「ピンチはチャンス」未経験からデータ企画職へ挑んだ軌跡

interviewee

橋口 竜河
▼詳細

author

dip people編集部
▼詳細

自分らしい働き方を模索する中で、未経験から企画職としてディップに入社した橋口さん。彼のキャリアは、「ピンチをチャンスに変える」という強い決意と、データ分析のスキルをゼロから身につけるという挑戦の積み重ねから始まりました。

今回は、その挑戦がどのように部署を越えたチームの支えとなり、全営業職社員の生産性を大きく向上させるという大きな成果に繋がったのか。一人の社員の成長を通じて、ディップが大切にするチームワークと、自らの可能性を信じる力について紐解きます。

ゼロからデータのプロへ。現場を変えた猛勉強と成果

編集部: まずは、簡単に自己紹介と、どのような業務を担ってるのか教えてください。

橋口: 2016年新卒で入社しました、戦略推進本部セールスコンテンツ企画課の橋口です。現在は、主に営業支援ツール「D-ta」の管理運用や、営業が商談や分析で使用するデータ資料の作成を担当しています。一般的には営業企画職に属するデータ構築・分析の業務です。

編集部: 会社で働いた経験がない状態で、企画職という新たな分野に飛び込まれた当時の率直な心境をお聞かせください。

橋口: ディップに就職するまで、アルバイト経験も全くなかったため、「働く」こと自体が大きなステージの変化でした。入社当時は正直、企画職がどんな仕事なのか分かりませんでした。そのため、当時は明確なビジョンはありませんでしたが、この状況を「ピンチはチャンス」だと捉え、ここで成長したいと感じたのが、ディップを選んだきっかけです。

編集部: 「働くのが初めて」という状況で、企画職として特に「早く身につけなければ」と焦りを感じた課題は何でしたか? データ分析スキルに加え、現場の課題や市場の動きを言語化する力について、当時の具体的な課題意識を教えてください。

橋口: 課題は本当に山積みでした。特に焦りを感じていたのは、以下の三点です。

  • 企画職に必要なスキルの醸成: データをコントロールし、分析に耐えうるスキルを早急に身につける必要がありました。
  • 現場の問題の言語化: 営業現場がどんな問題を抱えているのか、その根本的な課題がどこにあるのかを冷静に分析し、言葉にする力が足りませんでした。
  • 市場の動きの理解: 営業やその先のユーザーが何を求めているのか、市場の動きを捉え、それを企画に落とし込むための洞察力と言語化する力を身につける必要がありました。

当時の私には、物事を分析して言葉にする力が圧倒的に不足しており、それを何としてでも克服しなければならないと感じていました。

編集部: そのような課題意識に対し、具体的にどのようなアクションを取られましたか? 特に、データスキルをどう習得し、「D-ta」の速度改善や多角的な声の活用といった具体的な企画を、どのように実現していったのか教えてください。

橋口: 課題解決に向けて、私は「スキルの醸成」と「多角的な声の理解」という二つの軸で取り組みました。

1. データ分析スキルを徹底的に習得

まず、データをコントロールする力として、SQLやPython、VBA、GASなど、さまざまなコーディングの勉強を猛烈に進めました。

入社当初は、営業職と同じ全体研修のあと、配属先でメンターの先輩からExcelなどの実務スキルをマンツーマンで教わりました。BigQueryについては、上司からの「挑戦してみないか」という言葉がきっかけです。データ管轄部署の方との定期的なミーティングを通じて、実践の中で技術を身につけていきました。また、GASやVBAについても、部署内の専門スキルを持つ方々が開催してくれた勉強会を通じて、着実に習得することができました。

おかげで、業務で毎週300万件超の自社・競合分析データを扱う経験から、膨大なデータから分析に耐えうるデータをどう整備するかを突き詰めていくことができました。

2. D-ta速度改善と多角的な声の集約

もう一つは、現場や市場の声を企画に反映させる取り組みです。特に、営業に欠かせない営業支援ツール「D-ta」の速度改善は大きなミッションでした。利用者増に伴い速度改善要望が上がっていたため、円滑な商談のために解決が急務でした。私一人でツールを管理しているわけではないため、基盤を作っている部署の方々と週2回の進捗報告や日時速度チェックを徹底。営業から頂いた切実な声を集約し、開発部門にトスアップすることで、部署を越えた連携で速度改善を推進しました。

また、顧客満足度調査や採用事例から、お客様の声、求職者様の定着に関する情報をデータ設計の段階から集約・分析するプロジェクトにも携わりました。データを誰もが扱いやすいように、連携部署と共にセキュリティにも配慮しながら設計を進めています。

※(D-ta)サイト内に掲載されているお仕事案件をもとにエリアや職種・応募者の分布などの市況をひと目で把握できるBIツール

自己効力感と次の目標。AI時代にデータを推進する力

編集部: 一連の取り組みを経た具体的な成果や変化は何でしたか? 特に「D-taの速度改善による生産性向上」の具体的なインパクト、仕事に対する自信や姿勢の変化についてお聞かせください。

橋口: データを多角的に扱えるようになったことで、まず組織全体のデータ活用が広がり、様々なプロジェクトからJOINを依頼されるようになり、仕事の幅が一気に広がりました。具体的な成果としては、D-taの速度改善が挙げられます。これは、1営業あたり年間57時間削減という、目に見える大きな生産性向上に繋がりました。この数字は、部署を越えた多くの方々の協力なしには実現できませんでした。

この経験を通じて、現場やお客様の声を知り、それに対して自分のスキルを提供できる瞬間に、大きなやりがいを感じるようになりました。成果が形となり、それが次の改善策を生むというプロセスは、まさに「未来に向けてリレーのタスキを渡している」感覚です。知識やスキル自体は手段ですが、その手段を通じて会社が目指す未来の実現に尽力できているという実感が、私自身の大きな自信となり、仕事への向き合い方を大きく変えました。

編集部: データのプロとして活躍される中で、現在、ご自身の仕事にどのような「課題」を感じていますか? AI時代を見据え、単なる「スキル提供者」として終わるのではなく、「データの事実に意思を持たせて推進する」ために、今後、橋口さんが身につけたい力について詳しくお聞かせください。

橋口: 現在、私自身が最も大きな課題として感じているのは、「現状、スキル提供者としてだけで終わってしまっている」ことです。もちろん、営業への価値提供や現場の声を知ることは今後も変わりませんが、今はAIを誰もが使える時代になり、私の持つスキルはいずれAIがとって代わるものになってしまいます。

データをどう見せるか、どう使うかという表現の部分は、機械だけではなく「リアル」があってこそです。しかし、それ以上に重要なのは、「その先にどんな世界を目指し、何をGOALとするのか」というプロセス全体を設計することです。ここは正直、苦手とする部分ではありますが、今までのスキルを活用しながら、データの事実に「意思」を持たせ、未来に向けて推進していける企画のプロへと進化していきたいと考えています。

編集部: 企画職として次のステップで取り組む具体的なテーマは何ですか? 目標とされている「手段の簡素化とコンテンツのサジェスト」が実現することで、現場や顧客・求職者にどのような未来や価値を提供できるとお考えですか?

橋口: 次のテーマは、一言で言えば「営業プロセスにおける手段の簡素化とコンテンツのサジェスト」です。データが使われる場面が増えたことで、問題や課題が表面化し、より複雑に絡み合ってきていると感じています。そこで、私はデータを武器に、この複雑さに挑むつもりです。

「効果のあるデータはこれです」「お客様がこういう課題をお持ちの場合は、このデータを根拠として役立ててください」というように、コンテンツをサジェストできる仕組みを目指します。これが実現できれば、経験が豊富な営業でも新人の営業でも、変わらずにお客様に一定の価値を提供できるようになります。その提案を通じて、新たな求職者の方々と企業様のマッチングや採用定着に繋がる未来を信じて、邁進していきます。

個性を尊重する働き方。「対話」で築く安心感と自信

編集部: 入社当時、ご自身の障がい特性について、会社やチームにどのような配慮をお願いしましたか?また、「都度相談する」というコミュニケーションのスタイルや、周囲の皆さんの率直な反応についてお聞かせください。

橋口: 私は車椅子を利用しているため、特性が目に見えやすいかと思います。ただ、障がい特性は人によるため、「車椅子から椅子への移乗は可能か」「手すりやフラットな環境であれば一般のお手洗いも使える」など、都度、可能なこと・必要なことをご相談させていただく形をとっています。

唯一、最初にお願いしたのは、オフィス内の座席を出入りしやすいところにしていただくことでした。具体的には、配属となった際の座席の配置においてドアに近い出入りしやすい場所に配置いただき、その後も何度か席替えはありましたが、都度、上司から直接ご確認いただくなどご配慮いただいています。当時から、障がいがあるからといって特別に気を遣うのではなく、皆さんと変わらず接していただけたことが、今でも私が長く安心して働けている大きな理由の一つとなっています。

編集部: お仕事を進める中で、障がいの特性によって難しさや不便さを感じる場面はありますか?また、データ分析という仕事の特性をどのように活かし、チームと協力しながら仕事に取り組んでいるのか教えてください。

橋口: 基本的には、障がいの特性によって仕事で難しさを感じたことはほとんどありません。私は脳性麻痺という障がいを持っており、歩行に難しさがあり車椅子移動であること以外は、健常の方と変わらないと考えています。

もちろん、重たい荷物を運んだり、移動を伴うものには若干の不向きはありますが、私の仕事の特性上、データ分析がメインでパソコン上の作業が多いため、参加できる部分で最大限貢献しています。姿勢としては「まずは自分で」を基本にしていますが、物理的に難しい場面では都度サポートをお願いしています。特に、車椅子移動で両手が塞がっていると、周囲から自然に「持とうか?」と声をかけていただけることが多く、見守られている安心感があります。

編集部: 多岐にわたる業務の中で、橋口さんが「仕事のやりがい」や「成長」を感じる瞬間はどのような時ですか? 上司からの評価を通じて「ここは私がやる」という自己効力感がどのように生まれ、現在「自分の言葉で仕事をする」ことに重きを置くようになった理由についてお聞かせください。

橋口: 様々な業務に関わる中で、特に励みになっているのは、上司からの「データのプロである」というお墨付きや、「仲間に対して教えることが得意」など、自分自身では気づけていない良い部分を見つけていただけることです。実際に業務において、自分のスキルが様々なところで活用されているのを感じることで、「ここは私が責任をもってデータに向き合うところだ」という自己効力感が生まれ、仕事への向き合い方が大きく変わりました。

以前はスキルをスピード感をもって提供することに重きを置いていましたが、今はデータ活用が広まったからこそ、「様々なデータをどう読み取るか」「経験からできることをどう提案するか」を自分の言葉にするようにしています。「自分の言葉で仕事をしていく」というのは平たく聞こえるかもしれませんが、そこには「どうやったら相手に伝わるか」「どんな前提を相手は持っているか」と、深く想像することに繋がります。この仕事の次のフェーズに、改めて大きなやりがいを感じています。

編集部: 就職活動で不安を抱える障がいを持つ方々へ、ご自身の経験を踏まえたメッセージをお願いします。

橋口: 就職活動は不安が大きいと思いますが、様々な障がいの特性があるからこそ、対話が大切だと感じています。ディップは障がいによって一括りにせず、目指したいキャリアを可能な限り受け入れてくれます。できないことはありますが、一緒になって最善を考えてくれる先輩や上司、人事がいます。

だからこそ、「これはダメかな?」と気負いせず、「自分はここまではできる、ここは難しい」と、自分の思いを言葉にすることを強くお勧めします。働くことは人の思いの積み重ねです。対話を繰り返すことで、不安は必ず解消できるはずです。思いを持った皆様と一緒にお仕事ができるように、私も頑張ります!

関連記事一覧

interviewee

橋口 竜河

2016年入社。就業未経験からSQLやPythonを習得し、データ分析の専門性を確立。営業支援ツール「D-ta」の速度改善では、現場課題とデータを結びつけ一人年間57時間の工数削減を実現。現在は分析を「データ×目的の設計」へと深化させ、必要な情報へ即座に到達できる仕組みを構築。経験を問わず誰もが均質な価値提供を行えるよう、営業プロセスの変革に取り組む。

author

dip people編集部

『dip people』の企画・運用・制作を行い、ディップの情報を社外へ発信しています。