20代、30代で経験できたこと。 40代、50代の私の生き方。 【ワーママ・パパの働き方Vol.6】

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山内 真由美
人材サービス事業本部 HR事業部 関西HR営業2部 部長 ▼詳細

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人材・組織開発室
人事本部 人材・組織開発室 ▼詳細

現在、営業部長として活躍されている山内さん。プライベートでは、21歳と23歳のお子さんを持つ2児の母として、仕事と子育てを両立しています。そこで、山内さんには、20代、30代、40代と振り返っていただき、仕事や子育てを通して各年代で得た経験や学び、仕事術などを伺いました。

お客様から勉強させてもらった新人時代。

――まず、新人時代のことを教えてください。

大手人材会社に営業として入社しました。当時は「男女雇用機会均等法」が施行されたばかりで、女性の営業は珍しかったんですよ。「女性の仕事は事務職」という概念がまだ強くて、女性が営業で活躍できるのは生命保険の外交員くらい(笑)。だから、物珍しさも手伝って、アポは比較的簡単に取れたし、実際会ってお話も聞いてもらえましたね。でも、契約には結びつかない。小さな契約は取れたとしても大きな商談となると、ビジネスパートナーとして見てもらえない。ノルマが達成できなくて、夜の9時10時まで街を歩きながら飛び込みをして。私の新人時代は、そんな毎日の連続でした。

―― どうやって、その状況から脱したのですか?

私は中小企業の経営者を相手に営業していたんですが、冷静に考えてみれば、二十歳そこそこで会社のイロハもわからない新人が、社長相手に「中途採用のお手伝いを―」と言っても当然相手にしてもらえないですよね。相手も「はいはい」といった感じで。そこで、社長に直接「どうすれば、私をビジネスパートナーとして見てもらえますか?」と聞いてみたんです。すると、ほとんどの経営者の方が心を開いてくれて、それこそ「育ててやろう」というスタンスでその会社のビジョンや経営理念、仕事をするうえで何が大切か、うちの社員にはこんなことを教えてるよ、ということをたくさん教えてくださったんです。そんな経営者の方々の支えもあって学ぶことができて、それこそ、お給料をいただきながら、セミナーを受けさせてもらっているような状況でした。

―― お客様から勉強させてもらうというスタンスは、どの経営者からも理解を得られましたか?

実際のお気持ちはわかりませんが、少なくとも私は、心の底から「何かお役に立てることはないか」「御社のお役に立ちたい」という一心だったんですね。だから、一日でも早くプロフェッショナルになりたいと思っていたので、その熱意がきっと伝わったんだと思います。

ただ、「学ばせてほしい」だけでは受け身になってしまうので、必ず宿題を与えてもらっていました。例えば「市況」とか「求職者の動向」とか、その企業が抱えている課題があったら、それを宿題として持ち帰り、そのフィードバックを必ず行っていました。

―― そのアイデアは、ご自分で考えたのですか?

当時勤めていた会社は、「営業スキルやテクニックは人から盗め」みたいなところがあったんです。先輩の同行もほとんどなかったので、自分で考えて行動するしかなかったんですね。そうすると、お手本になる人といえば、私にとってはやはり経営者の方々だったので、そういう人たちに一人でも多く会ってお話をすることが、営業のプロになる一番の近道だと思いました。

どんな些細なことでもいいから挑戦してみる。

―― その後、代理店を設立されますが、昔から独立を視野に入れていたのですか?

全く(笑)。独立志向はほとんどなかったです。自分のタスクでさえ上手くこなせなくて、営業の途中でしょっちゅう泣いていたタイプだったので、「役職に就きたい」「独立したい」という気持ちは全くありませんでした。ただ、毎日経営者の方々から経営論のようなものを伺っているうちに、徐々に感化されていって、自分も経営に携わってみたいなと思うようにはなりました。お会いする経営者の方は素敵な方が多くて、みな、「会社のため」「社員のため」「誰かを幸せにするため」というビジョンを持っていたんです。私もそういうことができる人間になりたいと自然に思うようになりました。

―― ビジョンを持つ大切さを知る反面、それが持てずに将来を不安に感じる方もいますが。

20代の頃の私は、「趣味は仕事」と答えるくらい仕事が楽しかったんですね。その理由を考えてみると、毎日経営者の方にお会いして、自分の知らない世界を疑似体験するような感覚があったんです。お話を聞くたびに、「自分ももう少し頑張ったら、できるんじゃないか」と思えるようになる。できるかできないかを決めるのは自分なので、まずはどんな些細なことでもいいから挑戦してみる。そして、挑戦するために、何が必要かを考える。この積み重ねが重要なんだと思います。

子育てをきっかけに変わった人生観。

―― 30代では、出産を経験されていますよね。

はい。31歳と33歳の時に出産したんですが、私の場合、子育てをきっかけに人生観はすごく変わりました。20代は、仕事はもちろん、すべてにおいて自分に目が向いていました。でも、子どもができてからは、あれだけ「趣味は仕事」と言っていた自分が、仕事とプライベートをしっかり分けたいと思うようになったんです。どうしたら残業しなくて済むか、効率よく仕事をするにはどうしたらよいかということを考えるようになりました。

例えば、子どもができる前は営業でお客様のところに行くと、まず提案をして、そこで課題を抽出して、それをいったん会社に持ち帰って、という段取りを踏んでいたんですが、出産後、同じようにやっていてはとても定時に帰れないので、そのフローを1回ですべて済ませられるようにしていました。

―― 仕事と子育ての両立は、いかがでしたか?

実は、あまり大変だと思ったことはなくて(笑)。どちらかというと、自分の好きなことが増えたという意識の方が強かったんです。私たちに与えられた時間は、みな平等に24時間なので、どんな時間の使い方をして、どう工夫するかは、やっぱり自分次第なんです。

何かを犠牲にするのではなく、子どもを産んで自分の楽しみが増えたなら、今までと同じ量のタスクを最短で終わらせて、自分のための時間を作るタイムマネジメントに変えていきました。

失敗を経験したことで、多角的にものごとを捉えられるように。

―― その試みは、上手くいきましたか?

失敗談ももちろんありますよ(笑)。夜の9時くらいに電話の着信が何度もあったんですが、仕事に集中しすぎて、全くそれに気づかなくて。慌てて電話をしたら、子どもに「お腹すいた」って言われて。その時は「忘れてた!」って素直に謝りました。時間の感覚と一緒に、子どもの食事のことも忘れてしまったんです(笑)。

でも、そういう失敗をすると、今度同じようなことが起こった時、どうやって対処するか、対策を考えるようになるんです。誰かの助けが必要なら、まず人を確保しなきゃとか。一つの失敗から、不測の事態に備えて、いろいろな対策を考えるようになる。仕事も全く同じで、失敗を経験することで、多角的にものごとを捉えられるようになるんです。

―― 子育てを経験する前と後で、マネジメントに変化はありましたか?

子育てで教えられたのは、「我が子でさえ自分の思い通りにならないのに、自分のメンバーが思う通りに育つわけがない」ということ。子どもを産む前は、自分の価値観や成功例を押し付けがちなマネジメントをしていたと思います。「自分はこれで上手くいったんだから、あなたもこうするべき」みたいな感じで。でも、人それぞれ性格も違えば、営業スタイルも違いますし、同じ方法で全員が上手くいくはずはないですよね。

子育てを経験してからは、「あなたはどうしたいの?」と相手に尋ねるようになりました。そして、本人の意思を踏まえたうえで、じゃあどうしていくかという答えを導くマネジメントに変わりました。メンバーはみな大人ですし、それぞれ価値観や考え方があるわけですから、そこをいかに尊重して導いてあげるかが大事なんだと学びましたね。

―― メンバーの方に変化はありましたか?

主体性が身についたと思います。パワーマネジメントでも、指示通りに頑張ろうとはしてくれるんですが、でも、結局それは「管理」でしかないんです。管理は依存を生むと思っていて、管理をし続けると、メンバーも管理されないとできない体質になってしまう。逆に、相手の主体性を重視するマネジメントは、メンバーが自分で考えて行動するので、自主性が芽生えますし、自分の足で歩ける自立した人に育つと思います。

―― 子育てについて、何かアドバイスはありますか?

それが、今でもちゃんと子育てできているのか自信がないんですよ(笑)。ただ、いつも自分に言い聞かせているのは、子どもがオギャーと生まれて1年経てば、私も母として1歳であって、同じ年数で子どもたちと一緒に育っているんだということ。人としては、子どもより長く生きているけれど、母としては子どもが育った年月と同じ。だから、私もいまだ成長中なんです。

―― 40代になって、仕事や育児に対する考え方に変化はありましたか?

「仕事」と「子育て」の両立という意味では、30代と変わらないんですが、子どもが成長して思春期を迎えると、自分の時間に少し余裕が持てるようになりました。それはとても大きな変化でしたね。そして、将来、子どもが親元を離れて自立していけるように、私自身の将来のキャリアプランを真剣に考えるようになりました。

定年以降も働いていくためにはどうしたらよいかを考えた時、手に職があるといいなと思ったんです。そこで、土日のプライベートな時間を使って、マッサージやエステの勉強を始めました。実は、30代の時に簿記の資格を取ったんですが、その時とは資格を取ろうと思った動機がまた違っているので、その点も大きな変化だと思います。

20代・30代の経験は、今後の人生に大きな影響を与える。

―― 最後に、みなさんへメッセージをお願いします。

私は上昇志向が強いタイプでも、「将来こうなりたい!」とのし上がるタイプでもないんです。むしろ今は、オンとオフをしっかり切り分けて、定時になったら残業をせずに家に帰って、プライベートを充実させたいと思っているくらいです。

ただ、この歳になってわかったのは、20代・30代にどれだけ真剣に仕事と向き合ったかによって、40代・50代の生き方が変わってくるということ。それくらい、20代・30代の経験は、今後の人生に大きな影響を与えるんです。

私は、自分の人生を生き抜くために、仕事はなくてはならないものだと思っていて、たとえ、高い志がなかったとしても、目の前にある課題を一つ一つ確実に乗り越えていけば、それは必ず自分の糧になると信じているんです。

私も、未だ自己嫌悪に陥ることもあるし、自信をなくすこともあります。ただ、20代、30代、40代を通して、さまざまな壁を乗り越えてきた先輩だからこそ一つだけ言えることは、その人に立ちはだかる壁は、絶対に本人が乗り越えられる課題だということ。だから今、何かしらの困難に直面している人には、「絶対、大丈夫だよ」と声をかけてあげたいですし、その壁を乗り越えた時、将来何があっても克服できる力になることを伝えたいです。

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山内 真由美

人材サービス事業本部 HR事業部 関西HR営業2部 部長 担当部署は5つの組織に分かれ、70名のメンバーが人材系企業を担当しています。我が子と同世代のメンバーも多いので、大家族の母のような気持ちです。

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人事本部 人材・組織開発室 社内SNSの企画・運用、社内広報誌の企画・制作などの社内広報活動に加え、社内情報を社外へ発信するための施策にも取り組んでいます。

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