Photoshopで動画のテロップを一括生成する方法(データセット編)【みなとやの制作ハック】

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湊屋 佐千子
商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 ▼詳細

Adobe Photoshopには、CSVを取り込んで一括作成することができる「データセット」という機能があります。本記事ではデータセット機能を活用して動画のテロップを作成する方法をご紹介します。

活用シーン

弊社が運営している求人情報サービス「バイトル」「はたらこねっと」には動画を掲載することができます。掲載されている動画は営業もしくは制作が作成しているのですが、テロップの作成って思いのほか、時間がかかったりしますよね。そんな時にデータセット機能を使えば、簡単にテロップを生成できるようになります。

● 動画のテロップ作成
● バナー画像への文字の流し込み など

導入手順

● CSVファイルを準備する

まずはPhotoshopに取り込むためのCSVを準備します。A列の1行目に「FileName」と入力して、A列の2行目以降に保存時のファイル名を入力します。次に、B列の1行目に「text」と入力して、B列の2行目以降にテロップ用の文言を入力します。

なお、ExcelでCSVを作成すると、文字コードが異なるため日本語は文字化けを起こしてしまいます。「UTF-8」形式になるように、Googleスプレッドシートで作成してください。

● データセット用のpsdファイルを準備する

次にPhotoshopを立ち上げます。メニューの[ファイル]>[新規作成]で新規ドキュメントを作成する画面を開き、[フィルムとビデオ]の中から使用したい規格のプリセットを選択します。この時、図赤枠の[カンパスカラー]は透明を選択してください。

メニューの[表示]>[表示・非表示]から[ガイド]を選択すると、以下のようなガイドが表示されます。あまり端にテロップを配置すると可読性が悪いので、下から2番目のガイドにテロップのベースを作成していきます。文字レイヤーを新規作成して、お好みの書体・レイヤースタイルを設定します。

この時、段落は必ず「中央揃え」にしてください。また、文字レイヤーを選択した状態で[選択範囲]>[すべてを選択](Ctrl+A)を行い、文字レイヤーを中央に整列してください。この工程を加えることでデータセットで文言を流し込んでも、必ず中央にテロップが配置されるようになります。レイヤー名はCSVの1行目で指定した「text」に変更します。

もうひとつ、文字レイヤーを作成します。レイヤー名は「FileName」とし、あえてドキュメント外に配置します。

● CSVファイルとpsdファイルを紐づける

次に、CSVとPhotoshopのレイヤーを紐づけていきます。メニューの[イメージ]>[変数]から[定義]を選択します。

レイヤー『FileName』の画面では「テキストの置き換え」にチェックを入れ、[名前]に「FileName」と入力します。ここでは必ずCSVの先頭行と同じ名称を記入してください。半角全角、小文字大文字を含め少しでも差分があると読み込めません。

同様にレイヤー『text』の画面では「テキストの置き換え」にチェックを入れ、[名前]に「text」と入力します。これでCSVの各項目とレイヤーの紐づけが完了しました。

● CSVファイルをPhotoshopに取り込む

最後に、左上の「定義」を選択してプルダウンから「データセット」を選択します。

「データセット」画面の[読み込み]ボタンをクリックして、GoogleスプレッドシートからダウンロードしたCSVを読み込みます。この時「エンコーディング」は「Unicode(UTF-8)」を選択し、「最初の列をデータセット名として使用」にチェックを入れます。

「データセット」の三角をクリックして、正しく紐づけられているか確認します。問題なければ「OK」をクリックして、psd形式で保存してください。

以上で準備が完了しました。

使用手順

使用方法はとっても簡単です。

上記で作成したpsdファイルを開いて、[ファイル]>[書き出し]>[データセットからファイル]を選択します。

保存先のフォルダーを指定し「OK」をクリックするとテロップの生成が始まります。

あっという間にテロップが作成されました。あとはこのpsdファイルをpremiereなどの動画編集ソフトに配置すれば、作業完了です。psdファイルが読み込めない動画編集ソフトの場合は、アクション機能やドロップレットを活用し、psdファイルを開いてpng形式で保存するような一括処理を行ってください。

一度作成しておけば、次回からメニューの[イメージ]>[データセット]に新たなCSVを取り込むだけで、同様のスタイルのテロップを一括生成することができます。

さいごに

今回はデータセット機能を活用して、動画のテロップを一括生成する方法をご紹介しました。ぜひ使ってみてくださいね。

ディップは2019年3月に構造的な人手不足を解消する「labor force solution company」へと進化し、AI・RPA領域で新事業を開始したほか、社内でRPAやVBAのオンライン講座を開催するなど、社員が自身の業務を改善できるように取り組んでいます。

※プレスリリース
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https://www.dip-net.co.jp/news/175

私が所属するクリエイティブ統括部でも、RPAやVBA、Excelなどを積極的に活用して日々業務改善に取り組んでいます。業務改善に興味があるという方は、ぜひ以下の採用情報をご覧ください。

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湊屋 佐千子

商品開発本部 クリエイティブ統括部 制作戦略推進部 制作企画課 オウンドメディアやWeb制作のデザインやフロントエンドを担当する傍ら、RPA・GAS・Excel VBAなどを用いてクリエイティブ業務の業務効率化に努めている。Twitter(@mi_na_to_8)で業務の学びを定期的につぶやいている。