
「本当に届けるべき価値は何か」を問い続け、AIには生み出せない本質的な課題解決を追求する。変化を楽しむエンジニアの挑戦。
今回は、ソリューション開発本部で『スポットバイトル』のサービス開発を手がける髙山さんにお話を伺いました。「人の役に立つものを作りたい」という思いを胸に、自身の開発スタイルを磨き上げてきた髙山さん。ものづくりに対する想いと成長のキャリアに迫ります。
学生時代から抱く「人の役に立ちたい」という思い
岩城: まずは、髙山さんが今所属している部署と、担当されている業務内容を教えてください。
髙山: ソリューション開発本部スポット開発部、スポット開発部、クライアントソリューション課に在籍しています。現在は、『スポットバイトル』のサービスの中でも、主にクライアントが求人掲載を行う管理画面の開発を担当しています。
岩城: 入社当時から同じ部署にいるのですか?
髙山: いえ、入社当時は違う部署で、『バイトル』のユーザーが仕事を探すWeb画面の開発を担当していました。
岩城: ディップに入社を決めた理由は何だったのでしょうか?
髙山: 大きく2つあります。まず1つは、幼い頃から抱いていた「人の役に立つものを作りたい」という思いです。実家が小さな商店を営んでいて、地域の人々と関わる中で、人への貢献心が芽生えました。ディップが掲げる「Labor force solution company」という理念、つまりテクノロジーで人々の労働課題を解決するという姿勢に強く惹かれました。もう1つは、多くの人がおっしゃっていると思いますが、社員の人柄です。面接や会社の情報を通じて、ディップが「One to One Satisfaction」というフィロソフィーを大切にしていることを知りました。会社の利益だけでなく、クライアントやワーカー、そして社員一人ひとりに向き合ってサービスを開発している姿勢が伝わってきて、私もこの組織の一員となって人の役に立つものを作りたいと強く感じました。
チームの生産性向上から、より大きな課題解決へ
岩城: 実際に入社してみて、「人の役に立つもの」を作っていると実感する瞬間はありますか?
髙山: ありますね。チームで言うと、生産性向上に貢献できたことです。開発体制に自動化を取り入れ、チームの開発スピードを向上させることができました。より大きな視点で見ると、自分たちが開発した機能で、サービスがより良いものになったと感じる瞬間です。例えば、誤解を招くような不適切な求人、いわゆる闇バイトのような案件を掲載させないためのシステムを開発し、リリースしました。その結果、実際にそういった不適切な求人が減少し、社会的な課題解決に貢献できたという実感を持つことができました。
岩城: そういった改善案は、エンジニアからも提案できるものなのですか?
髙山: もちろんできます。『スポットバイトル』ではスクラム開発を取り入れており、開発メンバーも「この施策にはどんな価値があるのか」「本当にやるべきなのか」といった本質的な部分からみんなで議論します。システムの観点から新しいやり方を提案したり、根本的な課題は別の機能にあるのではないかと深掘りしたりすることもあります。開発メンバーだけでなく、企画担当者も含め、どうすればユーザーに価値を提供できるかを常に考え、提案し続けています。
岩城:「本当に価値があるのか」を軸にしているのですね。
髙山:そうですね。自分の中で、本当にユーザー、クライアントに届けるべき価値は何なのかを常に考えるようにしています。仕事をする上での軸ですね。もちろん技術も大事ですが、ただ個人が作りたいものを作るのでは価値のあるものは作れません。どうしても技術を中心に考えてしまいがちなところがありますが、あくまでユーザーやクライアントのためのプロダクトであることは忘れないようにしています。
テックリードとして直面した壁と、チームで乗り越えた経験
岩城: 髙山さんは『バイトル』から『スポットバイトル』を扱う部署に異動したタイミングでテックリードに就任されたと伺いました。プロダクトが変わりさらに責任のあるポジションというのは難しかったのではないでしょうか?
髙山: そうですね。当時、管理画面の開発は他社のエンジニア(パートナー)さんたちが中心となって進めていました。そこに私が加わったタイミングで体制が大きく変わることになり、開発を進めながらキャッチアップとチームビルディングも同時に進める必要がありました。開発メンバー間でのドメイン知識の偏りも相まって、最初はなかなかうまくいかず…やることが多すぎるなかで気負いすぎてしまって、少し空回りしてしまった時期もありましたね。
岩城: どの部分を課題に感じていましたか?
髙山:1番課題に感じていたのが、開発体制の分業によるスピード感不足だったので、まずはそこの解決から始めました。当時、チーム内ではフロントエンドとバックエンド開発が完全に分業されていて、それぞれが独立して作業を進める形になっていました。一見すると効率的に思える体制だったのですが、スクラムで求められるスピード感や柔軟性を発揮することが難しい状況でした。例えば仕様変更が生じた場合でも、バックエンド側での対応に時間がかかるとフロントエンド側が動きづらく、全体的な開発速度が落ちてしまう、といった感じです。
岩城:どのように解決していったのでしょう?
髙山:フロントとバックエンドの連携を助ける「スキーマ駆動開発」という開発手法を導入しました。スプリントの初めに、領域問わずに開発メンバー全員で仕様を話し合い、フロント・バックエンドの並行開発をしやすいような体制を取ったんですね。設計の場で知見を共有し合うようになってからは開発メンバーのドメイン知識の差も少なくなっていきました。そこから付随して片方の領域しか触れていなかったメンバーに対して、もう一方の領域に触れるようにサポートして、みんなが領域を超えて協力しあう「機能横断的なチーム」を作り上げられたことにつながっていったのかなと思います。領域の垣根を超える協力体制を作れてからは本当に課題解決のスピードが上がったので、そういった体制づくりをやってよかったなぁと思うと同時に、チームの皆さんのありがたさを毎日実感しています。(笑)
岩城:異動後、特に驚いたことや、ギャップを感じたことはありますか?
髙山:『バイトル』を扱っていた時から簡単なスクラム開発は経験していましたが、『スポットバイトル』の開発に来てからは、本格的なスクラムのフレームワークに沿って開発するようになり、そのスピード感に驚きました。特に印象的だったのは、新しい管理画面を開発していた時のことです。半年間で設計から開発、リリースまでをやり遂げるという、目まぐるしいスピードでプロジェクトが進んでいました。しかし、リリース後もユーザーの利用状況や、競合との比較を分析しながら、サービスをどんどん変化させていく必要があるんです。「本当に届けるべき価値は何か」を問い続けながらも、変化に対応していくことの面白さと大変さを同時に感じました。
AI時代に求められる、本質的な課題解決を追求するエンジニアへ
岩城: これから、どのようなエンジニアになりたいですか?
髙山: チームの皆をサポートしつつ、プロダクトとしても本質的な価値を見極められるエンジニアになりたいです。また、今後はAIの導入が進み、コーディングなどの実装部分はAIに任せられるようになっていくと考えています。そうなると、エンジニアには価値を深堀り、「何を、どう実現するか」「誰の課題を解決するのか」という本質的な部分を考える力がより一層求められます。そういった部分に挑戦し、サポートを必要とする人たちの力になれるような存在になりたいです。一言で言えば、「かっこいいエンジニア」になりたいですね(笑)AIではできない部分に頭を使っていけるようにしたいです。
岩城: 最後に、ディップで活躍できるのはどのような人だと思いますか?
髙山: チームで何かを成し遂げるのが好きな人や、他人のことを思って行動・挑戦できる人です。ディップには、人が支え合い、成長を応援してくれる環境があります。壁に当たったときも、必ず問題を共有し、解決しようと協力してくれる仲間がいます。ディップは安心して挑戦できる環境です。ぜひ、熱意を持ってチャレンジしてほしいと思います。