リーダーからプレイヤーへ。インフラエンジニアが語る、会社と自身の変化とは

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星野裕紀
AI・DX事業本部/AI・DXシステム開発統括部/AIプロダクト開発課 ▼詳細

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中安淳平
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ディップは「バイトル」などの人材サービス、「コボット」などのDXサービスの提供を通じて、労働市場の課題解決に取り組んでいます。今回は、基盤課でインフラリーダーを務めた後、「dip AI」開発にチャレンジする星野裕紀さんに、マネジメントの経験や異動後の新たな挑戦について語っていただきました。

ミッションとメッセージを噛み砕き、メンバーの動機付けを支援するリーダーを目指して

中安:星野さんにとって「リーダー」とはどのような存在でしょうか?

星野:型にはまったリーダー論は持ちあわせていないのですが、重要なのは会社から与えられたミッションや経営陣からのメッセージをメンバーに噛み砕いて伝えることだと考えています。例えば「イノベーションを起こそう」と言われても、そのままでは伝わりにくい。会社の掲げるテーマと部署の課題を照らし合わせ、メンバーが最大限の価値を生み出せるように言語化することが大切です。

中安:具体的にどのようにメンバーのモチベーションを引き出していましたか?

星野:例えば、インフラ構築のような技術的な業務であれば、「この経験は他社でも通用するモダンな技術に触れる機会になるよ」といった、キャリアの視点からの価値を伝えるようにしていました。また、個々の業務に「うまみ」を見出して伝えることを心がけていました。

中安:それは確かにやる気が出そうですね!そのようなリーダー観を持つようになったきっかけは何だったのでしょうか?

星野:自分が部下だった頃の経験が大きいですね。上司からタスクを振られた際に、意義みたいなものはなんとなく理解しているものの、伝え方や言葉遣いなどでモチベーションが上がりきらないことがありました。その経験から、自分がリーダーになった時は、メンバーのモチベーションを引き出せる人になりたいと考えるようになりました。

中安:そうだったんですね。ディップにはどのようなリーダーが多いと思いますか?

星野:営業と技術部門で異なるとは思いますが、技術部門のリーダーたちは、どちらかというと「おしとやか」な印象があります。大きな声で号令をかけるというより、論理的な議論を重ねながら、中長期の目標に対して、小さな目標を立てて淡々と積み重ねていくような方が多いですかね。

プレイングマネージャーとしての両立に苦戦した日々

中安:インフラリーダーとして経験した苦労や大変だった出来事について教えてください。

星野:最も苦労したのは、プレイングマネージャーとしての役割の両立です。インフラの実務をこなしながら、チームのマネジメントやタスク管理もしなければなりません。インフラ構築、監視体制の整備、障害対応などの実務に注力すると、マネジメント面がおろそかになってしまう。逆もしかりで、どちらかを犠牲にせざるを得ない状況が続きました。マネジメント業務が初めてだったということもあり、自分の管理職としての経験不足を補おうとした結果、チームではなく個人で業務を回してしまうことも多々ありました。

中安:マネジメントもしつつ、自分の仕事もしないといけないのは大変ですよね。そんな状況をどう乗り越えたんですか?

星野:リーダーシップスキルを磨くために関連書籍を読み、定期的なミーティングを通じてチーム内の協力関係の強化を図りました。また、タスクの適切な割り振りを意識することで、できる人が残業でフォローするのではなく、チーム全体で過重を分散させるように心掛けました。自主的に動いてくれる優秀な方ばかりだったので、タスクを振っていくと、うまく仕事が回り、メンバーの力を信じることが不可欠であると学びました。

大切なのは、相手をリスペクトすること

中安:現在は「dip AI」開発チームに所属されていますが、異動の経緯を教えていただけますか?

星野:昨年8月から「dip AI」の開発に関わり始め、当初は基盤課との兼務でした。12月に社長レビューでリリース延期となり、チーム体制を見直して再スタートを切ることになりました。バイトルのインフラリーダーと「dip AI」開発の両立が難しいと感じていたんですが、「継続的に星野さんには開発に入って欲しい」と言っていただいたこともあり、新しい挑戦として「dip AI」の開発に専念することを決めました。

中安:同じ会社でも部署によって雰囲気は違うんですか?

星野:結構違いますね。年齢層が若く、従来の方法論にとらわれない柔軟な発想を持つメンバーが集まっています。コミュニケーションもフランクなので異動してきた身として、そこはありがたかったですね。仕事の話でも忖度なく会話できる雰囲気なので、「これ、意味なくない?」といった率直な意見も飛び交っています。その辺りが前にいた基盤課とは異なり、新鮮に感じました。

中安:異動に伴う環境の変化について、どのように感じていますか?

星野:メリットとしては、自分が実現したいことがよりクイックに反映されやすい環境になったことですね。新規事業という性質上、自分たちで作り上げているサービスなので理解度が高く、それに伴ってスピード感のある開発ができ、必要な変更を半日程度で実現できることもあります。
一方で、デメリットとしては、6年以上一緒に働いてきた基盤課のメンバーと離れることへの寂しさがありました。長年一緒に働いていた上司やメンバーとは、言葉一つで意思が通じ合えていましたが、新しい環境では一から関係を築く必要がありますよね。

中安:新しい環境に飛び込む際に意識されていることはありますか?

星野:何より大切にしているのは、相手をリスペクトする姿勢です。かかわる人たちがガラッと変わると、それまでの常識が通用しないことも出てくると思うんですが、そういう時こそ相手の立場や視点に立って物事を考えるようにしています。
また、異動した部署は若いメンバーが多いチームなので、暗黙の了解や無言の連携が通用しにくい分、コミュニケーションを丁寧に取ることを心がけています。

変わったのは、スピード感と会社としての存在感

中安:入社されてからマネジメントや異動も経験されたと思いますが、ディップという会社の変化について感じることはありますか?

星野:コロナ禍でのリモートワーク導入を皮切りに、大きな変化が続いています。今年の1月から全社的にスクラム開発が導入され、開発スタイルも変わってきました。それに伴い、スピード感の変化を特に感じています。市場の変化にスピーディーに対応することが求められる中、新規事業も次々と生まれています。以前よりも事業目線やユーザーへの価値提供が大切になってきているなと思います。
また、大谷選手を起用したCMなど、広告展開も活発になり、会社の存在感が増していると感じます。以前は「バイトル」というサービスが主体でしたが、最近はCMでも「dip」を前面に出すようになり、企業としての認知度も上がっているなと感じています。

中安:なるほど。確かに大谷選手もCMに起用したりと広告にも力を入れてますよね。

星野:そうですね。親からも「あんたのところの会社、大谷さんがCMに出ててすごいね!」という連絡ももらいました(笑)

中安:確かに、大谷さんがCMに出演してるなんてすごいことですもんね!それでは最後に、自信の今後の目標についてお聞かせください。

星野:現在、スクラムチームでインフラエンジニアとして活動していますが、より広い領域に携わっていきたいと考えています。スクラム開発の理想は、チームメンバーが様々な開発領域に対応できる状態です。例えば、インフラが80%、フロントエンド20%といった比率でもいいので、様々な開発領域に対応できる人材になることを目指しています。
特に、2〜3年後にはフロントエンド開発もできるようになりたいですね。新サービスの開発でマネジメント役も任されているので、そこでも価値を出していきたいと思います。自己組織化というキーワードを意識しながら、さらなる成長を遂げていきたいと考えています。

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星野裕紀

AI・DX事業本部/AI・DXシステム開発統括部/AIプロダクト開発課 入社後約4年ははたらこねっとのインフラ全般を担当し、その後バイトルのユーザサイトのインフラに関わる業務を担当。現在はdipAIのインフラリーダーとして従事。インフラエンジニア関連業務の傍らSRE、DevOpsを密かに推進している。現在は分析基盤関係のプロジェクトに奮闘中。

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中安淳平

ライターインターン生。AIメディアやSDGsメディアでのライター・ディレクター経験に加え、SaaSスタートアップ企業での広報・マーケティングインターンを経験。サッカーが好きで、最近はカメラにハマっている。