「医療人材不足」は、日本の大きな課題。「Follow a Lifestyle」を掲げ、ディップのエージェント事業部が目指すもの。

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溝口 吾朗
HR事業本部 エージェント事業部 事業部長 ▼詳細

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高橋 正憲
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 ▼詳細

2016年に中途入社し、現在では「ナースではたらこ」の運営をはじめ、看護師の人材紹介を基軸としたエージェント事業部の事業部長を務める溝口。前職から関わっていたという「医療×人材紹介」の社会的意義ややりがい、ディップのエージェント事業部が目指すビジョンなどについて聞いてみた。

「医療×人材紹介」のやりがいが忘れられず、独立をやめディップへ

高橋:溝口さんはディップには中途入社だそうですが、前職ではどんなことを?

溝口:前職は大手人材系企業で、学生の頃にアルバイトで入りました。その後、社員の方に誘われ、新卒として正社員入社。まずは中途採用メディアの営業を1年やり、その後は事業企画に異動しました。そこからは紙媒体からネット媒体への移行に関する戦略の推進を行ったり、新しい媒体を立ち上げたり、新規事業で医師の人材紹介事業の立ち上げ、看護師の人材紹介事業の立ち上げなどを行いました。最後のほうは販促畑にいて、Eコマースの立ち上げなども行っていましたね。

高橋:1社の中でも、いろいろな事業に携わられていたのですね。その後ディップに?

溝口:いえ、実は前職を退職後、ビジネスコンサルタントを開業しました。それまでの経験を生かし、クライアントの新規事業立ち上げの支援などを行っていたのですが、「アドバイスしかできない」仕事にどこか物足りなさを感じるようになって。クライアントに対して命令権があるわけではないので、何かアドバイスをしても、やるかやらないかは相手次第。そんな状態にもどかしさを感じて、自分で考え、決め、実行できる事業会社での仕事に戻りたいと思い、転職を考えました。新規事業はうまくいかないことばかりで胃はキリキリしますが、そんな感覚が懐かしくなったんです(笑)

高橋:そこから、なぜディップに?

溝口:ディップを選んだのは、前職時代、「医療の人材紹介」の仕事がいちばん面白く、やりがいがあったからです。今では考えられないかもしれませんが、当時は医師や看護師の職業紹介は、まだまだメジャーではなかったんです。「封建制」と言うと大袈裟かもしれませんが、派閥なども多く、「自由転職」という雰囲気ではありませんでした。だから、「ユーザーに対して、職業選択の自由を広げていく」という大義を掲げ、社会的意義を感じながら、事業を進めることができました。当時は事業長を担当していて、異動により2年半ほどしか携われませんでしたが、もう一度そのときの感動を味わいたくて、「ナースではたらこ」を運営しているディップへの転職を決めました。

高橋:ディップに来られて、印象はいかがでしたか?

溝口:いちばん感じたのは、企業理念や、会社が大切にしていることが全社に息づいているということ。たとえばディップは「ユーザーファースト」を大切にしていますが、他社だと言葉では掲げていても、なかなか浸透していないこともあります。でもディップでは、各事業部の戦略を話し合う月に1度の社長との定例ミーティングの際も、社長からは「ユーザーのことを考えてサイトづくりしているのか?」「そのサービスでユーザーに選ばれるのか?」ということを毎回のように問われます。社長自らがここまで本気で思っているんだと、驚いた覚えがあります。

ビジネスにおいて、「ロマンとそろばんが必要」ということがよく言われます。ディップの場合、もちろんそろばん(数字、売上)も大事にしていますが、根っこにはロマンがある。それは「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念とも共通するのではないかと思います。

高齢化、医療系の人材不足に対し、人材紹介業が果たすべき役割

高橋:溝口さんが前職で事業を立ち上げられた際は「医療業界の自由転職を広めること」がテーマだったと思いますが、今はどうなんでしょうか?

溝口:みなさんご存知のように、今では「医療業界での自由転職」は当たり前になりつつあります。でも、医療系の人材領域における課題がなくなったわけではありません。

そもそも、日本では高齢化が進み、それに応じて医療の必要性は増すばかりですが、「医療系の人材不足」は相変わらず解決されないままです。このままでは、国民の安心・安全な暮らしの支障になります。その解決策として、「医療人材の流動化」がひとつのテーマになると思っています。

高橋:医療人材の流動化?

溝口:たとえば、医療財政のひっ迫から療養中心の病院が減り、在宅で看護を受けられる「訪問看護ステーション」が増加しています。しかし、今まで存在しなかった業態なので、なかなか看護師さんの「就業先選びの候補」に、訪問看護はあがってきません。ニーズはあり、今後も拡大する領域なのに、労働力のシフトが起こりにくい状況だと言えるんです。

高橋:なるほど。

溝口:そんなときこそ、私たち人材紹介会社の出番だと言えます。直接求職者の方とお話し、転職先の魅力をお伝えできる紹介業だからこそ、求職者の方が思いもしなかった(でも実はマッチしている)就業先を提案することができます。それにより、求職者の方は自分ひとりでは出会えなかった仕事に出会え、人材不足に陥っていた医療機関も人を採用し、安定的に経営することができる。それが、ひいては医療人材不足の問題や、日本の医療問題の解決の一助になるのではないかと思います。

高橋:「CA(キャリアアドバイザー)=仕事を紹介する人」と考えていましたが、医療業界や世の中の課題解決につながっているのですね。

溝口:つまり、私は人材業の社会的役割を「労働市場の撹拌(かくはん)装置」だと思っているんです。経済は常に動いており、日々新しいビジネスが生まれては消え、それに合わせて労働市場も動いていますし、動かなくてはいけないものだと思っています。その労働市場の動き、変化を加速し、最適化することが、人材業の社会的役割だと思います。

高橋:すごく興味深い考え方です。そのように思うに至ったのはなぜなのですか?

溝口:前職で医師の紹介事業を立ち上げた際に、「人材紹介業って何なんだろう?」と何度も何度も考えたんです。もともと私は求人「広告」の出身だったので、紹介事業を立ち上げるにあたり、「紹介業の価値って何なんだろう?」「人が介在する意味って何なんだろう?」という意義や意味を、かなり深く考えました。そうしたときに、「労働市場の攪拌」という社会的役割と、人が介在することでを後押しするのが私たち人材紹介業の使命なんだと定義することができました。

「Follow a Lifestyle」を軸に、CA/RA両面で求職者と医療機関に寄り添う

高橋:医療業界における人材不足の課題や、人材紹介業の社会的意義はとてもよく分かりました。その中で、ディップのCA職はどうあるべきなんでしょう?

溝口:エージェント事業部の事業部長になり、まず始めたのはスローガンを掲げ、「何を目指すべきか」の行動規範をつくることでした。人材紹介業においては、有形商材がなく、CAそのものが商品と言えます。だからこそ、組織として「目指すべきもの」を明確に示さないと、CAのみんながバラバラに動いてしまい、事業がうまく進みません。そこで、「Follow a Lifestyle」「Speed is Power!」「Operation Excellence」の3つを掲げました。一昨年くらいに作成しましたが、今ではかなり組織にも浸透してきたと思います。

高橋:CAのみんなが同じ方向へ進める、行動指針をつくったんですね。

溝口:その中でも、CAにとって大事なことは「Follow a Lifestyle」にすべて込めています。「a」を入れたのは、「一人ひとりの」という意味合いを強めるためです。医療の専門職の方は、大枠の業務内容は理解しています。そのため、「求職者が求める仕事内容を提供する」のではなく、「ライフスタイル」に寄り添い、その人の生き方や考え方にマッチした働き方を提供する。そこまで寄り添うのがディップのCAの仕事なんだよと、メンバーには日ごろから伝えています。

高橋:ステキな考え方ですね。他に、ディップのCAの特徴はありますか?

溝口:CAが、RA(医療機関をはじめとした法人に対して営業を行い、求人案件の開拓や具体的な人材ニーズのヒアリングを行う)も同時に担当しているところですかね。通常の紹介会社だと、求職者を担当するCAと、法人を担当するRAは分かれていることが多いですが、ディップでは1人が両面を担当するようにしています。

高橋:なるほど。大変そうにも思えますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

溝口:「貴院が求める人材像にマッチした、このような求職者がいらっしゃいます」という医療機関への推薦出しから、選考中のフォロー、内定、入職までの一連のプロセスを一人のCAが対応したほうが、細部に渡ってサポートすることができ、看護師さん、医療機関ともに安心できる。それに、効率的でスピードも速くなる。つまり、CA/RAを兼務するほうが、私たちが掲げるビジョンにより近づけるんです。中には、看護師さんの要望を叶えるために、医療機関側へ新たな制度を提案したという事例もあります。

高橋:まさに求職者側と医療機関側、どちらにも寄り添いながら両者の課題解決を実現しているのですね。他にディップのエージェント事業部の特徴はありますか?

溝口:人材紹介の中でも、医療業界に特化しているので、プロフェッショナルになるにあたっての勉強、育成の的が絞れ、独り立ちが早いんです。さらに、ディップには若手のうちから重要な仕事を任せる社風があります。それも相まって、たとえば総合系の企業だと1~2年はアシスタントをしてからCAになるという話も聞きますが、ディップでは入社3ヵ月以内でCAとして看護師さんの担当をすることができます。

高橋:具体的にはどのような育成をされているのですか?

溝口:入社後1ヵ月は座学とOJTがセットで、ユーザーサイド(求職者側)とクライアントサイド(医療機関側)を学ぶための育成プログラムを整えています。さらに「スタディーマラソン」という取り組みも行っています。何かテーマをひとつ決めて、全メンバーでそのテーマについて学び、日替わりで学びを発信していくという内容です。今、エージェント事業部は100名くらいのスタッフがいますから、それら知識のアウトプットのシャワーを100日間浴び続けることになります。

やはり専門業界なだけに、知識を付けることで、より看護師さんや医療業界の役に立てるようになるんです。だからこそ、そういった知識の獲得については事業部一丸となって取り組んでいます。

「看護師の人材紹介」から、「医療のトータル人材ソリューション」への進化を目指して

高橋:最後に、エージェント事業部の、今後の展望を教えてください。

溝口:先ほどもお話したとおり、「医療系の人材不足」という課題はまだまだ根深く、日本の大きな課題と言えます。そのため、今期からは「看護師の人材紹介」にとどまらず、「メディカルHR(Human Resource)」、つまり「医療におけるトータル人材ソリューション」を目指していきます。

今までは「看護師さん×病院」がメインでしたが、介護施設や在宅医療におけるリハビリ職のニーズや、病院における看護師さん以外の医療職募集についても『バイトルPRO』などを使い人材確保のお手伝いをしていきます。

高橋:そんな中で、どんな仲間に来てほしいですか?

溝口:初めから、医療業界や看護師さんに特別な思い入れや知識がないとダメというわけではないんです。それは、働いてからでも十分身につきます。

求める方としては、「この仕事をするんだと自分で決めた」という覚悟を持って働いてくれる方。仕事って、基本的にすべてがうまくいくということはないし、むしろ、うまくいかないことのほうが多いです。そういった、うまくいかないことを「うまくいかせること」も仕事のうちなんです。とくに新人の頃は、入ってすぐはうまくいかないことだらけだと思います。だから、やはりそこに対しての覚悟がないと、ちょっとした差異やつまづきが気になって、踏ん張りがきかなくなってしまう。自分で決めた以上は、覚悟を持ってやり切れる人。自分の環境を自ら心地よくして働ける人。そういう方に来てほしいですね。

高橋:「医療業界に今は思い入れや知識がなくても大丈夫」とのことですが、逆にどんな方ならこの仕事に熱中できますか?

溝口:人材紹介業のやりがいは、やはりダイレクトに人と関われ、ダイレクトに感謝されることだと思います。商材がない中、自分自身が商材と言えますし、その商品価値は自分の努力次第でいくらでも上げられる。そういったことにワクワクできる方なら、きっと熱中できると思います。また、採用場面に直接立ち会え、求職者の方からも、医療機関の方からも、直接感謝していただける。こんなにやりがいのある仕事はないですよ。

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溝口 吾朗

HR事業本部 エージェント事業部 事業部長 2016年7月、中途入社。大手人材系企業を退職後、新規事業の立ち上げ支援を行うコンサルタントを開業するも、「アドバイスだけではなく、自ら実行責任を負いたい」と思い、事業会社であるディップへ。趣味・好きなことは、バンド、ガーデニング、サブカル全般。

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高橋 正憲

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。Twitter:https://twitter.com/MasanTakahashi