
ディップCTO長島さんが語る!入社からCTO就任、そしてソリューション開発本部が描く未来とは
ディップは「誰もが幸せに働ける社会の実現を目指す」というビジョンのもと、人材サービスとDXサービスを提供しています。当社は今、「第二創業期」を掲げ、大きな変革の時を迎えています。その変革を技術面から力強く引っ張っているのが、執行役員 CTO 兼 ソリューション開発本部長の長島 圭一朗(ながしま けいいちろう)さんです。2024年2月に入社後、異例のスピードでCTOに就任し、現在はソリューション開発本部全体をまとめている長島さんに、入社からのエキサイティングな日々、CTOとして感じている課題、そしてディップでエンジニアとして働く面白さについて、お聞きしました!
入社直後のミッション変更と「スポットバイトル」への大挑戦
小林: 本日はよろしくお願いします!早速ですが、長島さんのディップ入社後の経歴から教えていただけますか?
長島: 2024年の2月にDX開発統括部長という役職で入社しました。当初は、DXサービス内の主力製品でもある「面接コボット」など多くは外注で作っていたので、内製化に寄せる、その体制を作る。それからテスト品質の向上と、DX商材の開発推進。このあたりが主なミッションでした。でも、実際にはそっちの業務はほとんど手がけられなかったんですよね。入社してすぐに「バイトルトークを作りたい」という話があって、その初期の取りまとめだけはやったんです。その後、3月の頭くらいには社長はじめ経営陣との会議で、「スポットバイトルをやりなさい」と。入社して半月くらいで、スポットバイトルの立て直しが僕のメインミッションになった、という感じです。
小林: 入社半月で大きなミッション変更があったのですね。
長島:その時までDX部門のメンバーとはコミュニケーションを取ってはいたんですけど、その会議以降はもうスポットバイトルにフルコミットでした。3月19日の社員総会が終わった直後からチームをどうするか話を進めて、3月末には15名くらいの初期メンバーでキックオフミーティングをやりました。4月に入ってからはユーザーストーリーマッピングに着手して、どんなサービスを作って、ユーザーにどんな体験を提供していくか、という会議が始まっていました。だから、3月頭に方針が決まって4月上旬には開発スタート、という非常にスピーディーな展開だったんですよね。
小林: 本当にすごいスピード感ですね!その中で長島さんはどんな役割を?
長島: エンジニアではあるんですけど、このプロジェクトではプログラミング自体はやっていません。僕の主な役割は、スポットバイトルというサービスの方向性を、社長の思いも含めて決めて作っていくことでした。「10月にリリースする」という絶対条件があったので、半年間で価値のあるサービスにしないといけなかったんです。だから、MVP(Minimum Viable Product:最小限実用的な製品)が何かをひたすら考えて、企画担当の藤村さんや森部さんたちとほぼ毎日話していましたね。 あと、戸叶さんたちとスクラムという開発手法を取り入れて、開発チームの運営方法を考えるのも大事な役割でした。すでに出来上がりつつあった機能もあったので、技術選定にも一部関わりましたし、特にモバイルアプリは作り直しが必須で、そこが大きなポイントでしたね。
入社5か月でCTOに「こんなに早くやることになるとは」長島さんが語る就任の舞台裏
小林: CTOにはいつ就任されたんですか?
長島: CTOになったのは2024年の7月1日なんです。入社した時からCTOとしてジョインしたわけでは全然なくて。僕が入社した2月の時点では別のCTOがいらっしゃって、その方が退職された後、鈴木さん(現 CIO)がCIO兼CTOを一時的にやっていた時期があったんですよね。だから僕自身は、CTOになるつもりで入社したわけでは全くなかったんですよ。

小林: そうだったんですね!てっきりCTOポジションとして引き抜かれたのかと思っていました。
長島: 実は違うんです。ディップに知り合いは誰もいなかったし、経営陣とは会ったこともなかったですから。DX開発統括部長として入社したら、「スポットバイトルをやりなさい」と言われて、取り組んでいたら今度はCTOの話が出てきた、そんな流れですね。 打診は6月頃で、結構唐突でした。後から鈴木さんに聞いた話だと、スポットバイトルを僕に任せてくれた後の時点で、「CTOは長島さんでいいと思う」と社長たちと話してくれていたみたいです。
小林:周囲は早くから長島さんを評価されていたのですね。
長島:僕自身、前の会社で創業取締役CTOをやっていましたし、ディップの面接でも「3年後くらいにCTOか、それに近い役割で、経営に関わりながら技術で貢献したいです」みたいな話はしていたんです。だから、そういったポジションを狙っていたかと言われれば、もちろん狙っていましたよ。ただ、それは2、3年後だろうと思っていたので、入社3ヶ月での打診は思ったよりずっと早かったですけど、もともとそのつもりだったのでお受けしました。
エンジニア組織をアツくする。CTO長島さんが掲げる「dip Tech Vision」と改革のリアル
小林: CTOに就任されてからのお仕事について教えてください。
長島: 7月に就任するちょっと前、6月に打診を受けた段階で、僕が見る範囲がDX開発領域だけではなくて、当時の商品開発本部全体に広がったんです。鈴木さんたちと会社全体の課題についていろいろ話して、「dip Tech Vision」を打ち出しました。これは、僕らエンジニア組織やプロダクト開発組織全体がどうあるべきか、どんな組織になっていくべきかを示したものです。
その中でいくつか取り組みを進めました。例えば、スポットバイトルと並行して、8月からは進藤さん(当時の商品開発本部長)と共に「トップガン育成」と称して新しいチームを2つ作って、ディップとしては新しい開発のやり方を取り入れて改善スピードを上げていこう、みたいなことを始めました。あとは、当時はまだ自動テストがあまり入っていなかったので、プログラムでテストを書いていく取り組みもやりましたね。こんな感じで、4つくらいのタスクフォースを立ち上げて、7月の就任後、いろんな人と話しながら8月から本格的にスタートしました。
小林: 複数の改革を同時進行されたのですね。
長島:8月には、商品開発本部の活動を一旦ストップして、全員でプロダクト開発ってどうあるべきなんだっけ?というのを座学で学ぶ機会も作りました。共通の言葉がないと話が進まないと思ったので、おすすめの本を2冊読んでもらって、ワークショップ形式で体験してもらう、みたいなこともやったんです。スクラムの用語とかも含めて、みんなで同じ認識を持てるようにしたかったんですよね。
「バイトル」進化の壁とメンバーの成長実感。CTOが見るソリューション開発本部の今とこれから
小林: 今はソリューション開発本部に名前が変わって、長島さんが全体を見ていらっしゃいますよね。今のソリューション開発本部の課題や、変えていきたい点があれば教えてください。
長島: 課題はたくさんありますね。事業面で言うと、僕らは事業会社のエンジニアでありプロジェクトマネージャなので、事業に良い影響を出すのが一番大事なことです。「バイトル」というディップの魂といえるサービスがあるんですけど、これまでの歴史にはもちろん敬意を払いつつも、今の運用を維持することに結構時間を使ってしまっている現状があるんです。もちろん、それが事業を守って、インパクトを出しているのは分かっています。でも、新しいサービスも生まれてきている中で、それらと既存事業のシナジーをもっと効かせて、会社全体として売上を上げていかないといけないですよね。 今のバイトルの仕組みだと、事業戦略のスピード感についていくのがちょっと難しいな、という感じがあります。
小林:具体的にはどのような点が難しいのでしょうか?
長島:エンジニアリングの視点から言うと、昔からの積み重ねもあって、ソースコードが結構複雑になっていて(いわゆるスパゲッティ状態ですね)、何か直そうとすると、まず調べることから始めないといけない。仕様の意図とか、なんでこの機能があるのかを知っている人も少なくなってきていますし。この調べる時間が作業の半分以上を占めていて、これが開発スピードを遅くしている原因の一つなんです。
小林:それは開発効率に大きく影響しそうですね。組織面での課題はいかがですか?
長島:組織面で言うと、多くの人が「成長したい!」と思っている一方で、「自分は今、成長できている」という実感を求めているように感じています。事業の性質や組織の構造的な制約もあって、エンジニアとしての成長スピードや手応えが、感じにくい環境にあるのかもしれません。「どんなエンジニアになりたいですか?」とか「どう成長したいですか?」と問いかけると、言葉に詰まってしまう人も少なくないんですよね。だから、自分自身をよく知ることが大事だと思っています。自分は何に喜びを感じ、どんな未来を目指したいのか。そうした自己認知が、これからの成長の出発点になると考えています。ソリューション開発本部の今期のキックオフで大谷翔平選手の目標達成シートを紹介したのもそのためなんです。ディップで働くエンジニアとしてどうありたいか、その目標に向かって何をすべきかっていう道筋が、まだ全体的にちょっとぼんやりしている感じがあるので、組織としてそこをサポートしていく必要があると思っています。
AIツール導入と「どんどん挑戦する」文化づくり
小林: そういう課題がある中で、長島さんが特に力を入れて取り組んでいることは何ですか?
長島: 一つはLT会や勉強会を増やして、みんなが自分で学んでいくのを後押しすることですね。これは本人の成長に繋がるだけではなくて、ディップという会社がエンジニアにとって魅力的な場所なんだよということを外にもアピールする広報活動の意味もあるんです。「日本CTO協会 | エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業ランキング上位30」に入るという目標も立てています。 もう一つは、やっぱり「挑戦する文化」を作ることですね。失敗を恐れずに新しいやり方を試してみることを推奨しています。特に今は、AIツールの導入に力を入れています。
小林: 具体的にどんなAIツールを導入されているんですか?
長島: これまでエンジニアは、エディタを使ってゼロからプログラムのコードを書いていたじゃないですか。数年前にGitHub Copilotが出てきて、既存のソースコードを学習してコーディングを手伝ってくれるようになりましたよね。さらに今年に入ってからは、ソースコードを直接書くんじゃなくてAIツールを使って開発する、というパラダイムシフトが起きてるんです。AIに「こういう機能を持つ、こういう画面を作りたい」と日本語で指示すると、AIが世界中のソースコードから学習して、いい感じのコードを作ってくれるんですよ。
小林: AIに指示するだけでコードが生成されるんですか!それはすごいですね。
長島:もちろん、AIと話しながら開発するにはソフトウェアの専門知識は必要だし、複雑なシステムを知識ゼロの人が作れるわけではないです。でも、物作りのやり方が大きく変わるのは間違いないですね。プログラミング言語を直接書く作業はめちゃくちゃ減ると思います。これからは、頭の中にあるものを正確に言葉にしてAIに伝える能力とか、AIじゃカバーできない「暗黙知」(例えば、ディップ独自の業務フローやシステム連携とかですね)をちゃんと理解して、AIに組み込む能力が大事になってきますね。
社会課題解決×AI時代のスキルアップ!ディップだからこそ味わえるエンジニアとしての成長と面白さ
小林: エンジニアに求められるものが大きく変わりつつある時代ですけど、ディップのエンジニアとして働くからこそ得られるものや、やりがいはどういったものでしょうか。
長島: 僕がディップに入った理由でもあるんですけど、「誰もが幸せに働ける社会の実現を目指す」という会社のビジョンにすごく共感しているんです。少子高齢化とか人手不足という大きな社会課題に貢献できるのは、すごくやりがいがありますね。それに、インバウンド需要が戻ってきている中で、日本の経済を盛り上げることにも繋がると思っています。地方だと人手が足りなかったり、言葉の壁でビジネスチャンスを逃したりしてるケースもあるんですけど、僕らがAIみたいなテクノロジーを使いこなすことで、課題解決のスピードを上げて、新しい価値を提供できる可能性があるんです。今まで全部手作業だったものがAIを使うことで2倍、3倍の効率になることもあり得ますからね。そうなれば、もっとたくさんの施策を早く試せて、成功する確率も高まりますよね。
小林:AIの活用で、できることの幅もスピードも格段に上がりそうですね。
長島:今までのシフト制の求人だけでなく、スポットバイトルやdip AIを通じて、より柔軟で多様な働き方を提案できるのは、ディップならではの強みだと思います。さらに、AIの活用によって、「渋谷から徒歩5分」「時給1500円」といった構造化データによる検索だけでなく、「バーベキュー好きが集まる職場」や「静かな環境で黙々と作業したい」といった非構造化データ(趣味嗜好や価値観)をもとにした、よりパーソナルなマッチングも可能になってきています。こうした働き方や職場に対する多様なニーズに、オールインワンで応えられる仕組みを持っていることは、他社にはないディップの大きな価値であり、強みだと感じています。
あとは「Good Job ボーナス」みたいな、頑張った人に報いる仕組みもディップならではですね。Labor force solution companyとしての大きな基盤と、サービス開発のスピード感が両方あるからこそ、エンジニアとして他社ではできない貴重な体験ができると思いますよ。
小林: キャリア面でのメリットについても、もう少し詳しく教えていただけますか?
長島: エンジニアのキャリアにとって、AIの進化は無視できないですよね。ディップでは、既存のソフトウェア開発に必要な知識を身につけつつ、AIを活用した新しい開発スタイルも学べる環境を提供しています。この両方に適応できるかどうかが、これからのキャリアですごく大事なことです。それに、売上数百億円規模のサービスの運営に関わって、その仕組みとかノウハウ、それからドメイン知識をエンジニアリングの視点で学べるのも大きなメリットですね。人材業界はなくなることのない産業だし、その中でディップは大きな存在感を持っています。人材業界のエンジニアとして必要な知識とか経験を積めることは、長い目で見たキャリア形成においてすごく価値があると思っています。
「ディップのエンジニアってすごい」と言われる組織へ。「挑戦し、変化し、リードする人」と出会いたい。
小林: 長島さんから見て、ソリューション開発本部はどんな組織文化だと感じていますか?また、どんな組織を目指していきたいですか?
長島: ディップ全体に言えることなんですけど、「人が良い」のは間違いないですね。ソリューション開発本部も同じで、助け合い、支え合う文化が根付いていると感じます。あと、「バイトル」と「はたらこねっと」みたいに長期間サービスを運営してきた経験からか、粘り強い人が多い印象ですね。 今後の大きな目標としては、「ディップでエンジニアやってる(た)んですか!すごいですね!」と言われるような組織にしたいです。例えば、Googleで働いていたと言うと、それだけで一定の評価とか信頼を得られるみたいに、ディップでエンジニアとして働くこと自体がステータスになって、誇りを持てるような組織にしたいと思っています。
小林: そういう組織にしていくために、どんな人と一緒に働きたいですか?
長島: 新卒・中途関係なく、いくつか大事な素養がありますね。一つは「挑戦する人」。社会課題も市場も前例のない状況にあって、正解がない中で仮説を立てて挑戦して、市場に問いかけていく姿勢が絶対必要です。二つ目は「変化し続けられる人」。市場もテクノロジーも常に変わっていて、AIの進化によってエンジニアのあり方も変わっていきます。常に外に目を向けて、学び続けることでちゃんと変化に対応できる人が求められますね。そして、ディップの「人が良い」という文化を考えると、「利他的な精神を持った人」がいれば、もっと良い組織になると思います。自分の成長だけじゃなくて、仲間と協力したり、助け合ったりできる人がカルチャーにもフィットしやすいんじゃないでしょうか。
変革期のディップで、未来をデザインする挑戦を
小林: 最後に、候補者の方へのメッセージと、ディップで挑戦できることについて改めてお願いします!
長島: ディップは、社会課題の解決に事業を通じて取り組んでいる会社です。「社会課題の解決に関わりたい」「自分の仕事で日本を良くしたい」そんな思いを持つ方にとっては、すごくやりがいを感じられる職場だと思います。 今、ディップは社長自ら「第二創業期」と位置づけて、既存事業の良いところは残しつつ、市場の変化に合わせて大きく変わろうとしています。AIを活用したプロダクト改善もその大きな柱の一つです。この変革の時期に、既存のサービスをもっと良くしたり、新しいプロジェクトを作ったりと、幅広く関わるチャンスがありますよ。それに、エンジニアとしても、凝り固まったやり方にこだわらずに、時代に合わせた新しい作り方と働き方を、実践を通して身につけることができると思います。自分自身をアップデートして、次世代の働き方を今から学べるのは大きな魅力だと考えています。ぜひ、ご応募お待ちしています!
小林: 本日は貴重なお話をありがとうございました!