打席を増やして、スキルを磨く。はたらこねっと企画部トップが語る、少数精鋭で大きな変革を生む組織づくり

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磯村美嘉
ソリューション事業本部 メディアプロダクト事業部 はたらこねっと企画部/部長 ▼詳細

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清水奈菜子
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ディップは、『バイトル』や『コボット』などの人材サービスやDXサービスを通じて、労働市場が抱える課題の解決に取り組んでいます。今回は、2006年に新卒でディップに入社し、現在はたらこねっと事業部を率いる磯村美嘉さんにインタビュー。営業からメディア企画へ異動した経緯や、パート向けメディアの立ち上げなど、挑戦を重ねてきたキャリアを振り返るとともに、少数精鋭のチームで大きな成果を生む「はたらこねっと部」の魅力や組織づくり、育成方針について伺いました。

現場での課題感を機に、社内でキャリアチェンジを実現

清水: 本日はよろしくお願いいたします。まずは磯村さんのご経歴を教えていただけますか?

磯村: 2006年に新卒でディップに入社し、入社後は営業職として名古屋支社で2年間勤務しました。その後、本社へ異動し、さらに4年間営業を続けましたが、2009年のリーマンショックを受けて、働きたい人は沢山いるのに仕事がないという、今とは真逆の人材市場になりました。特に派遣会社のお客様は、経営統合や倒産などの影響を大きく受けていました。そうした状況の中で、「メディアの届け方を変えないと、お客様のニーズに応えられない」と強く感じるようになり、営業ではなく企画側からメディアを変えていきたいと思うようになったんです。

まったくの畑違いへの挑戦でしたが、「このままでは変えられない」と思い、当時の事業部長であった岩田さんに、自分で企画書を30本提出しました。その中に含まれていた「新しくパート向けメディアを立ち上げるべきでは?」という提案が採用され、営業から企画への異動が実現。「パートではたらこ」の立ち上げを担当することになりました。

清水:企画書30本ですか、すごい…!異動後のお話もお聞かせいただけますか?

磯村:はい、異動は実現したものの、新規メディアの立ち上げは企画だけでなく、営業も必要な状況でした。なので私自身も現場に出て、営業活動に励んでいました。今思えば異動直後の兼務なんて無茶ですが、営業の経験があったおかげで、そこに心理的なハードルはまったくなかったですね。やると決めたら自分で提案して動いて、形にしていく、それが当たり前でした。そのプロジェクトが終了した後は、「はたらこねっと」の管理画面リニューアルや、ABテストの導入などにも携わり、育休復帰後の昨年、部長職に昇格させていただきました。営業からのスタートでしたが、技術スキルや専門知識がなくても、現場の声に耳を傾け、ユーザーやクライアントに向き合って、自分なりの貢献を続けてきたからこそ、今があると思っています。

「打席に立つ」機会を増やし、実践的なスキルを磨く

清水: はたらこねっと部の体制や特徴を教えていただけますか?

磯村: はたらこねっと部は、「はたらこねっと」を中心に企画・改善するチームと、「ナースではたらこ」を中心とするチームの2つに分かれています。各メディアはPC、スマホ、アプリの3デバイスで展開しており、それぞれに対してグロース施策を行っています。具体的には、Webグロースチーム、アプリグロースチーム、SEOチーム、CRM(メールマガジンやプッシュ通知など)チームの4つに分かれています。部全体では15名ほど、エージェントチームも含めても20名程度のコンパクトな組織です。バイトルと比べると小さな部隊ですが、だからこそ情報共有の活発さや小回りの良さがあると思っています。私が即断即決できる体制を整え、スピード感を持って施策を進めています。

清水: はたらこねっと部ならではの魅力や面白さはどんなところでしょうか?

磯村: ディップという会社はメガベンチャーですが、はたらこねっと部もかなり「ベンチャー気質」だと思っています。「何でもやる」「自分たちしかやる人はいない」という意識が強いんです。他の部署であれば専門チームが担当するような業務も、はたらこねっと部では自分たちで企画から実行までやらなければ新しいものは生まれません。ラストマンシップはかなり強いチームだと思います。また、小回りの利くチームなので、ABテストも月に4〜6本はコンスタントに回していますし、SEO施策も必要性を感じればすぐに優先順位を上げて取り組める環境です。常に稼働している状態で、施策を素早く実行できるので、待ち時間が少ないのも魅力です。

清水: キャリア面で得られるスキルや経験にはどのようなものがありますか?

磯村: はたらこねっと部は小さなチームなので、「上流工程から下流工程まで、全部やってみたい」という方に向いていると思います。例えば、2023年入社の新卒メンバーは、ABテストの施策を考え、最初の1か月で約30本のアイデアを出してもらいました。半年程度でABテストの実施からフィードバックまでを回せるようになり、今では2年目からアプリのスクラムチームでプロダクトオーナーとして活躍しています。

WebからアプリへのキャリアチェンジやCRM、SEOなど様々な領域を経験することもでき、自分の興味に応じて幅広いスキルを獲得できる環境があります。

清水: 新しく入ってくる方へのフォロー体制や教育についてはいかがですか?

磯村: 基本的には「ブラザーシスター制度」を採用し、質問できる相手を複数名配置しています。特定の一人だけに負担がかかったり、その人がいないと質問できないといった状況を避けるためです。取り組む内容に関して言うと、私は「実務を通じてこそ、人は本当に成長できる」と考えています。たとえばデザインであれば、練習用のトレースではなく、実際のコンテンツ制作を任せる。施策においても、ただ指示を受けて動くのではなく、自らのアイデアを出し切って取り組む。そうした「打席に立つ機会」を増やすことで、実践的なスキルが自然と身につく仕組みをつくっています。

清水:部長として、メンバーの育成において大切にされていることはありますか?

磯村:メンバーの成長には、かなり強い想いを持っています。自分自身が「こうありたい」と思う姿を明確に持って、それを周囲に伝えながら、行動に移してきた経験があるからこそ、次の世代のメンバーにも「自分らしいキャリア」を描いてほしいなと。「異動したい」と思ったら、待つのではなく企画書を出し、声をあげる。「自分で道を切り拓いていく」という姿勢が、ディップという会社ではきちんと届くんだと私自身が身をもって実感してきました。だからこそ、今の若いメンバーたちには、「やりたい」と思ったことを、素直に口に出して動いてほしい。私も、そういう声にちゃんと応えられる上司でありたいと思っています。

情報の「出し惜しみをしない」ことも、私が大切にしている姿勢の一つです。情報の格差は、結果として業務の格差、ひいては成長の格差につながってしまうと感じているからです。たとえばABテストの施策に関しても、誰からの質問であってもオープンに共有し、必要であれば背景や意図までしっかり説明します。また、単に知識を受け取るだけでなく、他の人のアイデアに対しても「なぜそう考えるのか?」を問う力を養ってほしいと思っています。そのために、チーム内では定期的に共有会を実施し、アイデアの背景や意図をディスカッションする機会を設けています。

会社の成長を促す「人材の輩出チーム」を目指して

清水: はたらこねっとの現状と今後の展望についてお聞かせください。

磯村: はたらこねっとは派遣メディアの中でほぼトップになりつつあり、シェアで言うと約60%を持っています。ただ、競合他社も35%ほどのシェアを持っているため、そこを完全に取り尽くすことが足元の目標です。Web領域では競合と比べてダブルスコア以上の差をつけていますが、アプリ領域では逆に差をつけられています。ダウンロード数では競合の半分程度というのが現状です。まずはアプリの世界で「勝ち切る」必要があります。また、派遣マーケットは爆発的に増えるわけではないので、次の展開として正社員領域への進出や、契約社員などの雇用形態の拡張も今後検討すべき課題だと思っています。

清水: はたらこねっと部をどのような組織にしていきたいですか?

磯村: はたらこねっとのチームを、将来的には「人材を輩出するチーム」にしていきたいと考えています。というのも、このチームは比較的小回りが利き、若いうちから幅広い業務に携われる環境が整っているからです。そうした環境の中でメンバーは着実に成長し、その経験を活かして、たとえばディップの主力サービスである「バイトル」など、より大きなフィールドで活躍してくれたら嬉しいなと思っています。

「はたらこねっと出身の人は、みんな優秀だよね」と言われるようになれば理想的ですね。実際に、現在もこのチームから他部署へ異動し、活躍しているメンバーが多数います。私は、一つの組織に長くとどまることが必ずしも正解だとは思っていません。むしろ、異なる環境で成果を出せることこそが、プロフェッショナルとしての力だと考えています。だからこそ、いろいろな部署にチャレンジして力をつけていってほしいし、もし機会があれば、いつかまたこのチームに戻ってきてくれてもいい。いずれにせよ、それぞれが自分の場所で活躍することが、結果的にディップ全体の成長につながっていくと信じています。

清水: 今後、どのような人材と一緒に働きたいですか?

磯村: 新卒で入社される方には、「若者ならではのエネルギー」と「尖った気持ち」を大切にしてほしいと思っています。ディップは企業規模としては大きいですが、ベンチャー精神があり、年齢に関係なく実力でチャレンジできる環境が整っています。自分の力を試したいという気持ちがある方には、非常にフィットする会社だと思います。そういった「尖った気持ち」は、環境によっては「扱いづらい」と思われてしまうこともあるかもしれませんが、ディップやはたらこねっと部ではむしろ歓迎です。そういう姿勢が、周囲の先輩社員にも良い刺激を与えて、「あの子が頑張ってるんだから、自分ももっと頑張ろう」といったような相乗効果が生まれています。年齢を重ねるとどうしても丸くなってしまう部分もあるので、そうしたフレッシュな情熱を持っている方と一緒に働きたいですね。

一方で、中途で入社される方には、ディップ以外で得てきた知見や経験を、ぜひチームに持ち込んでいただきたいと考えています。私自身はずっとプロパー社員なので、他社でのチーム運営やマネジメントの工夫などを教えていただけるとありがたいです。中途の方だからこそ見える景色があると思うので、そうした視点からの新しい意見や提案にも期待しています。

清水: 最後に、候補者の方々へメッセージをお願いします。

磯村: はたらこねっと部は、チームとして取り組むこともあれば互いにライバルとして切磋琢磨することもある、バランスの良い組織だと思っています。また成長意欲の高い方にとって良い環境だと思います。新卒の皆さんは、特別なWebの知識やスキルがなくても活躍できます。私自身も営業からメディア企画の組織に来ました。大切なのは「ユーザーさんにこんな価値を提供したい」「クライアントさんにこんな価値を提供したい」という志と、それに気づける感度、そして行動に移せる力です。何かを改善していくことや、仕事を探している人のために働くことに喜びを見出せる方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に働きましょう!

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磯村美嘉

ソリューション事業本部 メディアプロダクト事業部 はたらこねっと企画部/部長 2006年ディップに新卒入社。現HR事業部の営業として名古屋支社配属。6年間の営業職を経て2012年企画職に異動。「パートではたらこ」の立ち上げ、「はたらこねっと」のWEB版、アプリ版リニューアル、管理画面リニューアルなど各種プロジェクトに従事。現在ははたらこねっと部の部長としてメディアのグロース促進に取り組む。

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清水奈菜子

ライター。学生時代にWebライティングを始め、以来、採用ジャンルを中心に執筆活動を行う。求職者の心に届く言葉を大切に、企業と人をつなぐ記事作りに取り組んでいる。趣味は温泉巡りと蕎麦屋の開拓。