
「できない事をできるようにしたい」挑戦を続けるディップのバックエンドエンジニアが語る、成長の軌跡
文系出身でありながら、独学でエンジニアの道へ飛び込んだ村松彩さん。ディップに入社して3年目を迎える彼女は、バックエンドエンジニアとして日々新たな挑戦を続けています。目の前のタスクだけでなく、一部プロジェクトのスケジュール管理や設計にも関わるなど、着実にステップアップを重ねる村松さん。彼女を突き動かす原動力は、「できないことをできるようにしたい」という純粋な探求心と、それを支える周囲の温かいサポートでした。今回は、そんな村松さんの挑戦と成長の軌跡について深掘りします。
0からの出発、そしてディップでの成長環境
岩城: まずは、村松さんが現在所属されている部署と、担当されている業務について教えていただけますか?
村松: はい。私は今、第1バイトル開発部のクロスプロダクト課にいます。名前の通り、『バイトル』のサービスだけでなく、複数のプロダクトを横断的に保守運用している部署です。具体的には、『バイトルID』という『バイトル』と『バイトルPRO』共通の認証基盤や、社内ツールなど、現在4〜5個のプロダクトを担当しています。その中で私は新卒からずっとこのチームにいて、開発者として割り当てられたタスクの実装や、バックエンドの運用、問い合わせ対応を行っています。また、バックエンドだけでなく、インフラ、特にCI/CD周りの管理や、アプリ側からのリソース管理も一部担当していますね。
岩城: クロスプロダクト課への配属は、ご自身の希望だったのでしょうか?
村松: 私は大学で少しだけフロントエンドを経験していましたが、実務レベルではなかったので、ほぼ初心者。どこでも頑張りますという気持ちで答えたので、希望というよりも決めてもらったという感じです。
岩城: 元々、大学で情報系のことを学んでいたわけではないのですね。
村松: はい。大学は文系と理系の両方が学べる学部で、1年生の必修でプログラミングの授業が一時的にあったんです。でも、それ以外は全くやっていなくて、就職活動を機に本格的に始めました。
岩城: プログラミングを始めたきっかけは何かあったのでしょうか?
村松: 私は自分のことを文系タイプだと思っていたので、最初は総合職で就職しようと考えていました。3年生の夏にインターンシップにいくつか応募したのですが、全然受からなくて。「これじゃダメだ」と気づいたんです。現実的に考えて、やっぱりスキルがあった方がいいなと思った時に、1年生の時に少しだけ触れたPythonを思い出しました。当時はできなかったけど、「ちょっとできたらカッコいいな」という憧れもあって、それがきっかけでエンジニアをやってみようと思い、プログラミングスクールに登録しました。夏のインターンの応募でダメだった後なので、勉強を始めたのは3年の夏頃ですね。内定が出たのは3月頃だったので、その時点ではプログラミング経験が半年もない状態でした。
岩城: すごいですね!スクールに通って知識を身につけ、エンジニアとして就職活動をされたのですね。ディップを選んだ決め手は何かありますか?
村松: IT企業のイメージがあまりなかったのですが、自社開発の方がサービスがユーザーに届くところまで見えるので、楽しそうだなと思っていました。あとは、漠然とですが「誰かの力になりたい」「助けになりたい」という気持ちが強かったんです。人材業界は「仕事」という人生でとても大切なことを探す人を助けることができるので、そこに魅力を感じました。いくつか会社を見ていく中で、ディップがいいかもと思って選びました。
岩城: 開発環境や最新技術というより、ユーザーへの貢献を重視されたのですね。
村松: そうですね。それがきっかけです。あとは、やはり初心者だったので、研修がしっかりしているところがいいなと思っていました。面接で自分の作った成果物を見せる機会があったのですが、プログラミングスクールで作ったばかりの、自分の中では「人に見せるのは恥ずかしいレベル」のウェブサイトを、人事の方や当時のCTOの方がすごく丁寧に見てくださって。良い点も改善点も具体的にフィードバックをいただけたんです。そこで「ちゃんと見ていただけているんだな」と感じましたし、よく言われることですが、やはり「人が良かった」というのが決め手になりました。
岩城: 確かに、それは大きな決め手になりますよね。入社後、チームに配属されてからのフォロー体制はいかがでしたか?
村松: チームに入った時、うちのチームで使っている言語がGo言語だったのですが、私は全く触ったことがなくて。配属先でGo言語を使うと聞いて、研修中に少し勉強していたくらいでした。でも、配属された後に新しくジョインする人向けのチュートリアルが用意されていて、それを見ながら進めることができました。あとは、質問しやすい環境だったのが本当にありがたかったです。私は結構遠慮してしまって、「こんなこと聞いていいのかな」と悩んでしまうタイプなので、時間をかけずに早く聞くことを実践させてもらえたのは良かったなと思います。
岩城: 入社して3年目になりますが、続けている理由ややりがいを感じることはありますか?
村松: 最初は本当にスキルがなくて、「これで大丈夫かな」とずっと不安に思っていました。でも、今もそうですが、ずっと成長させてもらえる環境だなというのが、続けている大きな理由だと思います。何かできるようになってから、また次のステップに進みたいという気持ちが自分の中から出てくるというか。最初は開発するだけだったのですが、だんだんPM的なこともやってみたいと思い始めて、その話をしたらスケジュール管理に関わらせてもらえたりと、新しい挑戦をさせてもらえました。常に吸収できることがあるので、「もっとこの方向で頑張ろう」という気持ちが常にあって、それが少しずつできるようになっているのがやりがいだと感じています。
失敗するかもしれないけど、とりあえずやってみる。
岩城: 具体的にどのようなところで成長を感じて動いているのでしょうか?
村松: 最初は本当に「1から10までどうやって進めたらいいですか?」「次どうすればいいですか?」といった感じで、何も分からないまま進めていました。でも、だんだんプロダクトの理解が進んだり、自分のスキルがついてきたことで、今ではタスクの内容を読んで理解できるようになり、ゴールまである程度イメージできるようになりました。そうやって、一人で、あるいは自分がリードしてタスクを進められるようになった時に、「できるようになったな」と感じます。あとは、インフラの方に依頼することも多いので、メインでやり取りしながら進められるようになった時にも成長を感じますね。
岩城: 村松さんは、登壇されたりイベントに参加されたり…と、積極的に活動されていますよね。そういった活動の軸や、原動力になっているものはありますか?
村松: 前に出たり発信したりするのは全然得意じゃないし苦手です(笑)。登壇なども自分から言ったというよりは、周りの人がきっかけを作って誘ってくれたから、そこに手を挙げたというのが大きいです。周りの人がきっかけをくれたというのと、あとは自分の気持ちとして「できないことが周りよりも多いな」と思っていたので、「やってみる?」と言われたことは、とりあえず全部やろうという気持ちはあります。「できるかわからないけど、やってみます」という姿勢でいるようにしていますね。
岩城: 「とりあえずやってみる」ってなかなかできることではないと思います。そこにハードルを感じることはありませんでしたか?
村松: あまりうまくいかなくても、怒られることはないというか、挑戦したことを評価してもらえる環境があると感じています。実際にやってみたら、周りの人がすごく反応してくれましたし、登壇した時もそうでした。普段の業務でも「やります」と言えばサポートしてくれるというのがあるので、「失敗するかもしれないけど、やってみよう」という気持ちになれますね。
岩城: 具体的に、業務の中で「やったことないけど、とりあえずやってみよう」と挑戦したことはありますか?
村松: 最近の話になりますが、社内ツールのリプレイスですね。最初は開発者として実装していたのですが、その途中で一時的に、スケジュールや全体のタスク管理を担当させてもらいました。以前は自分のタスクしか考えていなかったので、プロジェクト全体の設計やスケジュールを視野を広げて見るということが、最近挑戦したことです。
岩城: 発信活動については、どのようなことに挑戦されましたか?
村松: アドベントカレンダーを書いたり、社内で行われたAI利用事例の共有会で、軽く事例共有をしたりしました。そして、特に大きな挑戦となったのが、社外向けのイベントでの登壇です。登壇なども自分から言ったというよりは、先輩や上司が誘ってくれたり情報を共有してくれたりしてきっかけをくれたんです。特に新卒時代にメンターだった砂原さんが色々なイベントに誘ってくださって。自分は前に出るのは苦手なタイプですが、この機会を活かしたいという思いで挑戦しました。
岩城: 新しいプロジェクトへの挑戦として、今後期待していることはありますか?
村松: はい。特に頑張りたいと思っているのが、今私が参画している新規プロジェクトです。このプロジェクトでは、AIを活用してバイブコーディングでゼロからシステムを構築するという、組織としても全く新しい取り組みが行われます。 今までは個人でAIを使っていただけだったので、これを業務で活用し、設計や要件定義から深く関わる機会があることに大きな期待を寄せています。この挑戦を通して、さらにスキルと経験を積んでいきたいです。
ネガティブを変換し成長する思考法
岩城: マネジメントに興味があるというお話がありましたが、そうなりたい理由はありますか?
村松: そうですね。最近、設計から考えるというように視野が広がった時に、自分が目の前の実装だけをやるのではなく、サービス全体を見て何が必要かという設計から考えて管理する方が、好きかもしれないと思い始めたのがきっかけです。まだ「絶対にマネージャーになりたい」とまでは確信していませんが、そっちの方向も気になる、という感じです。元々、他の人のサポートをする方が好きだと感じていて、そう考えるとやりたいことに近いのかもしれないと思っています。
岩城: 今、なんとなく「こうなりたい」という目標はありますか?
村松:明確ではないのですが、直近で言うと、まだ自分のタスクしか見えていない部分があるので、周りが見えるようになり、先を見通せるようになりたいと思っています。
岩城: 2年間続けてこられた中で、何か軸になっているものはありますか?
村松: やりがいの話と一緒なのですが、できないことが多いので、どうしてもネガティブに「できないことばかり」と考えてしまうんです。だからこそ、「これができないから、できるようになりたい」という気持ちが常にあります。承認欲求もあると思うのですが、今できないことをできるようにしようと常に思っていて、何かできるようになったらまた次にこれができるようになりたい、という積み重ねで続いているのかなと思います。
岩城: それでは、この2年間、やりたいことが尽きずに新しく入ってくるような感じなのですね。
村松: そうですね。最終的にやりたいことなのかもしれませんが、自分の中で「ここ苦手だな」とか「今回の障害対応の時、ここできなかったな」といった反省が日々あります。その反省を「じゃあ次はこうできるようにしたい」というふうに、ネガティブなことを逆に変換しているような感じです。最近だと、インフラに少し関わるようになったのでAWSの試験を受け、ソリューションアーキテクトを取得しました。新しいことに挑戦するのは大変だなとは思っていますが、やはり知識がつくと業務に活かせるので、そのために頑張ろうという気持ちになります。
岩城: やはり「できるようになりたい」という気持ちが大きいのでしょうか。
村松: はい。先輩と話していても、最初は言っていることが全然分からなかったのですが、やればやるだけ理解できるようになりますし、成長に結びつかないことはあまりないので。
岩城:では最後に、 ディップのエンジニアとして、どのような人が楽しめそう、あるいは向いていると思いますか?
村松: 私たちの組織だけではないと思いますが、「やってみます」とか「これやりたいです」と言ったら、とりあえずやらせてもらえる環境があります。それで成長したなと思うことも多いので、奥せず何でも吸収しようと思っていける人がいいなと思います。周りの人たちも、そういったタイプが多いように感じます。
岩城: 挑戦の姿勢が大事ですね。ありがとうございました!