SaaS × RPA マンパワーに頼らない購買プロセスを実現したバックオフィスDX事例
ディップでは様々な部署で多くの企業との取引を行っています。そうした取引に伴い発生するのが発注や請求書の受領・処理業務です。以前はそういった業務の多くは人手で処理してきました。しかし業務の拡大に伴う処理量の増加にしたがって、限界を感じてきたといいます。そこで行われたのが今回のBill One導入プロジェクトです。Bill Oneの導入により請求書の受領工数削減、請求書記載情報データ化による業務の自動化が可能となり、今まで抱えていた課題の多くが解決されたそうです。今回はそのBill One導入プロジェクトを主導した伊藤に話を聞きました。
大量の請求書をマンパワーで捌くことに限界を感じてきた導入前
――導入前の状況、運用方法を教えてください。
私の部署では、全社の物品購入やサービスの利用に対する発注業務を行っております。発注後、取引先より届く大量の請求書を受領し、内容の確認、記載情報のデータ化等をマンパワーで処理しておりました。
――どのような課題をお持ちでしたか。
しかし、会社の事業規模拡大に伴い、処理件数が増大しており、将来的にマンパワーで対応できなくなるのではないかという不安が生じていました。
また、費用対効果が見込めるのであればシステム導入による作業工程のスリム化、不要な情報の削減ができないかという考えが生まれてきていました。
――システム導入検討の経緯について教えてください。
ディップの社内自動化推進組織dip Roboticsから、RPAと併せた運用変更の提案をいただいたことがきっかけです。
前述のような課題感もあったので、システム導入の検討を開始しました。
使う人みんなが幸せになれるBill Oneを選定
――どのシステムを選びましたか。
Bill Oneを選択しました。
――そのシステムの選定のポイントになったところはどこですか。
まず、請求書受領に特化したシステムであることです。通常このようなシステムは会計システムの1機能として実装されるケースが多く、導入にかかるコストも高額となってしまいますが、Bill Oneは請求書の受領に特化したシステムであるため、選定の決め手の1つとなりました。
そして、請求書のデータ化が可能であることです。請求書のデータ化が進めば、処理をコンピューターに行わせることも可能になります。Bill Oneの導入により、マンパワーで処理してきた業務を自動化できると考えました。
また、請求書の受領工数を削減できる仕様であることも選定の理由です。請求書をBill Oneの所定のページからアップロードしていただくだけで完結するので、担当者が受領に必要な工数を大きく削減できました。
本当に効果が出るか綿密に計算を繰り返したうえで導入を決定
――どのような体制で取り組みましたか。
運用方法の検討は購買課の方で行い、実際にRPAを構築するのはdip Roboticsが担当しました。
――本取り組みで困難だったことについて教えて下さい。
トライアル環境が有料であったので、システムに触れる前に運用を考え、トライアル利用料の決裁を受けなければならなかったのは大変でした。
またトライアル後も費用対効果の算出や予算の算定も、Bill Oneが従量課金制のため算出するのが難しく、多くの検討が必要となり大変でした。
――どのように問題解決しましたか。
トライアル利用料の決裁を受けるために、ベンダーへのヒアリングに注力し、大枠での新運用の実現可能性を何度も検討することで乗り越えていきました。
費用対効果や予算については、過去の情報を元にして様々な角度からシミュレーションを重ね、予測値の算出と検討を繰り返し、割り出して行きました。
Bill One×RPAでマンパワーに頼らずとも請求書処理が可能に
――現在の運用を教えてください。どのような利用方法をしていますか。
現在は請求書をBill Oneで受領し、RPAを使用してBill One出力データと検収データとの照合を自動化しています。
さらには、RPAを使用して購買システムからBill oneへの請求書アップロードも自動化しています。
――どのように課題が解決されましたか。
Bill Oneの導入によりマンパワーに依存する従来運用が軽減されたことを実感しています。
またデータ化に伴いRPAによる自動化が可能となり、作業工程のスリム化も実現されました。
不要情報の削減も電子化の中で取り組んでいくことができました。
――導入してよかったと思う点や便利な機能があれば教えてください。
新進気鋭のサービスで、頻繁に追加機能が実装され、アップデートごとに使いやすくなっていくのは導入してよかったと感じる点です。
また、専属のサポートが付き、導入から運用まで懇切丁寧にサポートをしてくださるなど充実したサポート体制も魅力の一つです。
――運用上で生じている課題などはありますか。
頻繁な機能追加は使いやすくなるという点で嬉しいのですが、RPAの観点からはアップデートに対応したメンテナンスが必要となるので、問題が生じることもあります。
また、現状ではまだまだ改善の余地がある部分も多く、手動対応する案件が残存しているため、それも含めてさらに自動化の比率を高めて行きたいと考えています。
また現在は、RPAによる作業は自動ですが、起動は手動でおこなう必要があります。、今後は「毎時何分に自動で起動する」といったやり方に変えていきたい
今後は安定化と規模拡大を目指していきたい
――今後取り組みたい改善はありますか。
先ほど挙げたアップデート対応に関する課題を改善し、構築した運用の安定化と平準化に現在取り組んでいます。
ほかにも、検収申請など請求書まわりの他の業務にも範囲を拡大し、ユーザビリティ向上に取り組んでいきたいです。
ありがとうございました!