社内の問い合わせ対応工数を年間13,600時間削減!Slackを活用したバックオフィスDX事例

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平田鮎香
商品開発本部 次世代事業統括部 dip RoboticsPdM課リーダー  ▼詳細

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dip people編集部
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ディップではデジタルの力による業務効率の向上に日々取り組んでいます。

以前よりディップでは社内の問い合わせ窓口が分散しており、どこに相談していいのか分かりづらいという状況がありました。そこで、全社で導入したSlackに問い合わせ窓口を一元化するプロジェクトが立ち上がりました。

このプロジェクトによって、ただ利便性が向上しただけでなく、Slackの活用度合いも向上したそうです。

今回はそのSlack問い合わせ機能の開発PMを担当した平田鮎香に話を聞きました。

分散していた問い合わせ先。どこに問い合わせればいいか分かりづらかった。

――まず導入前の状況、運用方法を教えてください。

FAQサイトやメール、Googleフォーム、ジョブカン上での受付と、部門別にばらばらな状態でした。

導入前の運用

 

――どのような課題をお持ちでしたか。

課題は2つありました。

1つ目がコミュニケーションツールの移行に伴うもの、2つ目が問い合わせ窓口が統一されていないことによるものです。

1つ目に関しては、Slackが全社に導入されコミュニケーションもGmailからSlackへと移行していきました。それに伴い、問い合わせする側、される側も窓口をSlackへ移行したいという要望があがってきました。

2つ目に関しては、部門によって問い合わせ先が異なっているにもかかわらず、メーリングリスト一覧や問い合わせ一覧は整備しきれておらず、問い合わせる際に周りの人に聞いたり問い合わせ先の部門の方に確認したりと不便な状況でした。

 

――システム導入検討の経緯について教えてください。

上であげられた課題を解決するためにはどうしたらよいか考えて企画をしました。

1つ目は問い合わせのコミュニケーションをSlackへ移行、2つ目は問い合わせ窓口の統一です。

Slackへの移行は必然的に行われるので、各部門の問い合わせを統一させる方がメインでした。

 

誰でも使いやすいNocodeで利用できるツールを選定

――どのシステムを選びましたか。

Slackのワークフロービルダーを選定しました。

 

――なぜSlackのワークフロービルダーを導入したのですか。

まず起点をSlackと決めていたので、Slack内のツールで模索しました。

ワークフロービルダーはNocodeで利用でき、権限による利用制限も設けられていないツールです。

Slack内でさまざまな仕組み化をしてくれて、Slackのリテラシー教育にもなるので選定しました。

 

各部門のアンバサダーを中心とした利用浸透体制

――どのような体制で取り組みましたか。

プロジェクト用のチャンネルを立て、その中に各部門のSlackアンバサダー(志立さんの記事のリンク)や問い合わせ先部門の代表者を招集しました。

PM(プロジェクトマネージャー)が企画〜リリースまでの指示と計画を行いました。

各部門のアンバサダーは、ワークフロービルダーの作成から運用の方法の周知を行いました。

 

――本取り組みで困難だったことについて教えて下さい。

ワークフロービルダーの作成に関しては難しい面がでてきました。Slackが導入されて間もないころだったので、コミュニケーションの移行でも大変な時期に、新しいツールを自分たちで覚えて作成しなければならず、大変でした。

 

――どのように問題解決しましたか。

嬉しいことにワークフロービルダーを事前に使っていた部門があったので、その部門のワークフロービルダーをコピーして利用させてもらいました。また、#help-slackワークフロービルダー というチャンネルを運用し、各部門のワークフロービルダーの利用サポートを行いました。

 

問い合わせ一元化に成功。さらにSlack活用法が浸透する契機に。

――現在の運用を教えてください。どのような利用方法をしていますか。

現在は問い合わせ窓口専用のチャンネルを作成し、そこのチャンネルにワークフロービルダーを紐づけて運用しております。

チャンネルに入り、ショートカットから各部門のワークフロービルダーを起動できるようになっております。

ワークフロービルダーの中身に関しては各部門に任せておりますが、Botを介したり各担当者とDM(ダイレクトメッセージ)でやりとりしたり、部門の業務によって違っています。

実際のSlackの画面

 

――どのように課題が解決されましたか。

今までバラバラになっていた問い合わせ窓口が集約されたので迷うことがなくなりました。

また問い合わせ集約によって、ワークフロービルダーの便利さに気づいた従業員が自ら作成して自部門での業務の仕組み化や効率化を行うようになりました。

この取り組みで、社内の問い合わせ工数は年間13,600時間削減されることになります。

問い合わせ窓口の統一によるメリット

――導入してよかったと思う点や便利な機能があれば教えてください。

従業員のITリテラシーが一気にあがったように思います。

Slack導入当初は投稿の方法といったレベルの質問も多かったのですが、問い合わせ窓口を作ったことによってワークフロービルダーにも興味が湧き、自ら調べる姿勢が構築されてきたようです。今では質問の内容も高度になってきており、以前より質問の回数も減ってきました。

そして、新たな機能の追加も、必要に応じて随時行っています。

例えば先日リリースした「/private」機能は、機密情報が含まれる相談事などを部外者に知られることなくプライベートチャンネルを立ち上げて専門部署に相談できるというもので、SmartHRさんの事例を参考に導入したものです。

いままでの運用では、パブリックチャンネルではためらわれる相談事が生じた際、プライベートでチャンネルを手動で立ち上げるのは手間がかかるし、そもそも誰を入れればいいのか分からないため相談しづらいという課題がありました。

そこで、Slackからスラッシュコマンドでフォームを立ち上げて内容を記入するだけで、法務や人事企画などしかるべき専門部署の人とのプライベートチャンネルを自動で立ち上げてくれる機能を作り、相談しやすい環境を整備しました。

 

――運用上で生じている課題などはありますか。

問い合わせ窓口が部門ごとのところもあれば、サービスごとに作成しているところもあるので、問い合わせする側にとって初見で分かりにくくなってきました。これはワークフロービルダーの仕様上発生する難しい部分を解消するために、細分化して問い合わせ窓口を設定してくれているのですが、現在Slack側にワークフロービルダーの機能の拡張について問い合わせて模索しています。

 

さらなる普及に向けた今後の展望

――今後取り組みたい改善はありますか。

Slack側のアップデートがあり次第、検証を行ってもっとワークフロービルダーを活用していきたいと思っています。最近コピー機能もついたので、良い事例を紹介して全国の拠点でも活用していってもらいたいと考えています。

 

ありがとうございました!

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平田鮎香

商品開発本部 次世代事業統括部 dip RoboticsPdM課リーダー  営業支援・社内業務効率化の企画を担当

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dip people編集部

『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。