ディップの生成AI『dipper portal』で業務改革!50万時間削減を目指して

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加藤尚
PM(プロジェクトマネジャー) ▼詳細

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小島 凜
25年新卒 UXディレクター内定者 ▼詳細

生成AIを活用して年間50万時間の工数削減を目指すdip AI Forceプロジェクト。その目標を実現するための一つのツールとして、ディップでは社内版ChatGPT『dipper portal』が開発されました。今回は、この取り組みについてプロジェクトマネジャーの加藤さんにお話を伺いました。

直感的な操作で業務効率を高める生成AI『dipper portal』とは?

『dipper portal』は、社員一人ひとりの業務効率化を支援するために作られた、ディップの社員向けの生成AIツールです。毎日の業務をよりスムーズに進めるためのサポートをしてくれる社員の「相棒」のような存在ですね。企画書やメールなどの文章作成や、営業活動の多種多様なシーンをシミュレーションした商談ロープレなどで活用されています。

一番の特徴は「社員が直感的に使える」に重点を置いた設計と機能ですね。AIに慣れていない社員でも迷わず操作ができるインターフェースを採用しています。例えばプロンプトのキーワード検索やタグと絞り込みにより、実務に基づいたプロンプトなどの特徴があるんです。

営業職で月23時間の業務時間を削減!『dipper portal』で効率化できる業務とは

「dipper portal」を活用することで、営業職では一人当たり最低でも月間約23.0時間、スタッフ職では最低でも月間約5.15時間の業務時間削減を目指しています。

営業職ではデータ分析や商談内容の要約、文章作成といった幅広い業務の時間削減が期待できます。特に、データ分析では320分/月、商談内容の要約においては336分/月の時間短縮が可能です。営業職全体でこれらの業務の削減効果を合計すると、1人あたり約23時間/月の削減が見込まれています。

スタッフ職では、データ処理・分析、構成、文章作成・編集といった業務で時間削減が期待されているんです。特に、データ処理・分析の分野では、BigQueryクエリの作成が60分/月、BigQueryのエラー修正が60分/月、そしてExcelの関数作成が60分/月、合計で1人あたり3時間/月の削減が見込まれています。スタッフ職全体で見ると合計の削減効果は1人あたりに約5.15時間/月となります。

ChatGPTだけでは不十分?社員の業務とAIのマッチングの必要性

ChatGPTが普及した時に社員たちは積極的にAIツールを活用をしていました。しかし、実際に使ってみると、社員からは「指示がうまく伝わらず、生成された内容が意図と違ってしまう」といった声がよく聞かれたんです。例えばメールを作成する際には、意図した文章が生成されず、最終的に手作業で修正する場面が多かったりしました。

社員が効率的に業務に取り組むうえでの課題が「シンプルな操作で業務内容とAIのマッチング」をいかに実現するかということでした。生成AIツールに慣れていない社員にとって、AIに適切な指示を出すことが難しく、結果的に手作業に頼ってしまう問題があったんです。また、汎用的なAIツールを用いると、特定の業務に特化した解決策を十分に提供できないという問題もありました。特に営業シーンでは、顧客ニーズに合わせた柔軟な提案が求められるため、AIだけでは対応しきれないことが多々あったんです。

そういった背景から、ディップでは『dipper portal』というディップ独自の生成AIを開発し、社員が直感的に操作できるインターフェイスやプロンプトの開発に力を入れています。実際に『dipper portal』を利用するディップの社員へのインタビューはもちろん、パートナー企業や、各業界の有識者の方との意見交換を通じて、今も多角的に改善を進めている最中です。

社員の可能性を最大化するAIプラットフォームを目指して

『dipper portal』は企業の未来を創造する革新的なプラットフォームだと思っています。ただの業務支援ツールにとどまらず、社員一人ひとりの能力を引き出せる味方でありたいですね。また全社員がAIを活用し、業務の生産性が飛躍的に向上するとともに、社員が本当にやりたい仕事に集中できる環境が実現することを目指しています。そんな未来を実現すべく、次のフェーズでは、以下の5つの取り組みを進める予定です。

  1. AIリテラシーの向上とプロンプト作成支援
    社員が自らプロンプトを作成できるよう支援し、AIリテラシーを向上させます。これにより、社員はAIを積極的に活用し、業務効率化と生産性向上を実現できるようになります。
  2. 自動提案型AIの実現
    AIが社員の業務ニーズを予測し、最適なソリューションを自動的に提案するシステムを導入します。これによって、業務の効率化が加速し、社員は迅速かつ正確に作業を進めることができるようになるでしょう。
  3. 多業務への拡張
    現在の文章生成にとどまらず、データ分析やプロジェクト管理など、より広範な業務にも対応するように拡張されます。これにより、AIは多様な業務領域に貢献し、企業全体の生産性向上をさらに推進します。
  4. パーソナライズ機能とリアルタイム改善サイクル
    AIは社員一人ひとりのスキルや業務内容に最適化されたプロンプトを提案し、業務を効率化します。また、社内外からのフィードバックを迅速に反映させることにより、常に進化し続けるシステムが実現されます。
  5. マルチAIエージェントの活用
    マルチAIエージェントという仕組みを取り入れ、複数の自律的なAIエージェントが連携してタスクを遂行します。これにより、複雑なタスクの効率的な処理が可能となり、業務の効率化と質の高い成果物の提供が期待できます。

編集後記

プロンプトと社員のマッチングを叶え、社員一人ひとりの“相棒”的な存在になりつつあるディップの『dipper portal』。今後はさらに、ディップ社員の業務の効率化を進め、社員の頼れるツールとして日々の業務を支えていく予感がしました。近い将来、『dipper portal』が企業の全業務を支援し、社員の生産性を大きく向上させる重要なツールとして、企業の成長を支える柱となる未来が楽しみです。

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加藤尚

PM(プロジェクトマネジャー) 事業推進統括部 業務企画部 ナレッジイノベーション課所属。2022年入社。HR事業本部で2年間、法人営業に従事した後、現在は生成AIを活用した業務効率化の企画立案を中心に担当しており、活用した新たな顧客体験の創出に注力。生成AIの可能性を最大限に引き出し、顧客満足度向上に貢献することを目標としている。

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小島 凜

25年新卒 UXディレクター内定者 商品開発本部採用チームでインターン中。大学時代は五島列島にプチ移住、1年間セブ島の広告代理店で広告運用に携わる。自然、占い、ラーメン、ボクシングが好き。