たった2年で予想を上回る浸透を見せた、組織課題に対する施策とは。

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渡邉 暁雄
商品開発本部 システム統括部 統括部長 ▼詳細

緒方 崇允
商品開発本部 システム統括部 組織開発推進室 マネジャー ▼詳細

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秋山 美優
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作2課 ▼詳細

高橋 正憲
企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 ▼詳細

「テック課題を、コミュニケーションという土台部分から改善していきたい」──そんな思いを持つシステム統括部長の渡邊と組織開発推進室マネジャーの緒方が、2019年に出会って約1年が経った今。システム統括部内にて、#subakoという名の施策が動いている。

組織課題を施策に落とし込むまで。

秋山:前回のインタビューで少し触れていた#subakoという組織課題に対する施策について、もう一度ざっくり教えていただけますか?

緒方:はい。#subakoにはシリーズがあって、僕と暁雄(あきお)さんとで毎週月曜日に音声収録をしてSlackに流す#subako-radio、システム統括部内メンバーからゲスト2名を招いて2on2で対話をする#subako-talk、リアルタイムで対話を配信して、参加者がコメントで参加できる#subako-liveと、今はこの3つが主軸です。

秋山:何度伺っても面白そうだなぁと思います。この施策はどういう経緯で始まったのでしょうか?

緒方:暁雄さんとは毎日1日1時間の会話時間を設けていて、ここで暁雄さんの持つ課題感とか僕からのアイデアを話し合ったりしていました。僕が入社1ヵ月後くらいにはシステム統括部の全社員と1on1で話す時間をいただいて、メンバーの興味関心だったり、組織に対する想いや考え方を直接話しながら確認させてもらったんです。

秋山:部内の全社員ってすごいですね。

緒方:それらを踏まえて、暁雄さんと一緒に部内のエンゲージメントを高める方法とか、組織開発という考え方をどう根付かせていくかということを改めて考えて。そして採用マーケティングや立教大学教授が出している組織開発の本なども参考にしながら掲げた戦略が、①急な変化を求めるのではなく、認知から徐々に進めていくこと。②『問題提起から解決までの対話』という流れの循環を仕組み化すること。この2軸でした。それからこの2軸に則って施策を打ってみようと考えて、ラジオとかトークとかいいね、シリーズで運用していきたいねって話になったんです。

秋山:なるほどです。メンバーによっては当時まだ「組織」という広い視点を持っていなかった方もいたかと思うのですが、一番最初の導入はどんなふうに進めたのでしょう?

緒方:そうですね。そもそも、組織課題をどう捉えるか?というと、いろんな考え方や定義があります。なのでシステム統括部の方々には、まず「当事者である自らが自分たちの組織を良くしていくこと」を示しました。現状を変えていくという動きって、今やっていることの否定につながってしまう部分もあって、皆が必ずポジティブな気持ちになれるかと言うとそうではない。だからこそしっかりと時間をもらって、『組織開発推進室のMV』を掲げながら「誰のためにやるのか?」というところから、変わっていくことをどう捉えて、どう考えていくか?の説明もしました。VISIONの方は少し大げさな言葉を使っていますが、自分たちにとっての「最高」を考えるキッカケにしたいという考えもあって、一種のシラけも覚悟で提示しています。

秋山:『#subako』という名前の由来もお伺いしたいです!

緒方:名前は、そのまま日本語読みの「巣箱」を由来としています。情報が生まれ、育ち、飛び立つ巣であるとか、情報が蓄積される箱というイメージが施策全体の意義と合っているなと。

渡邉:シャープ大事ですよ、シャープ。

緒方:あっ、そうそう。#subakoには頭に「#」が付くんですが、これはすごく大事でして。Slackとかでも「#」って『オープン』の意味で付けているじゃないですか。そういう感じで、オープンな情報だよっていう意味を込めているんです。もうひとつは、シリーズとして続けていくっていう意味でハッシュタグの要素もありますね。

秋山:響きもいいですよね。言いやすいです。

緒方:結局、施策って日常の中で使われないと定着しないんですよね。なので、可愛すぎず・カッチリしすぎず・言うときに恥ずかしくないように……と、声に出すことのハードルを如何に下げるか?を意識しました。そういう意味では、公表する前はすごく緊張しました。

渡邉:「暁雄さん、この名前どう思いますか!」ってすごく聞いてくるんですよ。いいじゃん出せ出せ!って背中をけっとばすくらいの後押しをしました(笑)

秋山:(笑)

毎週15分の社内ラジオ配信、開始。

秋山:ラジオという具体的な形式は割と早めに決まったとのことでしたが、それはなぜですか?

緒方:知人に似たような取り組みをしている方がいて、それを知った時に「あ、それいいかも」って思ったんですよね。声って、文字よりも熱量や気持ちが伝わりやすいんですよ。こねくり回されていない状態の、リアルな言葉で想いを伝えられそうでいいなって。

渡邉:社内ラジオって、2019年くらいはエンジニア界隈で社内ポッドキャストの講座が開かれていたり、エンジニアの大きなイベントの中で社内ポッドキャストのネタに1時間の枠が使われていたほど、アーリーアダプターたちに割と注目されていたコンテンツなんですよ

秋山:だから施策の中でも#subako-radioが最初の試みだったんですね。どんなふうに進めていったんですか?内容決めとか、編集とか。

緒方:僕が凝り性で、やり出すと止まらないんです。なので1回で流す時間を15分と決めて、編集は基本的にはしない方向にしました。でも、進め方はコンテンツもフローも決めずにやってみました。台本がしっかりしていたほうがいいか?とか、僕がパーソナリティで暁雄さんがゲストでっていう体裁にしようか?とか、やりながら決めていく感じで進めていったので、初回は6~7回くらい録り直しましたよ(笑)

秋山:6~7回!台本はどんなものになったんですか?

緒方:台本はですね、わりと早めに捨てました(笑)道筋がある程度決まっていると、次はこう返ってくるはずだって待っちゃったりしてテンポが悪いんですよね。なにより、話している僕たちが面白くなくって。

渡邉:気持ち悪かったねー。僕らは演者じゃないから無理だなって思いました。

秋山:なるほど(笑)

緒方:なので話す内容は、僕と暁雄さんが続けている毎日1時間の会話中とか、毎週月曜日12時からの収録前とか、柔軟に時間を取って話し合ってます。

渡邉:自分たちも楽しめるようなコンテンツ作りを目指しているので、中身についてはそれとなく決めるくらいですね。入りと着地、間のマイルストーンくらいだけ決めて「じゃあこんな話をしようか」って感じで進めています。組織や僕の今の価値観とかの話に加えてしょうもない話もしながらやっているので、気楽に聴けるものになっているんじゃないかなと思います。

秋山:話の流れは自然に任せてって感じでしょうか?でもそれだと編集が大変そうな。

渡邉:緒方さんがね、厳しいんですよねぇ。

緒方:厳しいって(笑)それ、いい話ですよね?

渡邉:もちろんいい話です(笑)僕はけっこう散らかしながら話してしまうんですよね。でも、「こういう感じで話そうと思う」と伝えると「それだと聴いた人が勘違いしそうなので、この伝え方はどうですか?」って客観的な意見をくれる。おかげでメッセージの連続性について考えたり、伝えたい言葉の背景が伝わりやすくなっているか振り返ったり、そういうことの大切さに気づけるようになってきています。

緒方:暁雄さんは全体というか、伝えるべきメッセージのほうの視点でお話をしていただくと思うんですよね。僕は伝える人ではないので、聴く側の視点に立つことができる。なので聴く人がアレルギーを起こさず聴けるように、やりながらチューニングしていくということができているのかなと思います。お互いの役割がちょうどいいところに収まってるんですよね。アクセルとブレーキみたいに。

渡邉:120キロ出しても80キロくらいに減速させてくれるから、いくら踏んでも大丈夫(笑)

次の施策目的は、メンバーの雑談時間を作ること。

秋山:おふたりが組織について語り合う#subako-radioとは別に、ゲストを招いて2対2で対話をする#subako-talkというのもありますよね。対談中の進行は、やはりラジオとは違いますか?

緒方:#subako-talkは、#subako-radioほどテーマを設けていないんです。というのも、お互いの価値観を赤裸々にしてメンバーのコミュニケーション機会を増やすという目的を持ってやっている施策なんですよ。だから決めていることとしては、完全非公開であるとか、評価には絶対に影響しないとか、この時間はMTGじゃなくて会話をすること、とかですね。

#subako-talkの方針資料

渡邉:進め方もカッチリ決めているわけじゃないけど、傾向としては僕がめちゃくちゃスキームを広げて、緒方さんが「こっちこっち!」って軌道修正する、みたいな感じですね。

緒方:そうですね。#subako-radioに比べると内容は散らかってますがそれでいいと思っています。そもそも暁雄さんは統括部長という立場ですし、僕はシステム統括部の課内メンバーでも彼らの上司でもないので、謎の人。そんなふたりが急に招いたゲスト2名に向かって「自由に話していいよ」と伝えてもなかなか難しい。なので、話が重複してもいいし、インタビューじゃないから皆で自由に発言していこうねっていうのを織り交ぜたグランドルールを設けて安心感を持ってもらえるようにしています。

高橋:でも、雑談しよう!ってけっこう難しいですよね。トークの軸みたいなものは毎回設けているのでしょうか?

緒方:ここは手前味噌ながら、僕と暁雄さんがどっちもファシリテーターという気持ちでめちゃくちゃがんばっていると思います(笑)テーマを設けてはいますが、それに沿って話してほしいというよりは、雑談の中でゲストの価値観とかを聞き出したいっていうのが目的なので。

渡邉:ゲスト同士での会話は自然発生しづらいから、僕たちそれぞれでひとりずつ話を掘り下げていく感じですね。偏りすぎないように気を付けながら進めています。

緒方:2on2だけど、2on1をふた組同時にやっているような感覚です。『インタビューはしない』というルールを外れない程度に、「●●さんどう思います?」って会話のバトンを渡すなどを積極的に行ったりとか。

渡邉:僕らは必死で回して、ぜえぜえ言ってるけどね(笑)でも業務じゃない会話から出るそれぞれの価値観の違いとか、ゲスト同士がお互いの人となりを知るという時間ってすごく大事だし、作っていかなきゃいけないと思っているんです。なのでゲストを選ぶときは、「このふたりを合わせたら、彼らにこんな気づきがあるんじゃないか」とかを考えながらやっています。すでに23組くらいがやっていて、目論見通りゲスト同士で「こんな人だったんだ」という気づきがあったメンバーもいるようで。1時間、雑談交じりの会話をすることに給料を出す価値を問われれば、僕は迷わずやるべきだと答えますよ。そこから得れるものが、より業務をいいものにしてくれるはずですから。

ふたりだからこそ安心して進められる。

秋山:これらの施策について、メンバーの反応はいかがでしょう。

緒方:アンケートを取ってみると、ありがたいことになかなか高い数値が返ってきているんですよ。任意回答なのに、『#subako-talkにまた参加したいか』という項目では100%「はい」をいただいていたり。

渡邉:#subako-radioも含め、#subakoシリーズはだいぶ浸透したと思います。Slack内でメンバーから「これは新たな#subakoが生まれるのか?」なんてコメントが出たりするようにもなって。まだ僕が統括部長になって2年くらいで組織課題という視点をメンバーに伝えてから間もないのに、もうここまで来たかという感じです。4年はかかると思っていたんですが。

緒方:そうですね。もうひとつ、この施策が上手くいっているのは僕と暁雄さんの関係性があって、ある程度の会話ができるという前提があるからという節もあります。僕が困っていれば暁雄さんが、暁雄さんが困っていれば僕がフォローして会話をつなぐことができる。仮に僕がひとりだったら、#subako-radioは続ける熱量を維持することができなかっただろうし、#subako-talkであれば、僕ひとりでゲスト2名を相手にファシリテーションすることはできていないと思います。

渡邉:心理的安全性を確保できている関係の相方がいるからこそ、続けられている感じはありますね。

緒方:僕らにとっても、この施策を通して学びになることがたくさんありますし、メンバー人のとなりもよく理解できる。時間が許す限りは続けていきたいと思っています。

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渡邉 暁雄

商品開発本部 システム統括部 統括部長 マクドナルドへ新卒入社した1年後、IT業界へ飛び込む。約15年ほどのエンジニア経験を経て、2017年にディップへ入社。現在は統括部長として、メディア推進室・情報システム部・組織開発推進室・システム開発部・セキュリティ推進室を統括。最近はタクティカルバトルRPGのスマホゲームに熱中気味。

緒方 崇允

商品開発本部 システム統括部 組織開発推進室 マネジャー 2019年6月入社。エンジニア領域における組織開発、採用、育成、ES(従業員満足度)向上、予算管理などを担う。好きな映画は「プライベート・ライアン」。最近はイメチェンをはかり育髭中。下の子には喜ばれるが上の子には嫌がられる。

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秋山 美優

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 首都圏制作2課 ライター・ディレクターを担う人。感化されやすく占いは9割信じるが、1割の猜疑心が根深い。最近の生活に欠かせないものはYoutubeとアマプラ。

高橋 正憲

企画・統括本部 クリエイティブ統括部 広告制作部 コンテンツプロデュース課 3代目dip people編集長。2008年に新卒で入社し、進行管理、広告審査室、制作ディレクター、管理職などを経験。2020年4月より現職。Twitter:https://twitter.com/MasanTakahashi

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