」とか、「デザイン業務が中心なので、グラフィック重視で」とか。それぞれに持っている業務は違うわけだし、1つの機種で何千人の要望を叶えるのは不可能、ナンセンスだなと。
冨岡:ほんとに、そんな将来がきたらと思うとワクワクします!
菊田:これは実現するかはわからない、究極のアイデアですけどね!正直、この規模の会社でコスト・安全面なども配慮した上で実現するのは、かなり大変だというのはわかっています。でも、究極の状態に1ミリでも近づけるために、今改善できることを惜しまずやっていきたいと思います。まずはメインユーザーである営業さんの声を、今まで以上に密に拾っていく計画も情シスでしているので、期待していてください。