ディップの強みを生かし、 中小企業向けのDXをワンストップで提供する。

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三浦 日出樹
執行役員 DX事業本部 事業本部長 ▼詳細

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高橋 正憲
事業推進本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 ▼詳細

DX事業立ち上げのため、2019年1月にディップへとジョインした三浦。“Labor force solution company”という新たなブランドステートメントの実現に向けて、DX事業本部としてどのような未来図を描き、何を成し遂げようとしているのか、聞いてみた。

1年半ですでに3回のピボット。ようやく0が1になった。

高橋:三浦さんがディップにジョインされてから約2年、事業立ち上げから約1年半が経ちますが、今のところ感触としては「想定どおり」に進んでいますか?

三浦:新規事業は正直なところ「どうなるか分からない」要素が強いので、そもそもの想定と比べてどうというのはあまりありません。しいて言うなら「ようやく0が1になった」感覚はありますね。

高橋:と言いますと?

三浦:僕も今までいろいろやってきましたが、感覚的には9割5分くらいの新規事業が「0が1にならない」まま終わるんです。

0のときって、0をいくつ足してもいくつかけても0なんですよね。0のままだと、それ以降の事業の絵が描けない。ただ、1になると、それを10個足せば10になるし、100をかければ100になります。つまり、今後の事業の絵が描けるベースが1だと思うんです。だから実際の売上がどうとか、組織がどうなったとかではなくて、僕としては「ようやく今後の事業の絵が描けるところにやってきた」という感じですね。

高橋:かなり紆余曲折があったと。

三浦:実は、最初の事業計画からすでに3回くらいピボット(方向転換)しています。「中小リテール企業に向けて業界特化型のRPAテンプレートサービスを提供する」というのは当初の計画どおりに行いましたが、それ以外に今行っていることは当初の計画にはまったくなかったことです。それくらい、新規事業というのは本当に想定が難しい。常に市場を見ながら、施策を打ちつつ、「0が1になる」まで考え、試し続けるといった感じですね。

高橋:ちなみに、三浦さんは2017年にフィンテック系ベンチャーを自ら創業されていたようですが、なぜディップに?

三浦:一言で言えば「社長の本気度」です。ディップは利益率が高く、一般的には儲かっている会社の部類に入ると思うのですが、冨田社長とお話したときに、求人メディア事業一本槍(やり)への危機感だったり、デジタルの分野で大きな事業を成功させるんだという強い意志を感じました。ふつう、これくらいの規模感の会社だと「いくつかの事業をとりあえず小さく試して、そのうちひとつでも当たればその事業にリソースを投入する」のが定石だと思うのですが、冨田社長からは「『Labor force solution company』の実現に向けて、このDX事業にすべてを懸ける」という意気込みを感じました。経営者がここまで本気であればきっと成功の確率は高まるし、自分もその大きなチャレンジに参画したいなと思い、ディップへのジョインを決意しました。

中小企業向けのDXを、ワンストップで提供する。

高橋:先ほど「0が1になった」というお話がありましたが、具体的にはどのようなことを意識し、事業を進めてこられたのですか?

三浦:ディップはすでに中小企業やベンチャーではない規模になりつつあるので、やはり「ディップの強みを使う」ことは意識しましたね。たとえば営業力や、顧客基盤、資金力などですね。僕もそうですが、DX事業本部の営業の責任者も、プロダクトの責任者も、前職では小さなスタートアップをやっていた経験があるからこそ、そういった「スタートアップにはできない戦い方」をするようにしています。

高橋:なるほど、ディップにしかできない戦い方をすると。そこから見えてきた方向性などはありますか?

三浦:これからさらにピボットする可能性もありますが、今のところ大きな方向性としては「中小リテール企業向けのDX支援をワンストップで提供する」ことを考えています。

高橋:具体的には?

三浦:中小リテール企業にDXが広がっていない原因はいくつかあるのですが、ひとつはITリテラシーがそこまで高くないという現状があります。その場合、UI/UXがとくに重要で、直感的に使えるUI/UXであることが成功の必須条件です。その点、「面接コボット」は直感的に使える製品になっており、たくさんのお客様に使っていただけるようになりました。そういったUI/UXを含めた品質をきちんと保持しながら、それをいかに中小リテール企業のお客様でもご利用いただきやすいコストで提供できるかがキーになります。

高橋:他には何かありますか?

三浦:当初は自社開発で進めていましたが、よりスピーディーに、より幅広いサービスを用意するために、最近では他企業からの仕入れや、OEMなど、さまざまな手法をとっています。とくにディップの場合、「AI.Accelerator」などで培ったスタートアップとのつながりがあるため、投資、資本提携なども行っています。

高橋:なるほど。

三浦:とはいえ、仕入れ、投資を行うだけではうまくいかないと考えています。たとえば、スタートアップやベンチャー企業の場合、サービスは良くても、たくさんの企業に導入した実績や、運用の経験はありません。そういったときに、「大規模なリクエストが来たときにどのように対応するか」などはディップの品質保証のチームが入り込んで一緒に改善を行っていますし、顧客要望に合わせた機能追加なども行っています。

また、CSも基本的にはディップが巻き取るようにしています。導入のサポートや、導入後の対応もディップが行い、顧客から見たときに「DXのことはすべてディップに相談すれば大丈夫」という世界観を目指しています。

高橋:なるほど、だから「ワンストップで提供する」なのですね。

三浦機能、UI/UX、価格、CS…どれかひとつでも欠けるとダメで、それらすべてを中小リテール企業に最適化すること。そしてそのバランスを取りつつ、事業スピードをゆるめないこと。そのあたりが経営として一番難しいところだと感じています。

2024年2月期に売上高約450億円を目指しているので、目標は相当高いです。40~50億円で良ければ今のままでもいいのですが、一桁違うので。このすべてを揃えないと、絶対に達成できないと思います。

高橋:競合などは意識されていますか?

三浦:ディップの主力事業である求人広告市場のように寡占された業界の中でパイを取り合うのではなく、DX市場は業界自体が非常に拡大しています。だからこそ、競合を意識するよりは、このマーケットの中でいかに早くクライアントからのロイヤリティを獲得するか、が大事です。とにかく早くつくって早く売っても、CSが整備されていないと次は買ってもらえないだろうし、だからと言って「いいサービス」をじっくりつくっていても他社に先を越されてしまう。顧客ニーズにいかに早く気づき、誰よりも早くそこに最適なものを提供できるか。それが一番大事ですね。

「野球」ではなく「サッカー」型のチームにしたい。

高橋:DX事業はまだまだこれから拡大フェーズかと思いますが、どのような人に来てほしいですか?

三浦:やはり新規事業なので、誰かから指示を受けたり、誰かに言われたことをやるのではなく、自分で課題を見出し、自分で解決策を考え、結果責任を取れる人に来てほしいですね。

とくに中途採用においては、「野球型」ではなく「サッカー型」のチームでありたいんです。野球の場合、すべて監督が決めますよね。「次は右に打てと」とか「次はバント」とか。でもサッカーの場合、試合が始まったら監督にできることは限られています。キーパーが抜かれて点が入りそうになったら、誰の指示を受けるでもなくセンターフォワードも帰ってきてゴールを守るじゃないですか。いちいちそんなことまで監督が指示しないですよね。各々がボールを止める、蹴る、ヘディングができるといった基礎的なスキルがある前提ですが、その上でみんなが自分で考え、周りとのコミュニケーションも自ら取って、その上でチームの勝利に向かって各々が最適な動きをするサッカー型が僕の理想の組織です。だからDX事業本部も、いろいろなプロが集まった上で、各々が最適な判断をしながら同じ目標に向かって進む、サッカー型のチームにしていきたいです。

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三浦 日出樹

執行役員 DX事業本部 事業本部長 2019年1月入社。モバイルコンテンツに携わり、長きに渡りIT業界に従事。2017年フィンテック系ベンチャーを創業。その後、ディップでの新規事業の事業部長として入社し、現在は執行役員 DX事業本部長を務める。

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高橋 正憲

事業推進本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。Twitter:https://twitter.com/MasanTakahashi